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『触手で温泉です。〜夢見る少年編〜 』
高野信実jc2271


 宮城県大崎市・鳴子温泉郷――。
 鳴子温泉郷とは、宮城県大崎市に存在する五つの温泉の総称。
 それを構成する五つの温泉は鳴子温泉、東鳴子温泉、川渡温泉、中山平温泉、鬼首温泉である。

 これは鳴子温泉の、とある温泉宿でのお話…………ではなく。
 舞台は宮城県のお隣、岩手県盛岡市・繋温泉(つなぎおんせん)。そこに存在する宿での出来事。

 ちなみに繋温泉は盛岡市街の西奥、雫石町との境界線近く、御所湖というダム湖の畔に位置している。

 ***

 三界協定が結ばれた後、平和が訪れた世界――。

 高野信実(jc2271)は久遠ヶ原学園に寄せられた、主を失い野良と化したサーバント駆除の依頼を引き受け、久しぶりに故郷・岩手の地を踏んだ。
「相変らず、綺麗なところっすね……」
 昔と変わらぬ緑豊かな故郷の風景を眺め、信実はぽつりと呟く。
 大きく息を吸い、大きく息を吐き、深呼吸。――空気もおいしい。

 信実は将来、天魔に関わる仕事……具体的にはそれに関係する警察官になりたいと考えていた。
 世界が平定されたとはいえ、天魔・人間の三種族が完全に共存して暮らすにはまだまだ課題が多い。
 これまで撃退士として培ってきた力、および知識や人脈などを活かせる仕事に就きたいと少年は思う。
 ――まだ十代も半ばだというのにしっかりとした将来図を信実は持っていた。

 両親が離婚してしまい、母方の親戚を頼ってこの地を離れる以前、岩手で暮らしていた幼少時にはあまり良い記憶は無い。
 しかし、信実は故郷・岩手が好きだった。晴れて警察官になった暁には、ここ岩手に戻り、天魔を含む人々の役に立ちたい。
 と、強く願っているくらいには。
「おっと、感傷に浸っている場合じゃないっすね」
 願うだけでは夢は叶わない。今は撃退士として更に力を付け、人間としての経験を積む。……そのために今日、この地にやって来たのだ。
 信実は迎えの車に乗り込み、サーバント駆除依頼の現場へと向かった。


 依頼はあっけなく終了。駆除対象の野良サーバントは弱く、数も少なかった。
 だが腐ってもサーバント。撃退士のように魔具や魔装を扱えぬ一般人にとっては十分脅威となり得るのだ。
 そんなわけで、依頼主や周辺住民に感謝感激された信実少年は自治体が手配した繋温泉の旅館で一泊することに。

 女将にも歓迎され、部屋へ通された信実は畳の上にごろりと横になる。
「……サーバント退治よりおもてなしのほうで疲れたっす……」
 天井を眺め、大の字になってぼんやり。依頼完了後、盛大に宴会やらでおもてなしされた信実ぐったり。
 ――よほど野良サーバントに悩まされていたのだなぁと感じた。
 少年は、力を持つ強き者は力を持たぬ弱き者を守らねばならない……そのように再度実感するのだった。

 しばらく横になって休んだ後、信実は旅館の中をお散歩。お土産コーナーなどを見て回る。
 ……やはり河童や地元の文豪関連の商品が目に留まる。
 そういえば、詳しくは無いが岩手出身の人気声優がその文豪の詩をライブで朗読する会が行われているとか耳にしたことがある。

 信実は一通り旅館内を見て回ってから部屋に戻りテレビを見ながらごろごろ。
 少し前までは物騒なニュースばかりだったが、現在は天魔と人の共存に関する明るいニュースが多くなった。
 そして夕食となり、豪勢な山と海の幸のフルコースに舌鼓を打った信実は、また少し休んだ後、本命の温泉へ。


 温泉の露天風呂は貸し切り状態だった。信実少年は内心すぐに湯船へ飛び込みたい気持ちを抑えつつ、まずは洗い場。
 今日はよく動き汗をかいたので、備え付けのシャンプー&リンスで髪を洗い、続いてボディーソープを泡立てて隅々まで綺麗にする。
 泡をよぉく洗い流して――いざ、露天風呂! しかし、そのとき――

 ざっぱーん!!

 湯船の中から水色半透明の触手の塊型ディアボロがコンニチワー!
「一体なにが起こったっす!? こっ、これはディアボロっすか!?」
 保護色というのか、湯に紛れて今まで気付かなかった。不覚。
「今、一般客が来たら危険……俺がやらないとダメっすね……」
 額に汗を浮かべる少年。一応アクセサリー型のヒヒイロカネを身に着けていたが……。
 この姿でディアボロ……しかも、どう見てもぬるぬる系の敵と戦うのは心許ない。しかし――
「やってやるっす!」
 警棒型の魔具を具現化し、手にしてディアボロへ先制攻撃を仕掛ける!

 だが。

「うわあああああっ!?」
 残念! 信実少年は、にゅるにゅるの触手に四肢を拘束され、身動きが取れなくなってしまった!
 その上、身体を持ち上げられて、宙に浮かされた状態に。
「離せ! 離すっす!」
 離せと言われて離す触手型ディアボロがどこに居るというのか。

 まだ未成熟な少年の肉体……まずは薄い胸板の上を、拘束しているのとは別の触手がぬめぬめと這う……。
 その感触に打ち震える少年。触手はそのまま上へ。
 つるりとした腋の下をにゅるにゅる。まだ女の子のように細い首筋をにゅるにゅる。
 敏感な部分を集中的に責めてくる。その刺激に信実は必死に抵抗し、耐える。
「くっ……ふぁ……やめるっす! ひぃあああ!」
 すると刺激用触手二本目が登場。にゅる〜ん。少年のうっすら筋肉の付いた内腿をにゅるんにゅるんと撫でる。
 またも敏感な部分への刺激に信実は悶えるも、理性でなんとか踏み止まる。びくんびくん。

 その様子に、触手は……もう一本伸ばし、今度は信実の口へ突っ込む。
「むぐぅ!?」
 水色半透明の触手を舌で味わうこととなった少年。それはなんとソーダ味!
 ……そんなことはどうでも良くて。何故か意識がぽわわんとしてきた。
 どうやらこの触手が分泌する粘液には『ナニカ』が含まれているらしい??

 信実の目はとろんとなり、じたばたした手足も大人しくなり、されるがままに……。
「ダメっす……このままでは……らめぇ……」
 待機中の触手群も少年の無垢な身体へと群がる。その辺りで、信実の意識はどこかへ飛んだ。


「……う、ううぅん?」
 信実が意識を取り戻すと、旅館の自室。布団の上に寝かされていた。
 周りには警官と思しき数人の男性。
「お、目が覚めたか。見たところ外傷は無いようだが、どこか痛いところはないか?」
 信実が「あなたは?」と尋ねると、研修中の警官だと男性は名乗った。
「あ、そういえばディアボロ! あのディアボロはどうなったっすか!?」
「慌てるな少年。我々が通報を受けて駆け付けた時には既に倒されていたよ。君がやったんだろ?」
「えっ……」
 そんな記憶は無い。もしかして、無意識の内に魔具を振るったのだろうか……。
「聞けば君は久遠ヶ原から派遣された撃退士だそうじゃないか。よくやってくれた!」
 警官はニカッと笑う。
「俺……記憶は無いけど……そうみたいっすね……」
 信実は言いながら上半身を起こす。
「どうやら大丈夫そうだな。それじゃ我々はこれで一旦失礼。あとで事情は聞かせてもらうけど、今はゆっくり休め」
 立ち去ろうとする警官に対し、信実は、
「あ、あのっ! 俺、今はまだ頼りないっすけど! 頑張って努力して、将来は警察官になりたいと思ってるっす!!」
 警官の背中に向かって声を張り上げ、言った。
 それに対し、部屋に居た数人の警官達は「良い心掛けだ」「待ってるよ」「がんばれ少年!」などと笑顔で歓迎する。
「ありがとうございます。俺……皆さんみたいになれるよう、精一杯やるっす」
 照れくさそうにはにかむ信実少年であった。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号/PC名/性別/年齢/職業】
【jc2271/高野信実/男/14/ディバインナイト】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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ご発注ありがとうございました。この度はご迷惑をおかけしました。楽しんでいただければ幸いです。
信実くんの夢が叶いますように……!
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エリュシオン
2018年04月19日

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