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『「特別で大切な日」 』
ミラン・M・アイナットaa4968hero001)&御剣 正宗aa5043

 ある小さな教会で御剣 政宗(aa5043)とミラン・M・アイナット(aa4968hero001)の二人は結婚した。

 結婚式は二人の共通の友人達や、政宗の英雄夫婦がお祝いに来てくれた。
 友人達に祝われ、大切な人と初めて夫婦になれた特別な日。
 ミランは幸せを感じていた。
 結婚式が終わり、教会から離れた場所にある豪華なホテルに二人は泊まりに来ていた。
 このホテルにはオシャレなラウンジ、女性に人気のエステなどの各様々な施設があった。中でもこのホテルと隣接している海は透き通るように美しい。
 このホテルは元々街外れにある為、あまり人には知られていなかった。その為、このホテルは穴場の隠れスポットとされていたのだった。

(よし! これで計画は完璧!)

 部屋のベッドの上に座り、手にした計画表を見ながら心の中でミランは意気込んだ。
 計画表には政宗と一緒に夕食を食べた後、ホテル内の施設を見て周り夜には浜辺で二人で散歩をする。その際にミランは彼にプレゼントを渡すと言う計画をしていた。
 この前ミランは偶然店に入った時に政宗に似合いそうなものを見つけた。
 きっと彼がこれを身に付けたら似合うだろう……。
 そう思うと同時に彼女はこれを結婚式の当日彼にプレゼントしょうと思った。
 政宗は自分にとって大切な人。
 初めて夫婦となるその日に自分から政宗にプレゼントを贈りたい。

 きっと特別な日になる。

 彼女はそう思った。
 せっかくだからロマンチックなシチュエーションにしたいと思い、今日この日をミランは計画していたのだった。

「……ミランそろそろ下に行こうか……」

 突然声を掛けられミランは顔を上げる。
 いつの間にかミランの前に政宗が立っていた。
 政宗の姿はいつもの姿とは異なり、白のふんわりとした可愛らしいワンピース姿だった。
 彼の趣味は女装であり、その為女装をする時はオシャレに気を使っていた。
 女装姿の政宗はとても美しく、綺麗でミランはそんな政宗の姿も心から可愛いと思うと同時に好きだった。
「うん。そうだね」
 そう笑顔で政宗に返しながらミランは手にしていた計画表……紙を政宗に気づかれないように短パンのポケットの中へと入れた。



 ホテル内の一階にあるレストラン。
 室内は広く、テーブルや椅子などは白を基準とした物で揃えられ、内装もお洒落で落ち着いた雰囲気をしていた。そんな中で政宗達は夕食を取っていた。
 夕食は前菜からメインと言うフレンチのフルコースだった。
 結婚式で出された料理もどれも美味だったが、今目の前にあるカラフルな野菜のテリーヌも見事な味わいだ。
 テリーヌ、メインの料理を食べた後、テーブルの方へとデザートが運ばれた。
 政宗の前にはラズベリーソースが掛けられたレアチーズケーキ。ミランの前にはウサギの顔をした可愛らしいケーキが置かれた。
 イチゴのスポンジケーキの上から、白い生クリーム。顔はチョコなどで可愛らしく描かれており、その周りにはイチゴで可愛らしくトッピングされていた。
 このウサギのケーキはフルコースの中に入っているメニューではなく、政宗がミランの為に店に頼んで作って貰ったものだった。
「可愛い! ……あっ、でも俺このケーキ頼んでないよ。ウェイターさんが間違えたのかな……」
「……間違えてないよ。ボクがミランの為に作って貰ったものなんだ……」
「俺のために……」
 小さく呟く彼女の言葉。
 彼女は政宗へと視線を向け、
「政宗……有難う」
 ふわっと嬉しそうに笑った。
 彼女のその笑顔を見て政宗は心が暖かくなると同時に嬉しさを感じた。

 食事を終え、一通りホテル内にある施設を見終わった政宗とミランの二人は海に行く為にホテルの入口へと歩いていた。
 その時突然。
「あの……すみません、道をお尋ねしたいのですが……」
 そう若い二人組の女性から声を掛けられた。周囲を見ればホテルマンや従業員などは近くに見当たらなかった。
「ここのレストランに行きたいのですが、ちょっと迷ってしまって……」
 そう言って一人の青い髪のショートヘアの女性は政宗にスマホの画面を見せた。その場所は先程政宗達が食事をしたレストランだった。
「……この場所でしたら、このロビーの突き当たりを曲がった場所にレストランがあります……」
 そう政宗は女性達に説明をする。
 そんな光景を彼の隣で見ていたミランはふっとロビーの中央へと視線を向けた。
 そこには大きな荷物を沢山抱えながらよろよろと歩く着物を着た一人の老婆が歩いていた。見るからに大変そうでミランは老婆に駆け寄り、そして声を掛けた。
「お婆さん。その荷物重そうですね、ボクお手伝いしますよ」
 ミランの申し出に老婆は申し訳なさそうな顔をして遠慮をした。
「大丈夫ですよ。それに荷物も多いしお嬢さんに申し訳ないよ」
「そんな遠慮しないで下さい。ボクこう見えても結構力持ちなんですよ。だから手伝わせて下さい」
「そうかい。悪いね……。では入口まで運んで貰えると助かるよ。入口に車を待たせているんでね」
「分かりました」
 そう言ってミランは老婆の手から荷物を受け取った。沢山の紙袋を受け取ると同時に結構な重さを感じる。
 想像していた重さより結構な重さがあった為、ミランは思わず僅かにバランスを崩し、身体が傾き掛ける。思わず倒れそうになったミランの身体を咄嗟に政宗が支えた。
「……政宗」
「……荷物ボクが持つよ……。それにミランよりボクの方が力持ちだからね……」
「じゃぁお願い」
 そう言われミランは素直に政宗へと荷物を渡した。
 そして大量の荷物を持った政宗はミラン達と共に出口へと向かったのだった。




「二人共有難う」

 老婆は政宗達に礼を述べると家族が運転する車に乗って、その場を後にしたのだった。
 老婆を見送った後政宗はミランの方へと向き直り、彼女へと近づくと彼女を抱き抱えた。
「……ちょっ……まっ、政宗!」
 急に抱き抱えられたミランは動揺する。それに対して政宗は冷静だった。
「……ちょっと行く所があるから……」
 そうミランに短く告げ、政宗はある場所へとミランを連れて行った。

 たどり着いた先はホテル内の医務室だった。
 ミランはベッドの上に座り、政宗はミランの足に包帯を巻いていた。
 あの時。
 老婆の荷物を持った瞬間バランスを崩したミランは足を捻り捻挫をしてしまった。
 それに気づいた政宗はミランをここに運び、医務室の医師に彼女の怪我の方を見てもらったのだった。
 その後急患が入り、ミランの足の処置をしたあと慌しくしている医師達に政宗は彼女の包帯を巻くのを自分から申し出たのだった。
「……これじゃぁ海に行くのは無理みたいだな……。今日はもう部屋に戻ろう……」
「……そんな! ボクは大丈夫だから。お願い! どうしても政宗と行きたいの!」
 必死そうな顔をするミランからそう言われ政宗は暫く考えたのち、
「……分かった。行こう、だけど無茶は駄目だからな……」
 そう言った。
「うん! 有難う。政宗」

 夜の海。
 白い砂浜の近くのベンチにミラン達は並んで座っていた。
 白い砂浜から見える海は月の光が反射して、まるで幻想的で綺麗だった。
「……政宗……あのね」
 ミランは政宗の方へと向き、そして彼へとある物を差し出した。
 それは小さな黒い箱だった。政宗はそれを受け取るとミランは「開けてみて」と彼へと促した。
 ミランの言葉に従い、箱の中を開けてみるとそこには銀色の十字架のピアスがあった。
 十字架の真ん中に白い宝石に似た石が付いており、とても綺麗だった。
 きっとどんな服装にも似合う。そんなピアスだった。
「どうしてもこの場所で今日政宗に渡したかったんだ。今日は俺達にとって大切で、特別な日だから……」
 そうミランは照れくさそうに笑った。
「……ミラン……」
 そんな彼女の姿を見て政宗は胸が熱くなり、そして彼は箱の中に入っているピアスを自分の耳へと嵌めた。
「……どう? 似合うかな?……」
 そう彼女へと問う。
「似合うよ! すごく!」
 嬉しそうに笑顔で答えるミランに、政宗は柔らかい表情をした。
「……有難う。大切にするよ……」
 政宗の言葉にミランは心から嬉しさと共に幸せを感じたのだった。





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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【aa4968hero001/ミラン・M・アイナット/女性/18/英雄】
【aa5043/御剣 政宗/?/22/リンカー】



ミラン・M・アイナット様

始めましてせあらです。
この度はご指名、ご注文の方有り難うございます。
そしてノベルの方が遅くなりまして大変申し訳ございませんでした……。

今回のおまかせノベルの方はミランさんと政宗さんの結婚式のあとのお話しの方を書かせて頂きました。
結婚式の方はお二人の結婚式の幸せそうなイラストを拝見させて頂きまして、そのあとのお話の方をイメージして書かせて頂きました。
少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。
今回ミランさん、政宗さんお二人のお話しを書かせて頂きまして本当に有り難うございました。
またノベルをお届けするのが遅れてしまいまして誠に申し訳ありませんでした……。
また機会がありましたらどうぞ宜しくお願い致します。

せあら
おまかせノベル -
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2018年12月03日

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