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『この先の道は 』
花邑 咲aa2346

 わたしは

 時々

 過去を

 夢で“見る”

 否

 夢で“思い出す”

 希望に満ちた家庭、優しさに溢れた友人。

 そして、愛情を結んだ“彼”

 呪いの様に、決められた定めの様に、目の前で

 わたしを守り、短い命の灯火を消す。

(久しぶりに、見ました……)
 花邑 咲(aa2346)は身体を起こすと、頬に涙が流れた跡にそっと手を添えた。
 変えられぬ、過去。
 そして、進みゆく未来。
 英雄が手を取り、何時もと変わらぬ表情と声色でわたしに語りかける。
(秋晴れ……)
 夏の青さより優しく、春の青さより儚く、秋の澄んだ空を窓から見上げた。
 少し、思いに耽ってると、インターフォンが鳴った。
 上着を羽織って、咲は足早にカメラ付きのインターフォンに声を掛けた。
「お嬢さん、良いお菓子があったから買ってきたんだけど……食べる?」
 ドア越しからでも分かる声に、思わず笑み溢しながら咲は答える。
「はーい、着替えますのでちょっと待ってて下さいー」
 こんな朝早くから珍しい、と思いながらも着替えた咲は客人を迎え入れた。
 今は朝の6時前。
 朝食代わりにしようと、思った咲は紅茶を淹れた。
「こんな朝早くにごめんね」
 圓 冥人(az0039)が茶色の紙袋からお菓子を取り出す。
「いいえ、朝ごはん代わりになって良いなーと思っていますー」
 と、咲は嬉しそうに、ティーカップに紅茶を注ぐ。
「それなら良かった。残りは英雄達と食べると良いよ」
「はい、きっと喜びますー」
 冥人が8等分に切り分けたケーキを皿に乗せ、咲の前に置くと優しく微笑んだ。
 大好きなナッツが使われたチーズケーキ、フォークで一口サイズにして口にした。
 美味しいハズなのに、ふと脳裏に夢で“思い出した”過去が過る。
 その事もあるのだが、これから先の不安も咲の胸を支配してた時もあったが、今は英雄や周りの友人達のおかげで前向きになっている。
(でも……もう、誰の手も離したくないのーー……)
 ティーカップを手にすると、咲はぎゅっと力を込めて冥人に笑顔を向けた。

 今の私には

 あの時、無かった

 “力”で

 “仲間”と

 共に、守れる。

「また、言いたい事があったら言って下さいね。何時でも聞きますよー」
 温かい紅茶を口にしながら咲は言う。
「話せる範囲ならね。でも、咲はーー……顔に出る、か」
 冥人はちらっ、と咲に視線を向けると小さく笑った。
「そんなに顔に出ますかー?」
 両手で頬を覆うと咲は、ぐるぐると頬を撫でながら首を傾げた。
「表情とかじゃなくて、何だろう? 説明しずらいけど、ね」
「冥人さんはもう少し分かりやすくして欲しいですー」
 咲が冥人の頬をつねろうとする。
 柔らかいとは言い難い、第一英雄の様に固めだ。
 うっすらとある傷跡が、少し痛そうに見えてしまったので、頬をぐるぐると手で撫でる。
(柔らかくなーれ、痛いのとんでいけー)
 なんて思いながら、くすくすと笑い声を漏らす咲。
 そんな咲を冥人は目を丸くして見つめた。

 守りたい

 貴方の笑顔も

 皆の笑顔も

 全てを

 その気持ちを胸に

 その想いを剣に

 今日も笑顔で迎える。

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【aa2346/花邑 咲/女/20/優しき鎮魂の灯火】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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おまかせノベルを発注ありがとうございます。
何か、本当に好き勝手に書かせていただき、とても楽しかったです。
少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
この度は、おまかせノベルを発注していただき本当に、ありがとうございました。
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2018年11月22日

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