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『【死合】尋常と尽情』
藤咲 仁菜aa3237)&不知火あけびaa4519hero001)&日暮仙寿aa4519)&九重 依aa3237hero002

「こんばんは!」
 月明かりの銀の中に藤咲 仁菜(aa3237)の笑みが閃く。
 照らされているはずなのに、見えない。
 見えないのに、笑んでいる。
 自らが跡目を継いだ剣術道場、その奥に黙して座す日暮仙寿(aa4519)は、仁菜の表情を察したわけではない。
 彼は確かに見ていたのだ。
 月明かりが“闇”によって切り取られた、その跡を。
「仁菜」
「あんまりいい月の夜だったから、出かけてきちゃいました」
 仙寿が切り絵の笑みへ投げた声音が遮られる。
 ぞろりと重い笑みの拍子がくつくつ跳ね、爪先にこじられた床の木肌がキリキリ悲鳴をあげた。
 鉤爪を外して上がれ。常の仙寿ならばそう叱りつけるだろうが……言わない。無意味なことだと知れていたから。なぜなら彼女が第二英雄と共鳴して成るシャドウルーカーが愛用する得物、猛爪『オルトロス』は、すでに仁菜の脚と一体化している。
「仙寿」
 ふと名を呼ばわり、仙寿の背後より染み出した不知火あけび(aa4519hero001)が、仁菜目がけて棒手裏剣を投げつけた。右手から3本、左手からも3本。腕を振り込む間を利し、ことごとくタイミングをずらしてだ。
「そうですよね。私、討伐対象ですもんね。知ってるんです。ふたりが私の討伐部隊の指揮を『するんだって」な』
 仁菜の笑みに言の葉を重ねて伸び出し、自らと同じく影と化した飛盾「陰陽玉」をもって手裏剣を払い退けた九重 依(aa3237hero002)が、赤眼を滾らせてささやく。
「だから急いできたんです。だって」
 仁菜は依が見えていないような顔で言葉を継いだ。
「初めて喰べるのは、仙寿さんとあけびさんじゃなくちゃ」
 かくり。仁菜の笑みが傾ぎ。
「大事なものだけで私、いっぱいになりたいんです。大事なものが奪われたら、悲しくて辛くて痛くて痛くて痛くて痛い」
 影の依が笑みの内にかき消え、鮮やかに赤くどこまでも暗いライヴスと化して仁菜を包み込んだ。
「だから私がみんな喰べて、全部独り占めして、全部壊すの。だから」
 果たして闇よりも深い赤をまとった仁菜は、なお笑んだまま問う。
「私の餌になって?」


 ひと月前、仁菜はとある戦場にいた。
 相手は人質を盾にしたヴィラン。あまりにも使い古された陳腐な手だったし、それだけなら仁菜たちが遅れを取ることもなかったのだが。
 人質のひとりが今も昏睡状態にある仁菜の妹だったことが、その後の命運を定めた。
 結果的に彼女は守り抜くことできぬまま永らえた。第一英雄と妹の命を代償として。

 そして収容された病院のベッドの上で、彼女は作戦に参加していたエージェントたちからヴィランを全員拘束した顛末を聞く。
 涙しながら告げて去った“正義の執行者”たちをぼんやり見送った仁菜は、指を頬に立て、掻きむしる。
 おかしいよ……全部持ってる人が……泣くの……おかしいよおかしいよ……私は失くして亡くして無くしたのに全部全部全部……おかしいよおかしいよおかしいよおかしいよ。
 ワタシダケナンニモナイナンテ、オ カ シ イ ヨ 。
 涙の代わりに血を流し、壊れていく仁菜。
 どれほどながめていただろうか。返り見られることもなく立ち尽くしていた依は、自らを掻き壊す仁菜の指を掴み止め、焦点の合わぬ彼女の目をまっすぐに見据えた。
 俺は影だ。追い詰められたおまえの“全部”の内にはいないもの。
 でも、それでも。
『奪わせたくないなら、なにひとつ奪わせないよう全部喰らい尽くせばいい』
 赤眼を輝かせ、促す。
『そのために、俺はここにいる』
 俺は、おまえを外から支えるよ。
 おまえは“全部”の外から俺を使い潰せ。
 そのために、俺はここにいる――

 仁菜たちが邪英へ堕ちたことを、仙寿とあけびは後の報告で知る。
 情報が意図的に伏せられていたことを悟り、すぐに跳び出さなかったのは、聞いたと同時、討伐部隊の指揮を押しつけられたからだ。
「約束、したのにな」
 あの日、ふたりは別の戦場へ向かう仁菜たちと言い交わしたのだ。帰ってきたら土産話を肴に飯を食おう。
 それが形を歪めに歪め、こうして果たされようとしているのは皮肉というものか。
 ――しかし、なぜ俺たちのところへまっすぐに来た?
 仙寿の心に共鳴し、自らを重ね合わせたあけびが語る。
『私たちじゃなくちゃだめだったんだよ。同じ志を持ってた、私たちじゃなくちゃ』
 そうか。仙寿は左に佩いた守護刀「小烏丸」の柄へ右手をかけた。
 腑に落ちたわけではないが、そうであるならすぐに知れるだろう。言の葉ならぬ刃を交わし、語り合えば。
「始めていいのか? こちらはいつでも構わない」
 腰を据え、低く問う。
「どうしてそんなこと訊くんですか?」
 笑みを貼りつけたまま、仁菜が問い返した。
「俺とあけびにとって仁菜は、依は、かけがえのない友で同志だからだ」
「ああ、うん、そうですね。そうでした」
 仁菜は負のライヴスを鎧のごとくに肢体へ這わせ、固める。
「おふたりは オ ト モ ダ チ だから、それでいいんです」
 仙寿が小烏丸のはばきを露わせば、EMスカバードの鯉口から内に押し詰められていた電界がこぼれ出し、ちりりと鳴った。
「そうか」
『そっか』
 仙寿と内のあけびが声音を重ね、それを追うがごとくに踏み出した。

 小烏丸の刃渡りはおよそ一尺五寸。脇差の定義である全長二尺未満からは少々余ることから、区分としては大刀となる。
 しかし、その間合は当然、大刀よりも一足分狭い。
 深く踏み込めば、仁菜の笑みがそれだけ近づく。狂い乱れた果てに顕われた、空(から)の笑みに。
 友にそんな顔をさせる悲哀が、たまらなく厭わしい。それと同時、どこかうれしくも思う。――友がそんな顔を他の誰でもない、自分たちへ見せに来たことが。
 私は思ってた。もし仙寿を喪ったら、私は仁菜と同じようになってただろうって。
 仙寿にライヴスを合わせながら、あけびはかぶりを振る。
 でも、たらればのことはどうでもいい。だって、私たちは託されたんだから。守ることをあきらめない――仁菜と第一英雄の誓約を。いっしょに生きる意味を失った仁菜と依から、その先にある終わりを。
 泣いたり嘆いたりしない。それよりもあなたたちの望みどおり、壊れちゃった約束を終わらせるよ。エージェントなんかじゃない、私と仙寿で。
 踏み込んだ足が踏み止められた瞬間、電界に加速された小烏丸が抜き打たれ、仁菜の右脇を斬り上げる。
「あは」
 仁菜は上げた左膝でブロック、その膝を横へ振り抜きながら足を伸べた。受けからのまわし蹴り――邪英だからこその、人の域を超えた挙動である。
 が、このとき仙寿は、刃と共に斜め右前へと踏み出していた。
 蹴りは遠ざかる仙寿を追ってはしるが、受けに使わされた時間を取り戻すには至らず、届かない。
 かくて踏み抜けた仙寿は体を返し、空に留めた刃を霞に構えて据える。
 と同時、蹴り足を強く下へ振り下ろし、軸足へと変えた仁菜が左の前蹴りを打ち込んだ。血とライヴスの通う鉤爪が鋭く突き出され、仙寿の腹へ吸い込まれて――舞い散る桜花の影に巻かれて落ちた。
「繚乱に眩まされるな」
 仁菜の口から依の声音が紡がれる。喰らった仁菜の自我を残し、二位一体を成したこの体は、依であって仁菜、仁菜であって依である。
「かくれんぼは苦手だなぁ。従魔に追いつかれて、食べられそうになって、……と逢って、あれ? 私、誰と逢ったんだっけ?」
 わかんないな。わかんなくなっちゃった。わかんないわかんないわかんないうるさい。
 苛立ちを払うように仁菜が涼感のただ中へ踏み込む。ちりちりと眼が霞み、体はざわつくが、繚乱に隠れたということはつまり。
「いるんでしょ? かくれんぼは苦手だから早く終わらせたいの」
 と。その脚へ、椿の短剣が投げ込まれた。柄に繋がれた鋼糸が蛇さながらに巻きついて、仁菜を強く引いた。
「っ」
 咄嗟に力を込めて踏みとどまる仁菜。しかしそれが下策であることを、すでに悟っていた。
 糸を手繰り、音もなく現われた仙寿が刃を薙ぐ。迅さの内で敵の隙を突き、虚実を織り交ぜた攻めを繰る……剣と忍とが縒り合わされた、仙寿とあけびでなければ為せぬ兵法。
 こういうのは真似できないなぁ。でも。
 笑んだまま、仁菜は刃を受けた。
 肉を裂き、潜り込んだ刃が骨で止まったのを確かめ、一気に体を引かせて糸と刃から逃れ出る。
 これは真似できないでしょ?
 元よりシャドウルーカーにしてタンクが仁菜と依の有り様だ。迅さで追いつけずとも、頑健では大きく仙寿たちに勝る。そして。
「耐えることには慣れているからな」
 吐き捨てた依が、傷口を闇で塞いで跳んだ。
 ああ、そうだ。耐えることには慣れている。俺は耐えられる。だから、仁菜の代わりに耐える。
 そのために、俺はここにいる。
 ここにいるんだ、俺は。

 跳躍からの蹴り下ろしはフェイク。本命は闇に紛れさせた飛盾だ。
 蹴り足の左右から飛び込んできた盾が仙寿の刃を挟み止めた瞬間、依は合わさった盾の縁を蹴って仙寿の背後へ跳び込み、背を蹴り裂いた。
 それだけではない。真下へ蹴り下ろすことで間合を離さず、仙寿と背を合わせる形で着床し、さらに曲げた脚で回し蹴りを打ち込んで追撃を決める。
 仙寿が噴き飛ぶ様を肌触りで感じながら息をついた。跳ばれて、逃げられたか。
 その内で仁菜が激しくもがく。どいて邪魔私が喰べるんだから仙寿さんもあけびさんも。まるで依の存在を認識しないまま、外に這い出してくる。
 あえてそれを止めず、依は言い置いて主導を明け渡した。
「間合を開けさせるな。距離を取られたら付け入られる」
「間合を開けさせない。距離を取られたら付け入られるから」
 自らが思いついたようにつぶやいた仁菜は、壁に足をついて跳ね起きた仙寿へと襲いかかる。

『飛盾、止めないと』
『任せる。俺は足だ』
『承知』
 あけびと仙寿は内で短く言葉を交わし、共鳴体の息を整えた。
 すでに常軌を逸した仁菜たちの心を揺することは不可能だ。第一英雄ならぬ依の抵抗力ならば毒刃を擦り込むことはできようが……それを言い出すことは、仙寿もあけびもできなかった。
 業(わざ)を尽くして葬れる域を、仁菜と依は超えていたから。
 友として通わせた情が、あのふたりをここへ引き寄せた。そしてそれはこちらも同じ。尽くせるものは仙寿としての、あけびとしての技であり、情。
 たとえ力を弱められているとはいえ邪英。それを相手取るになにを甘ったるいことを。そう思う気持ちもあるが、それでも。
 この情ばかりは裏切れるものか。
「いざ、尋常に勝負」
 この言葉はきっと届かない。
 いいさ。これはただ、俺とあけびの情を表わすための、独り言だ。

 尋常に勝負?
 なに言ってるんですか。私、邪英ですよ。あんまりおかしくて笑えませんよ。
 っていうか、尋常ってなんですか? 潔い? 素直? 潔かったせいで私、空っぽになったんじゃないですか。素直になったから堕ちたんです。
 でも、思い出しました。いっしょに騒いで笑ったこと――どうせ私と仙寿さんたちだけだし、いいですよ。真っ向から殺り合いましょうか。そっちのほうが逃げられたりしなくて都合いいですしね。
 えっと、こういうときってなんて言うんでしたっけ?
 たしか、あれですよね。
「推して参る」
 あは。今度は笑えました。戻れない昔の話で笑うとか、私、鬼にはなれないみたいです。人じゃなくなったくせに、鬼にもなれない私。ほんと、笑えますよね。

 仙寿の刃と仁菜の爪が真っ向から打ち合った。
 爪で刃を握り込んだ仁菜は、それを支えに跳び、逆足の蹴りを打つ。
 仙寿もまた掴まれた刃を支えに体を倒し、蹴りをやり過ごして仁菜の軸足、その膝を蹴りつけた。
 形が変じようとも関節を備えた膝だ。理を超えて自在に曲がれはしない。ぴきりと骨の割れる音がして、仁菜の動きが詰まる。
 生じた隙を利して刃を取り戻した仙寿は、前へ置いた右の爪先へ重心のすべてを預け、小烏丸を突き込んだ。それはかつて宿縁の敵方(あいかた)へ無心で放ち続けてみせた、手首の返しで繰る多段突き。
 届いているか、仁菜? 俺の今このときのすべてを込めた突きはおまえに。
 俺は不器用で、説いて聞かせられるような道理もない。だから道理なんてない情で、おまえらの迷いも悔いも過ちも、おまえらごと、斬る。
 仁菜は仙寿の切っ先を膝と蹴りで払い、笑みを深めた。
 届きませんね、虚を捨てちゃった仙寿さんの尋常。これで私を止められるはずないじゃないですか。ああ、それにしても盾が邪魔。呼んでないのにちらちらちらちら。仙寿さんの尋常が見えないでしょ。
 飛盾を繰り、心臓より変じた核へ突き込まれようとする切っ先を受け止めながら、依は歯がみする。
 尋常? 切っ先の影に縫止を混ぜておいてよく言う。いや、これがあけびさんの、忍の尋常ってことか。その割に毒を含めてこないのは片手落ちだけどな。
 わかってるさ。あんたらが、仁菜を思ってくれてることは。
 しがらみってのは厄介だな。邪英に堕ちたはずが、こうして俺まで縛りつけるんだから。仁菜を喰い尽くせば、それも忘れられるってこともわかってるんだが……まだできない。俺は、自分の欲を捨てられないから。
 ああ、この期に及んで俺はそんなものかよ。って、最初からわかってたことだ。ならせめて迷うな。未練たらしくしがみついて、訴え続けろ。
 俺はここにいる。仁菜、俺はここにいるんだ。
 仙寿の切っ先を縫止の針で支えるあけびは、邪英体より漏れ出す依の心を感じて息を詰める。
 仁菜は一度も依のことを呼んでない。見えてないみたいに……ううん、ほんとに見えてないんだ。喪くしちゃったものが大きすぎて、ほかのものが見えなくなって。
 なのに依は、堕ちた後も仁菜のことを守ってる。どれだけの覚悟をして、どれほどの決意をしてるのか、私にはわからないし、わかった気にもならないけど、でも。
 依が捨てられない情だけはわかる。だから私は虚の業じゃなく実の技で、道を違えたあなたたちを終わらせるよ。それが友だちとして尽くせるたったひとつの情だから。

 退かず、逃げず、かわさず、互いを眼前に据えて。仙寿は、仁菜は、切っ先と爪先とで互いを削り、抉り、裂き合った。
 その拮抗が、ついに破られる。一定の長さしか持たぬ刃とはちがい、間合を自在に伸縮できる脚を得物とした仁菜の、至近距離からの三日月蹴りで。
 腹を突き抜かれた仙寿が押し詰めていた息を吐いた。気力を損ねた足がぐらりと傾き、刃が中空に泳ぐ。
「仁菜、喰え」
 漆黒のライヴスを顎へ換えた依が促し、仁菜は聞くともなく踏み出した。
 終わるんだな。これで俺は、本当に全部を失くすのかもしれない。
 飛盾を仁菜の前に据えて守り、依が息をつきかけた、そのとき。
「……おまえたちの間合は、もう過ぎたぞ」
 わずか数センチの向こうから、かすめるように仙寿の声音が吹き抜けて。
 盾で塞がれた視界の影より伸び出した切っ先が仁菜の腹を突いた。
 突かれた!?
 盾を横へ流して見下ろせば、仙寿は腹に空いた風穴を通し、向こう側から切っ先を突き込んでいた。
 小烏丸の刃は短いが、だからといって蹴りのように間合を調整することはできない。こちらの間合を潰して引き込み、一尺五寸の刃を充分な勢いをもって突き込める距離を、仙寿は自らの傷を利して作ってみせたのだ。
 誘われたわけか、俺は。
 依が思い至った瞬間、背後から核に、刃が突き立った。見るまでもない。先に仙寿が使った短剣だ。しかし、それを繰ったのは、誰だ?
「忍は奇襲が尋常だからね。尽くさせてもらったよ」
 背に投げられたものはあけびの声。
 これも言われて気づいた。盾をずらした瞬間に共鳴を解き、彼女はその影を渡って裏へ回り込んでいたのだと。
 見事にやられた。でも、それでも仁菜は、仁菜だけは殺させない。
 依は胸を押さえ、闇のライヴスを燃え立たせる――
「もういいよ、依」
 依が止まる。
 己を狂わせ、その手に残されたものを忘れ果てたはずの仁菜は、確かに今、彼を呼んだから。
「尋常の勝負で一本取られた。だからもう、いいよ」
「思い出したのか、俺を」
 仁菜はかぶりを振る。
 それで知れた。彼女は狂えてなどいなかったのだと。だからこそ、演じた。堕ちるほどの悲しみを、苦しみを、痛みを。
「依、見えないふりしてごめんね」
 依は静かに膝を折った。
「おまえが俺を呼んでくれただけで、いい」
 互いにきっと、言いたいことも言わねばならぬこともある。しかし、それを言うつもりはなかった……通じ合っているから。
 心を合わせ、仁菜は、依は、仙寿とあけびを見上げ、笑んだ。
「付き合わせちゃって、ごめんなさい」
「送ってくれ。仁菜だけは、あいつが待ってる先に行けるだろうから」
 そう語る依を内から抱きしめて、仁菜は目を閉じた。
 仁菜が初めからこうするつりだったのかは知れない。
 しかし、こうなるよりなかったのだと、仙寿もあけびも思うから。
 頼ってくれた情に、俺たちは報いよう。
 うん。私たちの手で、彼の岸へ送るよ。
 果たして再び共鳴した仙寿とあけびは小烏丸を高く掲げ、斬り下ろした。
 剣閃が、黄泉路行くふたりを待ち人の元へ導いてくれることを祈って。


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2019年10月15日

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