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『自堕落ハロウィン』
向野・A・黒子la0227

 向野・A・黒子(la0227)はグロリアスベースにあるSALF本部にて、完遂した依頼に関する報告を行った。
 短期間であまりに多くの依頼をこなしたため、事務員が驚いた顔をしていた。「熱心でありがたいですが、たまには休んでくださいね」と心配される始末。

 本部の建物を出ながら黒子は考える。
 キャリアーFS-10強襲揚陸型「北極」に主砲、特殊兵装『ポセイドン』を搭載するため、確かにハードワークをしている。
 目標達成まで仕事を止めるわけにはいかないが、疲労がないわけではない。

 何の気なしに街を見てみると、オレンジと黒の可愛い装飾が至る所にあった。
 そういえばもうすぐハロウィンだ。

「一日くらいは休むか」

 黒子は決断した。
 決めたとなれば行動するのは早い。
 休暇を取るためにスケジュールをどう組むか、歩きながら考えた。



 そして10月31日。
 いつもより遅くに起きた彼女は、最低限の身支度だけする。
 今日は一人で自室に引きこもるのだ。誰かに見られるわけではないので、自分が不快でなければそれでいい。
 百夜とでかでかとプリントされたTシャツを着て、その上に魔女の黒いマントを羽織る。
 ハロウィン休暇という名目なので、申し訳程度でも仮装はするようだ。

 のそのそと歩いて、買いこんでおいた炭酸系の酒とジャンクフードを机に広げる。
 そこからスナック菓子の袋を手に取る。
 開封して、隣のソファーに寝転がり、ぼりぼりと朝食だ。

「あー。美味え」

 食べ終わった袋はそのまま机の上に放置して、ごろんと寝たまま次の袋に腕を伸ばす。

 行儀が悪いと叱る人も、不快そうに眉間にしわを寄せる人もここにはいない。
 今日は休暇で、廃ホテルの一室に一人きり。どれだけ自堕落に過ごそうが問題ない。
 子供がお菓子をねだりに来ることもない。
 自分が何をするかは全て黒子自身が決められる。

 お腹が空いたらジャンクフードを摘まむ。
 喉が渇いたらジン・トニックなど飲みたいと思った酒を飲む。
 考えることも今日は休むので、ひたすらぼーっとする。
 眠たくなったらそのままうたた寝。
 家事も今日はお休みだ。

 ごろごろと堕落の限りを尽くし、気付けば日が沈んでいた。
 簡単にシャワーを浴び、眠る支度を調える。
 仕事の疲れのためか、たっぷり昼寝をしたにもかかわらず眠気はすぐに訪れた。



 翌朝。
 いつも通りの時間に目を覚ました黒子は、さっと昨日のゴミを片付けた。

「……うし」

 ぐうたらした一日のおかげで体力・気力共にすっかりと戻っている。
 今日からはまた連勤だが、今の彼女なら万全に働けるだろう。

━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
 連勤お疲れ様です!
 よいパフォーマンスのためには休息で心身の調子を整えることも大事ですよね。
 主砲も無事に搭載できたようで良かったです。
 今後もご活躍を期待しております。
イベントノベル(パーティ) -
錦織 理美 クリエイターズルームへ
グロリアスドライヴ
2019年10月21日

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