『触手なスライム雑魔退治♪ 』

弓月・小太（ka4679）

「触手……ですかぁ」
　弓月・小太(ka4679)はそれだけ呟く。嫌な予感しかしない。
「はい。地面の穴から無数の触手が出て少女に絡みつくと穴の中に戻っていきました」
　村人は熱心に当時の状況を話す。
「そして悲鳴が聞こえたかと思うとすぐに途絶えました。まるで何か口を塞がれたような……」
「……それ、スライムっぽい何かじゃないかなぁ」
　小太の隣にいたフラ・キャンディ(kz0121)もげっそりしながら呟く。
「と、とにかく誰も近付かないようにしています。早く退治を！」
　お願いされお互いを見る二人。
「小太さんの服装、引っ掛かるところが多くて脱げやすそうだね……」
「ふ、フラさんの方が心配ですよぉ」
　小太は巫女装束。帯とか合わせとか非常に脱衣されやすそうだ。
　片やフラはテニスウエア的ミニスカート。
「と、とにかく狙撃したいですねぇ」
「それより穴を塞げばいいような気も……」
「そ、それだと退治したことにはならないですよぉ」
「無数の触手ってのが厄介なだけだよ。数本ならボク、頑張るよ！」
「でも……」
　小太は恋人を囮にするようで気が引けたが、得意の射撃戦に持ち込むためには敵を引き出すしかないのでこの作戦で行くことになった。

　というわけで、現場。
「ええと……このあたりのはずですがぁ」
「あっ！」
　地図を手にした小太がきょろきょろする間に、フラが何かを発見した。
「あそこに女の子がいる！　おーい……」
「待ってください、フラさん……何かおかしいですよぉ」
　スカートを来た少女に急いで近寄るフラ。小太は村人が「誰も近付かないようにしている」といったはずだといぶかしむ。
　その時だった！
「一人じゃ危ない……わっ！」
　声を掛けたフラ、振り向いた少女の服が破れて身を引いたがすでに遅い。
　――どっぱぁ！　びゅるびゅる……。
　破れた服から無数の触手が現れ圧倒的な質量でフラに襲い掛かった。足元の雑草で見えなかったが、服の下から触手が伸びその先に穴があった。
　フラ、剣を抜いて数本斬るも完全にからめとられ宙に持ち上げられる。
「くっ！」
「フラさんっ！」
　恋人のピンチに小太が叫ぶ。
　そして村から持ってきたリアカーを力いっぱい引き突撃。
「これで……」
　狙いは、触手の出ている穴。リアカーに乗っているのは重く大きな岩盤。
「つぶれてくださいっ！」
　――ドッシーン、ぶちぶちっ……。
　小太、穴の手前で身を入れ替えて荷台をひっくり返すように岩盤を穴の上に乗せた。触手は無数だが体力は低く、落とされた岩の衝撃ですべて切れた。背後で自由になったフラが地面に落ちる。
「フラさん、無事ですかぁ？！」
　横たわりせき込むフラに駆け寄る小太。
　意識がそちらに集中した、その瞬間！
　――ぼごっ！　びゅるびゅる……。
「はわわっ！」
「小太さん！」
　穴を塞がれた触手が、新たな穴を空けて出てきたのだ。今度は小太がもろに食らって絡まれ、宙に持ち上げられた。
「くそっ。この程度なら！」
　フラは小太を捕まえた触手の根元に殺到し、刃一閃。
　ずぱっと根元ですべて切った。
「小太さん、大丈夫？」
「は、はい……数が少なめでしたからぁ」
　答えてはっとする小太。
　新たな穴に近寄りこちらを振り返るフラの向こうで、岩盤がぐらりと持ち上がったのだ。
（触手が少なかったのは近くにいた僕に岩盤をどかす作業の邪魔をさせないためですねぇ）
　持ち上がったそのの下からは、スライム本体が現れていた。
「え……わっ！」
　そして再び大量の触手が伸び、小太を振り返っていたフラを襲った。無防備な背後。避けられず絡めとられた！
「フラさんを放すですよおっ！」
　小太、魔導銃「魔弾」で本体を狙う。触手を狙って数本落としてもフラはすぐには解放されない。
　が、弾は命中してもスライムの本体は大きい。数発ではびくともしない。
「あ、ちょっと……いやぁん！」
　この間にフラ、宙吊りにされた。スカートはめくれ下着が露わになる。フラはスカートの裾を押さえたくても両手の自由を奪われている。上着すらずり下ろされそうな勢いだ。
（純白に……サクランボみたいな小さなリボンが前について可愛らし……）
「そ、それどころじゃないですよぉ……どこかにきっと弱点が……」
　不覚にも見惚れてしまった小太が我に返った時だった。
「あ」
　思わず、固まった。
　何と、スライムの身体の中に一つ大きな瞳がはっきりと出現していたのだ。視線はただ一点、フラの下着のリボンを凝視している。
「弱点、見つけましたよぉ！」
　――ズキュンズキューン！

　どさっ、とフラが落ちる。スライムは消滅した。
「無事ですかぁ、フラさん」
「うん……ありがと、小太さ……」
　起き上がったフラ、赤くなって固まった。
「え……あ！」
　駆け寄った小太の服ははだけ、ほぼ褌姿。
　二人、もじもじと赤くなる。



━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka4679／弓月・小太／男／１０／猟撃士
kz0121／フラ・キャンディ／女／１１／疾影士

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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弓月・小太　様

　いつもお世話様になっております。
　今回はお任せですね。はい、お任されましたよ♪

　というわけで、いつものように恋人のフラちゃんと一緒。いつも発注して遊んでいただいているので、いつも通りということで。

　たまにはフラちゃんが小太さんを連れまわしたり、スキンシップが欲しいなぁと思っていろんな服を着て衣装の質感を手で触ってもらいつつ密かに満足したりとか考えたのですが、シンプルに戦闘モノにしました。
　触手でこしょこしょとかスライムでぐにぐにとかのない健全な……こほん。比較的忙しい戦闘でそれどころではない感じにしつつ、一気に逆転宙吊り……こほん。形勢逆転して勝利という流れです。
　え？
　はだけた和服に褌チラっ♪
　が書きたかっただけじゃないか？
　違います違います。
　どこぞの時代劇の某・暴れん坊将軍さまですら、一回に一度は和服をはだけてチラっ、してるんですから、べつにこんなの気合いを入れて書くなんてことしなくてもいくらでも書けますもんねっ。
　フラちゃんの下着もよく書いているような気がするし（

　そんなこんなで、フラちゃんとコンビでの戦闘をお楽しみください。

おまかせノベル

瀬川潮

ファナティックブラッド

2018年10月23日