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『 花の幻想 』
ファルス・ティレイラ3733

 店の中に飾ってある花のガラス細工を見てファルス・ティレイラ(3733)は思わず感嘆な声を上げた。
「わぁ〜綺麗……」
 現在。
 ティレイラがいる場所は魔法のガラス細工を制作し、展示レンタルをしている店だった。
 ティレイラはお店の女店主に頼まれてガラス細工の制作の手伝いに来ていた。
 店内には色んな種類の花のガラス細工が飾ってあり、思わず目移りがしてしまう。
 透明なガラスの中に美しい花が入っているガラス細工はどれも綺麗で美しい。それも思わず魅了される程に。

(こんな綺麗なガラス細工初めて見るなぁ……)

 そんな事を思っているティレイラへと女店主は彼女に話し掛けた。
「では早速手伝って貰いましょうか。私に付いて来て頂戴」
「は、はい」
 女店主にそう言われてティレイラは彼女の後を付いていく。
 店内を出ると廊下の通路があり、通路を歩いた先の一番奥に作業部屋があった。
 作業部屋へと女店主から案内されたティレイラはドアを開き、室内へと足を踏み入れる。
 室内は思ったより広い作りになっており、周囲には幾つものガラス細工があった。それは試作品から完成したものまで様々だ。
 室内の中央に置かれている魔法道具の前に女店主は立ち止まり、ティレイラの方へとくるりと振り向いた。
「では、ガラス細工の作り方を説明するわね。この魔法道具から出るシャボン玉のような球体の魔法膜に花を入れると、」
 女店主はそう言いながら魔法道具を発動させ、シャボン玉のような膜を発生させた。
 そして何処からともなく出した薔薇を魔法膜の中へと入れる。透明な膜の中へと薔薇がゆっくりと落ちていった。
「すると花が見えなくなって、球体が萎んで花の形のガラス細工になるの」
 女店主の言葉のとおりにシャボン玉の膜はゆるゆると萎んでいき、花のガラス細工へとなった。
 女店主は自分の足元にある花のガラス細工を拾い、ティレイラへと言葉を続けた。
「これを貴方にやってもらいたいのだけど良いかしら?」
「はい。もちろん大丈夫です」
 女店主の言葉に短く頷き、そんなティレイラへと女店主は薄い笑みを浮かべながら、
「それじゃぁ、宜しくね」
 とそう言ったのだった。



 女店主に製作方法を教えて貰ったティレイラは彼女に言われたとおりに花のガラス細工を次々と作り出していっていた。
 最初は少し戸惑っていた彼女だが次第に慣れていったティレイラは気が緩み始めていた。
 慣れた手つきでガラス細工を製作する彼女だが、気が緩んでいた為か魔法道具の操作を誤り誤作動を引き起こした。
 誤作動を引き起こした魔法道具からは一際大きなシャボン玉の膜が発生された。

「はっ、早く逃げないと!」

 自分の身体より大きな膜を見てティレイラはあわわっと慌てながら、咄嗟に翼を生やして逃げようとする。
 だが膜は彼女の尻尾の先を飲み込み、それから次第に膜が彼女の身体を飲み込んでいった。膜の中でティレイラはあたふたと身体を必死で動かす。
「どうしょう……。ここから出れない……」
 いくら身体を動かしても結果は同じ。
 次第に膜はゆるゆるとガラス細工ができるように萎んでいった。
 そんな様子にティレイラはますます慌てて翻弄されてしまうが、彼女の全身を包む魔力の流れの心地良さに脱力してしまう。
 翼や尻尾の先から薄膜にパックされて心地良さと、同時に感覚がなくなってしまうのをティレイラは感じた。
 薄膜身体に張り付き抵抗する力が入らず手足、腰から胸へと心地良さが身体中に染み渡りティレイラの口から甘い声が漏れてしまう。

「んっ………」

 そして彼女は脱力感と心地良さのまま竜少女のガラス細工と化してしまった。



 その後。
 別の仕事をし終えた女店主はティレイラの様子を見に、彼女がいた場所へと戻って来た。
 女店主はその場にある竜少女姿のガラス細工の像を見て思わずその像を見入ってしまう。
 それは自分が思い描いていた作品そのものだった。
 それと同時に魔法道具の位置が変わっている事に女店主は気づき、ティレイラが誤作動を発生させ、彼女がこの姿になってしまったのだと女店主はすぐに理解した。
 そして竜少女の像に近づくと、女店主は竜少女の像の滑らかな曲線のガラスの身体を撫でて、
「素晴らしいわ」
 と女店主は感嘆な声を上げた。
「今回の報酬は奮発するからもうちょっとだけこのままでいてね」
 そう囁くように女店主はティレイラに言った。
 そして彼女は竜少女の像を店の店内の中へと飾ったのだった。




―― 登場人物 ――

 ファルス・ティレイラ

 ――――――――――

ファルス・ティレイラ 様

こんにちはせあらです。
この度はご指名とご注文の方有り難うございます。
今回のお話しはティレイラさんがガラス細工の膜に翻弄されるお話しをとの事でこのように書かせて頂きました。
少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。
今回もティレイラさんの物語を書かせて頂きまして本当に嬉しかったです。
有り難うございました。


せあら


東京怪談ノベル(シングル) -
せあら クリエイターズルームへ
東京怪談
2018年11月26日

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