【唄って踊れる猫耳巫女 3】
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■シリーズシナリオ
担当:凪
対応レベル:4〜8lv
難易度:難しい
成功報酬:3 G 16 C
参加人数:5人
サポート参加人数:-人
冒険期間:12月19日〜12月25日
リプレイ公開日:2005年12月27日
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●オープニング
●唄って踊れる猫耳巫女 3
京都左京区区外地域‥‥っと新撰組3番隊が呼んでいる京都の東。
そんな場所に一軒のチョット大きなお店がありました。
1階はお食事処とお風呂やさん。
2階は連れ込み宿と旅籠に成っている宿屋さん
ご飯を食べてお風呂に入って寝る‥‥っと言う複合施設にもにたお店である。
そのお店の名は『近江屋』。
近江の特産品等を売るのが目的として作られた半官半民のお店である
そして何故か、猫耳巫女が雇われ店長をしていたりする。
すっかり雪の多くなった近江。北近江では3mの積雪を観測したとか。
日に日に寒くなる京都。何か暖かい物が欲しくなる季節です。
「一応冬用のメニューも考えてみたけどどうかな?」
猫耳巫女さまが考えたのは熱燗と湯豆腐。
チョット贅沢な豆腐をお鍋で温めて食べる料理である。
決して豆腐にお湯かけて湯豆腐とか言う物ではない。
現在2階座敷には新撰組三番隊の団体様がお泊まり中。
なんでも組長様が深手を負って、しばらく安静なのだそうな。
そんな彼らが元気になるように、美味しい冬向きの料理を考えて欲しい。
美味しく出来たらお店の定番メニューにするそうである。
ついでに冬向きのお店のコスチュームも募集。
出来るだけ作業に耐えられる暖かい物が良いそうです。
相変わらずの他力本願な猫耳巫女様。
今回も御神託により冒険者に『冬物料理』と『冬の衣装』を考えて欲しいという依頼である。
また、いつ襲撃が有るか分からないので結構注意して欲しいとの事でもある。
●リプレイ本文
●唄って踊れる猫耳巫女 3
シャンシャンシャンシャン、小雪舞い散る季節。
リンリンリンリン、楽しい季節。
唄って踊れる猫耳巫女のお店も冬真っ盛りである。
ここ近江屋では冬のメニューの開発と、冬の衣装の開発が執り行われていた。
店を閉め、火鉢に当たりながら、のんびりぬる燗を飲む5人の面々。
マズは独り独りの考えたメニューの試食から初めて見ることにする。
「いちば〜ん。野村小鳥(ea0547)。がんばりま〜す」
彼女が考えたのは味噌煮込みうどん。
土鍋でうどんたまをぐつぐつにゃーにゃー煮込む料理である。
「さぁ、食べてみてよ」
小鳥の言葉に猫耳巫女様や各員が一斉に鍋を啜る。
鍋焼きうどんのミソバージョンである。具は入っていないが。
「結構美味しいにゃ。でも何か具が欲しいにゃ」
そう、今回彼女は具については美味い発想が無かったのである。
「では、続いては、私のかんと炊きを食べて頂こう」
そう言って高町恭華(eb0494)が差し出したのはおでんである。
関東では広く普及している醤油の味付けに、大根、はんぺん、魚のつみれや、鳥肉のつみれが入っている。
「ハムハム‥‥熱々で美味しい。」
猫耳巫女様はハフハフしながら食べている。
猫のみーこちゃんは少々熱い物が苦手なのでゆっくり食べている。
「この具材、私のうどんに入らないかな?」
小鳥ちゃんの声に恭華さんが良いかも知れないっと相づちを打った。
「実はボクもおでんなんだ、ダシにかなり力を入れたんで、食べてみてよ」
狭霧氷冥(eb1647)がそう言っておでん2号を差し出す。
鰹と昆布の出しがふんわりと香しい一品である。
しかし、かなり適当に野菜だけが煮込まれている。
「大根に‥‥キャベツに‥‥キュウリ?」
不思議そうにおでん種をつつく猫耳巫女様。
確かに余り野菜おでんと言うのは珍しいかも知れない。
「最後は俺の作った湯豆腐だ。一緒にドジョウも煮てあるんだぜ?」
そういって、拍手阿邪流(eb1798)が持ってきた湯豆腐。しかし、何処にもドジョウは見られない。
「取りあえず食べてみよう」
小鳥がそう言って一口目を口に運び、目を丸くする。
「どうしたんだ? 小鳥」
恭華が豆腐を口に運ぶと、豆腐の中からドジョウが出てきたのである。
ビックリ豆腐だ。
豆腐を食べたつもりが、お口の中ににゅるりとドジョウが入ってくる。そんな不意打ち料理である。
「コレは面白いかも知れないねぇ」
どうやら猫耳巫女様もご満悦である。
「さて、私は今回衣装を取りまとめてみました」
パレット・テラ・ハーネット(eb2941)がそう言って2着の衣装を用意する。
彼女の発案で一着は着こなしの良い薄地の物。
もう一着は中に綿を詰めた厚地の物と成っている。
「制服を綿入れバージョンにするとは考えたね」
猫耳巫女様にお褒めの言葉を頂いて、2種類の制服が紹介される。
一つ目は近江の麻で作った全身白の綿入れ。
袖のないちゃんちゃんこタイプで真っ白な生地に雪だるまや雪兎の様な模様が施されている。
しかし、裾は長く、膝下まで覆い隠すコートの様なタイプである。
一方もう一方は薄絹で作った袖の無い仕事着、火の近くで作業するため、薄地で袖も無ければ裾丈も短く、膝上20cmタイプである。ゆえに同じ白の股引を穿く。
胸の所や腰の所に雪だるまや雪兎の様な模様がついている。
雪だるま模様の発案は小鳥。服装の発案は恭華である。
「ん〜真っ白タイプなんだねぇ。白よりも色が付いていた方がお洒落なんだけど、まぁ模様も付けてもらったし良いんじゃないかな? じゃ今日から冬の間はそれで行きましょう」
そんなこんなで服そうは決まった。後はもう少し料理のバリエーションを考えるときだ。
●寝所
近江やには新撰組の為の隠し部屋がいくつかある。
っと言っても天井裏や技と作ったデットゾーンなどに作ってある物だ。
現在斉藤一は特別な隠し部屋に潜んでいる。
脱衣場の天井裏に特別に作った物で、2階の客間からコッソリ入る事が出来る。
特別に厠への抜け道が有って、とても便利なのだが、天井までの高さが1mチョットしかない。
大勢の敵に一気に奇襲されないための小部屋である。
普段は武器を隠しておくための部屋なので、荷物が多くて狭いのが難点である。
「斉藤殿、うどんを作ってきたぞ」
前屈み‥‥っと言うよりは四つんばいに成りながら、高町恭華が味噌煮込みうどんの入ったお盆を持って部屋に入る。
部屋には蝋燭の明かり一つだけである。少々寒い。
「むっ、かたじけない」
利き腕である左肩に負傷を負っている斉藤一が静かに身体を起こし挨拶をする。
座る分には問題ないが、立つと頭をぶつける高さである。
「仕方ない喰わせてやるよ‥‥そう言えば他の隊士達はどうしたんだ?」
ゴロゴロと刀や槍がしまい込まれている部屋の中でうどんを食べさせる高町恭華。
「なんでも新しい作戦とかで出払っている、俺を斬った奴を見つけ出してたたっきるのだそうだ」
まるでお粥でも食べさせて貰うかのようにうどんを食べさせて貰う斉藤一。
「コレが今回の新しい着物か? ずいぶんと寒そうだな」
薄絹で作られた着物を優しく右手で撫でて、手触りを感じる斉藤。
「コレは室内着で、この上に綿入れのコートを着るらしい」
そう言って斉藤に説明する恭華。
「ほう‥‥こんな所に雪兎が」
胸の中央の雪兎を優しく撫でる斉藤。着物は薄くピンク色の肌が透き通る程である。
何度も‥‥何度も‥‥雪兎を指の腹で撫でる斉藤。
それはもう雪兎がピンク色に色づくほどに‥‥。
「斉藤さん居る〜?」
小鳥が小声で叫びながら、そう言って部屋に入ってくる。
わたわたと顔を真っ赤にして慌てる恭華。
「お風呂入るなら背中流すよ〜。温泉教団式のマッサージもして上げる〜」
そう言って小鳥がにっこり笑みを見せる。
「可愛いお嬢さんとお風呂‥‥是非そうしたいのだが、あいにくと傷が有るので風呂には入れないんだ」
そう言って残念そうな斉藤。
「それにここは寒くてな‥‥こうして人肌があると暖かいんだが」
そう言って恭華を布団の中に押し倒し、右手でそっと抱きしめる。
ちなみに室温は6〜8度。布団にくるまって人肌がないと寒いかも知れない。
「それじゃマッサージだけサービスするよ」
そう言って小鳥が斉藤に近付くがハタっと手を止める。
「あっ、女の子用しか教えて貰ったないや」
そう言って苦笑する小鳥。
「なら、高町くんにやって上げたらどうかな?」
そう言うと小鳥は首を縦に振って布団に入る。
斉藤・恭華・小鳥の三人が川の字に成って布団に入ると。
恭華の背中から胸に手を回すようにして、小鳥が恭華にマッサージを始める。
そんな恭華を斉藤は優しく抱きしめ、彼女の足の間に自らの足を絡め入れる。
恭華が斉藤の背中に爪を立て、斉藤の首元に噛み付きながら、必死で声を殺して小鳥のマッサージを受けている。
「こんばんわ〜。派手にやられたって聞いたからね〜。どんなもんかと様子を見に来たのよ。あ〜、それと、今度3番隊の仕事に入れたら、入隊させてもらえる?」
そんな状況を尻目に狭霧氷冥が斉藤に挨拶に来る。
「あぁ、今三番隊は小春が仕切っているから、小春に頼むと良い。‥‥3人ほど、正式に取り扱う予定ではあるよ。もっとも、腕と実力が無いとむずかしいと思うが」
そんなこんなで苦笑を浮かべる斉藤一。
こうして近江屋の一夜は過ぎていくのでした。
唄って踊れる猫耳巫女シリーズは今回で最終回になります。
次回より始まる猫耳近江屋珍騒動シリーズにご期待下さい。