▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『思い描く姿は 』
メリッサ インガルズaa1049hero001


 どこからか鳴るメロディはすっかり聞きなれたクリスマスソング。イルミネーションが町を彩り、幻想的に姿を変えた。
「すっかり冬ね」
 それらの光から視線を上げ、メリッサ インガルズは空を見上げた。息を吐くと白くなり、重たげな雲の色と紛れて消える。
(雪、降るかしら?)
 どんよりした空は今にも白い結晶を零してしまいそうで。
 積もりはしないかもしれないが、降ったらきっと綺麗だろう。
「……っと、それなら早く用事を済ませないとね」
 メリッサは雪色の髪をなびかせ、目的地へと足を向けた。


 店はどこも赤と緑のツートンカラー。キラキラと電飾が輝く中、商品は季節感を重視した物が多い。
 それはアクセサリーショップも同様だ。
「うーん……普段使いできるものがいいわよね」
 メリッサは小さく唸りつつ、季節ものの商品棚を通り過ぎていく。頭の中に思い浮かべるのは第2英雄の姿だ。
 彼女の髪型を変えて楽しむのは日課であるが、メリッサや知人の持つアクセサリーが全て似合うわけではない。髪色や雰囲気に合ったアクセサリーというものがある。
(それに──初めてのクリスマス、だしね)
 彼女と能力者の間で契約が結ばれたのはさほど昔のことでもない。彼女にとってこの世界の全ては物珍しく、戸惑う事もまだ多いようであった。
 そんな彼女の初クリスマスを少しでも素敵にするべく、また大切な相手に贈りたい気持ちで、メリッサは彼女に似合うアクセサリーを探しているのだった。
 普段使いのできるもので、1年を通してでも使えそうなもの。似合う事は大前提。ヘアアレンジに活用できると尚良し。
 条件をアレコレとつけていけば、必然と選択肢が狭まってくる。
「ゴムとかシュシュとか……バレッタもありかしら? 色々な髪型に使えるもの」
 1つ頷き、メリッサはそれらのコーナーへ。
 こちらもやはりクリスマスや冬、という季節もの商品が多い印象を受ける。
(ふわふわも可愛いけれど、夏は暑そう……こっちは色味が涼しげね)
 ピンポイントで「これだ!」と思わせるようなものは中々見つからない。1度アクセサリーショップを離れ、雑貨店なども回ってみるが、
「うーん……」
 メリッサの気に入るものは見つからないようだった。
(別の店に行ってみる? それとも出直して来たら、並んでいるものも多少変わるかしら?)
 出直すと言ってもクリスマスまであと数日。明日か明後日には決めたいところである。
 しかしいくら悩もうとも、ピンと来ないものは仕方がない。メリッサは踵を返して雑貨店を出た。


「難しいわね……」
 ただ似合う、だけなら良いのだ。むしろ似合うものがありすぎて迷ってしまうくらいだろう。
 けれどプレゼントするなら沢山使ってほしいし、メリッサもヘアアレンジに使えるなら嬉しい。
(……できれば、妥協はしたくないのよね)
 どうしても、本当にどうしようもなかったら全く別のものをプレゼントしよう。しかしクリスマスまではまだ僅かながら猶予があるし、まだ妥協するのは早い。
 どこへ向かうでもなくふらふらとショッピングモールを散策していたメリッサは、視界に入ったクリスマスコーナーに足を止めた。
 先ほどとは違う雑貨店。こちらは生活雑貨を主に取り扱った店だ。その角スペースは一定期間ごとに置かれる商品の変わる特設スペースだが──本日はハンドメイドを取り扱っているらしい。
 並ぶアクセサリーにふらり、とメリッサの足が向く。
「へぇ……こんなものも人の手で作れるのね」
 イヤリング、ピアス、ネックレス。ヘアゴムやピンなども並べられている。小さなチャームを封じ込めたようなそれはレジンアクセサリーと言うのだそうだ。
 そんなものをしげしげと眺めるメリッサの視線が不意に止まる。それをそっと手に取って、彼女がつけている姿を想像すれば──。
(──これだわ)
 そこからの行動は早かった。それを買い求め、ラッピングは不可とのことだったのでそのための包装紙やリボンを買いに回る。
(これで大丈夫そうね。……そうだわ、)
 この機会に相棒──能力者の分も何か買おう。プレゼントがないとなれば、きっと悲しむだろうから。
 さて、彼には何が似合うだろうか。こちらは去年と被らないようにせねばならない。
 真剣に、けれども楽し気なメリッサの姿は人々の雑踏に紛れていった。

━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛

【 aa1049hero001 / メリッサ インガルズ / 女 / 18歳 / 終末へのレジスタンス 】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛
 お世話になっております。メリッサ インガルズさんの日常の1コマをお届けします。
 能力者さんと第2英雄さんで先日の依頼に参加されておりましたので、その間の……というイメージで書かせて頂きました。
 ゲーム内で何か用意されているかな、と思い買ったものは敢えてぼかして描写致しました。
 リテイク等ございましたら、お気軽にお申し付け下さい。
 この度はご発注、ありがとうございました!
おまかせノベル -
秋雨 クリエイターズルームへ
リンクブレイブ
2018年12月21日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.