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『ショットガン☆ベイビー』
ミリア・ラスティソードla3398

「ここが日本の田舎ってやつかー。…………すぅ〜〜はぁ〜〜。ん〜〜、空気が美味しい!」

 明るい色の長い金髪を大きな赤いリボンでポニーテールに纏めた、ホットパンツに重ね着ビキニのような露出の多い格好をした非常にグラマーな美少女がそこに居た。
 彼女の名はミリア・ラスティソード(la3398)。ライセンサーである。グロリアスベースのSALF本部にて依頼を受け、現地に到着したばかり。
 依頼内容は刈り入れ間近の田んぼに出現したナイトメアを退治してほしい、というもの。依頼の難易度・脅威度は低いため、ミリアは単独でここへやって来た。

「ふむ〜〜、ボクの故郷とは全然違うけどこれはこれで綺麗なところだね!」

 彼女の前の前に広がるのは――辺り一面の田園風景。360度、ほぼ田んぼのみ。本当に山と田んぼしかない。近代的な都市部とはまったく違ったドドド田舎。
 ……しかしながらミリアの故郷でも見られる刈り入れ前の小麦畑ともまた違う、日本昔ながらの収穫の秋を迎えた田んぼ、黄金の稲穂が一面に実っている風景は実に美しい……。
 ミリアはその光景を眺めて、思わず目を細める。

「こんなに綺麗なところを荒らすナイトメアは許せないね。ボクが全部退治しちゃうよ!」

 そんなわけでミリアは依頼主の村長さんの家に向かい、事情の説明を受けてから……とりあえず本日の宿泊先に割り当てられた民家へ行き、荷物を置いて戦闘準備を整える。

「若いのに偉いねぇ。すまないねぇ、ろくにおもてなしも出来ず……。もうすぐ刈り入れだってのに困ってて……よろしくお願いするよ」
「いいよ、おばあちゃん! ボクはお仕事で来たんだし気にしないで! ……さて、もうすぐ夕方だね。じゃ、行ってくる!」

 宿泊先の民宿を営むおばあちゃんに挨拶し、完全武装のミリアはいざ――出撃!

 ***

 辺りが少し薄暗くなった夕方……ミリアが田んぼの付近までやって来ると……『それ』は居た。

「出たね! 逃がさないよ!」

 ――今回の敵は『ゾンビ型ナイトメア』だった。複数が特に何をするわけでも無く、田んぼの周囲をうろついている……。
 とりあえずミリアは田んぼへ被害が出ないように、太ももに装備していたスローイングナイフを投擲し、「こっちこっち!!」と大声を上げてゾンビ型ナイトメアを広い場所へと誘導する。
 …………どうやら知能もゾンビ映画のゾンビ並みに低いらしく、まんまとミリアに引き寄せられた。

「ここなら良さそう。……ふふ、ゾンビ退治と言ったらやっぱりこれ!!」

 ミリアの手に握られているのは『ソードオフショットガン』。なお、両脇には大口径リボルバーが収められたホルスターを装備。

 …………ここから目視出来るのはゾンビ型ナイトメアが八体。ミリアはショットガンを構えて、

「それじゃあ――行くよ!!」

 ダッシュと共にまず一番近いゾンビへ至近距離から一発叩き込み、リジェクションフィールドごと吹き飛ばす。
 リジェクションフィールド――これがあるために、ナイトメアには一般人は手も足も出ず、適合者――ライセンサーの力が必要とされるのだ。

「まずは一つ!」

 ミリアはダッシュ&ジャンプでゾンビが密集する場所へ飛び込み、次々とIMDの力が乗った散弾を近距離から叩き込み、確実に仕留める。

「二つ! 三つ! 四つ! 五つ!」

 残り二体…………というところで弾切れ。しかしミリアは冷静に、片手でショットガンのコッキングレバーを中心に銃全体をくるっと回転させて弾をリロード。
 これは古い西部劇や某映画で有名な『スピンコック』という技だ。――リロード後、すぐさまゾンビへ照準を定め、連射。

「六つ! 七つ! 八つ! ……これでおしまいかな? ――っと!」

 ショットガンを持つ右手とは別、左手でホルスターからリボルバーを抜き放ち、振り向いて速射。
 …………いつの間にか、背後から二体のゾンビが忍び寄っていたのだ。それも正確に敵の額を射貫き、撃破。冷静に対処。

「ふう。いくら弱くても油断は出来ないってことか。えっと、十体だから……目撃されてる数は始末したよね」

 村長からの情報では、目撃されているゾンビは十体だけだったが……ミリアは念のため、村中を見回ってから民宿へ戻った。

 ***

 翌朝――。

「ふあ〜〜、ぐっすり寝た。……お仕事も終わり。それじゃあね、おばあちゃん!」
「すまないねぇ、本当は御馳走でも出したかったんだけど……」
「ううん、おばあちゃんのご飯すごく美味しかったよ!」

 ミリアは首を振ってからにこりと笑顔を見せる。
 昨晩の夕食に出されたお米は最高に美味しかった。何度もおかわりするくらい。おかずの焼き鮭と漬物、佃煮もご飯にぴったり!
 食べ慣れたポテトやパンなどとは違う……素朴な日本食もまた乙なものだ。

「本当に助かったよお嬢ちゃん。これで今年も米が取れる」
「うんうん、お米本当に美味しいもんね。役に立ててボクも嬉しい。……それじゃ、元気で長生きしてね、おばあちゃん! バイバイ!」

 その後、ミリアは村長へ報告。これにて依頼を完了。グロリアスベースへの帰路に着くのだった……。

━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
お待たせ致しました。遅れてしまい、大変申し訳ありません。
今回は「日本の田舎でショットガンをぶっぱなし、ゾンビ退治」という内容にしてみました。
楽しんでいただければ幸いです。

この度はご発注ありがとうございました。
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グロリアスドライヴ
2020年06月10日

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