【新・小さくて幸せな箱庭4】地下迷宮の主

■シリーズシナリオ


担当:恋思川幹

対応レベル:11〜lv

難易度:難しい

成功報酬:10 G 85 C

参加人数:8人

サポート参加人数:2人

冒険期間:06月14日〜06月19日

リプレイ公開日:2007年06月25日

●オープニング

●座笆の想い
「わらわは‥‥」
 冒険者達の問いに座笆は、ゆっくりと口を開いた。
「わらわは一人でも生きてゆける強さが欲しい」
「一人? 座笆さんには‥‥」
 冒険者の一人が松風局や自分達のような味方がいるという。
「違うのじゃ。それでは、皆に頼りきりで生きていくことになってしまう。迷惑の掛けとおしじゃ」
 迷惑などと考えたことはない、冒険者はその言葉を押し込めた。座笆がまだ何かを語ろうとしていたからである。
「皆に迷惑をかけずに生きていける力をつけて‥‥そして、わらわも逆に皆を助けることが出来るようになりたい。皆に頼りきりになってしまうことと、皆と助け合えることは‥‥別のことじゃろう?」
 その座笆の言葉をにっこっりと笑ったのは、黒派仏教の僧侶である。座笆のたどり着いた結論は彼女の信じる教えに近い。
「じゃが‥‥」
 座笆は遠くを見つめるような視線になる。
「その為に具体的に何をすればよいのか‥‥わらわにはわからぬのじゃ」


●地下迷宮
 女影ヶ原(おなかげがはら)付近で伊達と長尾が激突しようとしているのを受けて、比企左衛門と畠山荘司次郎は共に計らって、松山城と菅谷館の中間付近にある青鳥城を確保、改修して橋頭堡とすることを決めた。
 だが、城の改修の指導を頼んだ勝呂家食客のトゥーム・ストンは松山城の地下迷宮の出入り自由をその条件とした。
 築城、陣地構築に一家言を持つ男としての向学心であるとストンは語る。その真偽は不明であったが、ストンの実力は先の勝呂原の合戦で小さな勝呂館で長尾軍を防ぎきってみせたことが示していた。
「父や畠山殿は背に腹は変えられないという意見だ。何とか、我々の調査が終わった後という条件はつけたが‥‥お前達の活躍に期待している」
 伊達と長尾の合戦により、地下迷宮調査を再開する余裕も生じた。ここで一気に調査を終わらせてしまいたいというのが、比企藤四郎能和の考えであった。
 そうでなければ、座笆の身の振り方について考えていく余裕も生まれない。
 故に今回は、いよいよ地下迷宮の『城門』を開け放ち、その奥へと調査の足を伸ばすことになる。
 『城門』の先に待つ物、あるいは者か? それは一体何であるのか?
 ストンという男には得体の知れない部分がある。この探索でしっかりと地下迷宮を把握しておかなければ、どのような禍根を残すかわかったものではない。
「心してかかって欲しい」
 『城門』の向こう側であれば、今までと違い『城内』であるかもしれない。いよいよ地下迷宮の核心に近づくことになる。


●仕官
「ところで仕官の話は考えてくれたか? 今まで通り冒険者は続けて構わんのだ」
 藤四郎が話題を変える。
「ただ、仕官する以上はこの比企家を盛り立てることを考えてもらわねばならぬがな。その上で比企家に仕える利益、不利益を享受することになろうし、闘気の術を授けよう」
 藤四郎は言う。
「姫巫女に仕える、そういうつもりでも構わない。今まで以上に力を貸して欲しい」

●今回の参加者

 ea2011 浦部 椿(34歳・♀・侍・人間・ジャパン)
 ea2478 羽 雪嶺(29歳・♂・侍・人間・華仙教大国)
 ea4492 飛鳥 祐之心(36歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea8714 トマス・ウェスト(43歳・♂・僧侶・人間・イギリス王国)
 ea9191 ステラ・シアフィールド(27歳・♀・ウィザード・ハーフエルフ・フランク王国)
 ea9885 レイナス・フォルスティン(34歳・♂・侍・人間・エジプト)
 eb0833 黒崎 流(38歳・♂・侍・人間・ジャパン)
 eb1555 所所楽 林檎(30歳・♀・僧侶・人間・ジャパン)

●サポート参加者

音無 鬼灯(eb3757)/ 桐乃森 心(eb3897

●リプレイ本文

●地下迷宮にいたモノ
「長かった‥‥ようやくに‥‥ようやくに‥‥助けが来たのか」
 闇の奥から聞こえてきた声に冒険者達に緊張が奔る。
 今までの探検の折と同じく、姫巫女をしっかりと人目からも、予想されうる脅威からも守り抜く陣構えで、冒険者達は城門の奥へと侵入した。
 現在までの探索で地下空間が人工物であることは明白であり、城門の内側に迷宮の主の痕跡があることは予想していた。ナニモノかが城内に残っている可能性も含めてである。
 だが、そのナニモノかが、敵であるのか味方であるのか、それを推し量る材料が今までになかったことも事実である。
 冒険者は一致して武器を納め、ナニモノかがいた時に平和的な接触が成立するように努めていた。
「外の世界では如何程の時が流れたことか? しかし、こうして助けが来たということは、侵略者を打ち払うことができたのであろう。めでたきかな」
 声は歓喜に震えていた。
 冒険者の側からの明りは届いていない。先頭にいた飛鳥祐之心(ea4492)は闇に目を凝らしてみたが、視線の先は闇に溶けてしまう。
 祐之心は立ち止まった。相手の領域に迂闊に踏み込めば奇襲の危険があり、相手を刺激して即座に敵対状況にも陥りかねない。
 まずは交渉の余地を探りたい。冒険者達は視線を交わしあい、黒崎流(eb0833)が、まず口を開いた。
「我等は磐座比売命様にお仕えする守人でございます」
「磐座比売命‥‥知らぬ名だな。しかし、大層な名前から察するに我が身には余る迎えを寄越してもらったようだ」
 流は来訪の目的は告げなかったが、どうやら声の主は冒険者達を救助者であると誤認している。
(「じゃあ、古に内部に逃げ込んで追跡者達から身を護る為に城門内に潜んでいたのかな?」)
 羽雪嶺(ea2478)は思考を巡らせる。
(「人間じゃないのは確かなんだろうけど‥‥」)
 長い長い時をこの暗闇で過ごし続けることが人間に出来るはずもなかったし、城門の内側には人の生活感の名残は見出せていない。
(「少しでも中の存在について知識があれば、この誤解も活かせたのでしょうが‥‥」)
 所所楽林檎(eb1555)は悔しく思う。
(「御仏の力を借り、思考を読むことができれば‥‥この状況では無理ですね。罠はない、と思いますが」)
 林檎は相手の表層思考を読み取る術を心得ているが、魔法使用時の発光は刃を向けるのに等しい。
 ただ、少なくとも声の主が外部の存在と接触したのが本当に長い時を経てであることは間違いないと見ている。城門に仕掛けられた糸は外されていなかったのを林檎は確認していた。
「人間達よ、我が眷族は無事であろうか? ここでの戦に不覚を取った私は眷族に迷惑をかけてしまった」
 声の主は問う。
「まことに恐れ多いことで、申し訳も立ちません。自分達はここがいかなる場所であるかも知らずに踏み込んでまいりました。もし、それが非礼であるならば、先に謝罪申し上げる」
 流は慇懃に答えるとともに、下手に取り繕うとはしなかった。相手が理知的であれば、自分達の非を詫び、礼を尽くさば話も通じると感じたのである。それで交渉すら出来ないのであれば、いずれにせよ友好関係は築き難い。
 状況如何によっては自分達も、声の主にとって救助者足りえる。そうした計算が流の頭の中にあった。
「‥‥ああっ! 外界では幾星霜の年月が流れてしまったというのか」
 声の主の落胆が伝わってくる。
「自分達でも何かお役に立てることがあるかもしれない。よろしければ、ここが如何なる場所か、あなたの御名前と、ここにいらっしゃる理由をお尋ねしたい」
 流が核心へと切り込む。
「先ほど申された『侵略者』との言葉‥‥自分達にも無関係ではないと思われるのです」
 流の頭の中に浮かんでいる推測。『侵略者』とそれは一致するのではないかという想い。
「‥‥我はカサハヨに仕えるモノ。主と共に侵略者を討ち果たす為、敵の拠点であった城に攻撃を仕掛けた‥‥」
 声の主は語る。カサハヨという名の主人と共にこの地下空間に攻め込んだことを。
「だが、それは彼奴らの姦計であったのだ。我等はわずかな囮の立て篭もる城に攻め込み、かえって閉じ込められるという不覚をとった‥‥」
(「もしかして‥‥いや、だが‥‥手勢が時を経て無念からそうなったという可能性も‥‥」)
 話を聞いているうちに、祐之心の頭の中にある考えがもたげる。
「それにしても、この地にそのような因縁があったなんて‥‥」
 林檎が嘆息を漏らすように言う。
「それは違う。ここでの戦いはあくまで戦争の一局面に過ぎぬ。この豊秋津島の天津神、国津神、人間すべからくが侵略者と対峙したのだ」
「そのような大変な戦の記憶が、なぜ残っていなかったのでしょうか?」
「なるほど‥‥武具が年代物であったことも納得だな。神話になるほど古い時代なのであろう」
 林檎の疑問に推測を口にするのは浦部椿(ea2011)である。声の主の話からその戦いが古い時代であることを思う。あるいは、この国において史書が編まれるより古い時代か。
(「悠久の歴史に想いを馳せるのも魅力的であるが、その前に懸案事項は済ませてしまわなければな」)
 椿はずっと座笆を背に隠すようにしている。
「お話はわかりました。今、この城を邪悪な者が狙っている懸念があります。おそらく、あなた方が戦った侵略者のそれではないかと考えております」
 流がそのように述べ、続けて提案する。
「もし、可能であるならばお力添えを。自分達も最大限にあなたをお助けいたします」
「‥‥よかろう。人間とはかつても盟友となった。再びそうすることに異論はない」
 闇の奥からモノが動く気配が察せられた。


●決別
 闇の奥から光の届く範囲へと近づくほどに、気配が形に変わっていく。
「‥‥予感が当たっちまった」
 先頭にいて視力も飛びぬけている祐之心が最初に声の主の姿を目にして、苦々しい口調になった。
「椿さん、林檎さん。座笆さんを頼む」
 後衛に声をかける祐之心。左手はすでに刀の鞘を握っている。
「どうしたのだねー、怖い声を出して」
 トマス・ウェスト(ea8714)が祐之心に声を返す。
「あんた‥‥黄泉人じゃないのか?」
「いかにも。我は黄泉の国の住人なり」
 姿を見せたのは、カサカサに乾いた肌をした人間の木乃伊(ミイラ)の如き存在であった。
 冒険者の間に戦慄が走る。黄泉人といえば、人の生気を喰らう死人の一種である。善良な存在とは言い難く、むしろ京都や水戸での戦乱を通して、邪悪と見なされてきた。
「どうしたというのか、人間達よ」
 冒険者達の険しい視線に晒されて、黄泉人は戸惑った様子を見せる。冒険者達も判断に困ってしまう。
「‥‥いやいや〜。どうということはないのだよ〜。ただ、見慣れていなかったのでねぇ」
 その中からトマスがにこやかに笑いながら、黄泉人に向けて近づいて近づいていった。
「まあ、これからよろしく頼もうかねぇ。‥‥呪文を唱え終わるまでの一瞬だけだが」
「なに?」
 トマスの言葉に黄泉人が言葉を返した一瞬で事足りた。
「けひゃひゃひゃ、ピュ・ア・リファイ〜!」
 浄化の力が黄泉人を浄化していく。
「お、おのれぇ、人間めっ、謀りおったなぁっ!」
「ドクター!」
「私は皆が思うほど、『いい人』ではないからね〜。けひゃひゃ、もう一発お見舞いしよう〜」
 思わずトマスを咎める流であったが、トマスはそのまま攻撃を続ける。
「高く買ってくれるのは、ありがたいのだがね〜」
 別件で流はトマスを高く評価していた。トマスはそのことを言っている。
「おのれっ、貴様らを骸に変えて、我らが僕にしてくれんっ!」
 崩れ落ちゆく黄泉人はその表情の読めぬ乾ききった顔に、しかしそれとわかる苦悶と憤怒を浮かべて絶叫する。
「四方からきますっ! 皆様、ご注意をっ!」
 ステラ・シアフィールド(ea9191)が警戒を促す声をあげる。トマスが行動を起こした時点で、周囲の振動を感知する魔法を発動させていた。
「ようやく出番というわけだ」
「闘気を使う、少し時間を頂戴」
 レイナス・フォルスティン(ea9885)は剣を抜き放ち、雪嶺が爪をはめて闘気を練り始める。
「壁を背にして姫巫女を守るんだ。飛び道具に気をつけろ!」
「い、一体、どうなったのじゃ?」
 椿は座笆を守る為に仁王立ちになり、状況の急激な転換に座笆は不安気な声を出す。
「大丈夫でございます。私達が必ずや御身をお守りいたします」
 座笆を励ましたのはステラである。
「死人憑きのくせに、動きの素早いのがいるぞ!」
「面白い! それは俺に任せろ」
 レイナスが素早い動きをする死人の前に立ちはだかる。死人のぞろりと生えた牙がレイナスに襲い掛かる。
「‥‥くっ! んぅ‥‥まだまだ、俺は武術の腕を磨くっ!」
 故にこの程度の敵に煩わされまいと変幻自在の剣を振るう。が、いくら斬りつけても死人の動きが鈍る様子がない。
「効いていない? くそっ、攻撃力不足‥‥か」
 レイナスが自分の剣に欠けていると感じるのは、敵を圧倒的な力でねじ伏せる威力の高い攻撃であった。それ故に死人憑きなど頑丈さが身上の敵を苦手とする。だから、この時もそういったことのように思われた。
「御仏よ、かの者に試練を与えたまえ」
 仏への祈りを捧げて聖なる力を収束する林檎。
「レイナスさんっ!」
「っ!」
 一瞬だけ体をかわして射線を開けるレイナス。入れ違いに林檎の手から放たれた黒い光が死人に吸い込まれるように命中する。
「ぐがあああっ!」
 死人の体がレイナスの斬りつけた傷の部分から崩れ落ちていく。
「攻撃自体は‥‥効いていたのか」
 崩れ落ちる死人を、念の為もう一度斬りつけるとレイナスは次の敵へと目を向ける。
 見れば妙に動きの鈍い骨の死人達と仲間達が戦っている。
「やあっ! てやあっ!」
 雪嶺の拳が、脚が適確に死人を捉えている。骨の死人も優れた技量を持っていたが、重武装の武人のような動きの鈍さがあり、手数によって雪嶺に押されていた。
「地の精霊力よ、その大いなる大地の手のうちに捕らえたまえ」
 そうした動きの鈍さはステラの地の精霊力によるものであった。
 祐之心、流、雪嶺らが前線を支え、トマスと林檎が神聖な力によって薙ぎ払われていったのである。


●進むべき道
「羽雪嶺、レイナス・フォルスティン。両名、異国人ながら我が比企家とその守護者たる姫巫女様の為に尽力し、その功績と忠誠は比企家に被官たるに何の不足もありませぬ。父上、この藤四郎の推挙の元、両名の仕官をお許し下さいませ」
 藤四郎の推挙により、雪嶺とレイナスとが比企氏に仕官することが決まった。
「全力でお力になっていきます。僕の虎の奥義を比企の殿様と姫巫女様の為に役立てます」
「俺の武はまだまだ発展途上だ。仕官によって得られる全てを我が武を極める道とし、もって比企の殿と姫巫女様のお役に立とう」
 雪嶺とレイナスがそれぞれに挨拶をする。今まで武闘家として、ファイターとして研鑽してきた両名は、その経験を活かして他の侍達とは一味違ったものになるだろう。
「うむ。両名の忠勤に期待しておるぞ」
 左衛門は二人にそう言葉をかけた。

 姫巫女のお社。
「ふむ、二人は比企の家の家臣になったのか。それは祝ってよいのじゃろうか?」
 話を聞いた座笆はよくわかっていないという様子で尋ねる。
「二人が進むべき道を定めたということであるので、まずはめでたいと言ってもよいでしょう」
「そうか、それはよいことじゃ」
 椿が答えたので、座笆も安心してそう答えた。
「畏れながら、御身が道を定めようと思われるのであれば、両名よりも苦しい道となることはお覚悟下さいませ」
 ステラは座笆の前に進み出ると、フードを外して、その顔を少し尖った耳を晒した。
「私の偽らざる過去からの‥‥ご忠言に御座います」
「そうか‥‥昔、聞いた話じゃな。わらわは‥‥おぬし達が友であってくれるなら、おぬし達に嫌われるのでなければ‥‥。おぬしにはそうした友はおらぬのか? いや、わらわはおぬしにとってのそうした友にはなれぬのじゃろうか?」
 半巨人と呼ばれた盗賊の退治に先立って、冒険者達は座笆にハーフエルフのことを打ち明けている。その時の座笆はもっとも恐れたのは、友となった冒険者達に嫌われることであった。
「姫巫女様‥‥汚れきった我が身には勿体なきお言葉を‥‥」
 ステラは深く深く頭を下げた。
「雪嶺さんとレイナスさんには誇りがあります。その誇りがあれば、自身が行える他者への手助けも自ずと見えるというもの。目的の為の習得も一つの道ですが、手段から目的に繋げることもまた一つの道です」
 林檎が言う。
「様々な道があるという話では、飛鳥殿の話も参考になるだろう。仕官を断ったのであろう?」
「え? ああ。座笆さんの為に力を尽くす気持ちに偽りはありません。ただ、俺が浪人になったのは自分の掲げた信念を貫き通す為だからです」
 突然、椿から話を振られた祐之心は少し驚きながらもそう返事を返した。
「そうか‥‥。手段から目的に繋げる‥‥か」
(「手段‥‥わらわに出来ること‥‥わらわはただただ、姫巫女としての務めを繰り返してきた‥‥わらわに出来るのはそれだけじゃ‥‥」)
 座笆は考え込んでしまう。
(「‥‥林檎はわらわに姫巫女であり続けて欲しいのじゃろうか。だとすれば、わらわは姫巫女として何ができるのじゃろうか?」)
 座笆の気持ちは徐々に「いかに姫巫女であらんとするか」という点に移っていた。座笆は箱庭の外を知らないのだから。


●報せ
「んん? 野犬‥‥という訳ではないようだねぇ」
 トマスは姫巫女のお社には入らず、その周囲で薬草探しを行っていた。そこへ犬が通りかかってお社へと向かっていくのを見た。
 犬は椿へと報せる重大な情報を運んでいたのである。