真田獣勇士1〜火事場泥棒討伐任務

■シリーズシナリオ


担当:マレーア4

対応レベル:8〜14lv

難易度:普通

成功報酬:2 G 49 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:07月25日〜07月28日

リプレイ公開日:2006年07月27日

●オープニング

「来たぞ、罠の準備はどう?」
「問題ない、今ならすぐにでも」
「よし、では手はず通りに」
 人影の一人が草むらで合図をすれば、他の人影は頷いた。
 盗賊らしき男達がその草むらの前を通ればいきなり火矢が放たれた。
 それに驚いた盗賊達は、慌てふためきながらも戦闘体制にはいった。
「我が主の隙を狙い、火事場泥棒など言語道断! 問題ない、のしてしまえ!」
 草むらから飛び出た一人の鎧騎士がそう指揮をとる。
 綺麗な顔立ちをした彼女の頭には黒い犬耳がつけられている。
 盗賊からしてみれば
「なんだこれは?」
 と焦る原因のひとつとなったろう。
 そして、それは一人だけではなかった。
「俺の狙いからは逃げられないと思え!?」
「絶対に、消すわ。邪魔だもの」
 矢を射るレンジャーはリス耳をつけ、忍び寄る忍者は黒い猫耳。
 その姿を見れば逃げるのを忘れて唖然としてしまう。
 そのせいか、すんなりと斬られてしまうのだ。
「前に出る‥‥援護は任せる」
「はいはーい♪ 私におっまかせ〜☆」
 敵のど真ん中に踊り出るファイターは狼耳。ナイトは見ればクマ耳。
 後方から魔法でどっかーん☆としてるウィザードは立派なキツネ耳。
 粗方敵が片付けば、クレリックの少女も出てくるだろう。
「あらあら‥‥派手にやってしまいましたねぇ‥‥」
 ウサギ耳がぴこぴこゆれる。どうやら彼女も仲間のようだ。
「あぅ〜‥‥私が歌う暇なかったのですぅ〜‥‥」
「はいはい、ネズミ耳がズレてるわよ」
「しかし、ウィンターフォルセがあの状況の所為もあるのか‥‥火事場泥棒を狙う者がつきませんねぇ‥‥」
 クレリックの少女が溜息ひとつついていれば、後からひょこひょこっと現れる人影。
「ちょっと! なぁんで今更出てくるんだっ!?」
「そ、そんな事いったって‥‥! 人を邪魔者扱いしたのは、ラシェルじゃないかっ!」
「んー? 人の所為にするつもり?」
「幾らルキナスっていう人に弄ばれたからって男にキツクあたるのはどうか‥‥げふっ」
 言い終える前に、鎧騎士の娘のかかとおとしが綺麗に青年の頭にめり込む。
 勿論、頭につけられたフェレットの耳を綺麗に避けて。
 どうやらNGワードを言ってしまったようである。

 そんな時、一羽の伝書鳩がもう一人の人影の肩に止まった。
 軽やかに揺れるアライグマのかわゆい耳。その神秘的な目を持つ視線が緩やかに喚く彼等に向けられた。
「伝書、来ました故お静かに。‥‥どうやら次の命が下されたようにございます」
「‥‥早いわね。何時もならもう少し遅れるはず‥‥」
「ウィンターフォルセ北口にて、多数の賊を発見との事。直ちに向かい討伐すべし‥‥です」
「そういう事なら急いで急行だねっ☆」
「でも、こいつ等どーすんだ?」
「連れて行くよ。ウィンターフォルセの自警団に預ける。ほら、立ちなさいっ!」
「待って! 俺は賊じゃないって!」
 哀れなフェレット耳な青年は、賊と同様の扱いをくらわされて連れられたという。

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            任務書

 真田獣勇士と呼ばれる部隊の手助け。
 賊の数、団体にして3組。1組につき10人。
 火事場泥棒である故、抵抗するのならば命には拘らない。
 但し芋蔓にしたい為、数名は存命させる事。
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●今回の参加者

 ea0914 加藤 武政(35歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea1314 シスイ・レイヤード(28歳・♂・ウィザード・エルフ・ロシア王国)
 ea1565 アレクシアス・フェザント(39歳・♂・ナイト・人間・ノルマン王国)
 ea1587 風 烈(31歳・♂・武道家・人間・華仙教大国)
 ea3063 ルイス・マリスカル(39歳・♂・ファイター・人間・イスパニア王国)
 ea4509 レン・ウィンドフェザー(13歳・♀・ウィザード・エルフ・イギリス王国)
 ea6089 ミルフィー・アクエリ(28歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)
 eb4798 桜桃 真希(30歳・♀・天界人・人間・天界(地球))

●リプレイ本文

●現地集合
 半分瓦礫の山となっているウィンターフォルセ。
 冒険者達は獣勇士と合流する為、ウィンターフォルセの自警団へとやって来ていた。
 合流の知らせは獣勇士にも伝えられている為、容易に合流出来た。
「貴方達が今回の協力者ね? ヨロシク頼むわ、ここの所賊が多くて‥‥」
「‥‥みんながまちのふっこうでたいへんなときに、どろぼーするなんてゆるせないの! ウィンターフォルセのへーわは、レンがまもるの」
 レン・ウィンドフェザー(ea4509)の言葉にクレリックのジャスティスがハッと気付く。
 そして突然獣勇士達は頭をたれる。
「プリンセス‥‥貴方がわざわざ此方に来られる事はなかったと思いますが、ご協力は感謝致します」
「え? どーしてわかったの?」
「分かりますよ‥‥そりゃ‥‥。私達‥‥獣勇士は‥‥ウィンターフォルセお抱えの‥‥特務部隊‥‥ですから」
 戒那がそう言うと、レンは苦笑を浮かべた。
 今回、フードを深く被って正体を隠すつもりだったのだが、ウィンターフォルセの関係者という事もあり即看破されてしまったのである。
「其処の眼帯の伯爵さんの話も聞いた事だってあるんだからっ☆」
「え? ‥‥参ったな、俺もなのか‥‥」
 勿論である。名声が高い故、眼帯ぐらいで姿を変えても、看破出来る人には看破出来る。其れが領地の関係者であれば即だ。ラシェル達に分かったのは勿論、そういう報告が来ているからだろう。
「何はともあれ、正体は隠すようにするからタメ口なのはご了承してよね」
「という事は‥‥君がラシェルか。今回は宜しく頼むよ、ラシェル」
 ぽんっとアレクシアス・フェザント(ea1565)がラシェルの肩に手を置いた瞬間である。
 華麗な後ろ蹴りがアレクシアスの横っ腹にドゴス☆と命中する。
「男が私に触るな、汚らわしいッ!」
「あらあら‥‥ラシェル、そんな事しては大事な戦力が減るじゃないですか‥‥」
「心配はやっぱりそっちなわけか、ジャスティスは」
「何時も通りだねっ☆」
 賑やかながら、合流は簡単に果たせたのでありました‥‥。

●作戦会議?
「こらこら、ラシェルッ! そろそろいい加減に真面目にやらないかっ!?」
「悠、貴方に指図される覚えはないんだけど? と、言いたいけれど。作戦は決まったワケ?」
「勿論。戒那、これから偵察を頼むよ。数分で戻って来れるね?」
「ここから‥‥目的の場所は、近い‥‥大丈夫」
 そう言うと、戒那は素早い動きで密の行動をとる。
 これで相手側の人数、何処にいるかぐらいは容易く分かるだろう。
「やはり1組ずつ全員で撃破するのがいいだろうな。勿論、逃がさないように包囲はするが‥‥」
 風烈(ea1587)の提案に、参謀である悠が真剣に考える。
「その時はクロトの出番だな。レンジャーだし、ある程度の弓の特訓は出来ているだろうから」
「そうか、なら心配はいらないか?」
「いや、一つだけ問題点がある」
 悠が真剣な顔で烈の疑問に答える。
 問題点‥‥それは‥‥。
「ラシェルが男キライだと言う事。不用意に男が近づけば‥‥」
「私がなんだって?」
「こうなるわけだ」
 ぷらーんと猫掴みされる悠。
 その表情は「またか」と言わんばかりの顔。
 冒険者達は思うのだった。「玩具」とは彼の事を言うのではないか? と‥‥。

●包囲殲滅戦開始
 偵察に出ていた戒那が暫ししてすぐ戻って報告する。
 どうやら賊は既に現地にて火事場をやらかしているらしいとの事。
 すぐにでも向かい、討伐を開始しなくてはならないだろう。
「‥‥あー、その耳は必須なのか?」
「ミミリアンの人だけが〜‥‥つければいいのですぅ〜」
「ミ、ミミリアン‥‥?」
 信じられない言葉が出たと思うだろう。
 そう、彼女達の耳は「奇襲」の為なんかではない。
 獣耳を信じるミミリアンだったのだ。

 現地につけばホントにもうやらかしている賊達。
 隠れて見ていたルイス・マリスカル(ea3063)が動く。
「私が先に出ます。相手からの攻撃を誘き出せれば武器を奪う事も可能ですから」
「そうね、じゃあエルシア、エリィ。頼むわよ」
『了解』
 二人がそう返事すると、まずはルイスが賊の前に姿を現した。
 気付いたのはどうやら1組だけ。後の2組は気付いていないようだ。これはこれで好都合。
「貴方達が火事場泥棒ですか。ウィンターフォルセが復興しようとしているというのに‥‥捕縛させてもらいます!」
「ナニィ? 他所モンがえらそばってんじゃねーぞ! おぅ、テメェ等! 可愛がってさしあげな!」
 頭目らしい男が声をあげれば、他の9人の賊も武器を構える。
 一人の男がルイスに切りかかれば、ルイスは目を一瞬細くしその武器を手で受けとめる。
 真剣白刃どり。驚いた賊は一歩後ろへ下がると、賊の武器は軽々と取り上げられた。
「キミ達、災難だねぇ? 事が大きすぎた為にボク達に目をつけられるなんてさ!」
 エリィが騎士剣片手に敵陣の中へと突貫していく。
 其れに続いてエルシアも無言で突撃。彼女等二人は敵陣のど真ん中。背を合わせるようにして立つ。
「これはこうつごうなのー☆ こっちもそろそろしかけるなのー」
「レン、どっかんは‥‥考えような?」
「そこのところもこうりょして、ふういんしてるの!」
 えっへんとレンが威張れば、ジャスティスの拍手が来る。彼女は非戦闘員なので傍観側なのだ。
「ミーティアさんは歌が得意なのですね、私も少し自信あるんですよー‥‥後で聞いてくださいなのです」
「はいー‥‥お互い、聞かせあいっことかしましょう〜」
 ミルフィー・アクエリ(ea6089)は、ミーティアとの話に花を咲かせながらもゲイボルグを構えた。そろそろ奇襲攻撃が本格的になるからだ。
「冒険者の皆さん、プリンセスのローリンググラビティーを合図として一斉に飛びかかってくれると助かるよ! 戒那、次の組の頭目を頼む」
「‥‥えぇ」
「悠さんは、ここにいて大丈夫なの?」
「え?」
「怖くないの? 天界人なんでしょ? ここにいきなり連れてこられた時、どうだったの?」
「うーん‥‥深く覚えてない! 寧ろ思い出したら俺がシメられる!」
 桜桃真希(eb4798)の問いに悠が答えたまさにその時。
 レンのローリンググラビティーが放たれる。賊達は魔の力を知らなかった。よって即座に転倒させられる。
 その時が一番のチャンスだった。
「行くぞ!」
「包囲担当は後を頼む!」
 アレクシアスと烈が戦線に出る。
 戦線に出た瞬間、烈のサンショートソードが華麗に舞う。ダブルアタックで確実にダメージを与えれば、アレクシアスの一撃で無力化そのまま捕縛。
 だが、他もそう待ってくれるわけではない。
「悠‥‥動いた‥‥二組目の頭目‥‥首刎ねたら、皆移動始めた‥‥」
「誰が殺せっていったぁぁぁぁ!?」
「忍に任せる‥‥其れ即ち殺す事‥‥」
「だあぁぁぁっ! このままじゃまずいな、逃げられる! ミルフィーさん、現地にすぐ向かってください! 戒那、お前も一緒に!」
「分かりましたー! 歌姫騎士がミルフィー、参りますですー!」
 二組目はミルフィーと戒那が担当する。

「悠、シスイ、真希。行くわよ」
「はっ? 行くって何処に!?」
「決まってるじゃない。三組目よ。絶対に逃がさないわ」
「ここはどーするんだ!?」
「他の冒険者とエリィやエルシアに任せればいいじゃないの。行くわよ!」
 悠をズリズリと引きずり現地へと向かうラシェルを見て、真希とシスイ・レイヤード(ea1314)は冷や汗を流す。
「俺も行くわ‥‥」
 頭イタイのを隠せない。加藤武政(ea0914)も同行する事となった。

●どっかんよりもこいつ等が‥‥
 少し離れた薄暗がり。其処に三組目。
「‥‥見つけた、あいつ等ね?」
「ちょっと‥‥本当にこの人数で‥‥やるのか‥‥?」
「当然。何言ってるの、貴方?」
「でも、みんなでやったほうが確実じゃあ‥‥」
「其処が真田獣勇士の違う所、といってもいいわね」
 そう言いきると、ラシェルが賊の前へと出る。
 賊の一人がラシェルに気付くや既に逃げ腰だ。
「シスイ、トラップ頼むわね。逃げられないように設置して頂戴」
「‥‥まぁ、いい‥‥けど」
「真希は逃走路を封鎖して。それくらいの案はもってきているんでしょう?」
「はい。でもそれじゃ悠さんが‥‥」
「悠の事はどーでもいいの。武政はこっちの援護、行くわよ!」
 ラシェルがそう言えば各員それぞれの役割へと分担され、散る。
 悠だけがその場に取り残されるわけだが‥‥。
「観念なさい、賊ども! 真田獣勇士が貴方達を捕縛させてもらうわ!」
「なに、真田!? くそ、何でいやがる!?」
「そんな事はどうでもいいのよ。まずは貴方達を捕縛してからねっ!」
 ラシェルがいきなり突っ込めば、慌てて武政も其れのフォローに回る。
 無茶しまくりの突貫に、武政は少し溜息をつく。
「まったくもってなんつー無茶の仕方だ‥‥?」
「煩い、どつくわよ?」
 武政の呟きにすら敏感に反応するラシェル。
 二人が賊を蹴りと剣で追い詰めて行けば‥‥。
「ひぃ‥‥! 逃げろ! 命の方が大切だ!」
「誰が‥‥」
 ぐわしっ☆
「え‥‥?」
「逃がすと言ったの!?」
 ぶんっ!
 投げた。文字通り投げた。素早く悠を掴んでぶん投げた。何故彼なのかは本人のみぞ知るのだが。
 ゴチン☆という音が聞こえれば、男3人は捕縛可能状態。
「後七人か。しかしまぁ‥‥大変だなぁ‥‥」
「ったく。悠はこんな時にしか役に立てないの?」
「自分がぶん投げといて何その言われよう!?」
「あれだな、頑張れ真田ッチ!俺は応援だけする、心の中で!」
「後は向こうが上手くやってくれる事だけを祈るわ」

 七人の賊。分散して逃げようとの提案を受け、四人は右へ。三人は左へと向かう。
 その左の通路はシスイが封鎖している路だ。
「ぎゃあぁぁぁぁっ!?」
「どうした、何があった!?」
「しび‥‥しびれっ‥‥」
 賊三人のうち一人が踏んだのはライトニングトラップ。
 シスイがかけておいた罠の一つだ。
「‥‥まぁ‥‥踏んだのはお前達の‥‥不運だから‥‥」
「貴様ぁ! よくも!」
 賊の二人が襲ってくる。相手の方が格闘戦は上なだけ、ウィザードであるシスイは少し戸惑った。が‥‥。
「手前の敵!」
 外す事のない攻撃に賊は蹲った。
「新手か!」
「今叫んだの!」
 逃げ出したところを回避不能な一撃。
「悪く思わないでくださいね〜‥‥?これも、お仕事ですからぁ〜‥‥」
 そう言って、暗がりから出てきたミーティアが賊をロープで捕縛していく。

「一組目は‥‥終わったのか‥‥?」
「はい〜。アレクシアスさんと〜烈さんが〜‥‥捕縛して二組目と合流してるですぅ〜」
 そして右路。
 其処は真希が担当する通路。あらかじめフリーズフィールドで封鎖していた通路だ。
 勿論、入った賊はその寒さにダメージを受けながらも執念で進むのだが。
 突然、賊達の動きに変化があった。突然降り注いだ投網に一網打尽。此れには真希も驚いた。
「誰がやったの?」
 姿を現したのは藍音。インビジブルで姿を隠し、不意を突いたと言うのだ。これには真希もびっくりだ。

 かくして、三組の賊は全員無事捕縛され自警団へと連衡された。

●お後は全てがよろしいようで
「はー‥‥これで終わったわねー」
「ご苦労様ですぅ〜。私も歌えたので〜嬉しいのです〜」
「そう言えば、何故ラシェルは男キライなんだ?」
 場が凍りついたような沈黙。
 男嫌いを和らげようとする為尋ねたアレクシアスの発言はNGだったのだ。
「それがねぇ‥‥ラシェルはルキナスっていう男の人に弄ばれたらしくって」
「え、弄ばれたんですか?」
「そうなんだよ。で、何時も口癖の如くあのナンパ師は激殺してやるーだとかもう可愛げも何もないっていうか」
「悠、流石にそれ以上は‥‥」
 ヤバイと感じた烈が其れを止めようとするも、ルイスも話に乗ってしまっている以上トマラナイ。
 アレクシアスは少し不憫に思ったのかラシェルの肩をポンと叩く。
「男運が‥‥激悪かったわけなんだな、可哀想に‥‥」
「貴方達ねぇ‥‥ッ!」
「それは男運が悪かったっていうより、男の方が女運悪かったと俺は思うんだよ」
「確かに、女性は可憐でいるべきだと思いますね」
「お前等、いい加減に‥‥っ!」
「止めるのをまず止めておくべきですよ、烈さん? でなければ彼女の制裁がですね‥‥」
「えぇい! 煩いったらありゃしないのよ! いっぺん飛んでこーいっ!」
 ぶっちん☆とキレたラシェルの蹴り、裏拳、そして剣の鞘によるホームラン打法が炸裂する。
 勿論、犠牲者はアレクシアスにルイス。烈までその巻き添えをくらいながら、悠はホームランされる事となった。
「だから言いましたのに、ねぇ?」
「もうちょっと早く言ってやればよかったんじゃねーか?」
「あら、だって面白いものは見たいじゃありませんか?」
「‥‥アンタ本当にクレリックか?」
 武政はジャスティスの言動に怪しいものを感じるように苦笑を浮かべた。

 かくして、冒険者と真田獣勇士による包囲殲滅戦は無事終了。
 ミルフィーはミーティアに発泡酒を二つ。真希は彼等に自腹で尻尾を作りプレゼントしたという。

 後、彼等を見た者は「尻尾まである!?」と驚いていたという‥‥。