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『イクタサは静かに暮らしたい 』
アルマ・A・エインズワースka4901

 辺境の地にある神秘の森――シンタチャシ。
 ここに住む生物は、周辺の森とは大きく異なる。
 その原因はこの森が一夜にして現出した点からも分かる通り、特別な事情がある。

「わふー!」
 アルマ・A・エインズワース(ka4901)は、小屋に入ると同時にイクタサ(kz0246)へ飛びついた。
 押し倒さんばかりの勢いをつけたアルマのタックルをイクタサは正面から受け止める。アルマがこの森に入った時点で飛びついてくるのを推測していたようだ。
「イクタサ、久しぶりですー」
「ふう……。キミが来ると森も一気に騒がしくなるね」
 アルマの前でイクタサは小さくため息をついた。
 アルマとしてはできればシンタチャシで静かに暮らしたい。
 それは四大精霊としての崇められたい訳ではなく、辺境を見守ってきた者として距離を置きたいのかもしれない。だが、現実はハンターを始め、実に多くの者がシンタチャシを訪れる。
「で、今日は何をしにきたの?」
「わふー。今日はイクタサの調査ですー」
「調査?」
 首を傾げるイクタサ。
 その前でアルマは懐からペンと手帳を取り出した。
「僕の軍師に言われたですー。四大精霊の一人であるイクタサが、普段どんな事をしているか調べて来いって。ちょっと難しそうな顔してたから、僕は軍師から逃げるようにここへ来たですー」
「…………」
 その軍師が言っている調査は、『秘密裏に調査しろ』という意味だったのではないか。
 おそらく軍師の意図は四大精霊として強大な力のあるイクタサを監視する事で弱みを握ろうとしたか。
 それとも歪虚の侵攻を前に手を貸さないイクタサを牽制しようとしたのか。
 いずれにしてもその策略は監視が始まる前から脆くも崩れ去った。
 当の監視員がイクタサの前に堂々と現れて調査する旨を宣言してしまったのだから。
「あのさ。その軍師君に、ボクには内緒って言われなかった?」
「……あ。忘れてたですー。僕から聞いたって内緒にするですー」
 イクタサの言葉で思い出し、ぺろっと舌を出してみせるアルマ。
 きっとこの事態を知れば軍師も大きくため息をつくに違いない。
「ふぅ、それでキミはボクの何を調べたいの?」
「わう? そうだなー。イクタサは今日何を食べたです?」
 軽く首を傾げながら思い付いたアルマの質問。
 まさにノープラン。だが、変な詮索をされるよりはマシだ。イクタサも少し安心した様子で答え始める。
「朝は昨日の残りのオハウを使ってサヨを食べたよ。食べなくても良いんだけど、習慣なんでね」
「ふむふむわふー」
 イクタサのコメントを聞いてペンを走らせるアルマ。
 その様子ならば下手な事も聞かれない。アルマを向かわせた軍師には悪いが、適当に答えてシンタチャシからお帰りいただこう。
 そんな事を考えていたイクタサであるが、彼は忘れている。
 アルマが時に見せる、鋭利とも言える鋭い意見を発する事があるのを。
「わふー。じゃあ、次の質問は『元怠惰王を倒した事による辺境地域への影響と、部族会議の国家昇格に対する明確な課題』を教えて欲しいですー」
「……は?」
「イクタサは四大精霊なので、きっと何でも知ってるですー。だから教えて欲しいですー」
 唐突過ぎる質問に、イクタサは思わず後退る。
 朝食の内容から辺境の明日について求められるとは思ってもみなかった。
 だが、先日元怠惰王を倒したハンター達にとっては聞いておきたい内容でもある。
「えーと……元でもあれだけの負のマテリアルが辺境の地から浄化されたのなら、影響は大きいはずだね。部族会議? ……ああ、彼らか。国家として立ち上げるだろうけど、それにはもっと人材がいるんじゃないかな?」
「わふ? よく分からないですー」
「キミが聞いた話だよね!」
 思わずツッコんでしまうイクタサ。
 アルマのマイペースな対応に巻き込まれた結果とも言えるが、四大精霊から同等とツッコまれるハンターはそう多くない。
「今日の所はこれで勘弁してやるですー」
 そう言いながら、アルマは懐へ手帳をしまい込む。
 アルマなりの調査が終わったようだ。これでイクタサも静かに過ごせるというものだ。「用事が終わったなら、早く帰って。ボクはこれでも忙しいんだ」
「わふー。報告したらすぐ戻ってくるので、今度は遊んで欲しいですー」
「……え?」
 聞き返すイクタサ。
 どうやら、今までアルマにとっては仕事のつもりだったようだ。軍師へ報告した後、再びシンタチャシを訪れてイクタサと遊ぶ気なのだろう。
「はぁ。キミは本当に変わらないね」
 皮肉のつもりで言ったイクタサだが、そのような言い回しがアルマに通じるはずもなかった。
「わふー。僕はいつでも僕ですー」

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka4901/アルマ・A・エインズワース/男性/26/機導師】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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近藤豊でございます。
この度はおまかせノベルの発注をありがとうございます。
今回、何となく思うままに書いてしまいました。イメージと異なるような事があれば先に謝っておきます。申し訳ございません。
インタビュアーをやったらこういう感じかな? と妄想した結果なのですが、結果的には玉突き事故となってしまったようです。
それではまたの機会がございましたら、宜しくお願い致します。
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近藤豊 クリエイターズルームへ
ファナティックブラッド
2018年11月01日

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