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『『因縁と執念と』』
ネムリアス=レスティングスla1966

 ネムリアス=レスティングス(la1966)は戦い続ける日々の中にいた。
 戦い以外のことは頭にないとばかりに、そして戦っていなければ生きて行けないとでも言うように。
 そんな矛盾さえも飲み込んで、来る日も来る日も戦い続けていたある日。

 『紫のロボット型のナイトメアが人々を虐殺し町一つ壊滅させた』

 というSALFへの緊急連絡を傍受する。
(紫のロボット……まさか)
 自分はそいつを知っている。
 そう直感したネムリアスは単独で現場に急ぎ向かう。
 過去からの影を追って。

 ネムリアスが到着した時、町は既に廃墟と化していた。
 生存者の姿はなく、建物は全て破壊しつくされ、元の形を少しでも留めている物さえない。
 それらの瓦礫の中に、ヤツはいた。
 紫色の装甲で身を固め、肩には大口径の大砲を担いでいるようなロボットのナイトメアが、誰とも知れぬ骸の上に腰掛けていた。
 彼が必ず来ると分かっていて、待っていたみたいに悠々と。
(やはりそうだったか)
 とネムリアスは己の直感が正しかったことを知った。
 ヤツはネムリアスが元の世界にいた頃破壊したはずだった。
 また同じ敵と対峙することになろうとは。
 こいつらはその名の通り悪夢の中から蘇る術でも知っているのか。
 表情のうかがえない仮面の下でぎり、と歯噛みするネムリアスを、ナイトメアは嘲るかのように骸を踏み付けて立ち上がる。
 何度も蘇るなら何度だって倒す!
 一瞬のうちにネムリアスの全身が蒼く燃え上がり、
「今度こそ地獄へ送ってやる!」
 言い終わらないうちに義手の両腕に持った散弾銃を発砲した。

 思いの外素早い身のこなしでネムリアスの蒼炎の銃弾をかわし、紫のロボットは己の大砲を撃つ。
 ネムリアスも弾道を見極め瓦礫に身を隠す。
 再び撃たれた大砲がその瓦礫を破壊し、ネムリアスは足場の悪さをものともせず移動して銃を撃ち放つ。
 何度もネムリアスの銃が咆哮を上げ、壁を貫き、敵の砲弾は廃墟をさらに崩していく。
 ネムリアスが土埃を煙幕代わりにして死角に回り込み引き金を引くと、相手は瓦礫をいくつも投げつけながら砲弾を発射する。
 お互いの戦力は拮抗していた。
 どちらも一歩も引かない撃ち合いが続く。
 ネムリアスには既に時間の感覚などない。
 瓦礫の下やあちこちに見える、住人だった者達の遺骸は極力意識に入れないようにした。
 少しでも気を抜いたらやられる。それくらい相手は強敵だった。
 他の生命体を何体も捕食し、エルゴマンサーに迫るほどの成長を遂げたということか。
 それでもネムリアスの攻撃はヤツを少しずつ削っていた。
 ネムリアスも半分以上イマジナリーシールドを破壊されていたが、まだ戦える。いや、戦わなければならない。
 確実にここで決着をつけるために。

 またヤツが砲弾を撃ってきた。
「!」
 ネムリアスは咄嗟に近くの建物の残骸に転がり込んだ。
 元はおそらくアパートのような集合住宅だったと思われ、壊れた家具などが破壊の跡に目立つ。と、その壊れた物々を押しのけて、一人の少女が姿を現した。
「!!」
 ネムリアスは目を見開いた。
 少女は汚れていたが、大きな怪我はなさそうだ。
 彼女もまたネムリアスを見て驚いている。
 襲撃の際隠れていたものの、徹底的な攻撃に巻き込まれ気絶してしまい、偶然にも瓦礫の間の空間で助かっていたという所だろう。
 奇跡の生存者だ。
 ネムリアスは少女を抱えてその場を飛び出した。
 彼女だけは助けなければならない。
「早く逃げろ! そっちへずっと行けば、人がいる所に出るはずだ!」
 かろうじて道だと分かる地点に少女を降ろし押しやった。
 そのネムリアスの背に砲弾が命中する。
「ぐあっ!!」
 少女の顔が恐怖に引きつり、口が叫びの形に開かれる。
 ネムリアスはグッと足を踏ん張り倒れそうになるのを堪え、少女に言った。
「行け! 走るんだ! 早く!!」
 少女は一瞬心配そうな目をネムリアスに向け、そのまま踵を返して走り去った。
(良かった)
 と思ったのも束の間、振り向くと敵がすぐそこに立っていた。

 ――やはり貴様は甘い。だから欠陥品なのだ。

 元の世界で戦った時、創造主達に言われた言葉が頭をよぎる。目の前のロボットもそう言っているように見えた。
 もうイマジナリーシールドは次の一撃を耐えられないだろう。
 さっき撃たれた衝撃で片手の銃を手放してしまっていた。
 追い詰められた。
 しかしネムリアスはこの状況下でも諦めてはいない。
 相手から目を逸らさず、神経を研ぎ澄ます。
「――っ!!」
 ネムリアスが動くのと敵が撃つのはほぼ同時だった。
 敵の砲弾はネムリアスの銃を持った片腕に中り――、機械化された腕が銃ごと宙を舞う。
 ネムリアスはそれを無視しそのままロボットの懐まで接近、残った腕を手刀の形に固め心臓部目掛けて突き出した!
「貴様とは執念が違う!」
 手刀がロボットの背中まで貫き、とうとうネムリアスは勝利を確信した。
 腕を引き抜くと、ロボットはがくりと両膝を付く。
 片腕を犠牲にし満身創痍になりながらもぎ取った勝利だったが、その勝利感は浸る間もなくあっさりと覆される。

『貴様は誘き出された餌だ』

 不意に言葉を発するロボット。
 あらかじめ録音された音声を、勝負がついたら再生されるよう設定してあったのか。
 目の前の紫のロボットはそれだけ告げてから、完全に機能停止した。
「まさか、これ全部が罠――!?」
 とネムリアスが悟った瞬間、全てが光に包まれた。


 数時間後、大気圏外から光学兵器が放たれ町が一つ消失したという報告がSALFに入った。
 ライセンサーが一人消息不明。
 生存者は少女が一人だけだった。



━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
再度のご注文、ありがとうございました!

今回は一点だけ、敵についてですが、グロリアスドライブの世界観として、感情を持ち言葉をしゃべることができるのはエルゴマンサーだけであり、エルゴマンサーは(現時点では)ライセンサー一人では敵わない存在という設定です。
ですので、その部分は少し変更して描写いたしました。ご希望に沿えなかったこと、ご容赦いただけましたらありがたいです。

その他の部分でイメージとのずれやご不満な点がありましたら、ご遠慮なくリテイクをお申し付けください。

またご縁がありましたら嬉しいです。
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久遠由純 クリエイターズルームへ
グロリアスドライヴ
2019年10月15日

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