▼作品詳細検索▼  →クリエイター検索


『あるライセンサーの休日』
向原 大那la0585

 久々の休みに街中に繰り出した向原 大那(la0585)は大きく伸びをする。
 戦いだらけの毎日ではあるがこういった日も悪くはないなと思いながら晴れた青空を眺めた。

「さて、美味しい物でも食べに……あ?」

 彼女の目の前で人は吹き飛んだ。それはもう盛大に。
 吹き飛んだ人は宙を舞い、くるくると放物線を描きながら地面へと落ちる。身動きする様子はない。どうやらそのまま死んでしまったようだ。
 何事かと立ち上がった彼女の目の前で黒い大型の四足歩行のナイトメアが路地裏から壁面を破壊しながら飛び出してくる。
 ナイトメアは幾人かの人を踏み潰しまた、その大きな顎には捕食したのであろう人の腕や足が挟まっていた。

「非番だってのに……全く、人気者は辛いってか!」

 一応の備えにと持ってきていたグランドセイバーを振り被る様に片手で構えると大那は姿勢を低くしてナイトメアに疾駆する。
 逃げる人々の間を駆け抜け、地面を蹴って宙へと跳び上がると上段から重い一撃をナイトメアの頭に叩き込んだ。
 反撃される前に頭部を蹴り飛ばし大那はナイトメアから距離を取る。
 一撃を受けたナイトメアはぐらりとふらついたようではあるがダメージは浅いようであった。

「へぇ、こんくらいじゃだめってか……いいねぇ上がってキタあぁぁッ!」

 再び姿勢低く突っ込んだ大那はグランドセイバーの質量を生かした横薙ぎを放つ。風を切り真一文字に振り抜かれた刃は白刃の軌跡を描く。
 それはナイトメアの体を深く斬り裂き、おびただしい量の出血をさせた。血の飛沫を上げながら地面が震えるほどの咆哮をナイトメアは放つ。
 地面と同じく、振動で震える体の感覚に唇の端を上げにやりと大那は笑う。
 なぜなら彼女は有り余る力を振るう為、この仕事に従事しているからだった。思いっきりやってもいい相手と出会えること程、嬉しい事はない。
 グランドセイバーの柄を両手で握り、切っ先を真直ぐにナイトメアに向けた。

「お前は本気でやってもいい相手って事だろォっ! なら遠慮いらねぇッ! 全力でぇ……叩き潰してやるッッ!!」

 グランドセイバーの切っ先を下に向け、地面を擦りながら先程よりも倍のスピードでナイトメアに大那は突っ込む。
 ナイトメアは右前足を振り上げ彼女目掛けて振り下ろすがそれは彼女にかすりもしない。
 地面を抉った右前足を足場にナイトメアの頭部付近まで駆け上がると大那はグランドセイバーを背負う様に大きく振りかぶった。

「ぜぇぇぇいいやぁぁあああああーーーッッ!!」

 思いっきり力任せに振るわれたグランドセイバーがナイトメアの巨体を縦に両断する。砂の城を崩すかの様に崩れていくナイトメアの体。
 だが溶けた体を針状に変化させるとナイトメアはそれを槍の様に大那目掛けて放った。いくつかの槍は外れたがその内の一本が彼女の肩に向かう。
 だが槍は展開されたイマジナリーシールドによって弾かれ、彼女には到達しない。

「ぐぅうあ!? ……っつう」

 本来、イマジナリーシールドを持つライセンサーは強固な想像力の壁によって自身の体を負傷から守っている。
 それは精神力の壁ともいえるものであり攻撃を防いだ時にはそのダメージはライセンサーへ精神的なダメージとなって反映されるのだ。
 彼女は難しい事は考えない主義だからだろうかライセンサーのシステムに関する理解力はあまりない。
 だが難しい事を考えても仕方ないと考える彼女には『守る盾』が発生する、それだけの理解で十分なのであった。

「こいつぁ、お返しだぁッッ!」

 グランドセイバーを逆手で持ち、両手で柄を握ると崩れ行くナイトメアの頭部に突き刺した。
 断末魔の咆哮をあげ、ナイトメアは今度こそその身を砂の様に完全に崩壊させる。
 地面へ突き刺さったグランドセイバーを抜くと、自分の背に大那は背負い直す。

「全く、もう少しがんばれっての……せっかくここからだってのに」

 そうぼやきながら不完全燃焼ともいえる闘争心を食にぶつける為に彼女は食事処が並ぶ街の繁華街へと足を向けるのであった。

━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
今回はご依頼ありがとうございました。
おまかせノベル -
ウケッキ クリエイターズルームへ
グロリアスドライヴ
2020年04月24日

投票はログイン後にできます。

ログインはこちら












©Frontier Works Inc. All Rights Reserved.