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『 誰かの為の気持ち 』
海神 藍aa2518)&サーフィ アズリエルaa2518hero002

 ある日の午後。
 サーフィ アズリエル(aa2518hero002)は一人リビングの掃除をしていた。
 普段は表情が出にくい彼女だが、好きな掃除をしている時は妙に機嫌が良かった。
 そんなサーフィはふとテレビの方へと視線をやった。
 掃除をする前にテレビを消そうと思っていたが、どうやらそのまま消し忘れてしまったようだ。サーフィがテレビを消そうとリモコンを手にした瞬間。気になる話題が飛び込んできた。

『こちらのケーキ貴方が作ったんですか? とても可愛らしいケーキですね。食べるのが勿体ないくらいです!』
『はい。元々姉の誕生日に姉の為に作ったケーキだったのですが、姉がとても気に入ってくれて是非お店に置きたいと言ってくれたのです。それでお店に置くことになったのですよ』
『なるほど。とても素敵なお話ですね』

 テレビからはそんな話が聞こえてきた。
 テレビにはリポーターの女性が、若いパティシエの女性に笑顔でケーキについて質問をしていた。
 どうやら自分の姉の為に作ったケーキをお店に置いたところ、それが話題になりテレビに取り上げられたようだった。
 サーフィはテレビを食い入るように見つめながら頭の中に自分の姉の事を思い浮かべた。

「ねえさま……」

 そう彼女は小さく呟く。
 自分も姉の為にケーキを作ったら姉は喜んでくれるのだろうか……。
 そんな事をサーフィは思った。
 そして。



「ケーキの作り方を教えて欲しい?」

 海神 藍(aa2518)の言葉にサーフィは「はい」と短く頷いた。
「それは私が作るのではなくサフィが作ると言う事なのかな……?」
 藍は不思議そうな顔をしながらそうサーフィへと訪ねた。
 藍は普段自分の英雄達に週一くらいでケーキやお茶をご馳走している。
 これは英雄達との誓約でもあり、彼の趣味も兼ねてやっている事なのだ。藍が作ったお菓子やお茶などを彼女達はいつも美味しそうに食べてくれている。
 それがどうして急にそんな事を……。
 そう思っていた藍へとサーフィは静かに口を開いた。
「テレビを見て思いついたんです」
「テレビ?」
「はい。テレビでパティシエの方が自分のお姉さんの誕生日にケーキを作ったと言われていました。だからサフィもケーキを作りたいと思ったのです」
 サーフィは一度言葉を切り、そして続けた。
「いつもねえさまにお世話になっていますので日頃の感謝の意味も兼ねて、ねえさまの為にケーキを作りたいと思ったのです。サフィはケーキの作り方を知りません。だからにいさまに教えて頂けましたらと……」
 サーフィは藍の相棒を"ねえさま"と呼んでいる。
 それは以前彼女と初めて出会った時、サーフィは藍の相棒から離れなかった。その後藍は彼女と誓約を結んだ。
 誓約をした後も彼女は相棒の事を尊敬し、藍にも仕えてくれている。そんな彼女が相棒の為に自分でケーキを作りたいと言ってきた。
 断る理由なんって何一つも無い。
「もちろん、私で良ければ喜んでケーキの作り方を教えるよ」
「有難うございます。にいさま」
 柔らかい表情で言う藍にサーフィは彼へと礼を言ったのだった。

 キッチンには卵、砂糖、小麦粉、バター、生クリームなどの材料が置かれていた。
 サーフィは藍の指示の元で銀色のボウルの中に入った卵をホイッパーで混ぜ、そして砂糖を2、3回に分けて混ぜていた。
 最初は黄色い生地だったのが次第に白くなっていき、サーフィはほんの少しだけ驚いた表情を浮かべた。
「色が変わりました。何だか不思議な感じですね」
「そうだな。基本お菓子作りは材料を順番に入れながら混ぜて作る事が多いんだ。材料の順番を省いて、全部材料を入れて混ぜると味が変わってしまう事があるからな」
「結構手間が掛かるのですね。にいさまが作るお菓子はいつも美味しいのですが、お菓子作りがこんなに大変なものだとは思いませんでした」
「確かにお菓子作りは大変なところはあるけれど私は趣味でやっている事だし、手間だと感じた事は無いよ。それにサフィ達が美味しそうに食べてくれる姿を見ると嬉しいんだ。サフィは今ケーキを作ってて手間で大変だと思うかな?」
 藍の言葉にサーフィは一瞬だけ自分の姉の笑顔が頭の中で過ぎった。
 そして。
「確かに少し手間だと感じるかもしれませんが、でもそれ以上に作る事が楽しいです」
 サーフィのその言葉を聞き、藍は目を細め「なら良かった」と小さく呟いたのだった。

 そしてケーキは無事に完成した。
 白い生クリームの上にハート型にカットされた苺、それに加えラズベリーなどが一緒に散りばめられたように可愛らしくトッピングされていた。
 初めて作った事もあって少しだけ所々歪になってしまってはいるが、それでも見る限り美味しそうに出来ていた。
「美味しそうに出来たな」
「にいさまのお陰です。本当に有難うございます」
 頭を下げて礼を言うサーフィに藍は小さく苦笑をする。
「私は何もしていないよ。ただ作り方を教えただけだよ」
「でも、にいさまから教えて貰ったお陰でケーキが無事に出来ました。ねえさま喜んで下さるでしょうか……」
「喜ぶよ。サフィが作ったと知ったら尚更だ」
 ガチャと玄関から物音がした。
 どうやら相棒が帰ってきたようだ。
「丁度いいタイミングだな。サフィ出迎えに行ってもらえるかな。私はその間にお茶の用意をしておくから」
「はい。にいさま」
 藍の言葉に従い、サーフィは相棒を出迎えに玄関の方へと足を向けた。
 藍はその後ろ姿を見、そしてお茶の準備に取り掛かった。






━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【aa2518/海神 藍/年齢22/男性/人間/リンカー】
【aa2518hero002/サーフィ アズリエル/年齢18/女性/英雄】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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海神 藍様

始めましてせあらです。
この度はご指名、ご注文の方有り難うございます。
今回はおまかせノベルと言う事でサーフィさんと藍さんの二人がケーキを作ると言うお話しを書かせて頂きました。
少しでも楽しんで頂けましたら嬉しく思います。
初めてのPC様でしたので口調など、何か不都合などがありましたらお気軽にお申し付け下さい。
藍さん、サーフィさんお二人の物語を書かせて頂きまして本当に嬉しかったです。有り難うございました。
そしてご注文の方本当に有り難うございまました!

せあら


おまかせノベル -
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2018年11月12日

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