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『料理を食べてくれる人 』
星野 ハナka5852

●モテたい
 星野 ハナはモテたいと願ったから、キャラづくりもし、口調など色々身に着けた。
 欲望はとことん突き詰め、料理も家事も難なくこなす。
「モテるとは……いったいどういう状況を指すのでしょうか」
 ふと、我に返った。
 これまで出会いもあったが、ふと疑問がわいた。
「そういえば、どこかで、男の子に怯えられたような記憶があります」
 どこだったか思い出せないが、ハナの言葉の後に怯えていたように見えた。
「そもそも、そこで何か事件が多発しており、それに対して、その子は怯えていたのかもしれません?」
 ハナは溜息をもらす。記憶が薄いことを考えても仕方がない。
「モテたいならば、より一層、励むしかないのですぅ」
 ハナは自分の考えにうなずく。
 モテるということは素敵な婿との出会いもありうるということだ。
 料理を作ってホームパーティーは大変有効な手段だ。自分もおいしい、皆もおいしい。
 それが出会いの場になるはずだが、ハナは目の前の欲望に力を注ぐため、目が料理と皆を楽しませることに向く。つまり、婿候補どころか全体を見てしまう。
 しかし、相手が見初めてくる可能性を考えれば、彼女が意識して探さずとも、問題ないのかもしれない。
「そういえば、寒くなってきましたねぇ」
 窓の外を見る。リアルブルーではシチューのコマーシャルが流れるころだろう。
「そうですね! 鍋パーティーをするのです!」
 今の時間からするならば、パーティーというより知り合いを招いて夕食をふるまう感じである。
「誰かしら手は空いているですよね? ひとまず、材料を購入しに行くついでに、皆さんに声をかけておきますぅ」
 ハンターたちはあちこち飛び回っている。それでも、誰かしらはこの近辺にいる。だから、食べに来てくれる人もいるだろう。
「運がいいと、出会いがあるのですぅ」
 ハナはぐふふという笑いの後、外出した。

●それは!
 おいしいものを作り、食べることは大変有意義なことである。
 作ったのは鶏肉の団子入り鍋。季節の野菜や魚のすり身なども入れた。味付けは和風である。
 キノコたっぷり炊き込みご飯とデザートも作った。
 待つ、来る人を待つ。声をかけた人たちは、広めてくれるとか行くとは言ってくれている。
 だから、待つ。
「あああ、なんでなのですぅ! 私が何か悪いことしましたぁ?」
 窓の外は真っ暗だ。大きな鍋の前で一人ぽつんとするのは寂しい。
「この料理たちを誰が愛で、一緒に食べてくれる人っ、あっ!」
 窓の外を見たとき、この辺りには珍しい人物を見つけた。
 扉を開け、呼び止める。
「待つのですぅ! 紅葉さんですよねぇ」
 足を止め、ぎこちない笑顔で大江 紅葉が振り返る。手には風呂敷包を持っている。
「こ、こんばんは、星野さん」
「すごく、よそよそしい言い方ですぅ、紅葉さん。私とあなたの仲なのに」
「……ええ、いつもよくしていただき、嬉しい限りです。……今日はハナさんの目が怖いのです」
 ハナは笑顔で、紅葉を説得して家に連れて行く。
「いい匂いですね」
 紅葉が家に入った第一声に、ハナは嬉しくなる。
(頑張ったかいがあったのですぅ)
 炊き込みご飯を茶碗によそい、食べるよう勧めた。
 なお、紅葉はもらったけれど家の人が飲まないからとワインを差し出す。
「素晴らしいですぅ。料理にも合いそうなのです、早速開けますぅ」
 ハナはグラスを二客持ってきてワインを開ける。
「ささ、食べましょう!」
 ハナは飲み、食べ始めた。
 自分ではおいしいと思っているが、人が今日来なかったのは、実はまずいとか口に合わないと思われているのでは、という恐怖がよぎった。
 紅葉を見ていると、普通に食べている。スピードは遅いが、笑顔で食べている。
「どうかしましたか?」
「味の感想を聞きたいと思いました」
「おいしいですよ。匂いだけでもおなか一杯になるほどでしたが、食べると今度はその味わいで食欲が進みます」
「遅いですぅ」
「普段からこの速さですので……」
 にこにこしている紅葉。
(この人、結構、顔に出るタイプなのですぅ。そのため、回答は事実なのでしょう)
 ハナは分析する。
「何かお悩みでもあるのですか?」
 紅葉の問いに、ハナはびくっと肩を震わせた。しばらく、黙々と鍋を突く。
「……どうやったらもモテるのですぅ! 可愛いホームパーティーをして、それから!」
 沈黙に耐えかねハナは吐き出すように言った。
 紅葉はハナを見つめる。
「押して駄目なら引いてみるのです!」
「なるほど! って、よくある恋愛の手引きぽいのですぅ」
 ハナは笑う。
「ハナさんは料理やお菓子を作ったり、積極的に行動されています。大変素晴らしいですよ」
 まじめな顔で面と向かって言われると、恥ずかしくなる内容だ。
「うわあ」
 ハナはうめくと、紅葉の皿にはんぺんや肉団子を盛ったのだった。

 客はこれ以上来なかったため、翌日も鍋などを消費することになるのだった。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号/PC名/性別/年齢/職業】
ka5852/星野 ハナ/女性/24/符術師(カードマスター)
kz0163/大江 紅葉/女性/22/符術師(カードマスター)

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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 発注ありがとうございます。
 称号見たり、プレイングでの想像により、私の中のハナさん像が一応できてしまっています。その結果、ご縁により、このような内容になりました。
 敵には回したくはないと常々思っています。怖い、あの符術の連発ぷり……。なお、「怯えた男の子」は夢シナリオ中のプエルです。
 さて、いかがでしたでしょうか?
おまかせノベル -
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ファナティックブラッド
2018年11月15日

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