●Poker Face
彼はとんでもなくダメな奴だった。金さえ積まれれば、ヴィランズの一員にすらアイアンパンク化手術を施すような奴だった。売春宿や賭場には彼の仕事場が幾つもあり、足が付かないよう彼はその仕事場を転々としているのだ。ヴィランに刃向かって家ごと焼かれた父に比べれば、その生き様は雲泥の差だった。売春宿にいる頃よりはずっとマシだから文句は言えないが、彼の露悪的な生き方にはしばしば嫌気がさしたものだった。
●Attack of Blackjack
それからというもの、ヴィオは闇医者に助手として使われるようになった。掃除洗濯も、闇医者が多少やるようになった。いつの間にやら、ヴィオと闇医者は家族のような、奇妙な関係になりつつあった。酒癖は悪いし、何だかんだで女は買うしで、一向に尊敬できない男であったが、その生活にはある種の心地よさがあった。