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『【融界】2.他者英雄共鳴A 』
古賀 菖蒲(旧姓:サキモリaa2336hero001)&Aliceaa1122hero001)&世良 杏奈aa3447)&鞠丘 麻陽aa0307


●CASEA:鞠丘 麻陽・Alice


 ──他者英雄共鳴A
 被験者 能力者:鞠丘 麻陽(aa0307),英雄:Alice(aa1122hero001)
 協力者 古賀 菖蒲(旧姓:サキモリ(aa2336hero001) ※英雄,VBS内にて共鳴状態に設定


「VBSシミュレーション──開始します」
 VBSをモニターしているホリーが固い声で告げた。


 簡素だった室内の様子が変化してVBSのステージが広がる。
 麻陽とAliceは物珍しそうに周囲を見渡した。
「本物みたいなんだよ!」
「これは凄いですね♪」
「共鳴、できるかな、だよ……」
 互いのパートナーとするように、向かい合った麻陽とAliceは少し戸惑いながら互いの瞳を見つめる。
「──ちょっと気恥ずかしいですね♪ 鞠丘さんは大丈夫ですか?」
「少しだけ緊張するんだよ。Aliceお姉さん、よろしく、なんだよ……」
 共鳴(リンク)の仕方はそれぞれのリンカーによって細部は違うが、能力者と英雄がお互いの存在を認識しながら幻想蝶に触れるのが基本だ。
 しかし、今回は誓約によって生まれる幻想蝶(ライヴスメモリー)は無い。
 ──そうですねえ、普段通りは……さすがに、ちょっと驚かれちゃいますよね♪
 Aliceの場合、普段は能力者とのハグとキスで溶け合うように共鳴するのだが。
「それこそ、嫉妬されてずるいって言われちゃいそうですね♪」
「?」
「いえいえ、始めましょう♪」
 キスの代わりに顔を見合わせたふたりはそっと手のひらを合わせた。
 手のひらから伝わる互いの熱とライヴス。
 すると、疑似的なライヴスの蝶の群れが発生し二人を包み込んだ。
「すごいのじゃ──!」
 見ていた菖蒲が思わず声を上げる。
 普段の共鳴の様にすぐにライヴスの蝶は消え、そして、そこには見慣れぬ少女が立っていた。
 Aliceの影響だろう、狐の耳と九つの尾を持つ、十五歳ほどに成長した麻陽。
『──いつもよりも……デカい……』
 頬を赤らめて愕然と呟くAlice。
 麻陽の共鳴の姿は元々スタイルが良い。だが、今回は普段の共鳴よりやや年齢が上がったためか、Aliceに影響を受けたためか、彼女の身体つきはより女性的なラインを描いて成長していた。特に胸とか。
 これは……、麻陽とは、ある意味、とても相性が良いのではとAliceは感じた。
「わわ、すごいんだよ……」
 普段の共鳴より発育の良い外見に麻陽も少し戸惑う。
 ──み、みっつくらいはサイズアップはしている気がするんだよ……!
 だが、すぐに他の変化にも気付く。
 ぴょん、と飛び跳ね、そのままその身軽さで蜻蛉を切ると、成長した身体は意外にもいつもより機敏に動いた。
「シャドウルーカーってこういう感じなんだね、だよ。ちょっと楽しいんだよ!」
『ふふ、よろしくお願いしますね♪』
 顔を輝かせて麻陽は頷く。
「よろしくなんだよ!」
 一方、対戦相手としてログインした菖蒲もパートナーとの共鳴状態を再現した姿に変わっていた。
「うーん、ジーチャンが居ないと変な感じじゃの」
 普段と同じ共鳴状態、ライダー「サキモリ」の姿なのだが拭えない違和感がある。
 ──そこは仕方ないと納得するしかないのう。
 拳を固め、麻陽たちに向き直る。
「鞠丘おねーちゃん、Aliceおねーちゃん、行くのじゃ」
「手加減なしだよ、アイリスちゃん! ──Aliceお姉さん、本気でいくんだよ!」
 だが、何度目かの打ち合いの後、モニタールームからホリーが叫んだのだった。
「ストップ! すみません、実験中止です!」


「鞠丘おねーちゃん、Aliceおねーちゃん、すまんのじゃ……」
 しょぼんと頭を垂れた菖蒲に、ホリーが甘い紅茶の入った紙コップを勧める。
「いいえ、私たちの方こそすみませんでした。システムの不具合です。英雄側の共鳴状態を作り出すことができず、疑似的なライヴスを纏った攻撃を再現できませんでした」
 そうなのだ。菖蒲の攻撃は共鳴した麻陽には全く通じなかったのだ。
「失敗なんですね──」
「残念なんだよ……」
 がっかりするAliceと麻陽。
 思わずテーブルに突っ伏した菖蒲の胸の下から小さな音が流れた。
「──ん……」
 画面にはメッセージアプリからの着信を知らせるウィンドウ。
 他の三人が沈んだ顔でお茶を啜っているのを見て、菖蒲は何気なくそれを開いた。
『こんにちは、アイリスちゃん。今日、依頼の打ち合わせでH.O.P.E.へ行ったんだけど、そこで他の子持ちのエージェントさんたちとランチ会の話が出てね』
 バタン、と椅子を倒して菖蒲が勢いよく立ち上がった。
「──こ・れ・ぢゃ!!」
 驚いた顔の三人へ、菖蒲はドヤ顔でスマートフォンの画面を見せた。


 軽い仕事の帰り道。
 ベンチに座ってのんびりとバスを待っていた彼女はスマートフォンが鳴っているのに気づく。
「あ、来た来た」
 菖蒲からの返信を楽しそうに開いた彼女は、そこに綴られた予想外の内容に目を丸くした。
「──へえ、そうなのね。面白そう」



●New challenger
「わらわのママ友なのぢゃ」
 菖蒲に紹介された女性は柔和な笑みを浮かべて丁寧に頭を下げた。
「こんにちは、ママ友の世良 杏奈です」
 ウフフと笑うのはAliceや麻陽も知っているエージェント、世良 杏奈(aa3447)だった。
「まさか世良さんが来てくれるなんて♪」
「近くに居て面白そうだから来ちゃったの」
 にこにこと笑う杏奈を中心にきゃっきゃっと盛り上がる三人を他所にホリーは難しい顔をした。
「確かに能力者の参加は有難いのですが……、以前話した通り、麻陽さんの誓約が特殊であることから共鳴が可能なのであって」
 しかし、ホリーの言葉は勢いよく遮られた。
「大丈夫ぢゃ!」
 菖蒲がなぜか得意そうに胸を張る。
「世良お姉さんなら大丈夫なんだよ」
「ええ、きっと大丈夫です♪」
 ──三人による杏奈への謎の信頼感。
 結局、ホリーが押し切られる形で実験は再会された。


「大丈夫でしょうか──?」
 不安げにモニターするホリーへ、笑顔の四人がそれぞれ手を振る。
「……うう、実験始めます!」
 不安を押し殺して、ままよ! と号令をかけるホリー。
 静かに、VBSの世界が起動する。
 目の前に現れた狐耳の麻陽を見て、杏奈は目を見張った。
 髪はツヤツヤのグラデーション、主張するスタイルは抜群。
「──アイリスちゃん」
 杏奈は自分の仮の英雄である菖蒲の手を取って微笑した。
「?」
「共鳴、がんばりましょうね?」
「! 了解なのぢゃ! ──変身っ!」
 何かを察して、にんまりと笑う菖蒲。
 ふたりの気持ちがひとつになった瞬間、大量の幻想蝶が現れた。
 嵐のような光が収まると──ふわり、青いロングドレスの裾が花弁のように広がった。
 それは杏奈ではあったが──菖蒲と同じくせ毛の銀髪には彼女と同じ青い花が咲く。狐のような耳、狐の尻尾がぴょこりと動いた。
「『変身』完了、なのよ」
 可愛らしく囁くのは杏奈を主体に共鳴した二人だ。
『す、数値安定! 共鳴できました!』
 興奮したホリーの声が響く。
『当たり前じゃろう』
 したり顔で頷く菖蒲。
 すまし顔の杏奈はくるりと回った。
「あら、ケモ耳対戦なのね?」
『ソフィスビショップ同士、よろしくなのぢゃ』
 くるりと回ってお辞儀をする杏奈へ、麻陽たちもビシっと決める。
『シャドウルーカーとソフィスビショップのタッグも負けいないですよ♪』
「こっちだってソフィスビショップの手はわかってるんだよ?」
 ふわっとかき上げた髪と一緒に狐耳と九つの尾が楽し気に動いた。
『──それでは、戦闘シミュレーション開始します!』
 戦いの開始を告げるモニタールームからの声。
 同時に動く二人。
 武器を構える麻陽、ドレスを翻して距離を取る杏奈。
 シャドウルーカーとなった麻陽は勿論素早かったが、杏奈も動きにくそうなドレスをものともせず、その動きについて来る。
 機先を制した麻陽が杏奈へ得物を振るったが──その腕が豊満な胸に当たった。
「ひゃっ!?」
『あら♪』
 隙を見逃さずに反撃を試みた杏奈。慌てて、後ろに飛び退る麻陽。
 ──しょ、正直、ルーカ―の動きよくわからないんだよ……。
『ですよね♪ とにかく、まずこの身体にも慣れましょう♪』
 一連の麻陽を動きに目を奪われていた共鳴ちゅうの菖蒲は思わず呟いた。
『なんとなく羨ましいのう……』
「ウフフ、子供産むとワンチャンあるんじゃなかったかしら」
『……さすがにあそこまでは難しかったのぢゃ……』
 おっと、共鳴の話じゃった、と菖蒲は意識を杏奈に向ける。
『能力に不足は感じないのじゃが、やはり身体が慣れないのう』
「いつものアイリスちゃんの共鳴姿とだいぶ違うものね」
 移動しながら、しゅっしゅと軽くパンチを打つポーズをしてみる杏奈。普段のアヤメフォームと比べてだいぶ可愛い。
『うーむ、このフォームは攻撃よりも防御や回避寄りに感じるのぢゃ。一発火力よりも搦め手で攻めるの方がいいかも、なのじゃ』
「そうね? この姿だといつもより責めたいって気持ちが薄いから、それも面白そうね?」
『う、うん?』
 普段の共鳴では完全なドSフォーム(?)に変貌するはずの杏奈が微笑みながら小首を傾げた。
「じゃあ、こういうのは?」
 《拒絶の風》を纏った杏奈が麻陽の攻撃をひらりと避ける。
 反撃を恐れた麻陽が再び距離を取る。
「そう来ると思ったんだよ──。効果が終わるまで無駄打ちは避けるんだよ」
『はい、慣れながら進めましょうね♪』
 さすがに杏奈は同じソフィスビショップというだけあって、菖蒲のスキルを熟知している。
 だが、杏奈も菖蒲も熟練のソフィスビショップだ。
 そして、麻陽と杏奈の攻撃の読み合いが始まった。
 麻陽の攻撃を回避しながら、それを返すように《ブルームフレア》などを叩き込む杏奈。それを読んでうまく避ける麻陽。
「わわっ!?」
 時々、麻陽がバランスを崩す。
 ──む、胸元に伏兵がいるんだよ……。
 普段より軽やかだが慣れない身体で馴染みのない戦術は神経を使うのだ。
 その結果、何度目かの杏奈の攻撃を避けた時、麻陽は足をもつれさせてバランスを崩した。咄嗟に顔を覆って身を投げ出す麻陽へ重ねるようなブルームフレアが炸裂した。
「──くっ!」
『大丈夫ですか、鞠丘さん』
 麻陽に集中力の乱れが見え始めたのを察知したAliceは優しく語り掛けた。
『英雄と能力者はふたり一組のバディですよ♪』
 ぎゅっと一度目を強く瞑ってから麻陽は答えた。
「──うん、悔しいけど、お願いするんだよ」
「交代ですね♪」
 膝の埃を軽く払って、主体を代わったAliceが戦場に立つ。
『拒絶の風はもう切れているはずなんだよ!』
「了解です♪」
「あら」
 警戒を強める杏奈へ、滑るように走るAliceから光の針が放たれ、杏奈を捉えた。
 ──まず《縫止》、それから。
 距離を詰め、打ち合う杏奈とAlice。
 ──次に《毒刃》ですね♪
 Aliceの得物に特殊なライヴスが絡みつく。流れるような動きで彼女はそれを獲物へと向けた。
「トドメです──きゃっ!?」
 渾身の一撃を打ち込もうとしたその腕が普段より大きな胸を弾いた。
「いったあ……あっ!」
 思わず胸を抱えたAliceへ、素早く立ち上がった杏奈。
 気付いたAliceが回避する暇もなく、杏奈は微笑んだ。
「それ──、ゆっくりしていってね!!!」
 杏奈の《重圧空間》が場を支配する──。
「ゆっくりになったシャドウルーカーさん、まだ一緒に遊んでくれるのよね?」
 笑顔の杏奈。Aliceの頬を一筋の汗が流れ落ちた。



●Good Game
「楽しかったー」
「面白かったのぢゃ!」
「面白かったけど、負けて悔しいんだよー」
「強かったのです♪」
 控えの部屋に戻った四人はお菓子に囲まれたテーブルに突っ伏した。
「お疲れ様です」
 お茶を乗せたトレイを運んでくるホリー。満面の笑顔であることから実験は成功だったのだろうと察しがついた。
「ありがとうございます。非常に面白い実験結果を得ることができました」
 これは共鳴実験であって、グロリア社にとっては勝敗は関係ない。
 けれども、やはり普段から戦いに身を置くエージェントとしては勝ちたかった……──などという思いは、ホリーの後に続くスタッフが持って来た特大ケーキで霧散した。
「……これ、なんですか?」
 驚き、顔を輝かせる四人。
「ふふ、美味しいケーキ屋さんの特注品です。今回はトラブルもあってご迷惑おかけしましたから少し奮発してしまいました。スタッフも一緒ですが、みんなで食べましょう」
 美味しいケーキ屋さん、と彼女が言ったのは最近テレビや雑誌でよく取材を受けているおしゃれスイーツ店だ。
 疲れなど吹っ飛ばし、四人はお茶を楽しんだ。
「それにしても──、大きかったですね♪」
 贅沢に切り分けた大きなケーキをフォークで刺し、ぽろっと呟いたAliceに、なんとなく全員が頷いた。



●レポート
 『他者英雄共鳴A』で得られたデータの中で誓約を介さない共鳴の問題点がいくつか発見された。これはシステムとしての”誓約”を解析する上で今後の重要な課題となると考えられる。
 また、今回の実験を行うにあたって手順に重大な不備があり、英雄のみを核とした共鳴状態の仮定に失敗。
 原因は仮定システムの調整不足であり、現在、チームメンバー三名によって調整を試みているが難局を迎えている。
 実験自体は被験者の協力により新たに一名の能力者を加えることによって続行。新たな能力者とのシミュレーション上での共鳴が可能か疑問視されたが問題無く共鳴状態に移行(理由は調査中)。
 実験は成功、また、思いがけない他者英雄共鳴のサンプルデータを得ることも出来た。

 備考、トラブルはありましたが、今回の実験は成功と言っていいでしょう。
 参加者のカロリー消費が激しく疲労が見られるため、率先してお菓子のレパートリーを増やすこと。協力者への感謝はちゃんと言葉と行動で伝えるように! ──ホリー



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【aa2336hero001/古賀 菖蒲(旧姓:サキモリ/女性/外見年齢18才/ソフィスビショップ】
【aa0307/鞠丘 麻陽/女性/外見年齢11才/生命適性】
【aa1122hero001/Alice/女性/外見年齢15才/シャドウルーカー】
【aa3447/世良 杏奈/女性/外見年齢26才/生命適性】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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お時間頂き、大変申し訳ございません。
前回に引き続き、共鳴実験のノベルを担当させて頂きました。
他者英雄共鳴実験、とても興味深いのでシナリオでも観てみたいものです。
頂いた設定にあったとは言え、なにやらサイズの話がちょっと多くなりましてですね、すみません……。
気になる部分がありましたら、OMCを通してになりますがご連絡お願い致します。




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2018年02月06日

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