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『金碧星の瞬く夜に 』
アーク・フォーサイスka6568

 北の空に輝く金碧の二重星をしばらく眺めていたら、ふと会話が途切れた。
 シャンカラの膝から下りる機を逸しおとなしく抱かれていたアークは、空のカップに視線を落とし息を吐く。

(今夜はそろそろお暇しないとかな。シャンカラは、明日も隊の仕事があるだろうし……)

 分かっていても名残惜しさが募る。今の体勢は堪らなく恥ずかしいけれど、恋人の温もりをほどくのは勇気がいる。
 まだこうしていたい。あと少し喋っていたい。他愛のない話でいい、耳馴染んだ声で語って欲しいし、それに笑顔で頷いていたい。前に訪ねてきた時から今日までにあったことを聞いて欲しい。

(わがままかな……きっと困らせてしまうよね。でも――)

「……もう少し、一緒に居たい」

 アークは堪えたはずの言葉を漏らしてしまったかと狼狽えたけれど、慌てて口を押さえたのは彼の方だった。驚き見つめていると、彼は赤らめた頬で取り繕うように微笑む。

「えっと……流石に冷えてきましたね。暖炉に当たりに行きませんか?」

 このままお帰したら風邪をひかせてしまいます、と尤もらしく言う彼。けれどさっきの一言のお陰で引き留めたいという本音がダダ漏れだ。
 同じ気持ちでいたことが嬉しいやら照れるやら、アークは小さく頷いた。




 露台に面した居間に入ると、暖炉では薪が赤々と熾っていた。星明りに慣れた目には灯りと炎とが眩しくて目を瞬く。気付いた彼が部屋の照明を落としてくれ、不規則に揺らぐ炎がふたりを照らした。
 暖炉前のソファに並んで座り、彼が淹れてくれた紅茶のカップを両手で包む。陶器越しの温かさに冷えた指先が解けていくよう。
 隣を見れば、アークが両手で持っている大ぶりなカップと同じ物を、彼の右手が口許へ運んでいくところだった。勿論、アークだって片手で持てないわけではないけれど。

(やっぱり手、大きいな。体格からして違うものな)

 筋張った手の行く先を何気なく目で追う。顎の前で一旦止まり、細めた息が湯気を散らす。それから滑らかな陶器の縁が唇に触れた。大人の男性らしい喉の尖りが嚥下に合わせ上下する。一連の仕草に見入ってしまい、慌てて視線を外した。

(……何を意識してるんだろう、俺)

 けれど今見た眺めがなかなか頭から離れてくれない。どこか恭しさを感じさせる所作、縁に触れ柔らかく形を変える下唇、白いカップとのコントラストが妙に目に焼きついて。
 爪先に口付けられた時のことを思い出しそうになり、熱い紅茶で押し流す。

(いや、でも意識しないでいるほうが難しいよね……彼の家にふたりきり、なんだし)

 この特別な状況にぐるぐる考え込んでいると、

「そういえば、」

 話しかけられ振り向く。また自然と唇へ吸い寄せられていく視線。ハッとなって思わず顔を伏せた。

「今日の刀も花のモチーフなんですね。鍔の装飾がとても凝ってますよね」
「ああ、うん。『風花』という一振りだよ」

 普段と変わらないトーンの彼の声と話題に、ホッとしつつもどこか残念に感じている自分がいて、アークはその感情に無理やり蓋をした。
 鯉口を切って見せると、白い鞘の口から淡雪めく煌きが溢れる。

「アークさんの刀は本当に綺麗なものばかりですね。戦闘中もつい見惚れてしまって」
「ありがとう。でもこう見えて、切れ味はとても鋭いんだ」

 零れた光へ無邪気に手を伸べていた彼は、真面目に答えたアークの頬を可笑しそうにつついた。

「刀も持ち主に似るんですね。……僕が本当に見惚れてしまうのは持ち主の方なんですけど。気付いてます?」
「? ……ッ!」

 一拍遅れて意味を理解し、真っ赤になって俯く。普段通りと思わせておいて、突然こうやって仕掛けてくるのは本当にズルい。そんな思いを込めて横目で見やると、彼はアークの反応に目を細めていた。何故かしら満足気に口角を上げた唇へまた目がいってしまう。
 すると彼がずいっと身体を寄せてきた。危ないからと急ぎ刃を鞘に収めている隙に、しっかりと腰に腕を回されてしまった。碧い瞳が焦れたように見下ろす。

「……で、気付いてます? アークさん、さっきから少しも目を合わせてくれませんよね。一体どこを見てるんです?」
「どこって……別に、」
「本当に?」

 彼は拗ねたような声音で、念押すように一音一音区切って言う。ゆっくり動く薄い唇がそむけた視界にねじ込まれ、触れたい衝動が込み上げる。落ち着かない気持ちでピアスの花弁を指で弄った。

「その……何て言うか」
「何て言うか?」
「きみの……、が、」
「僕の、何です?」
「えっと……」

 濁してみても彼の追求は緩まない。今夜ばかりは許してくれる気がないらしい。
 思えば結ばれてからしばらく経つのに、恋人らしい行為はまだほとんどできていない。奥手のアークを慮ってくれる彼はずっと『お預け』状態だった。触れたがりで、身体的にアークより成熟している彼だから、こういった衝動は一層強いだろうに。
 アークは意を決して――それでも正面きって見つめ返すことはできず、視線を頼りなげに膝の上へ彷徨わせながら――口を開く。

「だからその……してみたいなって。きみと、キ――」

 けれど最後まで告げることはできなかった。強く抱き寄せられ、言いかけた言葉ごと奪われる。
 重ねられた唇は想像していたより熱く、優しいものかと思っていた初めての口付けは、日頃温和な彼から予想できないほど強引で激しかった。
 背を掻き抱かれながら、繰り返し唇を甘く噛まれる。味わう余裕もなく加速度的に早まる鼓動。酸素を求め唇を離そうとするものの、吐息すら漏らすまいとするかのようにより深く塞がれてしまう。
 薄暗い部屋に湿った音と薪の爆ぜる音が響く。緊張と酸欠でぼうっとなり、戸惑いも恥じらいも霞んでいく。代わりにやっとキスを交わせた幸福感がじんわりと染みてきた。
 けれどいよいよ息苦しくなって、アークは彼の胸をぽんぽん叩く。ようやく解放された唇から大きく息を吸い込んだ。

「……っは……。そんなにされたら、息できない……」

 肩を喘がせ言い募る間にも、頬や額に彼の口付けが降り注ぐ。その表情は見ているこっちが照れてしまうほど幸せそうにとろけているのに、瞳の奥にはまだ衝動の熾火がちらついていて。

「すみません。だけどずっとずっとしたかったんですもん。1度や2度の軽いキスで済むはずないでしょう? 今僕すごく幸せです……大好きですよ、アークさん」

 低く掠れた囁き声。回された腕に力が篭もる。その力強さからひそめた独占欲が感じられ、くすぐったさに身を捩る。

「ん……。俺も、きみのことが好……ん? 待って。今のは何回になるの、かな?」

 恐る恐る尋ねてみると、彼の双眸が三日月のような弧を描いた。

「唇を離してませんから、カウントとしては勿論1回です」
「『勿論』……。え、今みたいのをもう1回するってこと……? 酸欠でしんじゃう、」
「まさか! でも安心してください、万が一気を失ってしまってもここは僕の家ですから、朝までベッドでしっかり介抱しますよ♪」

 安心とは。
 気が遠くなりかけるアークを、逞しい腕がしっかりと抱き止める。次いで耳許へ音を立てて口付けられ、

「……というのは冗談ですが。今夜はもう遅いですし、泊まっていきません?」

 耳朶へ吹き込むように囁かれた。
 いつになく積極的な彼の眼差し。耳当たりの良い誘惑に肌が火照る。陥落しそうな理性と衝動の間で苛まれ、アークはピアスの碧い花弁をきゅっと握りしめた。





━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【ka6568/アーク・フォーサイス/男性/17歳/決意は刃と共に】
【kz0226/シャンカラ/男性/25歳/龍騎士隊隊長】

ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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アークさんとシャンカラのお話、お届けします。シチュエーション的に良いかと思い、
以前お届けしたノベルのあとの出来事、という形で書かせていただきました。
……隊長殿がすみません。今回はあまり語らない方が無粋でない気がしますので控えます。
おまけはシャンカラ目線で同じ場面を。彼の胸の内のネタバラシとでも申しましょうか。
イメージと違う等ありましたら、お気軽にリテイクをお申し付けください。

この度はご用命下さりありがとうございました。


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鮎川 渓 クリエイターズルームへ
ファナティックブラッド
2019年03月18日

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