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『『さいごまでいっしょ』 』
アレスディア・ヴォルフリート8879

 いつもの孤児院にて、子ども達と一緒に昼ご飯を食べてから、アレスディア・ヴォルフリートは自らの休憩のために、庭へと出た。
 子ども達は昼寝の時間とのことだ。
 その間、アレスディアが外に出たのは、休憩時間だからというのもあるが……。
「ディラ」
 先に庭に出ていた男の子の名前を呼ぶと、それまでずっとつまらなそうな顔をしていた少年の顔が、笑顔になった。
 彼は食事中も、皆から席を離して1人でいた。アレスティアが呼びかけても、皆の中に来ることはなかった。
 いつもそうなのだ。
 だけれどこうして、アレスディアが彼だけの傍に居る時は、笑顔を見せてくる。
 アレスディアに……アレスディアだけに愛情を向け、求めてくるのだ。
「ちゃんとご飯食べたか?」
「もちろん。食わないとケンカに勝てないから」
 男の子は拳をぎゅっと握りしめて見せた。
「ディラは、どんな時に喧嘩をするんだ?」
「ムカつくことがあった時だよ。お母さんだって、いつでもケンカできるように準備してるだろ?」
「私は喧嘩で誰かを傷付けたりはしない。ディラも喧嘩する前に、話をしないとな。話をすれば相手の気持ちも解るかもしれないぞ」
 話しながら、アレスディアはディラの隣に腰かけた。
「わかんないよ。わかってもムカつくものはムカつくんだ。今だって、お母さんが皆と楽しそうにしてたの、ムカついてたし」
 この子は、アレスディアの子供である。
 施設の中にる、沢山の子供のうちの1人。護りたい子。
「……でも、前よりムカつかなくなったんだ」
 男の子は、アレスディアの手の上に、小さな手を重ねて指を握りしめてきた。
「お母さんは皆と遊んだあと、俺のところきてくれるし、俺のことだけ呼び捨てで呼んでくれるし」
 アレスディアが与えた『特別』が少年の心を少し落ち着かせたようだった。
「私にだけ依存するのは良い事ではない」
「俺はお母さん以外要らないんだ。でも、誰か傷つくとお母さんが悲しむから、もう俺から手を出したりはしてない。お母さんが大切なものは大切にする」
「だけれどな、人は一人では生きられないんだ。もし私がいなくなったら……」
「いなくならない! お母さんがどこかにいっちゃうのなら、俺もついていく」
 怒りが籠った目で、男の子はアレスディアを見ていた。
「お母さんは俺が他の子と仲良くしたら、嬉しいんだよね」
「もちろん」
「それじゃ、特別に仲良くしたら? 俺に命を捨ててでも護りたい人ができたら?」
 即答できないアレスディアの肩に、男の子は手を伸ばしてきた。
「お母さんを護るって決めたんだ。俺はいつだって、お母さんと一緒だよ。――さいごまで」
 そして傷跡のある左肩に、頬を寄せた。


 また、あの夢を見た。
 幼い少年の夢。
 アレスディアは自室のベッドから体を越し、夢の内容を思い起こす。
『お母さんが皆と楽しそうにしてたの、ムカついてたし』
 アレスディアがディラ以外の人物と会話している時、彼に変わった様子はないが――親しげに、そう相手が子供であれ女性であれ、アレスディアが強い好意を向けられたあと、ディラは不機嫌になることがある。
 そして……。
「さいごまで、か」
 男の子のその言葉が、アレスディアを不安にさせた。
 そのさいごは、最期だろうか。死に際まで共にいるという意味だろか。
 ディラもそう思ってくれていそうで……それは、嬉しくもあり。
 だけれど、それでいいのかと思いもする。
「護るって決めた? 護るのは私の方だ」
 夢の中の少年は、アレスディアがそう言えば、反発するだろう。
 今、共に在る大人のディラは、恐らく「そうか」と流すのではないか。乾いた笑みを浮かべて。
 ディラは心に何か秘めている。
 自分の心が、彼の真の心を感じ取っているのではないかと、アレスディアは夢を思い浮かべて答えを探す――。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号/PC名/性別/外見年齢/職業】
【8879/アレスディア・ヴォルフリート/女/21/フリーランサー】

NPC
【5500/ディラ・ビラジス/男/21/剣士】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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ライターの川岸満里亜です。
引き続きのご依頼、ありがとうございます。
特別扱いをしてもらえて、ディラ少年の独占欲は若干落ち着いたのではないかと思います。
また何かありましたら、どうぞよろしくお願いいたします!
イベントノベル(パーティ) -
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東京怪談
2018年08月14日

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