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『初夏覚醒者五番勝負! 〜潮騒とともに〜 』
銀 真白ka4128)&クレール・ディンセルフka0586)&牡丹ka4816)&ミィリアka2689)&本多 七葵ka4740

「テントよーし! 焚き木の用意もよーし! あと足りないのは……」
 指差し確認するミィリアのお腹がぐぅと小さく弱音を吐く。
 ペグハンマー片手に額の汗を拭う七葵と、テントの張りの確認に余念のないクレールをよそに、ちょこんと浜辺に体育座りをして長めの薪を2つに折っていた。
 そこへふらふら歩み寄った真白が、前が見えないほどに抱えた大量の薪をどっかりと下ろす。
「ふぅ……あとは食材を用意するだけだな」
 汗で張り付いた前髪をささっとかき上げながら設営の様子を見渡すと、お腹を空かせたミィリアがうんと背伸びをして立ち上がった。
「早く捕りいこー。お腹ぺこぺこでござるよ!」
「それも含めての修行っていう趣旨でしょう?」
「ううー、それは確かにそうでござるけど……」
 吠える彼女をサラリと宥める牡丹。
 その胸に抱えた長い釣り竿が揺れて、釣り糸がキラキラと砂浜に反射する。
「さて、私たちは海辺に出てくるが他のみんなはどうする?」
 真白が問うと、クレールが勢いよく手を上げる。
「はいはい、私も行きたいですっ! 地元じゃザリガニ釣り名人で通ってるんですよっ」
「ザリガニとは勝手が違うと思うけれど……」
 目をらんらんと輝かせる彼女に牡丹は思わず顔覆う。
 とは言っても特に拒む理由もない。
 予備の竿を手渡すと、クレールは意気込んで鼻息を荒くした。
「もー、お腹すいて限界! お肉! お肉捕ってくるでござる!」
 そんなやり取りをしている間に痺れを切らしたミィリアが海岸とは反対方向の密林へと駆けていく。
「夕暮れまでには帰って来るんだぞー!」
 咄嗟に叫んだ真冬の声は届いているのか否か、あっという間にその小さな背は木々の間に消えて行ってしまった。
「聞こえているのだろうか……そう信じておこう、うん。七葵殿は?」
「これをちょいと森に巡らせてから、そっちに合流する」
 一仕事終えた七葵は汗を手ぬぐいで拭うと、残ったロープを巻き取りながら答える。
 真白はその意図を理解して頷くと、女3人連れだって波打ち際のポイント目指して移動を開始した。
 
 リアルブルーで釣りと言えば、東方の大国の偉人のことを指すという。
 なんでも、もっと偉い人がその人物がじっと釣りをする姿を見て、そのすごさを見初めたのだとか。
 そんなふわふわとした説明で何が言いたいのかというと、つまり釣りは修行にうってつけということだ。
「――ぜんっぜん釣れないよ〜!」
 波の打ち寄せる岩場に仰向けになって、クレールが弱音を吐いていた。
「時間的に簡単に食いつくタイミングではないから、当然といえば当然ね」
 風でなびいた羽織を元に戻しながら、牡丹が答える。
 邪魔し合わないよう距離を置いて同じように岩場に腰かけて糸を垂らす姿は、同じようにボウズの状態でありながらも落ち着き払っているように見て取れた。
「ザリガニなら……ザリガニなら……くぅぅ……やっぱり陸地の方がお似合いなのかも」
 無念そうに呟きながらいそいそと釣り具を片付けるクレール。
「あ、そのあたりに置いておいてもらって構わないわ。予備竿として餌を仕掛けておくから」
 そう牡丹に言われて道具はそのまま岩場に添えて、クレールはうっぷんを晴らすように猛ダッシュで森の方へと目指していった。
「……っぱぁ……おや、クレール殿は?」
 波打ち際の海面から真白が顔を出して、きょろきょろと辺りを見渡す。
「森に行くって言っていたわ」
「そうか……貝がいっぱいあるから、痺れを切らしたら素潜りを薦めようと思っていたのだが」
「いいんじゃない? それも含めての『勝負』でしょう?」
 誰が一番他者を唸らせる食材を確保できるか。
 この狩りを修行の一環とするために、5人の間で定めた唯一のルールがそれだった。
 唸らせる――それは量であったり、質であったり、サイズであったり、物差しはなんだってかまわない。
 とにかくみんなに「スゲー!」と言わせる。
 それが勝敗を決定づけるのだ。
「調子はどうだ?」
 竿を担いでやってきた七葵に、牡丹は小さく肩をすくめる。
「そりゃ良かった。じっくり構える方が性に合ってる」
 言いながら腰を下ろして、七葵は餌の昆虫を針へと差し込んだ。
「それは……見ない餌ね?」
「理屈はわからないが、良い獲物がかかりやすいらしい。昔、家族に聞いた」
 尋ねた牡丹にさらりと答えると、七葵は慣れた手つきで糸を波間に垂らす。
 だが彼女が興味深げに眺めるものだから、視線を白波に向けたまま空いた手で虫がたっぷり詰まった餌箱を差し出した。
「使ってみるか?」
「うっ……そ、それでいい獲物が釣れるなら」
 牡丹は指先で恐る恐る瑠璃色に光る虫を摘まみ上げ、手繰り寄せた針の先に指す。
 ぶちゅりと体液がはねて思わず飛びのくところだったが、何とか抑え込んで海へと放り込んだ。
 潮騒と風が耳元を撫でて、ゆったりと時が過ぎていく。
 
 陸へ戻ったクレールは、ささっと身支度を整えて森の方へと足を踏み出していた。
 キノコや山菜類はもとより、やはり原生林へ足を運んだならば動物肉を手に入れたいところ。
 だからこそ、目の前の“大物”を逃がすわけにはいかない。
「大丈夫、まだ気づかれてないでござるよ」
 声を潜めつつ、ミィリアは藪の陰からその様子をうかがう。
 酒樽のようにずんぐりした身体にゴワゴワの体毛。
 血走った瞳でギラリと辺りを見渡しながら鼻先で地面をこすり上げる猪は、“勝負”的にもうってつけだ。
「できたよ、みーちゃん」
 手のひらサイズのナイフを握るクレールが、手にした棒切れをミィリアへと手渡す。
 もともと彼女が持っていた簡素な木の槍を大改造した特製の狩猟槍だ。
 幾重にも「かえし」のついた松ぼっくりのような穂先は、見た目こそえげつないながらも確かなダメージを約束する。
 そして槍の機能はそれだけでなくて――
「ミィリア、一番槍行くでござるっ!」
 藪の中からミィリアが飛び出して猪へと襲い掛かる。
 獲物も大声の名乗りと音に気が付いて視線を向けると、牙を振りかざして応戦の気配を見せた。
 ぬら光る牙の先を身を捩って避けると、そのまま一度落ち葉の上に着地。
 勢いで転がりながら体勢を整えて、飛び跳ねるように起き上がる。
 起き上がりを猪突猛進襲い掛かる獲物を槍の柄を寝かせて受け止めて、そのまま力勝負へ。
「そのまま!」
 彼女が猪の意識を惹きつけているうちに、クレールが一気に距離を詰めて相手の後ろ脚に縄をくくりつける。
 そして準備が整った旨をサムズアップで伝えると、再び藪の中へと飛び込んだ。
「今こそ女子力を見せる時ぃぃぃぃ!!」
 掛け声で気合を入れて、ミィリアが競り合う猪の牙を弾く。
 相手の頭が逸れた一瞬を見計らって側面に回り込んで、えげつない穂先を太い首筋へと突き立てた。
 甲高い声をあげて猪が身を捩る。
 その拍子に柄がすっぽりと穂先から抜けて、代わりに現れたロープが釣り糸のように柄と穂先とを繋いでいた。
 逃げ出そうとする猪。
 しかし、大木に巻かれたロープが後ろ脚を捉えて離さない。
「今だよ、みーちゃん!」
「ふぁいとぉぉぉぉ! いっぱぁぁぁぁつ!」
 女子力ワードを叫びながら、ロープでつながれた柄を引くミィリア。
 2本のロープで捕えられた猪は逃げる事も、そもそも動くこともできず、もがくだけもがいて体力を消費していく。
 やがてその目から闘志が薄れていき、光も薄れ、やがてずしりと身を地面に横たえていた。

 夕暮れ時、キャンプ地へ戻って来た5人はそれぞれの収穫を目の前に広げて見せた。
 数は少ないが大ぶりの魚達に、大小さまざまな貝や海藻。
 丸々とした鳥と兎が数羽。
 山菜、キノコといった植物に加えて巨大な猪。
 そんな光景を前にして、流石に皆ふんすと鼻を鳴らす。
「数だけなら私が一番だが、七葵殿は肉に魚に種類が豊富。魚だけなら牡丹殿が最大サイズで、肉ならミィリア殿達か」
 それぞれの成果を見渡しながら、真白は小さく唸る。
 基準が曖昧な勝負とはいえ、流石にそれぞれの基準によって一長一短過ぎる。
「猪はすごいけど、2人で仕留めたなら手柄は半分ずつということになるのかしら?」
「そう言われると確かに胸を張っても自慢できないなぁ」
 苦笑しながら頬を掻くクレールだったが、それを言った牡丹も強くは指摘できずにそれ以上の言葉を濁す。
 本日最大サイズとはいえ、釣り上げたのはこれ1匹だけなのだ。
「いいんじゃないか、ここは引き分けで」
 そんな時、七葵がふと口を挟む。
「仕切りなおして、次を本勝負にすればいいじゃないか」
「本勝負というと?」
「もちろん――」
 尋ねる真白に彼が提案した内容。
 その瞬間、次の勝負は始まっていた。

 陽も落ちて、周辺に人里の無い海岸は闇に包まれる。
 焚かれた炎を囲んで簡易な机を向かい合わせる5人は、それぞれが手に入れた成果物と真摯に向き合っていた。
「料理ならそれなりに自信はあるのよ」
 まな板からはみ出るサイズの魚を慣れた手つきで捌いていく牡丹。
 時折手を止めては火にかけた釜の様子を気にして、再び包丁を握りしめる。
 自信があるというのは本当のようで、手順から仕込みから無駄のないペース配分でみるみる下ごしらえが進んでいく。
 そんな繊細な手際とはうってかわって、巨大な猪を前にして冷ややかな表情を浮かべるクレール。
 炎に照らされるその視線の先には、机の上に広げられた形も大きさも様々な刃物の姿があった。
 組み上げた丸太に吊るされた巨体の前には、赤い液体で満たされたタライを前に厚い刃の包丁を握りしめるミィリアの姿。
 振り返ってクレールとアイコンタクトを取るその頬には、トロリと返り血が滴っていた。
「うふふふ、たっぷりこってり皮の油まで無駄なく処理してあげるからねぇ」
 クレールは大きなペンチと鉤型の刃を左右に握りしめて満面の笑みを浮かべる。
 ミィリアもまた包丁にこびりついた黒い血を一度ふき取ると、猪の喉元に大きくあいた傷口へと添うように刃を押し付けた。
「き、鬼気迫る勢いね……」
 若干引き気味の牡丹の隣で、淡々と鳥の羽をむしっていた七葵がふと思い出したように顔をあげた。
「肉と言えば街でこんな話を聞いたな。ある肉屋で冬限定で出しているスープがやたら旨くて、なんでも屑肉を形が無くなるまでゆっくりコトコトと煮込んだものらしい。それを作る担当のヤツが客にも同じ店員にもその作ってる姿を見せることがないらしくてな。何の肉を使ったらあんなに美味しいスープができるのかと、こっそり夜中の作業場に忍び込んだヤツがいたそうだ。昼間に解体したばかりのブロック肉が天井から吊るされる中、鉄の香りが満ちた作業場はぼうっと竈の火で照らされて、そこには――」
「ぎゃぁぁぁぁああああ!!」
「うおぁ!?」
 突然の悲鳴に、七葵も思わずビクリと肩を揺らす。
 声のした方向に視線が集まると、全身を血で真っ赤に染めたクレールが青ざめた表情で立ち呆けていた。
「ややや、やめて!? お肉屋さんでお惣菜買えなくなっちゃう!?!?」
「……そういうクレール殿の方が今はおぞましいが」
 恐怖に強張ったクレールの手の中で、猪から引きずり出された腸がぐちゅりと音を立てる。
 流石に気味が悪そうに牡丹がうっと顔をしかめた。
「ちなみに、話のオチとしてはどうなるのだろうか?」
 何気なく聞いた真白の言葉に、七葵は小さく首をかしげる。
「こっそり高級部位をつまみ食いしてて、バレないようにその残骸も鍋に突っ込んでたってだけの話だったんだが……」
「つまみ食いを見られたくなくて、誰にも見られたくなかったといことか」
 なるほど、と頷いて納得する真白。
 一方でクレールは「きーこーえーなーいー」と子供のように耳をふさぐ。
「しかし、仮に何の肉であろうと腹に入ってしまえば同じ栄養のはずなのだが、そんなに気にすることだろうか……?」
「おうふ……それはそれで女子力高い発言でござるよ」
 つっ込んだミィリアに真白が小首をかしげて、手にした小柄で巻貝の中身を引きずり出す。
 そんな様子を遠巻きに眺めて、牡丹は鱗を剥ぐ手をふと止めていた。
「安全で美味しいものを美味しく食べたいというのは、贅沢な願いなのかしら……?」
「いや、それは一般的な願いだと思う」
 そう同意してくれた七葵と2人、派手でもスプラッタでもない、普通の調理に身を注ぎ込む。
 そんな彼女の姿を、真白が興味深く眺めていた。
「牡丹殿の佇まいは水場に立ち慣れた者のそれだな?」
 それを聞いて、牡丹は決まりが悪そうにさっと身体で手元を隠す。
「幼いころからいろいろ仕込まれているから、教養の一環よ」
「なるほど。私も基本くらいは教え込まれているが……牡丹殿はいい奥方になりそうだ」
「奥方は何か話が飛躍しすぎじゃないかしら!?」
「そうだろうか?」
 キョトンとする彼女に牡丹はため息交じりにうなだれる。
「はぁ……とりあえずお腹もそろそろ限界だし早いところ食事にしましょう」
 至極まっとうな意見に異論が出るはずもなく、着々と調理は進んでいった。

 潮騒をBGMに、焚き木を囲うようにして向き合った5人。
 目の前にはところ狭しと並べられた料理の数々がひしめきあっていた。
「なんというか……やっぱり個性は出るわね」
 開口一番、少なくとも見栄えに関しては自分が一番だろう――と牡丹はどこか安堵の声を漏らす。
 魚や山菜といった食材本来の味を邪魔しないよう、比較的薄味に仕上げられた和食の皿は見た目もどこか華やかで、皿としての完成度はピカイチである。
 塩焼きにした魚の切り身に森で掘ったミョウガを花のように添え、お吸い物と白米を添える。
 勝負として方向性が競合するのは真白の手掛けた皿となるが、彼女のはどちらかと言えばより家庭的で、大皿の煮物に焼き貝、貝の佃煮、海藻サラダ。
 お膳が似合いそうな牡丹のそれと比べれば、みんなでちゃぶ台を囲んでワイワイという光景が目に浮かぶ。
 となれば最後の問題は味だが――適度に体も動かしつつ、かつ腹もペコペコという状態になるとどうしても油滴る肉に目が行ってしまうのは仕方のないものである。
「クレール殿のそれは……すごいな、なんだ?」
「イノシシ肉の腸詰の燻製だよ。部位ごとにいろいろ作ってみたので食感から油の量から全部が全部違う楽しみ方ができるはず!」
 太い腸詰を燻製してボイル。
 調理自体はたったそれだけの簡単な工程なのだが、その実掛かっている手間は膨大だ。
 狩りたての肉は塾生が進んでおらずまだまだ身が固く、あらびきとは言えそれをミンチにするのは一苦労。
 さらに詰めては縛って詰めては縛って――そんな調理を笑顔でやってしまうのが彼女だ。
「今回の立役者はこいつですよ〜。ハンドルを回すと2列に並んだ歯車みたいな刃が擦り合わさってね、どんな固いお肉だろうとみるみるミンチ」
 キャリキャリお手製の道具のハンドルを回しながら力説するクレール。
「その、赤黒いのは何の部位なのかしら?」
 牡丹がうちの異彩を放つ1本を指差すと、彼女は余計にニコニコして答える。
「血の腸詰ですよ〜。プリプリしておいしいんです。栄養もたっぷり」
「え、血って血液……?」
「は〜い、真っ赤な血潮です。うふふふふ」
 一層ほほを緩ませるクレールに、顔を引きつらせて後退る牡丹。
 なお、一言断っておくと血の腸詰は普通においしい。
「同じ肉を使っても、ミィリア殿はやはりスタイルが変わるな」
 小分けされたどんぶりを手に取って、七葵はしげしげとその中身を見つめる。
 たっぷりのエールで似たというブロック肉がとろとろふるふると椀の中で震えて、その柔らかさを強調していた。
「腐っても元メイドでござるから、こう見えて意外と頑張れるでござるよ!」
 えへんとない胸を張って見せる分には頼もしく。
 七葵は自分の作ったそれと見比べながら、素直に感心してみせる。
「やはり経験はでかいか。それに肉の調理はどうしても西洋の方が一歩リードしているな」
 彼の用意した魚と鳥のグリルは、それぞれの食材に合わせて味付けや焼き加減の微妙な調整を利かせた品ではあったが、流石にこうして酒でトロトロに煮込むという発想はハナから頭になかった。
 そういう意味でも異文化の食事に触れるというのはまたとない良い機会である。
「ところで〜、食材を無駄にしないようにこういうのも作ってみたんですが」
「まだ解説続いてたの!?」
 もじもじと皿を差し出したクレールに、ミィリアは思わず声を荒げた。
 さらに乗った腸詰は他と同じようにも見えたが、中身はのっぺりとしたクリームかすり身のようなものが詰まっている。
「それはいったい何なの?」
「脳みその腸詰♪」
 どこか嬉しそうに答えたその言葉に、牡丹の表情が一瞬にして凍り付いた。
「ち、ちなみに試食は……」
「ま・だ♪」
「あ、あはは……拙者は後でいただくでござるかなぁ」
 ミィリアがすすっと身を引いて、クレールは残る2人につついと歩み寄って皿を差し出す。
 真白と七葵は一度見つめあってから小さく頷くと、1本づつ手に取って一思いにかじってみせた。
「ううん……思ったよりはイケるだろうか?」
「とりあえず、真白殿の『思ったより』のレベルが相当低いことは理解できた」
 味わうように咀嚼しながら首をかしげる真白に、七葵は釘を刺すように言い含める。
「だが、もう少し香辛料を足せば食えるものにはなるんじゃないだろうか……実際、食用として扱う文化圏もあるそうだ」
「そ、そうなのね……」
 ぎこちない笑顔で答える牡丹。
 視線だけは向けないあたり、少なくとも口にする勇気はないようだ。
 そそくさと真白の大皿料理を自分の皿に取り分けながら、『それ』が乗ってしまうスペースを他のもので埋めていく。
「とにかく、食べよー! お料理も冷めちゃうでござるよ!」
「それもそうだな」
 気持ち急くミィリアに真白は頷いて、一口含んだ水をごくりと飲み干す。
「味も勝負の一環だ。みなしっかり競い合うように」
 あくまでこのキャンプの趣旨を言い添えると、みな一様に頷き返す。
 それを見渡して、真白はそっと両の手を顔の前で合わせた。
 4人もそれに倣って手を合わせると、焚き木の薪がぱちりと弾ける。
 それを合図に、大きな声が海辺に響き渡っていた。
 
――いただきます!


 ――了。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka4128/銀 真白/女性/16歳/闘狩人】
【ka0586/クレール・ディンセルフ/女性/22歳/機導師】
【ka4816/牡丹/女性/17歳/舞刀士】
【ka2689/ミィリア/女性/12歳/闘狩人】
【ka4740/七葵/男性/17歳/舞刀士】
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2018年06月22日

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