【合混】炎が見える!【最終話】

■シリーズシナリオ


担当:みそか

対応レベル:9〜15lv

難易度:難しい

成功報酬:8 G 10 C

参加人数:9人

サポート参加人数:4人

冒険期間:08月12日〜08月25日

リプレイ公開日:2005年08月23日

●オープニング

<ザーランド>
「既にクラックは敵を打ち破る事、実に六回!! 兵力も減るどころか、我らが思考に呼応するゴーヘルド領の住民達を集めることによって、増加する傾向すらあります。既に敵の城は目前! よってここは勝利をより確実なものとするため、我らは正義を右手に、その名の下に援軍を送るべきです!」
 議会にて熱弁を振るうザーラル・レクア。勝利が目前であるということに気を良くしたのか、反対をする者もほとんど見受けられない。‥‥たった一人の男を除いて。
「レクア殿、何をそれほど恐れておる? 確かにゴーヘルドは褒められる君主ではなかったが、今回の件は強引にも程があるではないか。それに民意というのならば‥‥」
「黙ってくれませんかジーフリド殿。あなたの過去の功績は認めますが、アークにやられておめおめと一人帰ってきたあなたの言葉など聞きたくはありません。‥‥僕は何も恐れてなどいません。唯一恐れているとすれば、それはこのザーランドが消えてなくあることです。それを防ぐためにも、悪の象徴であるゴーヘルドのような領主は正義の名の下に刈り取っておかねばならないのです」
「それで刈り取った後は、平和的復興と称して利権を握り締めるお考えか? 果たしてゴーヘルドに支配されることと、どちらが幸せになるだろうか?」
 予想だにしなかったジーフリドからの反論に、ざわめく場内。その大半はジーフリドへの嘲笑であったが、一方的に話をおし進めるつもりだったレクアの表情は厳しさを増していく。
「あなたでもわかるでしょう! もう争いは終わりにするべきなんです。終わりにするためには力がいるのです。ベガンプだザーランドだと争っているから、いつまでたっても双方の利益が尊重されず、歪みを起こす。このままではこのクロウレイ自体、いつか消えてなくなるでしょう。‥‥だから、だからこそ、この地方の雄たるザーランドとベガンプは結束しなければならないのです。互いに手をとり、二つ『だけ』が生き残るような状況を‥‥強力な二つが手を取り合えば、どんな敵の襲来に対しても対処することができるのです!! 全ては故郷のために! あなたにもそれはわかっているはずです!!」
 レクアの言葉に、場内は一旦静まり返るが、やがて割れんばかりの拍手に包まれる。誰もがこの戦いに疲れていたのだ。とめどなく放出される予算に、陰謀劇に、密約の取り決めに、失われていく命に!!
 レクアの言葉は戦いに決着をつける一つの明快な結論であった。なるほど、それならば自分達も安泰だ。このうんざりする戦争にも、少なくとも自分達が生きている間はオサラバできる!!
「なるほど、わかり申した。それならばこのジーフリド。故郷のために剣を取りましょう」
「‥‥理解していただきありがとうございます。ですがいいのですか? あなたの目的はアークを倒すことではなかったのですか?」
「ええ、その通りですとも。ですが、この戦いには赴きましょう」
 意見を翻したジーフリドに、他のメンバーも安心して頷く。会議は流れるように進み、ジーフリドが援軍として赴き、汚名を返上するということで話の決着はついたのであった。

<ジーフリド宅>
「ジーフリド様、見損ないました!! どうしてベガンプと手を結ぼうとするのですか!! なぜ‥‥なんで仲間も仇を討とうとしてくれないのですか!?」
 ジーフリドが帰宅すると、先の戦いで奇跡的に生還した一名がジーフリドに殴りかかる。その一撃を受け、弾き飛ばされるジーフリド。
「かくなる上はこのユウジイ、単身なりとも‥‥」
「涙を拭うのだユウジイ。この戦いに勝つことはベガンプと手を結ぶ事にはならぬ。‥‥二つの領の溝は、あんな小僧が言うほど浅くはないのだよ。いや、あるいは‥‥あの小僧はそれすらもわかって喋っているのかもしれないがな」
 そう呟いたジーフリドの瞳は確信に満ちており、そしてどこか寂しそうでもあった。

<冒険者ギルド>
「前回は世話になった。ジーフリドだ。今回、私は200名を連れてゴーヘルド領へ攻め込む。ゴーヘルドは考えられぬ悪政を働きし人間よ、滅ぼす事にためらいはない」
 冒険者の前に現れたジーフリドの瞳は真っ直ぐだが、どこか遠くを見つめているような、そんな印象を受けた。
「敵は凡そ260名。指揮するはラシィーム・ロメリス殿、兵の力はこちらが上で、移動距離が長いことを考えれば互角といったところか。ラシィーム殿の性格から考えれば守りに向かぬ城で防御を固めることや市街戦など好まず、正面から迎え撃ってくることであろう。‥‥これを倒せば、あとはゴーヘルドの待つ城までは町を越えてすぐだ」
 地図の上で、指を動かすジーフリド。彼の瞳は、もしかすると遠い未来を見ているのかもしれない。
「気が乗らぬ戦いであるかもしれない。だが、私はこの勝利がゴーヘルドの民にとっても幸福であると信じている。共に戦い、栄誉を勝ち取ろう。前回のこともある。部隊の指揮は諸君らに任せよう。町を炎に包ませぬことを祈って‥‥」

●今回の参加者

 ea0941 クレア・クリストファ(40歳・♀・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea1128 チカ・ニシムラ(24歳・♀・ウィザード・人間・イギリス王国)
 ea1753 ジョセフィーヌ・マッケンジー(31歳・♀・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea2578 リュウガ・ダグラス(29歳・♂・神聖騎士・人間・イギリス王国)
 ea3542 サリュ・エーシア(23歳・♀・クレリック・人間・神聖ローマ帝国)
 ea3888 リ・ル(36歳・♂・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea3982 レイリー・ロンド(29歳・♂・ナイト・人間・ビザンチン帝国)
 ea3991 閃我 絶狼(33歳・♂・志士・人間・ジャパン)
 ea4319 夜枝月 奏(32歳・♂・志士・人間・ジャパン)

●サポート参加者

ノース・ウィル(ea2269)/ ジュエル・ハンター(ea3690)/ 時奈 瑠兎(eb1617)/ フォーレ・ネーヴ(eb2093

●リプレイ本文

「今こそ立ち上がるのだ諸君、故郷を守るために」
『立ち上がれ、圧政者から民衆を解放する義務が我らにはある』
「諸君らの背にあるものは守るベきものぞ」
『諸君らの目の前にあるものは腐敗の象徴である』
「退くべき場所はあっても退くべき拠り所はない」
『攻めきるのだ。民衆には手を出すことなく、正義を示そう』
「ならば剣を持とう。命を賭して戦おう!」
『散っていった者たちのためにも、力を尽くすのだ!』


 全ての結末を、(「故郷」『我ら』)の命運を、ここで決めよう。

●一幕
「敵は町の前で密集しているわ」
「罠、伏兵共に確認できなかったよ。本当に正面からって感じだね」
 偵察の結果を報告してきたクレア・クリストファ(ea0941)とジョセフィーヌ・マッケンジー(ea1753)の言葉を思い出すリュウガ・ダグラス(ea2578)。
 敵は既に行動を起こし、ジリジリとこちらに近付いてきている。まだ射程内には入っていないので衝突らしい衝突は起こっていないが、いずれ激しい戦いが起こるであろう。
「リュウガさん、始まりますね」
「そうだな! 思ったとおりに戦うだけだ!」
 敵の様子を呆然と眺める夜枝月奏(ea4319)を、そして自分を鼓舞するように大きな声を出すリュウガ。密集していた敵は近付くにつれ展開していき‥‥みるみる内に彼らの視界を覆っていく。そして中央には震える声を張り上げながら、白馬に跨る総大将らしき老騎士の姿があった。
「展開してきたか! ‥‥全軍突撃!! 相手大将の首を奪うぞ!」
 突撃の命令を出すリュウガ。彼はもう一つの前線部隊を一瞥して何かを呟くと、敵将めがけて走っていった。


「さあ、一気に行くわよレイリー! ここを落として、この戦いにケリをつけましょう!」
「ええ。そのつもりです。この戦い‥‥無駄にしないためにも、勝利で終わらなければなりません!」
 そのもう一部隊を指揮するクレアとレイリー・ロンド(ea3982)は、一刻も早く敵総大将を倒そうと、必死に防戦を展開する敵の中を進んでいく。
 広く展開した敵はその策が裏目に出てか、ザーランド軍の突進に押されている。必死に防御はしていたが、それもザーランド軍は物量をもって突き破り、一気に乱戦へと持ち込んだ。
「ラシィーム殿! 私は縁有って3領とも戦って参りました。みな様々な信念のもと戦っていたが、ゴーヘルド殿にはそう言った物を感じられなかった、その様な者に何故‥‥教えて欲しい!」
「若者よ、ここに来るまで君は何を見てきた?」
 ラシィームの眼前まで迫り、その親衛隊と刃を交えながら問い掛けるレイリー。それに対して敵の指揮官は、自らに危機が迫ってきているというに動じることもなく、たった一言をもって返答とした。
「数多くの物を見てきた。荒廃した土地、疲弊した人心、燃える村! だが、それらは長い目で見れば貴い犠牲となるはずだ。この地から圧政者がいなくなればすなわち‥‥豊穣な土地は蘇る!」
 親衛隊を切り伏せるレイリー。彼は致命傷を負っても尚しがみついてくる男を払い除けると、震える腕で剣を構えるラシィームへと向かっていく。
「君はまだ若い。レクアやアークの言葉は魅力的に聞こえるだろうし、それはイギリスのためになるかもしれない。‥‥だがそのために、この領は炎に包まれているのだ。攻めることは大事なことだ。だが、それによって‥‥‥‥」
「終わりだあぁあ!!」
「‥‥ては‥‥ならな‥‥ぃ‥‥」
 最初から分かっていた。
 議論は巡り巡って、どちらも正しいという結論にしか行き着かない。正義は歴史が証明してくれると歴史家は誇らしげに語る。
「だが、自分たちは未来を見ることはできない。それならば‥‥せめて今正しいと思うことを‥‥やるしかない」
 大地に倒れたラシィームを見下ろして呟くレイリー。これで凡その勝敗は決しただろう。総大将を失った敵は‥‥‥‥
「!!!!!」
 自軍の陣地へと振り向いた彼は愕然とする。ザーランド軍が‥‥サリュ・エーシア(ea3542)のいる陣地が‥‥‥‥敵の軍勢に飲み込まれようとしていたのだ。

●二幕
 ゴーヘルド軍は三つの犠牲を覚悟でこの策略に臨んだ。
 一つはラシィームの命、もう一つはゴーヘルドの命、そして最後の一つは城下街‥‥主力部隊を前に突出させたザーランド軍は敵本隊を打ち破ったが、それは後方の援護部隊を露出させる結果となった。ゴーヘルド軍はザーランド軍を包囲し、死に物狂いの突撃を開始する。‥‥そう、まるでラシィームの死が合図であったかのように。
 本当の戦いはこれから始まるのだ。

「きゃぁ!!」
 崩されそうになった軽装隊の守りを固めようとやってきたチカ・ニシムラ(ea1128)に敵の死体が覆い被さる。悲鳴とともに、チカは大柄な男に押しつぶされそうになり‥‥閃我絶狼(ea3991)の腕によって救い出された。
 チカは感謝の言葉を閃我へ述べようとするが、掴まれた自らの腕にへばりついた紅い液体を視界に入れて、硬直する。
「下がるんだチカ! 数が違いすぎる、とてもここでは防ぎきれない!」
「だめだよ! ここで退いたら、閃我お兄ちゃんが‥‥」
 その白い肌に幾筋もの紅い糸を垂らした閃我を庇うように、ライトニングサンダーボルトを放つチカ。だが、城を背後に背負ったゴーヘルド軍は引く場所などもとよりないと言わんばかりに、必死の形相で実力に勝るザーランド軍へとくらいついていく。
 自分たちを囲むように襲い掛かってくる敵に、閃我は雨と血とで視界が狭まる中反攻していく。
「いいから下がってくれ! いずれリュウガ達が来る。そこで‥‥‥‥セイラと合流し、兵をまとめるんだっ! 行けーーー!!」
 敵の一人に体当たりをするようにして突破口を開く閃我! チカは髪から滴り落ちる水滴と涙に頬を濡らしながら、後ろを振り向くことなくセイラ・グリーン(ez0021)が指揮する部隊のもとへと向かっていく。鈍い音が彼女の耳に入り、獣のような‥‥獰猛な叫び声が周囲へ轟いていった。

●幕間
「‥‥正気なのかラミスタ。この俺の前を塞ぐという事が、どういうことを意味しているのか知らないわけではあるまい!」
「承知の上ですアーク殿。あなたの野望からなにまで‥‥すべて!」

●三幕
 すぐさま転進したザーランド軍本隊は、乱戦状態となった戦場へと突入し、戦いは消耗戦となる。両軍入り乱れて双方共に撤退の意思のない(ゴーヘルド軍に至っては既に撤退の『機能』すらも持たない)戦闘の中、被害だけが拡大していく。
 戦争はさながら最後の一兵までも殺しあう殲滅戦の様相を呈していった。

「どうやらお互い生き延びる事ができたみたいだなジーフリド殿。さて、問題はここからどうやって勝利するかということだが!」
 雨に濡れた衣服は身体に張り付いて、自らが重くなったのかと錯覚を与える。視界の中に舞い戻ってきたクレアの姿を確認すると、リ・ル(ea3888)は重い身体を気力で動かして、敵の中をジーフリドのもとへと駆け寄る。立ちはだかる敵を切り伏せれば、その影からは肩に負傷を負い、片膝をついたジーフリドの姿が浮かび上がってきた。
「そうじゃな。‥‥騎馬の音が聞こえる。まもなく騎馬隊がこちらに来るじゃろう。その隙にこちらは可能な限り再編成を行い、攻撃を行うことが理想であろう」
「同感だ。‥‥なにしろ、敵にはもう総大将はいないんだからな!」
 雄叫びというよりは既に奇声に近い声を轟かせて向かってくる敵。リルはいきり立つ敵の目に無尽蔵に転がる泥を投げつけると、淡々と‥‥だが吐き捨てるようにこの奇妙な戦場に対しての意見を述べる。
 なるほど、もう既に総大将はいないのだ。普段なら退きもするだろう。だが、敵は既に退く場所など残されてはいないのだ!
 家族や恋人を人質にとられて悪の組織を相手に一人奮戦する騎士の物語など、吟遊詩人の間では語り継がれてきているものではあるが、いわば今の状況はまさにそれである。しかも、敵の総大将は既に心の中にある亡霊ときている!
「しかもそれが全員ときたもんだ。‥‥まったく、悪い冗談としか思えねぇな!」
 彼の独白が終焉を迎えた頃、後方から騎馬隊が勢いよく敵の陣地へと突っ込んでいった。‥‥だが、数が少ない! 予定外の苦戦を強いられたのか、まだ両手の指で数えられるほどしか援軍はきていなかった。
 だが、それでもいないよりはよほどましである。リルは手近にいる味方に声をかけると、再編成を行おうとする。
 リルの視界に、十数名程の小隊が映ったのはそれから間もなくのことであった。
「アーノルド・シュペル様の命を受け、ルイン・ロメリス参上! これよりゴーヘルド殿の支援へあたる!!」
 たった十数名の襲来であったが、それはザーランド軍にとって決定的とも言える打撃であった。よりにもよって後方から迫ってきた敵は、リル達が軍を再編成することを許さない。クラックが撤退したとの報もそれに追い討ちをかけた。
「消耗戦‥‥になれば‥‥‥‥クソオオオオオオ!!!」
 負ける戦いではない。だが、この戦で勝とうとすることは酒場で仲間たちと酒を酌み交わせなくなることを意味する。リルの叫び声は空を突き‥‥‥‥雲間から、蒼色の空を垣間見させた。

●終幕
「大丈夫ですか? すぐに治療しますから、もう少しだけ我慢してください」
 ザーランド軍の最後尾で兵士の治療を行うサリュ。献身的に治療を行う彼女の傍らでは、レイリーが瞳を閉じて、迫る敵の足音を聞いていた。
 背後からの襲撃など想定していなかった。こちらは怪我人ばかり。相手は疲れているとはいえ、戦場を駆け抜けた猛者が揃っている。
「‥‥それだから一体なんだっていうんだ!」
「進め! 一気に押しつぶせ!!」
 目を見開くレイリー。握り締めた刃を持ち上げれば、そこには援軍の大将らしき少年の刃があった。
「俺の背中から向こうにお前たちを通すわけにはいかない! 大事な人が、大切な未来を‥‥俺は守り通す義務がある!」
「それなら、どうしてこんなところに来たんだ!? ここは戦場だ。言っていることとやっていることが矛盾しているとは思わないのか!」
 尚も刃を合わせるレイリー! 長旅で疲れているとは思えない少年の一撃一撃は、傷ついた彼の身体にズシリと重くのしかかる。
「死にたくて戦場に来ているわけじゃない! そんな理屈なんかはどうでもいいんだ!! 俺はここにいて、彼女はそこにいる! それなら俺は‥‥命を賭して彼女を守るしかないじゃないか!!」
 全身全霊を込めて振り落とされるレイリーの刃! 雲間から照らした光は水に濡れた刃をキラキラと輝かせ、一筋の虹のような線を描く。手応えは‥‥ない!!
「なら‥‥‥‥オオォオオオ!!!」
 口論をやめ、レイリーの首筋目掛けて刃を振り落とす敵将! レイリーに覆い被さるサリュ。刃は、彼女の胸に‥‥突き刺さる寸前で止まった。
「いまいち目立ってなかったけど‥‥キャメロット双竜勲章は伊達じゃないんだよ!」
「プロポーズおめでとうございますレイリーさん! 水をさすようで悪いですが、先ほどリルさんから撤退の命令がありましたよ!」
「悔しいけど負けね。さっさとこんな汚いところからオサラバしましょ。続きはエールハウスでも貸しきってやればいいいじゃない」
 敵将を囲むジョセフィーヌ、リュウガ、クレア。敵将は刃をおさめると、戦場へ走り去っていった。


「終わった‥‥みたいだよ‥‥サリュ」
「そうね。‥‥‥‥帰りましょう。レイリー」
 野望と陰謀が蠢く戦いは雨があがるのと時を同じくして一時の終焉を迎えた。
 ゴーヘルド領から引き返していく兵士たちは、表情こそ違えど考えていることは皆一緒であろう。

『早く故郷に、家族や友人の待つ場所に帰りたい』

 明確には何も終わってはいないが、今はこれ以外考えることはできない。
 冒険者達はジーフリドと別れると、肩を組み合いながらキャメロットの酒場へと歩いていったのであった。