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『幻獣幻想喫茶の昼下がり〜レグルスさんのんびり編 』
レグルス(イェジド)ka5819unit001

 ここは冒険都市の一角。
 ハンターオフィスに近い場所に、喫茶店がありました。
 ――からん。
「あ、いらっしゃいませ。席の方にどうぞ♪」
 女性店員さんが来店者を明るく迎えてくれます。すでに多くの客でにぎわっているようですね。
 でも、ちょっと普通の雰囲気とは違うようです。
「キャロットティーひとつ、奥のお客様です」
「フルーツパフェ柑橘系抜き、オーダー入りました〜」
 飛び交う注文がちょっと特徴的ですね。
 たったいま入店した男性客もメニューに目を通したあと、ちょっと変わった注文をしましたよ?
「この珈琲セットをイェジド仕様で頼む」
 これを聞いた女性店員、にっこりと復唱します。
「はい。珈琲セット、イェジド仕様ひとつ。ありがとうございます〜♪」
 注文したあとにすらっと長い足を組み替え、深い蒼色の毛並み――おっと、深い蒼色の長髪を肩の後ろに跳ねのけて息をついたのは、人の姿をしていますが幻獣・イェジドのレグルス(ka5819unit001)さんです。

 ここは、幻獣幻想喫茶店。
 幻獣だって喫茶店でお茶したいということで、ハンターオフィスが特別に幻獣専用の喫茶店を運営しています。入店時は人に化ける、がドレスコード。ただし、秘密の喫茶店なので幻獣しか利用できません。
「ご主人と普通の喫茶店に入ってもニンジン入り紅茶なんてないものね〜」
「そうそう。レモンとかミルクとかばっかりで」
 窓際でそんな話をしている女性二人組は、どちらも幻獣です。
「幻獣向けなのにフルーツパフェに柑橘系が入っているのは解せぬ!」
「いや、うちら猫じゃないから柑橘系は大丈夫なはずなんだけど」
 店の奥のグループも幻獣のようです。

「主と一緒に普通の喫茶店……か」
 レグルスさん、耳に入った会話から少し連想しました。
(口数が極端に少ないからあのように会話は弾まないだろう)
 くす、と微笑します。
「まあ、その前提がすでに稀有だろうが」
 言い切るのは、レグルスさんのご主人がたいていハンターの依頼に出ていて、帰って来たかと思うとすぐにまた別の依頼に出発するという行為を繰り返していたから。たまの休日も、「仕事」としての休日ととらえている様子がうかがえる、とか分析しています。
 ――ふふっ。
「お待たせしました。はい、イェジドさん。ブレンドの珈琲セットです♪」
 再び微笑した時、注文の品も来たようです。テーブルに置かれたトレイには淹れたばかり香り立つ珈琲とビーフジャーキー的なものが載っています。
 レグルスさん、早速カップを持ち上げて鼻を近付け、ふんふんすんすんと香りを――イェジドさんですからそんなことせずとも匂いには敏感かもしれませんが、それでも普通の姿の時だって鼻を近付けてふんふんすんすんしますよね。いい匂いなら、なおさら――堪能します。でもって、ビーフジャーキーをひとかけらつまむと、がじり。わしわしとしっかり噛んで美味しそうですね。
 おや。
 一人静かにたたずんでいると、また周りから会話が聞こえてきます。

「ここってお洒落なんだけど、どうしてご主人様と来ちゃいけないんだろう?」
「うーん……不条理だよね〜」
「あぁん、連れ込み可ならご主人様連れ込んでデートするのにぃ〜」
「いや、そういうことする輩がいるから禁止なんじゃない?」

 それを聞いたレグルスさん、新たなジャーキーをかじりながらぽわわんと主のことを思い浮かべました。
(一緒にここでのんびり、か……)
 すぐに小さく苦笑します。
(悪くはないが、おそらくただ時間が過ぎていくだけだろう)
 もちろん、レグルスさん自身それを残念に思うことはないようです。
 だって、苦笑いしてますが楽しそうに笑ってるんですもの。
 そうこうしていると、またほかのテーブルから会話が漏れ聞こえてきます。

「あーあ、早くご主人と戦闘依頼に行きたいなぁ」
「まあ、戦いで役に立つのが我々のお役目だからね」
「それだけじゃないよ。一緒に戦って勝利して、そのあと草原とか木陰とか寝心地の良さそうなところを見つけて、一緒にお昼寝するのが最高の幸せじゃない!」
「ああ、いいねぇ。いつもハンター施設や訓練所だけじゃ飽きちゃうしね」

 これにはレグルスさん、激しく反応してそっちを向きましたよ?
 で、珈琲を飲みながら思うのです。
(草原とか木陰で……悪くないな)
 ――くしゅん!

 ――ばっ……。
 レグルスさん、くしゃみをして目覚めたようです。どうやら一人でお昼寝していたみたいですね。
 見回す周りは、見慣れたハンター施設。
 今まで見ていたのは夢だったようです。
 ――ふぅ……。
 起き上がりかけた姿勢から改めて身を横たえ、思うのです。
 主が今度来たら依頼に連れて行くようねだってみよう、と。
 一緒に戦ったあと気持ちのいい場所を見つけて、そこでくっついて一緒に昼寝をするのもいいな、と――。




━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━・・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka5819unit001/レグルス/雄/??/イェジド

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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レグルス 様

 いつもお世話様になっております。
 わぁい、ワンちゃんが来てくれた〜♪ よしよしわしゃわしゃはぐはぐ♪(犬ではありません。っていうかじゃれつかれると押しつぶされる〜っ! ひーっ)
 な感じでいらっしゃいませ。

 さて、ユニット。幻獣の方。おまかせだが、どうする?
 と自問した結果、地を駆けるスピーディーな戦闘物を書きだしたもののこれは字数が足りないし深みを加えられないということで、この形に。ほのぼの夢オチです。
 主と似て、自ら動くタイプではない(主の方は働きすぎ属性により初動だけは能動的行動を取らせやすい)と判断し、周りの影響を受けつつのお話。本人の直接描写が少ないですが、周りとの対比を楽しんでいただければ。

 なお、ビーフジャーキー。
 レグルスさんがお好きかどうかは不明ですが、ワンちゃん(だから違う!)が固いものをわしわしはぐはぐ一心不乱に食べてるとこって可愛いですよね♪ ということで。
 というか、珈琲とセットにして美味しいのか?
 謎ですが、でもでもレグルスさんにブラックでコーヒー飲ませたかったしー(そもそもブラックで良かったのか?)。

 まあ、夢オチということでお許しを。
 ファナブラの夢オチ依頼でも朋友擬人化というかユニット擬人化やったことないのにここでやっちゃいましたよ。ともかく、大柄でカッコよいお兄さんでしょうねぇ。

 そんなこんなで、ご注文ありがとうございました♪
おまかせノベル -
瀬川潮 クリエイターズルームへ
ファナティックブラッド
2018年11月19日

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