焔の華・後編
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■シリーズシナリオ
担当:宮本圭
対応レベル:7〜11lv
難易度:難しい
成功報酬:5
参加人数:8人
サポート参加人数:-人
冒険期間:06月03日〜06月12日
リプレイ公開日:2005年06月12日
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●オープニング
夜の礼拝堂の闇の中、蝋燭一本の明かりの下で、その包みを広げるときには手が震えた。
ちぎれた腕の断面には一滴の血すら見られなかった。熱に焼かれた断面から露出した骨と腱、そしてその反対側、掌にあたる部分から突き出た小ぶりな五本の指、それだけが、これがかつて腕だったことの証左だった。
彼が雇った冒険者が発見した、か細い子供の片腕‥‥の、残骸。
この腕の意味するところがユベールにはもうわかっている。わかっていると思う。
けれど、その真実を目の当たりにすることが怖い。
この腕の持ち主は、どれほどの苦痛を感じたことだろうか。どれほどの恐怖だったことか。それだけの惨劇が起こっていたのに、自分は気づくことさえなかった。この子に対して自分は何もできなかったし、これからもきっとできない。死者の復活は、白の神聖魔法を極めた者だけが持ちうる力だ。だがそれとてこれほどまでに死体が損傷し、しかも日数が経過していてはおそらく不可能である。
真実を暴けば村の者は泣くだろう。彼女を悼んで涙するだろう。
村の者たちが私を責めることはないかもしれない。それでも私は、己の無力を感じずにはいられないだろう。どうしてこの悲劇を察知することができなかったのか、止めることは本当に不可能だったのかと、自分自身を責めることをやめられないだろう。
だから真実を知るのが怖い。
「司祭さまあ?」
「!」
背後から突然かけられた声に、反射的に心臓が竦み上がった。振り返ればちいさな少女がそこに立っていた。質素な寝巻き姿だった。裸足で礼拝堂の冷たい石床を踏みしめながら、ゆっくりとユベールに近づいてくる。
「こんな夜更かししてェ。司祭さまったら、悪い子ねエ」
舌足らずな喋り口調は愛らしいというより、蟲惑的ですらある。一瞬動くことを忘れていたユベールだったが、すぐに身を翻し説教台のほうに走った。そこには儀礼用の銀の短剣が一振りしまってあるはずだ。
飛びつくようにして手を入れる。
――そこには何もなかった。
「何探してんのォ、司祭さまア」
少女は説教台の上に腰かけて、楽しげにユベールを見下ろしていた。いつのまに‥‥と目を瞠る司祭の目の前で、彼が置き去りにしてきた片腕をおもちゃのように振り回し、少女は楽しげに笑い声を上げた。
「あたしの腕、ちぎれちゃったァ。痛いよォ、司祭さまアァ。ヒハハハはハハッ」
「‥‥ッ」
衝動的に拳を振り上げるが、振り下ろすことはどうしてもできなかった。
「‥‥何のご用なんです」
「ちィと、てめェに会いたいっていう相手がいるもんでなァ」
がらりと変わった口調よりも、その内容のほうが注意を引いた。
「‥‥私に、会いたい? 誰が?」
あどけない少女の口元が、裂けるように笑みの形を作る。
「俺様と取引できるなんて考えてねェだろうなあ? 素直に会うならそれでイイし、会わないってごねるなら、てめェが会いたい気分になるまで俺様がこの村で遊んでやるだけのことよ。どういう意味だかわかるよなア?」
「‥‥選択の余地はないと言いたいのですね」
たとえ従ったとしても、村の安全は保障などされない。だが従わなければ、確実に村は再び焼かれることになるだろう。この相手にとってそれがどれだけ簡単なことなのか、ユベールはもう知っている。
「考えさせてほしい、というのでは駄目ですか」
「まあ別に急がねェけどなア。俺様のことを村の奴に言ったって、誰も信用しやしねェってことを忘れンなよ? 性懲りもなく冒険者を雇ったらしいが、また泣く羽目にならなきゃいいよなア? 司祭さま」
「‥‥‥‥」
沈黙したユベールを面白くなさそうに見つめると、少女はそうそう‥‥と何気なく口に出した。
「レオンって野郎は元気だったぜエ?」
「!」
弾かれたように顔を上げたユベールの目の前には、もう誰もいなかった。
ユベールがギルドに頼み込んで、もう一度だけと来てもらった冒険者たちが到着したのは、このすぐ翌日のことになる。
●リプレイ本文
クラーナ村への出発前、冒険者ギルドでレオンという名の冒険者について尋ねてみると、受付嬢は一旦奥のほうに引っ込んですぐに戻ってきた。
「彼なら依頼からまだ戻ってないみたいよ」
「依頼内容は、どのような?」
シュヴァーン・ツァーン(ea5506)の問いに、受付嬢は軽く首を傾げる。
「どこだかの遺跡を調査に行ったんだったと思うけど‥‥なあに? 彼に用事?」
素朴な疑問に答えあぐねて隣に立つ遊士璃陰(ea4813)を見ると、金髪の忍者はカウンターに肘をついて軽く身を乗り出した。
「詳しくは話せへんのやけど‥‥どないな人なん?」
「うーん‥‥もう十年近くうちのギルドに籍を置いてるっていうから、結構ベテランよね。私はあんまり話したことないけど、評判は悪くないわよ。剣の腕も立つし、無茶もしないし」
「いつ頃依頼から戻ってくるん?」
「もう契約期間は過ぎてるはずなんだけど‥‥日程が遅れてるのかしらねえ」
受付嬢の言葉に、シュヴァーンも璃陰も顔を見合わせる。
「‥‥ユベール様に、お伝えしたほうがいいでしょうか?」
「却って心配させるさかい、黙っておいたほうがええやろ」
躊躇いがちにそう言う璃陰だが、その彼とてユベールに強く迫られたら、口を割らない自信はなかった。
ものはついでと、スニア・ロランド(ea5929)は出発前に冒険者ギルドにフライングブルームを預けるつもりだったが、申し出はすげなく却下された。大事な品なら絶えず持ち歩くか、でなくばパリに家でも借りてそこに保管しなさい、というわけである。
●苦い果実(承前)
薄曇り。重たげにたれこめる、白と灰色がまだらになった雲を見上げてためいき。視線を移しても、視界に広がるのは焼けて崩れかけたまま放置された家屋や、火に焼かれてほとんど裸になった木々ばかり。農道で鍬をかついだ農夫とすれ違いざま、空腹なりに精一杯あでやかにほほえむ。向こうの呆気にとられた表情の理由は、田舎に似つかわしくないガブリエル・プリメーラ(ea1671)の美貌のため、だと思うことにしよう。
「どうやら、覚えてくれてないみたいね」
ガブリエルは以前に一度この村を訪れているのだが、それに気づいたような反応ではなかった。
こんな美人を忘れるなんてと常ならば冗談のひとつも言うところだが、今はあまりそういう気分ではない。道中で保存食が足りなくなって、空腹だったのだ。隣を歩いているスニアが、まだ口を開けてこちらを見ている農夫を振り返り軽く会釈する。ガブリエルが各地を回る冒険商人、スニアがその護衛、というふれこみで、服装も多少はそれらしく繕ってはいるが、果たして本当にそう見えるのかどうかは結構謎である。
「‥‥お腹減ったわ」
「着いたらまず食事をとりましょう。覚えられていないなら、却って好都合かもしれないわ。向こうが本当にただの商人だと思ってくれれば、動きやすく」
「でも、覚えてる人もいるはず」
スニアの言葉を途中で遮り、半分は無意識で、みぞおちのあたりに手が伸びる。
「少なくとも、奴はきっと覚えてる‥‥」
教会が見えてきた。農道の終わるあたりに小さな影が立っている。ふたりの女性ははっと息を呑んだ。幼い娘が、彼女たちを待っていたかのようにこちらを見ていた。足を止めては駄目だ。そのまま歩き続けねば。警戒を悟られぬ程度に、スニアが半歩ほど前に出て歩き、ガブリエルを守る態勢をとる。今の自分の武装の、なんと頼りないことか。
すれ違う瞬間、娘が彼女たちを見上げるのがわかる。
酷薄な嗤いに唇を噛んで、それでも二人は教会までまっすぐに歩いていった。粘つくような視線を背に感じながら。
レオンには会えなかったとだけ告げたのを、ユベールは疑わなかったようだ。疑うには他に屈託がありすぎたのかもしれない。
「‥‥あの口ぶりでは、あの悪魔は兄の居場所を知っているのかもしれません」
「でも、どうして?」
シュヴァーンの問いに、わかりません、とユベールが首を振る。
「手紙からレオンはんの存在を知ったんやないやろか」
「でも、今もパリにいるかどうかは確かめようがないはずです」
悪魔といえども、一度に二つの場所に同時に存在することはできない。この村にネルガルが潜んでいるなら、パリのレオンの存在を確かめることはできないはずだ。もちろん悪魔の科白がはったりでなければ、の話だが。
「このまま、好きにさせたくはありませんね」
「‥‥何か、裏を感じます」
サーラ・カトレア(ea4078)とシュヴァーンの呟きに、ラックス・キール(ea4944)が眉間に皺を刻む。ユベールに向き直り、
「悪魔が貴方だけに正体を明かして接触したのは、貴方自身が目的だと俺は思う」
軍勢の通り道とするために村を焼き、司祭の弱みを握るために手紙を奪い、今こうして村の中に潜むために、悪魔はひとりの娘に成り代わっている。成り代わられた少女は――ラックスは目を眇めて司祭を見据える。
「悩ませて弱らせ、希望をすべて奪い尽くした上で堕とす‥‥聖職者の貴方のほうがよく知っているはずだ」
「だったら‥‥」
ユベールは目を伏せた。
「私がいなければ、誰も死なずにすんだのでしょうか?」
「そうじゃない」
ラックスの声が力をこめて否定する。
「厳しい言い方かもしれないが、それは逃げだ。時間は巻き戻せないし、起こったことは消せない。そんな仮定をしたところで、失ったものは戻らない。この件は、俺たちだけの力では解決できないんだ。貴方の協力も要る。悪魔から村を守るために、貴方が今できることは、なんだ? 過去の己を責めてうずくまることか?」
そうじゃない、とくりかえす。
「事実から目を背けるな。事実を明らかにすることを恐れるな。貴方が責めるべきは過去ではない、成すべき事を成していない今、この瞬間だ」
ユベールはしばらく動かなかった。冒険者たちの誰もが、ふたりの様子を固唾を呑んで見守っていた。やがて司祭は踵を返し、一度奥に戻ると、小さな包みを持って戻ってきた。包みをほどいて黒焦げの腕をあらわにする手は、震えてはいない。
埋めることも捨てることもできず、封じ込めていたそれ。
「お願いします」
ユベールは言った。
「どう、リン」
ユリア・ミフィーラル(ea6337)の問いに、足元の犬、リンはくうんとか細く鳴いた。軽く撫でてやると、耳を伏せて心地よげに尾を振っている。
「‥‥わかってるのかなあ」
動物の扱いに関しては素人だ。加えて、リンとの付き合いはまださほど深くはなかった。例の片腕の匂いを嗅がせて追跡させ、遺体のほかの部位を見つけようと思っていたのだが、わが犬ながら当てになるのだろうかと少々不安になる。
「あの子の所持品でもあれば一番よかったんやけど」
火事でみんな焼けてもうたからなあ、と璃陰が肩をすくめる。もうちょっと頑張ってよ‥‥と、励ますように軽く頭を叩くと、ふとリンの耳がぴくりと動いた。鼻面を地面に近づけて尾を振り、さっさと歩き出す。
「何か見つけたのかな」
「餌の匂いがしたのかも。保存食忘れてもうたさかい、俺も腹ぺこで」
「もう、ふざけてないで早く追いかけなくちゃ!」
●焔の華
クロウ・ブラックフェザー(ea2562)たちが訪れると、雑貨屋の主人は露骨に嫌な顔を見せた。
ガブリエルが用をすませるまで彼女についていてあげたい、というスニアの申し出は素直に受け入れてもらえたが、クロウたちは威力を絞ったとはいえ、いきなり自分の娘に攻撃魔法を放った『冒険者』だ。すんでの所で追い返されるところだったが、スニアが取り成したこともあって、しぶしぶという感じで謝罪を受け入れてくれた。
「本当に悪かった。こっちも犯人が見つからなくて焦ってたんだ」
ううん、と首を振る娘は、どこからどう見ても普通の少女にしか見えない。スニアと素早く視線を見交わし、クロウは彼女に視線を合わせるようにして屈みこんだ。まだ警戒を解いていない、雑貨屋の猜疑の視線が背に痛い。
教会の庭から見える空はどんよりと曇っている。
「あの火事のときにも会ったよな。覚えてるか?」
「ううん」
「そっか。店の中に取り残されてる嬢ちゃんを俺の仲間が飛び込んで助けたんだ。その後俺が親父さんのところに連れていったら、凄い勢いで頭下げられてさあ。自分が助けたんじゃないって言い出せなくてまいった」
はは、と軽く笑うクロウにあわせ、娘もあいまいに笑うのを見て、続きの言葉をすかさず繰り出す。
「‥‥なんてことは、別になかったんだけどな」
娘の表情がわずかに変わった。
「恐ろしい火事のために、記憶が混乱しているのね、きっと」
同情するような表情を作って、スニアが軽く娘の頭を撫でる。雑貨屋は戸惑った表情でそれを見ている。
「他に忘れてることがあるかもしれないな。どうだ?」
「‥‥‥‥」
「私たち、あなたの力になってあげたいの。『見ることのできない目を開き、囚人をその枷から、闇に住む人をその牢獄から救い出す』‥‥苦しみからは解き放たれるべきでしょう?」
聖書の一節を引用したスニアを一瞬不快げに睨む。クロウはそれに気づかなかったふりをして、さらに続けた。
「そうだな、たとえば、好きな食べ物は? 誕生日は覚えてるか? それから」
「帰ってくれ!」
突然、雑貨屋の叫び声が割り込んだ。さっと娘を抱き上げてクロウたちに背を向ける。あまりにも一瞬のことで止めようもなく、まるですがるように娘の体をかき抱く背中に、スニアが声をかけようとした。
「あの」
「帰ってくれ」
それ以外の言葉を忘れてしまったように、繰り返す。
「帰ってくれ‥‥」
――そうはいかない、と声が割り込んだ。
「いい加減茶番はよしなさいよ、見苦しい」
ガブリエルが言い放つ後ろには、ユベールが控えていた。ユリアが油断なく身構えながら娘を睨みつける。
「もう証拠は出てるんだよ。あんたが葡萄畑に埋めた死体が、見つかったんだから」
村の畑は半分ほどが焼けたが、あとの半分はなんとか無事に生き残っている。居並ぶ葡萄の木の中でリンがしきりに吠えるので、近くで農作業をしていた村人たちを捕まえて掘り返してもらったのだ。
もちろんたやすく信用などされなかったが、ユリアのテレパシーで呼びつけられたラックスやガブリエルも辛抱強く説得を重ね、ひとまず軽く土を掘り返してみることになった。そして、見つけたのだ。
――ほぼ全身が焦がされて焼け焦げ、干からびてますます小さく見える屍には、腕がなかった。
「だが‥‥だが、それが娘だという証拠は」
「もうわかっているはずだ」
反論しようとする雑貨屋の主人に、ラックスが言う。
「悪魔だからって、習慣や記憶までそっくり本人のようにできるわけじゃない。いつ入れ替わったのかは知らないが、変だと思う機会はいくらでもあったはずだ。あんたは‥‥現実を見たくなくて、そこから目を逸らしていただけなんだ」
大地から赤い焔の柱が噴き出した。『マグナブロー』に焼かれて冒険者らが怯んだのと同時に、娘がいたはずの場所から矢のように何かが飛び出した。
「させるかっ」
ガブリエルのイリュージョン。ネルガルの視界から雑貨屋の主人が消え、人質にすべき目標を見失ってその姿が惑う。スニアが得物を手に駆ける。援護のために、サーラのサンレーザーが岩のような肌を貫いた。
璃陰が真っ先に接敵したが、ネルガルは身軽でなかなか攻撃を命中させることができない。さらに呪文を唱えようとしたネルガルを、追いついてきたスニアのシルバーナイフが襲った。璃陰のそれとは段違いの鮮やかな軌道がネルガルの肌を裂く。浅いのも気にかけず、身軽さを生かして次々に攻撃を繰り出す。
「エボリューションを使わせなければ‥‥ッ」
「甘ェなアッ」
黒くその体が輝く。同時にスニアのナイフが悪魔を切り裂き、次ぐ二撃目も確かに命中したにも関わらずはじかれた。呪文詠唱の隙は確かに与えなかったはずだ。だが確かにそれは『エボリューション』の効果に他ならない。詠唱を一瞬で済ませたのだと判じて、ユリアが愕然とした。
クロウの銀矢、オーラをこめたラックスの縄ひょうが飛んでネルガルの肌をかすめる。スニアの攻撃はもはや何の意味もない。手数を増やすために軽い武器を選んだのが、逆に裏目に出ていた。ラックスが縄ひょうを捨てて手裏剣にオーラを宿すが、かけ終えるより先にネルガルの体が舞い上がる。クロウのスリングはほとんどダメージを与えていない。
「俺様を殺せば、レオンがどうなるかなア?」
はっとユベールが顔を上げた。
「聞いちゃ駄目だ。はったりに決まってる」
そう言うクロウの声にも、確信はない。ユリアがコンフュージョンを唱えるが、これは抵抗されたようで効果はなかった。口が耳元まで避けて笑み、ネルガルの姿が風景に透明に溶けていく。
「逃げる気!?」
「勘違いすンな」
噛み付かんばかりの勢いのガブリエルに、甲高い声が答える。
「俺様が、てめェらを逃がしてやるんだ。すぐ仕留めたんじゃ面白くねェからなア? それなりに楽しませてもらったが、次はもうちっと俺様を追い詰めてみせな。できりゃの話だがなア」
エボリューションのことは考慮していた。だがネルガルの透明化や飛行能力については、事前にわかっていたにも関わらず誰も対策をとっていなかったし、まさか高速詠唱が使えるとも思っていなかった‥‥正体を暴くことはできたものの、倒すにはあまりにも方策不足だった。
気配が去るのを、誰も、どうにもできなかった。
少女の遺体は、ユベールが保管していた片腕とともに埋められた。
葬儀を待たず、冒険者たちはパリへと戻ることになった。雑貨屋の主人は変わり果てた遺体に涙しながらも、結局はこれでよかったのだ‥‥と冒険者たちに深く頭を下げた。娘の姿をとった悪魔が、あのまま村に害をなし続けるよりは、と。
「近々‥‥私もパリに行くことになると思います」
ユベールは言う。
「レオンのことも気になりますし‥‥あの悪魔と決着がつくまでは、私は村にいないほうがいいと思うのです。いずれまた、冒険者の皆さんにお世話になることもあると思いますが‥‥どうかよろしくお願いします」