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『「君の笑顔」 』
エラ・“dJehuty”・ベルka3142

 とある街の中にある小さな本屋。
 エラ・"dJehuty"・ベル(ka3142)は本屋の手伝いをしていた。
 元々エラは今日仕事が休みで街の中を一人ぶらぶらと散歩をしていた。
 そんなところに身体をフラフラとさせながら歩いている一人の若い女性がいた。
 それは見るからにあまりにも危なかしく、また体調が悪そうにも見えた。エラは心配になり女性に話し掛けた。
 見たところ女性は風邪をひいており酷い熱だった。
 エラは女性に仕事を休むように強く言ったが女性はそれを断った。
 彼女の話によると彼女は街の中の本屋で働いており、年配の店長と店員は自分の二人だけしかいない。
 それに店長だけだと大変なので何としても仕事に出勤をしたいと言う事だった。
 しかしこの状態のまま出勤するのはとても無理な事だ。
 そこでエラは女性の代わりに本屋の手伝いをする事にしたのだった。

「エラさんこの本を本棚の方に詰めて貰えるかな」
「はい。分かりました」
 年配の店長に言われ、エラは沢山の本を抱えながら本を本棚の中に詰めていく。

「あの………すみません」

 突然。
 後ろから声を掛けられエラは振り向く。
 そこには6歳ぐらいの水色のワンピースを着た長い金髪の幼い少女がいた。
 エラは少女の目線の高さに合わせるようにその場にしゃがみむと少女に訊ねた。
「どうしたのですか? 何かお探しでしょうか?」
「あのね、お姫様が出て来る本を探しているの。だけど何処にもなくって……」
「お姫様?」
「うん。お姫様が離れ離れになったお母さんを探しに行く物語なの。前知り合いのお姉さんに読んでもらったのだけど、どうしても続きが読みたくなっちゃって……それで探しているの」
 少女の言う本の内容はエラが知らないものだった。
 童話か何かだろうか。
 そう思考を巡らせていると。

「それは『プリンセスの魔法の冒険』と言う物語だね」

 たまたま近くにいた店長が横からそう口を出した。
「あの物語は女の子に人気の本だからねぇ」
「じゃぁ、その本ここにあるの!」
 店長の言葉に少女は目をぱぁぁと輝かせた。それに対して店長は少し困った表情を浮かべた。
「あの本は確か他の子がこの前買って行ったんだ……。確かあと一冊あったと思うが、ひょっとしたらもう売れてしまったのかもしれなくってねぇ……」
「そんな……」
 申し訳なさそうにする店長に少女はしゅんと俯き、落胆をする。そんな少女を見てエラは少し柔らかい声音で言った。
「探してみましょう。ひょっとしたらあるかもしれませんし」
 エラの言葉に少女は不安そうな顔をしながらも彼女へと小さくコクンと頷いた。

 数分後。
「有難う。お姉さん!!」
 欲しかった本を探して貰った少女は嬉しそうに花が綻ぶような笑顔でエラにお礼を言った。
「どういたしまして」
「私大切に、大切に読むね!!」
 少女は嬉しそうに胸に本を抱きしめながらそう言った。
 その顔は本当に心から嬉しそうで。
 そんな思いがこちらにも伝わってくる。そんな笑顔だった。
「お姉さん有難うございました! さようなら」
 そう言って少女は買った本を手にして店を後にした。エラはそんな少女の後ろ姿を見送ったのだった。



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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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ka3142/エラ・"dJehuty"・ベル/女性/16

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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エラ・"dJehuty"・ベル様

始めましてせあらです。
この度はご指名、ご注文の方有り難うございます。
そしてノベルの方が遅くなりまして本当に大変申し訳ありませんでした……。

今回おまかせノベルとの事でしたので本屋で手伝いをするエラさんのお話しを書かせて頂きました。
少しでも楽しんで頂けましたら幸いです。
今回エラさんの物語を書かせて頂きまして本当に有り難うございました。

せあら
おまかせノベル -
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ファナティックブラッド
2018年12月04日

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