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『 夢、まぼろし、まどろみ。 』
宮ヶ匁 蛍丸aa2951

 堕ちる夢。それは少女が夢にとらわれた時の事。一時の悪夢しかし、ずっと抱き続けてきた悪夢。

「やめてええええええええええええ!!」

 叫びが全ての声をかき消した。
「やめて、やめてやめて! 私は、私は!!」
 ココロが、心が乾いていく。
 無数に突き立てられる爪が心を暴いていく。
「私が、なにをしたっていうの。私は」
『西大寺遙華(az0026) 』は教室の真ん中、息も絶え絶えに蹲ってその罵倒に耐えていた。
 自身を西大寺と呼ぶ声。そして自身を攻撃する者達を刈り取っていく西大寺の象徴。
 視線をあげれば世界は血みどろだった。
 おじいさま、と呼ぶ背中がただひたすらに人を、尊厳を踏みにじっている。
 ああ、残酷にも人とはここまで差が生まれてしまうものなのか。
 単なる人間は今や熟れた果実も同じ、肌色の皮がはじけてその下から赤い果汁がだくだくと。
「おじいさま、私は……いえ、私を」
 遙華は告げる。震える唇で、その言葉を。
「殺して」
 振り返るその存在、顔は見えない。見上げる力もない。
 そのしわがれた指が遙華の首に絡まり、そして。締め上げる。
 ああ、これで。
「これでおわれる」
 そう、思った時だ。
 悲鳴が聞こえた。遙華は思わず顔をあげる。
「遙華さんが消える必要なんてありませんよ」
 その視線の先には一人の男性が立っていた。
「蛍丸。なんであなたがここに」
 『黒金 蛍丸(aa2951@WTZERO)』はその薙刀を振り上げ遙華に背を向けている。遙華の震え声に振り返ると、ニコッと笑って告げる。
「助けに来ました」
「なんで」
「助けに来るって、約束したからです」
 告げると遙華に向き直り視線を合わせてしゃがむ。
「ねぇ遙華さん」
 声が聞えた。西大寺と呼び、遙華を罵倒する声。
「ねぇ、これって遙華さんのせいじゃないですよ」
「違う、わたしが」
 もっとうまくやれていれば。
「全部、遙華さんの周りの人がそうしたくて、そうして、そうなってしまった。遙華さんとは関係のないことなんです」
「でも蛍丸……」
「なにより遙華さんがいなくなってしまったなら僕はどうすればいいんですか。僕も、みんなも悲しいです」
 告げると蛍丸は周囲を睨む。
「そんな人たちが遙華さんに牙をむくっていうなら」
 そう蛍丸は立ち上がり、構えをとる。薙刀を振り回して幻影を、亡霊を切り刻んでいった。
 一人一人、それはあっという間に跡形もなく散り散りとなって消え。そして。
 気が付けば教室に蛍丸と二人きりだった。
 静寂が部屋を包みこむ。
「ありがとう、蛍丸」
 告げると遙華は立ち上がる、しかし蛍丸は振り返らない。
「助けてくれてありがとう。私もきっとあなたの助けになれると思う、だから、私の事も頼ってね」
 そう遙華が告げると蛍丸はどこか困ったような笑みを浮かべて。歩き去っていく。
「蛍丸?」
 そう不安げに声をかける遙華。
 ただ蛍丸は……。
「ありがとう」
 そう言葉を残して、そして光の中に消えて行ってしまった。
 まるでもう会えないような錯覚、遙華の頬を涙が伝う。
 しかし、どうしようもない、彼は。
 ああ、彼はもうここではないどこかに旅立ってしまったのだ。
 遙華はその消えゆく背中を遙華はただただ見つめている。

 そのときだ。

 ハッと遙華の目がさめた。
 時計がときを刻む音。PCが唸り熱波を吐きだす音が低くうーんと続いている。
 遙華はいつもの癖で時計を確認すると深夜三時、執務室の机の上で涎を垂らして、気絶するように眠っていた。
「わたしはいったい」
 改めて夢の内容を思い出す遙華。
 その鮮烈な内容に、頭をひねらせる。
(まるで蛍丸が助けに来てくれたみたいじゃない)
 夢は本人の願望を写すというが、実際は単なる記憶の整理だ、乱雑に並べられた情報の整理。
 ただそれだけの作業のはずなのに、彼が目の前にいるようで。
(会いたいの? 私)
 そう思っただけで頬が熱くなる。もともとぼさぼさの髪を振り乱して、硬いデスクに額を押し付けた。
「なんで……また」
「なにがあったのあなた?」
 その冷えた声に驚いて遙華は顔をあげる、それと同時に何も見えないことに気が付いて首を振る。
 メガネを探してかけるとそこには『ロクト(az0026hero001)』が立っていた。
 廊下の明りが薄く室内を照らしている。
 いつの間にいたのだろうか。最初から? 寝言は口にしていなかったか?
 そう思うと恥ずかしさが顔面を染め上げる。
「どうしたの?」
「いえ、何も」
「また変な夢でも見たんじゃないの?」
「そ、それは……」


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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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『黒金 蛍丸(aa2951@WTZERO)』
『西大寺遙華(az0026) 』
『ロクト(az0026hero001)』


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 いつもお世話になっております鳴海でございます。
 今回は過去以来のIFということで書かせていただきました。
 気に行っていただければ幸いです。
 それではまたお会いしましょう、鳴海でした。
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2018年05月11日

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