イラストコンバート第二弾 ハイブリッドヘブン スタート!

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『Your personality.』
破魔鬼aa4756hero002)&小宮 雅春aa4756


「こみぽちなのねーー!!」
「わぁっ……とと。破魔鬼さん、おかえり」
 突撃してきた破魔鬼(aa4756hero002)に目を丸くして、小宮 雅春(aa4756)はすぐふんわりと笑みを浮かべる。しかし彼は破魔鬼の表情を見て目を瞬かせた。
「破魔鬼さん、今日は何かあったのかい?」
「今日は楽しくなかったのね!」
 ぷんすこと頬を膨らませ、きゅうっとしかめっ面になる破魔鬼。家へ向かって歩き出した彼女を追う雅春は、その背を見つめた。

 彼女の背には今、新しめなランドセルが背負われ揺れている。
 今後この世界で生きていくのなら、破魔鬼も様々なことを学ばねばならない。一般常識、他人との付き合い方、等々。そのため、少し前から彼女を小学校へ通わせていたのだ。

 ランドセルはその時に買ったものの、すでにいくつかの小さな傷が見える。おそらく背負ったまま、興味の移ろうままに探検などをしているのだろう。
(落書きとかはなさそうだし……いじめ、とかではなさそうかな)
 最も、破魔鬼ならいじめっ子に真っ向から立ち向かいそうであったが。
「それで、どうしたの?」
「お昼にみんなでかけっこをしたのね。でも、とっても足のおそい子がいるのね」
 破魔鬼はこの通り元気いっぱいであるし、リンカーである周囲にも負けないくらいだ。他の子供たちがさして気にならないのなら、その子はきっと運動が苦手なのだろう。
「とてもどんくさいのね。一緒にかけっこしても楽しくないのね!
 でも、なぜかハバキはその子に怒られたのね! 速くかけっこできるハバキは悪くないのね!」
 思い出したのか、またぷくぅと頬を膨らませる破魔鬼。なるほど、と雅春は小さく笑った。
 喧嘩になってしまい、納得がつかないのだろう。この様子だと仲直りもしていないに間違いない。
「破魔鬼さん」
 声をかけると、むすっとした顔で振り向かれる。雅春は破魔鬼の隣まで追いつくと、優しく諭すような声音で告げた。
「僕はその子の気持ちも、ちょっぴり分かるかも」
 破魔鬼の目がぱちぱちと瞬く。その唇からは小さく「……ハバキはわからないのね」と零れ落ちた。
 うん、そうだねと頷いて。雅春は懐かしいものを思い出すかのように目を細める。
 どれくらい前だったか……そう、成績表なんてものを貰うくらい、前のこと。
「僕ね、リンカーになる前はその子と同じ……運動音痴だったんだよ」
「こみぽちもどんくさかったのね?」
「うん」
 かけっこすれば最後まで残り、鉄棒も苦手。ボールはうまく飛ばない。体育の授業が何らかの理由でなくなった時は、ひっそり喜んでいた──そんなこともあったかもしれない。いかんせん、詳しい記憶まではすぐに思い出せないが。
「成績もね、体育は下から数えた方が早かったんだ」
 そう、そこは印象深い。体育ばかりは他と比べて格段に成績の悪さが出ていた。あれはきっと、頑張りもやや考慮されてあの成績だったのだろう。
 けれど、と雅春は続ける。
 体育こそ苦手が滲み出んばかりだったとは言え、他の成績は悪くない。体育が得意なクラスメイトより良い成績の科目もあった。
「得意なこと、苦手なことってみんな違うんだよ。その子の得意なことに目を向けてみたらどうだろ」
「得意なことなのね?」
 聞き返す彼女は、どうしてそんなことをするのかわかっていない様子だ。「例えば……」と雅春は頤に手を当てて。
「……例えば。破魔鬼さんは何が得意?」
「ハバキはかけっこなのね! 誰にも負けないのね!」
 ふふんと自信満々な破魔鬼。自分の得意なことはすぐ分かる。
 その表情に雅春は小さく笑ってじゃあ、と続けた。
「喧嘩しちゃった子の得意なことは?」
「あの子は楽器が上手なのね! 音楽はハバキよりも得意なのね!」
 先日、音楽の授業で楽器に触れた話を聞いた。壊さないように、と破魔鬼は恐る恐るだったらしい。

『こわさないようにって、たくさん言われたのね』
『ハバキはちゃんと壊さなかったのね!』
『クラスの中に、楽器をひける子がいたのね! すごかったのね!』

(もしかして、その子かな)
 その時の言葉を思い出し、雅春の目が細まる。……不意に脇腹へ衝撃を受けた。
「こみぽち、聞いてないのね!」
「ご、ごめんごめん。どうしたの?」
 ぷくりと拗ねたように頬を膨らませた破魔鬼は、雅春に問われるとパッと笑った。
「こみぽちの言うとおりなのね! ハバキはあの子よりかけっこが上手で、でもあの子はハバキより楽器が上手なのね!
 それを今からあの子に言ってくるのね!」
「え、今から?」
 きょとんとする雅春をよそに、破魔鬼は『善は急げ』と言わんばかりに学校へUターン。雅春はその後を歩いて追い始める。
 今日はもしかしたら、もう帰ってしまっているかもしれない。いいや、教室にまだいるかも。
(破魔鬼さん)
 みるみる小さくなる背に、言葉へせず語りかける。
(お友達と仲直りできるといいね)
 彼女と血の繋がりはないけれど、長く共にいた。それでなのだろうか──親心のようなものが芽生えたのは。
 彼女の成長が楽しみだ、なんて。

 小学校の門まで辿り着くと、ちょうど破魔鬼が後者の昇降口から出てきたところで。
「こみぽち! 帰るのね!」
 その顔には満面の笑みが浮かんでいた。

━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
 大変お待たせ致しました。お2人のほのぼのな一幕をお届けします。
 私も運動音痴なので、破魔鬼さんが羨ましいです。きっとクラスメイトのあの子もそう思っているはず。そんなことを思いながら、微笑ましく書かせて頂きました。
 イメージと違うなど、気になる点がありましたらお気軽にお問い合わせください。
 この度はご発注をありがとうございました!
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2019年11月25日

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