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『まだ変わりゆく前の一日 』
キヅカ・リクka0038

 四時限目の授業の終わりを告げるチャイムが鳴ると同時に、密やかな喧騒がざわざわと賑やかなものに変わる。噛み殺すことなく欠伸を漏らせば隣の席にいる女子生徒に移り、そしてそれを気にした様子もなくクラスメイトと連れ立って教室を出ていった。それを何とはなしに見送っていると、
「なー、リク。どっかメシ食いに行かねぇ?」
 と一つ前の席にいる友人が振り返り、声をかけてくる。今はテスト前で部活も休みだからか元気が有り余っているようで、やたらてきぱきしている。放っておいても全速力で飛び出していきそうな彼の顔を見やりつつリクは思案した。バイトもお金が入用でもない限り続けない一般家庭の高校生のお小遣いなど微々たるものだ。それは友人達だってまあ大体同じなので、メシを食うという言葉とイコールで結ばれるのは、概ねファストフードかファミレスになる。リクとしても店員に怒られない程度にだらだらと喋りながら食事を楽しむのも嫌いではない。しかしだ。
「あー、ごめん。今日はやめとくよ」
 リクが断りを入れると友人は不機嫌そうな顔をし、けれど直ぐに思い当たったようでニヤニヤと悪戯っぽい笑みを浮かべた。
「アレだろ。お前のお気に入りの奴のアップデート日!」
「あったり! 先にばっちり調べて全部報告してやるよ」
「ひでーぞ、このゲーセン狂!」
 わざと偉そうに言ってみせれば相手もノってきて、しまいには裏声で悲鳴まであげだす。そのリアクションに笑いながらリクも筆記用具やらスマートフォンやらを鞄にしまって、軽く背負い立ち上がる。友人もさっと切り替えると、途中まで一緒に行くわ、と言ってリクの横へと並んだ。
 共通の友人の馬鹿話だとか、名前も顔もあやふやな先輩の突拍子が無さ過ぎて嘘にしか思えない噂話だとか。そんな話題を取り留めもなく続けているうちに学校の最寄り駅まで着き、友人と別れた。そして、電車に乗って数駅通過し。自宅と学校の中間にある駅で降りて、ちょっと歩いたところにリクが通うゲーセンはあった。休日や一旦帰ってからならともかく、学校帰りにそのまま遊びに行くのは、一応校則的にはアウトだ。でもわざわざ帰ったり着替えを用意したりするのも面倒臭い。教師に見つかり咎められるのも避けたい。その辺を折衷した結果がこのチョイスだ。単に好みの台が多いというのもあるが。友人にはゲーセン狂と冗談で詰られたが、一般的な男子高校生の域は越えていないとリクは思っている。
(さっき断ったのも早くやりたかっただけだし、うん。……正直お腹は空いてるけど)
 一人暮らしをしているわけでもなし、家に帰れば朝食と夕食は保証されているというのも衝動を掻きたてる原因かもしれない。それに、普段ならともかく、今は力を入れてやりたいことがあるのだ。
(よし、空いてる!)
 館内に入って迷わず進めば、目当ての台が空いているのが見えた。特別急いではいないが授業が終わって直ぐに来れたのが大きい。早速座って慣れた手つきでコインを投入した。両手をそれぞれ定位置に置く。
 リクが遊ぶのは主にビデオゲームだが、格ゲーにレース、シューティングとジャンルは問わない。最近力を入れているのは音ゲーだ。無心で楽しめて少しずつ上達を実感出来るのが魅力的だった。あまり大声では言えない金額と時間をつぎ込んだ結果、ランカーとして名を刻めたから尚更。一定のラインを越えた後にものを言うのは経験である。それに、まだ上には上がいると知っているからやめられない。
 集中すればゲーム以外の全てが置き去りになっていく。ゲームだって日常の一部に過ぎないのに、まるで異世界に入り込んだかのような錯覚を起こすのが不思議だった。火星で化け物が見つかって戦争状態になって、被害は決して無視出来ないしニュースを目にすれば心は痛む。けれどリクの目の前に広がる日常は何も変わりはしない。学校に行って授業を受け、終わった後は友人達と遊んだりここに来たりする。家に帰ったら母親が用意してくれるご飯を食べて、父親と一緒にテレビ番組を見ながら他愛もない話をするだけ。さすがに高校生ともなれば将来を考えろと言われることも増えたが、多分適当な仕事に就きそれなりの給料を貰うのだろう。そしていつかは結婚をして子供も出来る。親や親戚のように。
 一ゲームを終えて待っている客がいれば席を譲り、また機を見て練習をする。待っている間もずっと、ミスした箇所の改善について考えていた。そうして財布の中が心許なくなる頃には軽く数時間が経過しており、まだ早い時間だが家に帰ることにした。集中が切れたせいで、空腹を無視出来なくなったというのもある。持つべき者は同じことを楽しめる友人と自分を温かく厳しく見守ってくれる家族だ。
 空を見上げてみても戦いの痕跡なんて見つからない。平和な世界が一面に広がっている。
「さーて、今日の晩ご飯は何だろうなぁ」

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登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka0038/キヅカ・リク/男性/20/機導師(アルケミスト)】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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ここまで目を通していただき、ありがとうございます。
ハンターになってからの設定のところは依頼だったり
大規模シナリオがあってのものかなあ、と思ったので、
クリムゾンウェストに転移した直後と悩みましたが
リアルブルー時代のふわふわした日常話にしました。
前半部分もどうしてもいれたくて、そうなると尺的に
対戦や協力系は厳しいので、音ゲーのランカーに……。
似合いそうなイメージはあるんですがどうでしょう。
今回は本当にありがとうございました!
おまかせノベル -
りや クリエイターズルームへ
ファナティックブラッド
2018年12月10日

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