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『男子と若様の午後 』
GーYAaa2289)&日暮仙寿aa4519

「待て、俺に任せろ」
 前に出ようとしたGーYAを抑え、日暮仙寿が踏み出した。
「ここは俺が行かなきゃいけないところですから……譲れません」
 仙寿のブロックを押し退け、GーYAが踏み出す。
「はいそうですかってわけにいかねーんだよ! 俺のほうがジーヤより――」
「だからって甘えられませんってば! 日暮さんにこれ以上、無理させられないですから!」
 わーわーぎゃーぎゃー。
 目の前で繰り広げられる男子ふたりの意地の張り合いに、某ハンバーガーショップ店員(パート/3年め)は思った。
 どっちでもいいから早く注文しやがれください。
「俺はオーダーに慣れてるんだよ! なんだったらサイドメニューだって頼んでみせる!」
「慣れてるとか言ってる時点でシロウトじゃないですか! それに誘ったの俺ですし、奢りますから!」
「俺の影のあだ名は“若様”だぞ!? 金くらい払わせろよ!」
「世事に疎すぎますよ若様! そのへんに座って良きに計らえとか言っててください邪魔なんで!」
 店員(パート/3年め/女性)は重いため息をつき、揉め続けるふたりへ声をかけた。
「お客様、割り勘になさいますかー?」
「それじゃ俺のメンツが立たねーだろ! なあ!?」
「相談したいの俺ですから! バーガー代も払わないってさすがにどうですかね!?」
 知らんがな! 思わず笑顔の裏でツッコむ店員(パート/3年め/女性/34歳)であった。


「なんかすげー見られてねーか?」
「そりゃ見られますよ……あれだけ騒いでたら」
 2階の一席に収まった仙寿とGーYAはこそこそ言葉を交わし、まわりから殺到する好奇の目から隠れるように体を縮こめる。
「で、なんだよ。相談したいことって」
「あ、はい。それはですね」
 セットのコーラをひと口含んで――結局は自分の分を自分で買うことに決まったので、GーYAのセットは彼自身の払いである――息を整え、GーYAは背筋を伸ばして。
「キスとか、どうかなって」
 !!
 午後4時のバーガー屋に激震がはしった。
 まさか。まさかまさかまさか、まさか! あのふたりで、キス!?
 腐っている女子はもちろんのこと、腐っていない女子までもがおののいた。でも待って、落ち着こう。1回落ち着こう? 大事なのはここからだし。
 息を詰めて見守る体勢に入った女子たちのただ中、仙寿がもっともな言葉を返す。
「なんだよそれ」
 しかし。
 ムっとしてる! ムっとしたはる! 若様は俺にキスしてーならしたらいいだろって言われてるぅ! ちょ待っ、若様はキスなんて俺がしてやる派じゃね? 女子を止めることはできなかった……
「あ、すみません。彼女と付き合い始めたんですよね? だったら、キスはもうしたのかなって」
「なぅっ――そりゃ、まあ、するだろ。って、10は言い過ぎだけど、5回付近は?」
 あー。オトコイ(男同士の恋)じゃないのかーい。5回付近ってわざわざ言うってことは、5回もしてませんねこれは。
 がっかりと肩を落とす女子たちだったが、オチがついたので彼女たちの出番は終了。ここからはGーYAと仙寿の話に集中する。
「気配が鎮まった……なんかすげーやな感じだけど」
「そんなもんですか? シャドウルーカーが言うんですからそうなんでしょうけど」
 なんとなく納得するGーYAへ自分のトレイからアップルパイを渡しつつ、仙寿はうなずいた。
「で、5回付近だけど、どーしたよ?」
「はい。付近の謎は置いときますけど……やっぱりあれですか? ムードとか、作る感じですか?」
 仙寿は目をしばたたき、息を吸って、止めた。
 焦るなよ、俺。ジーヤは試してるんだ。あいつと付き合いだして、キスまですませた俺にどれくらい彼氏力あんのか。ここで応えまちがったら最後、ジーヤは俺に「その程度ですかー」とか言ってあきれちまう。日暮の家名に泥は塗れねー。嘘はつけねーけど、それっぽくあいまいに、ジーヤが感心するようなこと言わねーと!
 女子にはわかるまいが、18歳の男子の半分は意地とメンツでできているもので、実にこう、めんどくさい生き物なんである。
「そんなん、作るだろ?」
 返事の語尾が上がったのを、GーYAは聞き逃さなかった。
 日暮さん、なんか自信なくない? いや、リードはしようってがんばるタイプなんだよな。女の子に負担かけたくないって。ただ、うまくできてるかどうかはわからない、と。
 人の顔色を読むのは得意だ。なにせ施設ではずっとそうして生きてきたから。
 しかし、今日欲しいのは助言であって、男の見栄が見たいわけじゃない。
 だから、うなずいておいて、切り込んだ。
「キスはあれなんですけど、もしデートとかってなったらどういうとこ行けばいいのかなって」
 GーYAには想い人がいる。
 漠然としていた想いが恋だと気づいたのはいつのころだったろうか。しかし、自覚した後もアクションは起こせずにいた。
 彼女が、その笑みの裏に癒えることのない傷を抱えていることを知っているから。
 その傷がなんなのかはわからない。彼女自身も思い出すことのできないものだから。形があれば癒やせるかもしれない傷も、それ自体がどこにあってどのようなものなのかが知れないのだからどうしようもなくて。
 それでも俺は、その傷を癒やしたいんだ。俺に自由をくれた彼女に、今度は俺が自由をあげたい。
 開放すると言って、自分を縛りつけようとする矛盾。彼女のためを思いながら、自分の恋情を捨てられない身勝手。どちらもわかっている。しかし、だからこそ彼女に問いたいのだ。同じ自由を分かち合い、同じ明日へ踏み出してもいいか?
「つまり告白したいってことだよな?」
 GーYAのトレイにチキンを乗せ、仙寿は息をついた。
 彼が誰を想っているのかは仙寿も知っている。本当ならもっとゆっくりと距離を詰めて、伝えていきたかったところだろうに……“王”の出現が、能力者と英雄にひとつのタイムリミットを作ってしまったから。
「言っとくけどな、俺は告白すんのに1年以上かかってるから」
 意地を張って大切なものから目を逸らして、その後は焦ってあがいて走って走って走って、ようやく彼女の背中に追いついた。だからこそ。
「無駄な時間だったなんて思わねーよ。それがなかったらあいつに追いつけなかったし。でも、ジーヤは俺じゃねーだろ。いろいろ考えるよか、自分が連れてきたい場所に行けよ」
 GーYAと彼女は、出逢ってからの3年、ふたりにしか計れないものを重ねてきた。それを考えれば、おのずと見えるはずだ。どこが自分の想いを告げるにふさわしい場所なのか。
「いや、そうなんでしょうけど。でも、俺が行きたいとこなんてなぁ。ずっと施設に閉じ込められてて、よくわかんない公園で彼女に出逢って……一応、思い出の場所だからアリって言えばアリなんですかね?」
 言っておいてなんだが、さすがにそれはよろしくないか。『俺の心臓、ここでおまえが勝手に預かってくれたんだよな! だからここが告白するべき場所だと思うんだ!』とか話す気か。うーわー、引く。俺だったら絶対引くよ。
「ムードとかそういうことじゃねーんだよ。いつものとおり、ジーヤがジーヤらしく突っ込めば、そこに道が拓く」
 万感を込めて、仙寿は悩める友へ祝福を贈る。おまえはいつだってまっすぐだ。そういう奴が遠慮して回り道なんてしちまったら、行かなきゃいけないとこを見失うだけだろ。
 一方のGーYAは、言外に含められた仙寿の意を察し、竦んでいた。
 ほんとに俺は突っ込んでいいのかな? いつもいつも彼女に迷惑ばっかかけて、心臓まで預けてる俺が。いや、今さら俺は俺にウソなんてつけないから、行くしかないんだよな。でも――
 こんなの俺っぽくない! 大好きだって叫びたい! いちばん大切で、ずっとそばにいてくれた彼女に正々堂々、俺の本気を伝えるんだ!
「でも花は用意してくべきですよね? 赤い薔薇って100本いくらするんでしょう?」
「いや、100本はやめとけって。だって同居なんだろ?」
 思い切ったわりに妙なこだわりで歪むGーYAの前へバニラシェイクを置き、息をついた。
「まあ、そうですよね……で、日暮さん。なんでさっきから俺のとこにサイドメニュー配ってるんですか?」
「いや、食い切れねーから」
 GーYAに押しつけてなおトレイに盛り盛りな品物と、ついでにGーYAからも目を逸らし、仙寿は低い声を返す。
 そう、彼は「ごいっしょに〜」の呪文を撥ね除けられなかったのだ。勧められるまま、全部買ってしまった。
「若様、そういうときは断るのが下々の常識ですけど?」
「店のおすすめ断れっかよ!? 店主の目利きなんだと思ってんだ!」
「じゃあすすめられたら布団でも車でも買うんですか!? そんな」
「……」
「あの。まさか、経験あり。ですか?」
「……」
「若様?」
「いーんだよ! あいつも喜んでたし!」
「結局は金じゃないですか! まさか薔薇も100本どころか1000本贈ったりして!?」
「してねーよ! 持って帰んの大変だろ!? だから指輪にしたし!!」
「指輪!? そんなお高い――このっ、若様ぁあああああ!!」
 どうでもいいことを真剣に言い合うふたりの男子の様に、出番を終えたはずの女子たちは思うのだ。
 男ってほんとかわいい。
 一部、「超お似合いだからくっつけよ」とかいう邪念を飛ばす者もいたりしつつ……。


「とにかく俺に訊くより自分に訊けって話」
 荒い息をすっかりぬるくなったアイス烏龍茶で鎮め、仙寿は口の端を吊り上げる。
「応援してるって言われたらやかもしんねーけど、友だちが幸せになってくれたら俺も幸せだから」
 仙寿からもらったシェイクを吸い上げながら、GーYAはうなずいた。
「彼女を幸せにしたいんです。そしたら俺も幸せになれるから」
 それだけじゃない、こんなふうに馬鹿みたいなことを言い合える友だちにも見せたいのだ。彼女を幸せにできたことで自分が幸せになれたところを。
「まっすぐ突っ込んで、明日を拓きます」
 友への感謝と自らの願いを握り込み、GーYAは強く言い切った。


━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【GーYA(aa2289) / 男性 / 18歳 / 男子!】
【日暮仙寿(aa4519) / 男性 / 18歳 / 若様!】
おまかせノベル -
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2018年11月26日

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