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『花音の一日』
神崎 花音la0020

静かな朝、部屋の窓から入ってくるこぼれ日が、少女を深い眠りへと誘っていく。
女の子らしい、小物や家具でいっぱいのザ・乙女部屋といってもいい、屋内に住まう少女がいた。
名前は神崎 花音(la0020)、20歳。とても、大学卒業したとは思えないかわいらしい見た目をしている。
だが、そんな彼女にも仕事があった。ライセンサーとして戦闘に出向いては、救出した一般人を治療するというものだ。
彼女はこの仕事を誇らしく思っていた。自分の力で、人々を救えているのだと。

だが、そんな彼女にも、疲労というものはついてまわった。
老若男女と人々を救ってきた彼女は、まだ20歳だ。若いといえど、人間で超人ではない。
戦闘だけじゃなく、休日も欲しいと考えていた。

彼女は本部に掛け合い、長期休暇をもらえることになった。
休暇は何をしようかと考えていたのか、仕事から帰る姿はとても愛らしいものだった。

だが、もちろん毎日戦闘に赴いてるため披露は尋常ないほど身体に溜まっていた。
すねや指先、女性にとっては命である顔にまで傷があった。
彼女の勲章でもある。

そして、今に至る。
深い眠りについてる、彼女は気持ちよさそうに布団にしがみついていた。
綺麗なロングヘアーが少しぼさついていた。
家に帰って着替えたあと、すぐに眠りに就いたのだろう。

とても幸せそうな寝顔だった。



―― ジリリリリッ!

大きな音が部屋中に鳴り響いた。とても天気のいい朝で、窓から太陽の光が差し込んでくる。
彼女は、休暇を取って1週間が過ぎていた。
寝て起きる、そういう暮らしをしていたのか、ものすごく幸せそうな寝顔をしていた。

だがこの数は一体、なんなのだろうか。目覚ましがあらゆる場所に散りばめられていた。
足の踏み場もない。

休暇が取れて嬉しいが、やりたいことがあるためリストを作っていた。その紙を壁にあるコルクボードに貼ってあった。
箇条書きに書いてあったところに線が引かれており、休暇中にやったことを消していた。

だが、それでもこの量の数は異常だった。10を超える、目覚ましがあるのだから。
だが、そんな花音は健やかな笑みを浮かべ、布団にしがみつきながらベッドで幸せそうに眠っている。

「うるさいな〜、あと5分……」

目覚ましの音に気がつき、起きると思いきやまた眠りに入ってしまった。
こんなに寝ていられるのは何ヶ月ぶりという感じなのだ。
したいものをやるというのがモットーなのだろう。

彼女が起きてきたのは、それから数時間後だった。
すでに時計の針が11を指していたので、虚ろな目で見つめながら着替えだした。
顔と歯を洗い、のそのそと足取り重くダイニングキッチンへと向かう。

休暇でまず行うことは、起きたら簡単にご飯を作ることだ。
この頃美容や体重を気にしていたのか、低カロリーな食事を取るようにしている。
ご飯に玄米を混ぜたり、わかめやごぼうなど体をきれいにする食材を入れたりと、料理に力を入れていた。

「今日は、何しようかな!」

ご飯を済ませ、皿洗いなど身の回り綺麗にしてから、自室に戻る。
部屋に入って目に止まるかわいらしいコルクボードの前に立ち、今日のやることを確認する。
腰に手を当て、やる気に満ちた瞳で一文字ずつ確認していく。

小さく頷き、小さなクローゼットから服を取り出す。
それはピンクと黒のランニングウエアだった。
これから、数時間ランニングを行うのだ。

「行ってきまーす」

誰もいなであろう、マンションの部屋を後にして、ランニングに向かう。



数時間後戻ってきた時には、首筋や額にキラッと光る汗が滴り落ちていた。
部屋に戻る前にシャワー室に向かい、汗を流す。
これも日課の一つだ。

シャワーからあがり、体が温まってる間にお茶が入ったコップを持ってテレビの前に座る。
一人暮らしなので、テレビを独り占めできるのが嬉しいのか、ワクワクしていた。

どこにでもいるような格好でテレビを見ていると、前々から気になっていたゲームの宣伝をしていた。
そのゲームが欲しくて仕方が無かったのか、一瞬思考停止するかのように固まる。
だが、一瞬なのですぐに前のめりになりながら、テレビにしがみつく様にそのCMを見つめていた。

今話題になっている、体の動きがゲームに反応され、ゲーム中、自身の身体を鍛えることでゲームのキャラが強くなって、その力で敵を倒していくという内容のものだった。

そのCMを見終わった瞬間、即座に立ち上がり携帯と鍵、財布を持って駆け足で玄関に向かった。
ネットで発売すると見ていて気になっていたが、まさかこの日に発売するとは思っていなかったのだろう。
血相を変えて、一番乗りに買おうと全力で店に向かっていった。



店に付けば、CMを見たのか、それとも噂が呼んだのか、人でごった返していた。
隙間一つ無いくらい押し寄せていたのだが、ここは運動神経のいい彼女の出番だった。
ライセンサーということもあり、少しの隙も見逃さなかった。
身体能力、小柄なことを活かしながらゲームが売っている陳列棚へと向かう。
数分もしなうちに、棚にたどり着くと、数点残っていたゲームを手に取りレジへと向かった。
ライセンサーになって身体能力が前より上がったのだろう。
嬉しそうな満面の笑みで、店内を後にした。

この後、彼女は家で寝るまでの間何時間もゲームをしていたそうだ。



━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
発注ありがとうございます!
花音さんの素敵な休暇を書かせていただけてよかったです。
またの機会がありましたら、よろしくお願いします。
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グロリアスドライヴ
2019年12月10日

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