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『『心に、触れた』 』
アレスディア・ヴォルフリート8879

 次元の狭間から戻り数日。
 深い傷を負い、ベッドの中にいるアレスディア・ヴォルフリートに求められ、ディラ・ビラジスは想い抱いていた気持ちを吐露した。
 彼女に嫌われることを恐れ、言えなかった自分の本心の片鱗。
 彼女を否定する言葉。
 喧嘩になっても、拒否されても、置いていかれても、もう離れない。強い決意のもと、彼が語った後――。
 真剣な表情のディラとは違い、アレスディアの顔は穏やかで、口元に笑みさえ浮かんでいるように見えた。
「なんか……変なこと言ったか、俺」
 アレスディアの顔は心なしか、先ほどより赤みを帯びている。
 熱が上がってきたのだろうかと、ディラは彼女の肩に腕を回して、横にならせる。
「う、む……いや、その……ディラの本心を、聞けたようで……それが、すごく……嬉しくて……」
「嬉しい?」
 アレスディアの意外な反応に、ディラは戸惑いを隠せない。
「そうか……ディラは、私のこと、そんな風に思っていたんだな……」
 アレスディアは噛みしめるように、目を伏せた。そしてゆっくりと息を整える。
「ディラ……ありがとう」
 少ししてディラに目を向けた彼女は、柔らかな微笑みを浮かべていた。
「生き方は……少し、考えていることもある」
 矛盾も感じながらも、矛として、盾として生きてきた、自分の在り方。
 教育を受けられない子どもたちに勉強を教えていく生き方。
「……今までは、どこの誰のためにでも矛に盾になって、命を使い切れればいいと思っていたが……今は」
 自分を真剣に見つめ続けているディラの瞳を、アレスディアは嬉しそうに目を細めて見詰めた。
「そうもいかないようだから」
「今、だけじゃなくて、これからもずっと。俺が傍にいる限り」
 ディラの言葉に、アレスディアはふっと息をもらし、軽く首を縦に振った。
「それで、どんな生き方を考えてるんだ?」
 ディラは片腕で、彼女の肩を起こすと、灰銀の長い髪を枕の上へと上げて、アレスディアの顔にかかっている髪を手で払いのけ――そのまま、彼女の頬に手を添えた。
「まだ、上手く話せるほどに纏まっていないけど……いつか、話すから……そのときは、聞いてくれるか……?」
「もちろん」
 答えたあと、ディラは無防備なアレスディアに顔を近づけて、彼女の額にキスをした。
「早くよくなれよ、アレス。アンタと行きたいところ沢山あるんだ。嫌じゃなければ付き合ってほしい」
「行きたい場所があるのか? そうだな、この世界を巡ってみるのも悪くはない」
 どこにでも、助けを必要としている人はいるだろうから――。そう続ける彼女に、ディラは苦笑交じりの笑みを見せる。
「……したいことも、たくさん」
 ディラの指が、アレスディアの首筋へと下り、彼の瞳に艶やかな光が生まれ、アレスディアの鼓動が、高鳴りを覚えていく。
「水難救助に備えた、ダイビングか? 山岳救助のための、クライミングか? バンジージャンプや、スカイダイビング、ウィングスーツなんかも試したみたいものだな」
「ああ、それらも興味はある。……けどな……」
 また少し、ディラはアレスディアを見詰めた後、彼女から手を離した。
「まあ、とにかく怪我を治せ。俺も安静にしてなきゃならん状態だからともかく。こんな無防備な姿で、そんな顔を向けられたら、理性が飛びそうになる」
「理性が飛ぶ?」
「あーいや何でもない。それじゃ、また後で」
 突如、ディラはアレスディアから目を逸らすと、部屋の外へと出て行った。
 彼の見舞いに行った時もそうだった。これ以上は抑えられなくなりそうだと言って、辛そうに彼女から離れることを望む。
 ディラは、どんな気持ちを抱いているのだろう。
「もっと、触れたい……」
 呟きが、アレスディアの口から漏れた。
 発熱による熱さから解放されたら――互いの熱を感じあい、互いをもっと知りあえるだろうか。

 
━ORDERMADECOM・EVENT・DATA━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

登┃場┃人┃物┃一┃覧┃
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【整理番号/PC名/性別/外見年齢/職業】
【8879/アレスディア・ヴォルフリート/女/21/フリーランサー】

NPC
【5500/ディラ・ビラジス/男/21/剣士】


ラ┃イ┃タ┃ー┃通┃信┃
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お世話になっております、ライターの川岸満里亜です。
お時間をいただきましてありがとうございます。
アレスディアさん怪我で臥せっているというのに、ディラの頭の中、こんなことばかりで……なんかごめんなさい!
ペースがゆっくりになりますが、今後ともよろしくお願いいたします。
東京怪談ノベル(シングル) -
川岸満里亜 クリエイターズルームへ
東京怪談
2019年03月29日

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