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『絶望への誘い』
ネムリアス=レスティングスla1966

 ネムリアス=レスティングス(la1966)はこの数日間というもの、宿敵を追いあちこちで戦っていたが、結局収穫と言えるものはない日々を続けていた。
 また何も分からずじまいだったという失望や焦りが、じわじわとネムリアスの心を蝕む。
 そんな鬱屈した気持ちを抱えながら今日はどうするべきかと思案していた所へ、突如それら全てを壊すかのような警報がけたたましく鳴り響いた。
「!!」
 ネムリアスはすぐに自分の端末の画面を確認する。

『近隣都市にナイトメアが侵攻中。ライセンサーは直ちに出動せよ』

 という緊急メッセージがあった。内容はそれだけではない。
「飛行艇からナイトメアが放たれ、さらに戦闘ヘリでの破壊だと――ッ!?」
 ネムリアスは急いで装備を整え、部屋を飛び出したのだった。

 高速道路を蒼焔に包まれた一台のバイク――さながら蒼い流星のような――が疾走して行く。
 普段なら何台もの車が走っている高速も、今はナイトメアに壊されたり事故ったりした物ばかりで、動いている車はない。
 それらを避けながら走るネムリアスの目に見えるのは、手当たり次第破壊しているナイトメアの群れと戦闘ヘリだった。
 片手でハンドル操作をしながら、射程に入るナイトメア達を散弾銃で蹴散らしていく。
「俺に遭ったのが運の尽きだ!」
 素早くリロードを繰り返しながら連射し、ネムリアスが通り過ぎた後には倒れたナイトメアが残った。
 と、目の前の道が崩れ大きく陥没している。
 しかしネムリアスはバイクのスピードを落とそうとはしない。
 穴の先にはちょうど蜂のような戦闘ヘリが飛んでおり、そのさらに先には飛行艇がいた。
「道が崩れていようが関係ない」
 ネムリアスはスロットルを回しさらに加速した。
 身を低くし、穴の直前で前輪を上げ大きくジャンプ!
 バイクが頂点に達した時両手を放し狙撃銃に持ち替え、戦闘ヘリを狙い撃つ!
 穴を飛び越え再びハンドルを握り着地と同時に、戦闘ヘリはコントロールを失って地上に落ちた。
 ネムリアスは振り返らずに、そのまま飛行艇を追い走り続ける。
「逃がさねえ」
 一度も止まることなく立ちふさがるナイトメアを殲滅しながら、飛行艇に追い付くネムリアス。
 すると、飛行艇から今までの雑魚共とは若干様相の違うナイトメアが降りて来た。
「奴がボスか?」
 そのナイトメアの全身が良く見えるようになった瞬間、ネムリアスは目を見開いた。
「なっ、馬鹿な! 奴は確かに倒したはず……!!」
 我が目を疑い、思わずバイクを停める。
 それは以前町一つを壊滅させ、そしてネムリアスが倒したはずの、紫色のロボットに間違いなかった。
「くそッ、何度復活する気だ」
 全身を紫の鎧で固めたような姿は確かに見覚えがある。
 復活したのならパワーアップしているであろうことは確実だ。
 紫のロボットは後から降下した巨大なロボの上部に乗り込んだ。二体が合わさるともはやアサルトコア並になる。
 巨大ロボを操る紫のロボットが、再びネムリアスの前に立ちはだかった。

「まさかこんなことになるとはな……」
 だが、ここで奴が死んでいなかったことを嘆いていても仕方がない。
「ロボがロボに乗ろうと構うものか! 何度でも倒してやる!」
 即座に頭を切り替えると、ネムリアスの纏う蒼焔が一層大きくなった。
 巨大ロボからミサイルが発射される。ネムリアスはバイクを発進させミサイルをかわした。
 今度は紫のロボが自身の装備する砲撃を撃って来た。
「チッ、卑怯さは相変わらずだな!」
 バイクを上手く操縦し巨大ロボの足の間を通って砲撃を避け、通り抜けざまハンドルを放し両手に装備した二丁拳銃をお見舞いしてやる。
 しかし、さすがに巨大ロボの装甲は簡単に撃ち抜けない。
 巨大ロボがバイクへと手を伸ばした。捕まえようというのだ。
「そう簡単に捕まるかよ!」
 ネムリアスはスピードを上げ腕をすり抜け、急に方向転換して腕を狙い銃を撃つ。
 撃たれようが構わずに巨大ロボはネムリアスを追い回し、ミサイルや砲撃で行く手を遮っては捕まえようとしてきた。
「おっと! こっちだぜ!」
 右に左にとハンドルを切りロボの繰り出す攻撃を避けながら、隙を見て二丁拳銃で応戦するネムリアス。
 ネムリアスの銃撃は中りはするのだが、巨大ロボにとってはかすり傷程度にしかダメージを与えられていない。
「やっぱ硬いな……! このままじゃ埒が明かねえ」
 バイクで逃げ回るのにも限界があるし、長期戦は不利だ。

「アレを使うしかねーか」
 ネムリアスは巨大ロボの真正面にバイクを向けると、一気にアクセルを全開にして走り出す。
 飛んで来るミサイルをギリギリで避け、義手の試作ブースターを展開した。
 そしてそのままブースター噴射!
 勢い良くバイクが飛び立ち、一直線に巨大ロボに乗っている紫ロボへと空を駆ける。
 一瞬、ネムリアスは奴と目が合った気がした。
 奴が砲撃を撃とうと構える。
 だがネムリアスはバイクごと奴にぶつかる直前に、
「あばよ」
 バイクを捨て、自分だけ飛行しロボから離れた。
 その行動に紫ロボが砲撃を躊躇った刹那、バイクが奴に直撃し自爆した!
 爆発は巨大ロボをも巻き込み大爆発となる。
「やったか!?」
 巨大ロボは破壊され、腕や胴のパーツが飛び散って崩れ落ちていった。
 もうもうと煙が立ち込め、地上に降り立ったネムリアスがそれを見守っていると。

 紫のロボは多少汚れはしたものの結局無傷なまま、巨大ロボの残骸の中から立ち上がった。
「――!」
 ネムリアスが身構える。
 不意に、ネムリアスの持つ携帯端末が鳴った。
「何だ!?」
 思わずビクッとしてしまったネムリアスを、奴がす、と指さす。まるで携帯を確認しろとでも言うかのように。
 ということは、奴が自分に何かを送信したのか?
「……?」
 訝りながらもネムリアスが携帯端末を取り出してみると、ある座標のデータが送られて来ていた。
「どこの座標だ?」
 こんなものを寄越してきて一体どうするつもりなのか。
 湧き上がる疑問にネムリアスが顔を上げたら、紫色のロボットは既に接近して来ていた飛行艇に飛び移っている所だった。
「!」
 奴はちらりとこちらを一瞥し、目的を終えた飛行艇と共に飛び去って行く。
 束の間追おうとネムリアスの体が動きかけたが、もうバイクを失ってしまったので追い付けはしない、と思い直して、空に小さくなっていく飛行艇を見送るしかなかった。

(この座標に来いということか……?)
 ネムリアスは再び携帯に目を落とし、座標のデータを見てみる。
 きっと、そこで決着をつけようということなのだろう。
(傍迷惑な話だ)
 心底迷惑そうに仮面の下の素顔を歪めるネムリアス。
 奴に従うのは甚だ面白くない。全くもって気に入らない。
 それでも――、結局自分はそこに行くしかないということも、ネムリアスにはよく解っていた――。



━あとがき━━━━━━━━━━━━━━━━━…・・
いつもご注文ありがとうございます!

今回は次回への導入のような内容ですね。
バイクに乗っての戦闘、カッコよくなるように書かせていただきましたがいかがでしょうか?
ご希望に添えていると良いのですが。

「ここはこうして欲しい」とかイメージと違う所などありましたら、些細なことでも構いませんので、ご遠慮なくリテイクをお申し付けください。

またご注文いただけたら嬉しいです。

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久遠由純 クリエイターズルームへ
グロリアスドライヴ
2020年09月01日

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