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『「思い出の遊園地デート」 』
フラン・アイナットaa4719)&CODENAME-Saa5043hero001

 フラン・アイナット(aa4719)とCODENAME-S(aa5043hero001)の二人は遊園地にいた。
 フランとSそれに加えてフランの相棒の三人でアイドル活動をしていた。
 遊園地の運営者からの依頼で今日は遊園地のステージでアイドルのミニライブに参加していたのだった。
 野外でのコンサートで最初は客の出入りもまずまずと言ったところだったが、次第に客の数も増えていきライブが終了する間際には沢山の観客達で客席は埋まった。
 遊園地ミニライブは大成功を収めたのだった。
 ライブ終了後。遊園地の閉鎖時間までまだ時間があり、フランの相棒からせっかくなので二人でデートをしてくれば良いと言われ今の現状に至ると言う訳だった。
 現在の時刻は夕方の16時。
 ライブ開始は午後の13時からの2時間ぐらいだったのでこの時間帯だ。
 また遊園地の閉鎖時間は午後21時になっており、時間にはまだ余裕がある。
 それに加え、この遊園地は夜にはパレードがあった。それを知って相棒は自分達に気を使ったのだろう……。
 相棒の優しい気遣いと夫婦揃って久々に二人きりでデート出来る喜びを感じながら、フランは自分の隣にいるSに話しかけた。

「Sは何処か行ってみたいところってあるか?」
「そうですね……」
 そう訊ねられたSは周囲を見渡す。そして彼女はある場所へと目を止めた。
 それは小さな家だった。
 見た目は童話の妖精が住んでいそうな小さく可愛らしい家。
 おそらくこの遊園地のマスコットキャラクターの舘、もしくは人形劇か何かだろう。
「ではあの家に行ってみたいです」
 そう言ってSは小さな家の方に指を指しながらフランに言った。
「あー、あの小さな家か了解! じゃぁ行こうぜ」
 そう言ってフランは彼女の手を握り、歩き出す。Sはそんな彼の手の温かさを感じながら彼の手を握り返した。
「はい」
 柔らかい表情を浮かべる彼女を見、フランは歩を進めたのだった。

 小さな家のドアをキィーと音を立てて開き、家の中へとフラン達は足を踏み入れた。
 そこは遊園地のマスコットキャラクター双子の白ウサギと黒ウサギの人形が置かれていた。
 それに加え、部屋の中は白ウサギ達が住んでいるとされている森の中をイメージした木や、木の実、小さな川などのセットがあった。
 またウサギの他にもウサギ達の仲間であろう小動物などの人形もあり、見ているだけで癒される気分になった。
「可愛いですね」
 人形を見ながら小さく微笑むS。
 眺めているだけでも楽しい。
 そう思いながらS達は先へと進んで行く。
 先に進むと大きな森の中のセットに差し掛かり、そこではウサギや小動物達の人形がセットの中を飛んだり跳ねたり動いていた。
「うわっ! これすげーじゃん! どうやって動いてんだ?」
 セットの中を動く人形の姿を見、フランは驚愕の声を上げた。
 見た限り誰かが操作し、動かしている風には見えず、まるで人形達が生きているように見えた。
「これはきっと透明で細いワイヤーか何かで動かしているのでしょうね。それをこのセット内に設置された機械が操作をしているのだと思います」
 そう言われフランは周りにあるセットへと目を向ける。
 Sの言葉どおりに木や川、森などのセットには所々にセットに紛れて機械が埋め込まれていた。
「Sの言うとおりじゃんか。Sお前スゲーな!」
「たまたま見つけただけですよ。それにしても可愛いですね。思わずエサとかあげたくなっちゃいますね」
 そう言いながらSはウサギの人形へと手を差し出した。
 ウサギの人形はSの手の方へと近づき、小さな鼻でふんふんとSの手の臭いを嗅ぐ仕草をする。その仕草は機械に予めプログラムされていると知りながらもSは可愛らしく思う。
 そんな楽しそうにするSの姿を見ながらフランは僅かに頬を緩ませた。



 ジェットコースター、メリーゴーランドと言った様々なアトラクションを楽しんだ後、フランはSへと話し掛けた。
「楽しかったなー。次はどのアトラクションに行く…………」
 そう言った瞬間フランはその場に足を止めた。

「……ヤベぇはぐれちまった……」

 Sとはぐれてしまった事に気づいたフランは慌ててズボンのポケットの中からスマホを取り出し、Sに連絡を取ろうとする。
 だがスマホの充電が切れていた。

(こうなったら探すしかねーじゃんか!)

 そう思い、フランはその場を急いで駆け出した。
 フランは自分達が先程歩いていた道をたどり、あるいはSが行きそうな場所を探し回る。
 その度にすれ違う人達にSの事を聞くが残念ながらもまだ見つからない。
 早く見つけてやらないときっと心細いかもしれない……。
 そう思うと同時に自分の中で焦りが募る。

 彼女と手を繋いでいれば良かった。

 はぐれないように気をつけていれば良かった。

 そんな思いを抱えながらフランは彼女を探し回る。
 そんな中で。
「ああ。その子なら見たよ、確か向こうにある観覧車の近くを歩いていたかな……」
 その場にいた一組のカップルからそう教えて貰ったフランはカップルに礼を言って、観覧車の方へと急いで駆け出した。
 観覧車の方へとたどり着いたフランは観覧車の前にいるSを見つけた。

「S!」

 名前を呼ばれSは振り向く。
 そこには不安そうでだけど同時に彼の顔を見た瞬間、僅かに安心した表情を彼女はした。
「フラン……」
 その彼女の顔を見た瞬間。
 フランは夢中で彼女の元へと走り出し、そして彼女を抱きしめた。
「……良かった無事で……」
「はぐれてしまってごめんなさい……」
「Sのせいじゃない。俺の方こそ気が付かなくってごめんな」
 フランの言葉にSは彼の腕の中で小さく首を振った。そして彼女は弱々しい声で呟くように言った。
「……フランとはぐれて連絡が取れなかった時不安でした……」
 一度言葉を切り、Sは言葉を続けた。

「でも見つけてくれて有難うございます。やっぱりフランは私の夫ですね」

 顔を上げ、ふわりと嬉しそうに言うSにフランは思わず彼女を強く抱きしめた。
「そんなの当たり前じゃねーの。絶対見つけ出すに決まっているじゃんか」




 夜。
 遊園地のパレードをフラン達は眺めていた。
 キラキラとしたイルミネーションで飾られた馬車やキャラクターの形をした乗り物などが通路を通っていた。
 それはとても綺麗で観客達は笑顔でそれを眺め、または写真を撮っていた。

(こんな風景を彼と一緒に見れて良かったです……)

 そう心の中でSは呟く。
 彼と繋いだ手を彼女はぎゅっと握った。そんな彼女へとまた彼も手を握り返し、そしてふっと小さく笑った。
 Sはそんな彼の表情を見て柔らかい表情を浮かべたのだった。




━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【aa4719/フラン・アイナット/男性/22/リンカー】
【aa5043hero001/CODENAME-S/女性/15/英雄】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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フラン・アイナット様

始めましてせあらです。
この度はご指名、ご購入の方を頂きまして本当に有り難うございます。
そしてノベルの方が遅れてしまいまして、本当大変に申し訳ございませんでした……。

おまかせノベルとの事で今回はフランさんとSさんご夫婦の遊園地デートを書かせて頂きました。
少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。
今回フランさん、Sさんご夫婦のお話しが書けて本当にとても嬉しかったです。
もしまた機会がありましたらどうぞ宜しくお願い致します。

せあら
おまかせノベル -
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2018年12月03日

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