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『 ネイの部屋 』
宮ヶ匁 蛍丸aa2951)&ネイ=カースドaa2271hero001

 るーるるるるるるーるるるるるるーるーるーるーる。
「ほたるまるくーん、あそびましょー」
 直後蹴り破られる扉。舞う扉。それはドアノブあたりを中心点として風車の羽のようにくるくるくると回転しながら吹き飛び『黒金 蛍丸(aa2951@WTZERO)』の眼前を通過、そして逆サイドの壁へと見事に突き刺さった。
「え! ええええええ!」
 ここは暁訓練施設、と言っても多数ある空き部屋の内の一つ。
 ここに蛍丸はこもって精神集中と称して何時間も出てこなかったのだが。
 その沈黙を破りし存在が『ネイ=カースド (aa2271hero001@WTZEROHERO)』。
 その巨躯(女性にしては)で蛍丸の前にずーんっとたち、ぎらつく視線を蛍丸に向けている。
「どうしたんですか? ネイさん」
 その言葉に顔をしかめるネイ。
「それはこちらのセリフだ。皆が心配しているぞ」
「いえ、僕はそんな」
「何が原因だ?」
「え? お前がそんなに落ち込んでいるのは何が原因なんだ」
「それは……」
「なんだ? 言えんのか? 俺に言えなくて誰に言える? まさか自分でまた抱え込むのか? これだけ心配をかけておきながら?」
「そんな、僕は心配される価値もありません。自分がもっとしっかりしておけば良かっただけなんです」
「なぜ、何も言わない?」
「そうですね、早いうちにネイさんに、誰かに助けを求めたりした方が良かったのかな? でも、もう遅いことです、僕は、僕は……」
 そう告げて俯いた蛍丸。その姿を見てネイは溜息をついて言葉を続けた。
「あの女どもを殴ってくれば話は片付くのか?」
「違います!!」
 蛍丸は立ち上がってネイの瞳をまっすぐ見つめた。
「あの人たちには手を出さないでください。悪いのは僕で、こうやって悩んでいるのも僕が……」
 そう蛍丸がいい終らないうちにネイは半歩下がる。
 右足を後ろに下げて左の拳を前に、右手を矢のように引き絞る。
「そうか、分かった、とりあえず殴るぞ」
「はい……って、え?」
 しかし、ネイの殴るは仲間に向け殴るのレベルを超えていた。
 ごうっと音を立てて収束される霊力、全身を赤黒い炎が纏う、それは拳を何重にも取り巻き、熱量と威力を跳ね上げる。
「歯を、食いしばれ」
「ええええ!」
 蛍丸は目を瞑った、直後その右頬を遠慮なしにネイの拳が打ち据える。当然小柄な蛍丸の体は木端のように舞い、扉と一緒に壁に突き刺さる。 
 暁兵舎を轟音が揺らした。
「誰も来るな!」
 そう廊下の向こうに告げるとネイは蛍丸に歩み寄り、その胸ぐらをつかみあげる。
「もう答えを出すことから逃げるのをやめろ!!」
 告げると蛍丸は目を見開く、そしてその目を細めると唇に滲んだ血をぬぐった。
「ネイさんに何がわかるっているんですが、僕の、なにが」
「知らん、解らん。だが今のお前の言葉が自分を迷わせていることだけはわかる、それをやめろと言っているんだ」
 そう告げるネイからしらーっと蛍丸は視線をずらす、それを良しとしなかったネイは頭突きをしてでも蛍丸の視線をネイの瞳に向けさせた。
「考えて見ろ、しっかりとはなんだ。具体的に語ってみろ」
「それは……」
「それはもっといい解決があったはずだという、お前の願望に過ぎない、しかし具体的に思い描けるヴィジョン以外に頼れるものは何もない」
「…………」
「それにな、俺は悲しいぞ、俺達は皆お前に助けられ助けたいと思っていたがな、お前は誰一人頼らなかった。だが俺は思う、助けを求めるも求めないも御前の自由だ」
 その言葉に蛍丸は後ろめたさを感じたのか目を伏せる、しかし再びネイの頭突きが蛍丸を襲う。
「でも、僕は、僕は無理ですよぉ」
 そう蛍丸は両目を手で押さえて震える声で告げた。
「だって、だって」
 その理由さえ蛍丸は口に出せない、それは潜在的な恐怖から。
 もし助けを求めたとして断られてしまったら、迷惑をかけてしまったなら。
 そして、もし重大な場面で、そんな弱さを見せてしまったら。
 仲間が死ぬかもしれない。護ると誓った誰かが死ぬかも。
 それなら自分で、自分が、皆を、皆を守ったほうがいいのだ。
 全部を、自分で。
 それで自分が燃え尽きてもいい、死んでもいい。
 ただ全力で、誰かを、誰かを守りたい、そのために頼るべき誰かは邪魔なのだ。
 だって、心中になってしまうかもしれないから。
 それを蛍丸は本能で感じ取っている。
 そしてそんな心理をネイも理解できる。
「重要なのは自己覚知だ」
 ただ、理解できるだけだ。共感はしない。
「お前は強い様でその実ただ心の声に鈍感なだけだ、破滅願望だ。心の悲鳴に気付かず、お前はある時電池が切れた様に倒れる」
 それは蛍丸が何度も思い描いだビジョン。
 そうなることを望まないにせよ、蛍丸は想定はしているのだろう。
「それはもう一人の自分に気付かぬ故だ」
「気づいてますよ……僕は気付いている」
 蛍丸はネイの腕を掴んで瞳を覗き込んだ。
「でも、どうしようもないんです、それが間違っているとも思えないんです。僕は…………僕は」
「お前はいつか、仲間を死なせるぞ」
 その言葉に蛍丸は凍りついた。
「大切な人間を失うぞ」
「なんで……」
「良くきけ、お前は戦う「プロ」だ。弱点は弱点で構わん、己の精神を然りと見詰めろ」
 でなければ。
「お前の迷いと、独りよがりが周りの人間を迷わせる。しってるか? その通路の向こうにお前を心配する人間がごそっと集まっている」
 ネイが告げると蛍丸はやっと廊下に意識を向けることができた。確かに人の気配がする、何人も、何人も。
「おまえはもう、一人ではない」
 告げるとネイは立ち上がる。
「恋愛沙汰の正誤など知らん。それに関しては俺を頼るな」
 だから今日は蛍丸を糾弾しに来たわけではない、そう言いたかったのだろう。
「俺は自分の恋人をもこの手で殺した男だ。まぁ今は女だ、お前の子供も産めるぞいざとなったら頼れ」
 それに蛍丸は苦笑いを返す。
「いや冗談だ」
 告げるとネイは蛍丸に手を差し出す。 
 蛍丸は割れた額から溢れた血をぬぐうとその手を取ってたちあがる。
「総括するとだな、こんなキノコでも生えそうな場所にいるから思考がまとまらんのだ。あとは飯を食え。とりあえずそこから始めろ」
 告げたネイに蛍丸はやっと笑顔を返した。
「はい、ありがとうございます。自分のことを見つめなおして、また元気な姿をみせますから」


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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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『黒金 蛍丸(aa2951@WTZERO)』
『ネイ=カースド (aa2271hero001@WTZEROHERO)』
ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 いつもお世話になっております、鳴海でございます。
 この度はOMCご注文ありがとうございます。
 今回は珍しい組み合わせだなと思いつつ、書かせていただきました。
 心理描写も堀深めて見たのですがどうでしょうか。
 気に入っていただけたなら嬉しいです。
 それではまたの機会にお会いしましょう。
 鳴海でしたありがとうございました。
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2018年04月17日

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