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『幸せへのカウントダウン』
ラドシアス・ル・アヴィシニアaa0778hero001)&エル・ル・アヴィシニアaa1688hero001

●Choose costume And Invitation

 エル・ル・アヴィシニア(aa1688hero001)に背を押されるように更衣室へ連れて行かれ、幾つかの衣装を試着する。ラドシアス・ル・アヴィシニア(aa0778hero001)は向けられるカメラに小さく苦笑いしながら、エルの方を見遣った。
 彼女も彼女でドレスを纏いながら、キラキラとした表情でこちらを見つめている。そんな姿はまるで少女のようで、珍しくも愛らしい。
 エルと目が合うと微笑みを浮かべられ、優しく微笑み返す。そしてカメラマンに手を上げるとシャッターを止めさせた。
「俺の事はいいから、彼女を」
 自分の衣装より、自分の姿より、彼女の綺麗な姿を。相手もそう思っているのかもしれないが、当然ラドシアスだってそう思っている。
 頷いてカメラを向け直すカメラマンと、自分かと言わんばかりに目を瞬かせたエル。その様子を見ながら、ラドシアスは先日出した招待状の返事に思いを馳せた。
(良い返事だと良いんだが)
 愛する人との挙式だ。目の前に彼女がいるだけでも幸せだが、折角なのだから近しい者、親しい者にだって祝われたいもの。
 招待状だって、彼女があんなに素敵なデザインへしてくれたのだから──。


 モノトーンカラーでまとめられた住居は、まだどこか2人にとって慣れぬ香りで。それでも少しばかり慣れてきたその日、彼らはテーブルを挟んで向き合っていた。
 もう暫しに控えた式のため、文面とデザインで分かれて招待状を作っているのである。
「……文面はこんな感じだろうか」
 ラドシアスが出来上がったそれを見せると、エルは顔を寄せて。気になる点を上げれば、ラドシアスがならばと手を加えていく。
 小さくささやかな、2人での作業。これらの積み重ねが幸せへの花道でもある。だからこそきっと──こんなにも、嬉しい。
 そんな気持ちが滲み出るどころか溢れてしまったらしい。できあがった招待状のデザインに、エルは小さく眉尻を下げて唸った。
「……私たちが出す物としては可愛すぎるだろうか」
「いや、いいと思うぞ? 祝い事だしな」
 向かい側から覗き込んだラドシアスが顔を綻ばせて頷く。そうか、と納得しながらもエルは小さく頬を染めた。
 パステルカラーはあまり使う事がないように思う。エルも、ラドシアスも。だからこそこの色使いは、まるで幸せな心そのものを表すかのようで。
「親しい者たちには筒抜けだろうな」
「ああ、気付きそうだ」
 ラドシアスもエルの言葉に頷き、送る者たちの顔を思い浮かべる。察しの良い者ばかりだから、すぐこちらの心情など気づくだろう。
 けれど、それほどに幸せと喜びを感じられるデザインだと思う。
「あとは宛名か」
「ああ」
 2人とその能力者も近しい事があって、知人も互いが良く知る者ばかり。招待状に書くのは勿論連名だが、宛名を2人で書くわけにはいかない。どちらが誰の名を書くか相談し、それぞれで手書きする。
 1人ずつ、顔を思い浮かべて。そして彼らが祝ってくれることを祈るように──ひと文字、ひと文字、丁寧に。


 ──少しばかり、時を戻そう。
 2人は挙式のため、衣装を選びにブライダルショップを訪れていた。
「すごい……!」
 色鮮やかなドレスの数々は、まるで花畑へ訪れたようで。その中をエルが楽し気に進み、目を輝かせている。そんな後ろ姿を微笑ましく眺めていたラドシアスは、更衣室に向かってくると告げたエルへ小さく手を振り、自らの衣装も探すべくスタッフへ声をかけた。
 そうして衣装を探す事、暫し。
「こういうのはどうだ?」
 更衣室へ通されたラドシアスは、目の前にいたエルの姿に思わず目を瞠る。振り向いたエルは簡単な化粧も施され、綺麗にカールした睫毛を恥ずかし気に伏せた。
 デコルテや背中などが大胆に開いているものの、マーメイドラインの途中から広がるレースのオーバースカートの影がとても綺麗で。少なくともここでは限られた者しか見る事はなく、何より──ラドシアスに見せたかった。
「……綺麗だ」
 ぽつりと零した彼は、それ以上何を発するわけでもなく彼女を見つめた。そしてふと我に返ると、小さく咳払いをしながら視線を逸らす。その耳が赤く見えるのは決して、気のせいではない。
「その、良く似合っている……が、」
「が?」
「別のものにしないか? ──他の奴に見せたくない」
 その言葉に目を瞬かせて。エルもまた視線を逸らし、小さく呟いた。
「……他のにする」
 着替えるということもあってラドシアスが部屋から出ていく。その背を見つめて、扉に隠れてもまだその先を凝視して。エルは両頬を押さえた。
(……ラドが、)
 あんな反応を、するなんて。
 口元を思わず緩ませるエルを、彼らの様子を見ていたスタッフたちが微笑ましく見つめていた。


●Reply

 それより数日後。テーブルには先日撮って現像された2人の写真と、招待状に対する返信が広げられていた。
 返信はどれも温かい言葉が寄せられていて、贈り物を添えてくれた者もいた。

『。:+*.゜ラドシアス&エル・ル・アヴィシニア。:+*.゜結婚おめでとう♪お幸せに。:+*』

 そんなメッセージと共に贈られたのは、華やかなドライフラワーのリース。ジャスミンの匂いと、それだけではない他数種の香油が香る。ジャスミンの香りはストレスを和らげ、リラックスできる効能があるという。
 また、2人の結婚を祝して酒のセットや、他諸々も頂いている。そんな温かな心を寄せてくれる友人知人たちを、素敵な式でもてなさなければ。
「皆も楽しめる式にしたいの」
「あぁ、皆の思い出に残る式にしたいな」
 返信を1通ずつ、2人で共に読みながら考える。あまり堅苦し過ぎない方が良いだろうか。集まる面々の事を考えると、賑やかに楽しい雰囲気の方が過ごしやすいかもしれない。
「やはり、ダンスは外せないだろうか?」
「ああ、きっと賑やかになる」
 皆が手を取り、ダンスをする姿を思い浮かべる。エルはくすりと小さく笑みを浮かべた。そうして次の1通へ手を伸ばし、おやと目を瞬かせる、
「ラド」
 傍らの夫へその内容を見せると、彼もまた目を丸くして。
「これ……有難いな」
 それはウェディングケーキの申し出だった。趣味を菓子作りとしている友人だが、まさかそんな申し出がくるとは。けれども知る者が作ってくれるのならやはり嬉しい。式場や相手とも連絡を取って調整しなければ。
 そこまで思い至って、ふとラドシアスはエルを見た。視線に気づいた彼女もまた目を向ける。
「どうした?」
「……エルは、どんなケーキがいいと思う?」
 問いにエルは頤へ手を当てた。自分たちのためのウェディングケーキだが、他の者から見ても素敵なものであってほしい。結婚式で出されるケーキと言えば白が定番だが──。
「……星空はどうだ?」
「星空か」
 どのようになるのだろう、とラドシアスは考える素振りを見せる──が、小さく首を振ってやめた。具体的な事は友人の知識と技量に任せるところ。こちらは一先ず要望を形にしなければ。
「ちなみに、どうして星空なんだ?」
「思い出深いだろう」
 七夕に、冬のキャンプ。蛍の光と星も、寒空の下で満点の星空も、どちらも優劣なんてつけられるはずもないくらいに綺麗だった。その時は互いの能力者や、英雄の仲間や友人知人と共にいたけれど──これから2人は、何があったとしても変わらず傍に。
「なるほど、いいな」
 ラドシアスは微笑んで頷いた。きっと友人ならば、彼女の要望を形にしてくれるだろうと信じている。
 幸せと喜びに溢れた式が少しずつ形になっていく過程は、忙しくも楽しく有意義で──。

 ──祝福の鐘が鳴るまで、もう少し。


━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・

 いつもお世話になっております。お2人の幸せカウントダウン、お届けいたします。
 3つのシーンで書くことも考えたのですが、まとまりが細かくなって読みごたえが薄くなるかな? と思い招待状のシーンを回想という形で書かせて頂きました。
 気になる点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
 どうかお気に召しますように。最後までどうぞよろしくお願い致します。
 この度はご発注、ありがとうございました!
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2019年09月18日

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