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『めぐりぼし 』
ユメリアka7010)&ユリア・クレプトka6255

 ――真実に迫れ、噂のハンターに大・突・撃!
 本日もクリムゾンアワーのお時間がやってきました!
 いつもと挨拶が違う? 重箱表現? 気にしてはいけません!
 今日のゲストはお二人ですからね、ワザとですよ、ワ・ザ・と! これは演出なのですよ!
 そんな事より時間は有限。素敵なゲストをお待たせしてはいけませんので、早速お呼びしましょうか♪

「ユメリアです、吟遊詩人として旅をしていた経験があります……今日はよろしくお願い致します」
 しずしずと、淑やかにスタジオに現れるのはユメリア(ka7010)と。
「ユリア・クレプトよ。本職は踊り手なの、よろしくね〜♪」
 頬に手を当てながら軽やかに歩むユリア・クレプト(ka6255)である。
 司会者に促されるままに、設えられた向かいのソファに座る。デバイス映えするようにカメラに向けてハの字になっているので、出演者の様子が伺いやすいようになっていた。


 ――自己紹介……は簡単にしていただいてますし、一歩踏み込んで。お二人が出会った頃のエピソードはありませんか?

 二人が顔を見合せてから、首を傾げる。示し合わせたような鏡合わせの動きに、司会者の感嘆が漏れた。
「そうですね……私がハンターとして、まだ駆け出しの頃からのご縁です。お仕事でご一緒したのが始まりだったと思います」
「あら? 最初はあたしだったのね♪」
 記憶を探りながら話すユメリアの声が穏やかに響く。対してユリアの声は弾けるように軽やかだ。
「ええ、そうです……ええと」
 二人の間でのみ通じる話題だと気付いたユメリアが、ユリアに視線を向ける。司会者の戸惑いの視線に気づいたユリアも微笑んで頷いた。
「あたしの一族、つまり親戚にはハンターやってる子達がいっぱい居るのよ」
「皆さんには良くして頂きました」
 司会者の納得の表情に気を良くしたのか、ユリアの声が楽しげに紡がれていく。
「あたし自身がオフィスの仕事で一緒したのは、実は最初の一回なのよね。でも皆から話を聞く名前として何度も聞いていたから、すぐに友達気分になってたわね〜♪」
 聞く者の心も弾ませるかのように、自然に節をもたせた話し方だ。
「音楽に関わるお仕事でしたから、お互い親しみを感じやすかった、というのはありますね……♪」
 隣で耳を傾けているユメリアもまた、つられたのか話し方、喉の震わせ方が歌う時のものに近くなっていた。
「そうそう、音痴の子をどうにかしてほしいって依頼! お互いの生業が音楽関係だってわかってる上での出会いだから、話しやすかったわ〜♪」
 思い出してくすりと笑いあう。互いのメロディを追いかけ合うような会話は、休むタイミングもまた音楽的だ。
「他の皆さんも、何かしらの形で音楽に関わっているとお聞きしています。ご縁が繋がりやすかったのではないかと……その、お友達になっていただきたいと思った切欠は、やはり音楽が決め手だったと思いますから」
「あらあら〜、嬉しいこと言ってくれるじゃない♪」
「その節は、申し出を受けていただいてありがとうございます」
「改まらなくたっていいのよ。でもあたしも嬉しいから返しちゃう。こちらこそ、大切なお友達でいてちょうだいな?」


 ――非常に仲が良いと伝わってきます。それにしてもお二人とも美人ですよねー。名前の響きも近いですし、始めは姉妹かと思ってしまいました。

「流石、司会者さんは話し上手ね〜♪」
 満更でもなさそうに笑みを浮かべるユリアは小柄で、幼い少女のような外見をしている。終始笑顔を弾けさせる様子がムードメーカーとしての素養を感じさせるのだが、受け答えの節々に、世間の荒波を乗り越えた大人びた気配を感じさせる時がある。
「そんなことは……お上手ですね」
 スタジオに現れた時から淑女の振る舞いが続いているユメリアは、照れた顔を隠すように両手を頬にあてて小さく首を振っている。これまでとうってかわって初心な少女のようで、恋愛事には不慣れな気配が読み取れた。
 外見こそはユメリアが姉、ユリアが妹に見えるが、どうやら内面は逆なのかもしれない。
 表情や話し方がが齎すそれぞれの印象の差は些細な違いに過ぎない。耳の長さから種族の違いも気づくことはできるけれど、それも親の種族次第ではあり得ることだ。
「でも、そうね〜、確かに服の趣味とか合うかも、なんて思っていたわね」
 ユリアがユメリアの衣装を眺めて頷くのを切欠に、ユメリアも羞恥心が落ち着いて来たらしい。
「私もそれは考えたことがあります。同じではなくても、似た服を着て演じることも、ありますし」
 二人の瞳のは共に青く輝いている。青銀と銀の違いはあるが髪色が示す印象もまた相似性をより強く印象付けていた。
「ユメリア、今度、お互いの衣装を交換してみましょうよ!」
 提案に目を瞬かせてたユメリアが、ユリアの衣装を眺める。
 今二人が来ている者は番組側が用意したものではなく、二人の自前だ。打ち合わせらしきものはしていないはずだが、示し合わせたように色が近い。互いが、自身のもつ色彩をより美しくみせる服選びをすれば、そうなるのは必然だった。
「面白そうですね……えっ?」
 盛り上がりそうだからと、番組の中で交換しても構わないという司会者の声。
「ノリがいいのは嫌いじゃないわ〜♪ 早速行きましょ、ユメリア!」
「ええと……では、いってきます……?」


 ――装い新たにお送りしています、クリムゾンアワー! 美しいお二人にあやかりたいとの声が多数届いております、おすすめの美容法があれば教えていただけますか?

「褒めたってなにも出ないわよ〜、と言いたいところだけれど、そうね〜?」
 先に話し始めるのはユリアとなった。何処から話せばいいだろうか、などと言いながらも既に言葉は用意できていたようだ。
「あたし、本職は踊り手だって言ったわよね? でも私がハンターになった頃って、まだ音楽系のクラスってなかったのよね」
 今は奏唱士のクラスが確立されているのだが、ユリアは今なおあえてそれをインストールしていない。
「小さい頃から踊るのが好きでね。それってつまり、身体を動かすことが、考えた通りに動かせることが好きってことなのよ。だから、あたしは格闘士として最初のクラスを選んだわ」
 舞刀士と言う選択肢もあったはずだが、刀や剣とは性が合わなかったと言うことのようだ。そんな彼女の手元には籠手が嵌められている。指の動きを遮らない構造は、確かに指の先まで、つま先まで、髪の毛の先まで計算して動く舞手にとってはこの上なく相性の良い武具なのだろう。
「こう考えてみて? 踊りを構成するのは流れるように美しい所作。正確なリズム感。絶妙なバランス感覚……それってね、美しく、そして正しく鍛えられた筋肉がないと実現できないものなのよ?」
 その声は真剣な響きに溢れている。話として聞いているだけの筈だけれど、並々ならぬ努力の上で成し遂げられた美しさなのだと、伝わってくるのだ。
「確かにあたしの場合は、踊りが大好きだったから。色んな場所で踊りを見てもらって、その土地で伝えられている踊りを覚えて。そもそも旅をするのに必要な体力を得るためにも体を鍛えるのは当たり前だったわ」
 好きなことに、目指すことに必要だったから、実利は後からついて来たということのようだけれど。
「最初は戦うための努力ではなかったけれど……今は、戦える身体を維持することも考えているわね♪」
 言葉の隙間に僅かに含まれた追憶に気付ける者はきっと、ごくわずか。
「あとはもう、連鎖してついて来るのよ♪ 正しい姿勢を維持するから、無駄な肉はつかないし。血行が良くなって肌艶も常に最高の状態なのよ〜♪」
 太陽を思わせる明るい笑顔がユリアの謳うような声をより鮮やかに彩っていく。聞き手、つまり番組を見るのであろう視聴者に応援歌を届けているかのように。
「要は適度な運動ってことになるのだけれど。正しい姿勢、正しい歩き方からはじめるといいかもしれないわ♪」
 司会者に断ってソファから立ち上がるユリア。実践してみせる彼女の要望通りに、カメラが複数の角度から美しい歩行を続ける様子を映し出していった。
「最後に、どうやって続けていくかのモチベーションも大事よ! あたしは好きなことだからずっと続けていられるけど。何か目標をもってみるとか、いいかもしれないわね♪」

「私も旅をしていましたから、ユリアさんのおっしゃるように体力が必要でした。それに、身体を動かしていた……というのは、私にも当てはまると思います」
 ユリアの話を引き継ぎながらユメリアの話へと移っていく。
「歌声を安定して響かせるためには、正しい呼吸、所謂腹式呼吸が大事ですから腹筋を鍛えることに繋がりますし。長く歌うためにも、やはり体力が大事というお話に戻ってまいります」
 共通している部分があるなら、それだけ効果があると示すことにも繋がる筈だ。
「好きなこと、成し遂げたいことに向けて繰り返していたからこそ、今があるという部分も、同じですね……」
 繰り返すばかりというのも、申し訳ありませんね、と小さく首を傾げるユメリア。
「……美容法なのかは自信がありませんが、日頃から気にかけていることで良ければ」
 思いついたものがあったようで、ほっと小さな吐息を零した。
「私、実は調香を嗜んでいるのですが……香水に限らず、香りにまつわることなら非常に興味があるのです」
 映像では香りを伝えることはできない。そう続けはするものの本題はそこではないようだ。
「例えばお茶ですとか。何方かと一緒にと言う楽しみ方は勿論ですが、一人の時でも楽しみますね。毎日、今日はどんなお茶を淹れようか、考えるのがとても楽しくて」
 色々な種類を揃えるために、街に出てお店を眺めるのも楽しいですよ、と微笑みが添えられている。
「好きな香りで、その日の気分で選ぶことが多いのですが。お茶は、味や香りだけではなくて、身体によい作用をしてくれるものもあるのです。香草茶と聞けばよりイメージがしやすいでしょうか? そうした効能を意識して、自分の調子を整える為の補助とする……なんてこともあります」
 例えば喉の調子がおかしいと感じた時に、ミントの含まれたお茶のすっきりとしたのどごしを楽しむ、だとか。
「私は例えでお茶のお話をしましたが、普段のお食事でも同じようにできますし。考えようによっては、ええと……」
 一番伝えたかったことはこの後に続く言葉のようで。僅かに迷う様子は吟遊詩人だからこそ、より胸に届く言葉を選びたいのだろうか。
「趣味でも、ただ好きな事でも。何でも良いと思います。自分で好ましく思えることをひとつ見つけられたら。きっと自然に、自分の為に出来ることにつなげられると思うのです」
 気付けばユメリアの言葉も、ユリアの話に近い形になっていた。
「自分自身に無理を強いて続けることというのは、身体の内面、心の部分を壊してしまう可能性だってあるのですから」


 ――お時間も差し迫ってまいりました。最後にお二人の演技を披露していただきながらお別れといたしましょう。当番組の為に特別にご用意してくださったお二人の共同演技、是非ご堪能ください!

 其々の衣装に戻り、本来の姿になった二人。別スタジオに設えられたステージに立った二人は今、向かい合って立っている。

 ユリアの刻むステップに、ユメリアの歌声が重なる。
 ユメリアの響かせるメロディに、ユリアの舞が呼応する。


 輝きの色を夢に見よう 星の道が続いているから

 いつか見つけ出す自分だけの輝き星
 君が望む 幸せの色は?
 歩き疲れたら一休み
 大丈夫 道はどこまでも続いているから

 振り向いた足元に続く 星の道が歌うのは君へのエール


 踊りながらユメリアの周囲を、ひとめぐりしたユリア。
 元の場所に戻ったユリアが同じ場所に留まったまま、同じ踊りを繰り返し始める。
 次のひとめぐりは、ユメリアの番。


 輝きの色を夜空に見よう 光の道が続いているから

 いつか手に入れる自分だけの輝き星
 君の選んだ 輝きの色は?
 歌が聞こえたら空を見て
 確かめて 歩いてきた道の記憶があるから 

 見上げた夜空に描く 星の記憶が歌うのは君へのエール


 君だけの輝き星
 幸せの色も形も
 君しか知らない輝き星


 余韻と共に照明が消えていく。
 最後の一瞬、光が瞬いた。

━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

【ka7010/ユメリア/女/20歳!/聖奏導士/付き添いめぐる月】
【ka6255/ユリア・クレプト/女/14歳!/陽格闘士/照らしてまわる太陽】

ぐるり、ぐるり。巡り廻り愛りましょう。
旅路の先でめぐりあえる星は、きっとひとつではありません。
おまかせノベル -
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2019年07月08日

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