新・謎の温泉教団の温泉宿4
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■シリーズシナリオ
担当:凪
対応レベル:フリーlv
難易度:やや難
成功報酬:1 G 1 C
参加人数:7人
サポート参加人数:-人
冒険期間:01月04日〜01月12日
リプレイ公開日:2007年01月12日
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●オープニング
●新・謎の温泉教団の温泉宿4
ジャパン各地に3000を超える温泉地。
ジャパンと温泉は切っても切れない間柄にある。
人々はそんな温泉に浸かって、温泉力を蓄え、病気やケガをいやしてきた。
人はそれを湯治と呼ぶ。
ここに一つのカルト(宗教的な愛好者による熱狂的)な集団がある。
その名を『謎の温泉教団』という。
謎の温泉教団は、八百万の神を信仰する宗教団体である。
温泉には神が宿り住んでおり、温泉に入ることが神様の恩恵を授かることを教義としている団体である。
温泉に入るための礼儀作法には厳しいが、それ以外はおおむねざっくばらんである。
彼らは温泉寺に住み、檀家の者達おも温泉へといざなう。
温泉寺の裏はもちろん露天温泉である。温泉に入り身体を癒し、心を癒し、平和に生きていこうと言うのが彼らの考え方である。
現在露天風呂(岩風呂)を掘り広げ、沢山の信者やお客さんに対応するために増築している。
石灯籠の明かりの中でのんびりと温泉に入るのが彼ら流のやり方だ。
温泉脇には屋台が数軒並んでいる。甘酒や蜜柑酒、よく冷えた瓜、馬肉のすき焼きや新鮮な果物なども売られている。
秋の味覚の美味しい猪鍋を看板に、甘酒を片手に塩煎餅を楽しむ人達、近江名物のソバ粉で作ったソバ団子に甘美の声を上げる者達、鯨肉のステーキ丼を笑顔で頬張る人達。近江自慢の近江牛の鋤焼きを頬張り、満面の笑みをあげる物達、謎の温泉教団の温泉宿は温泉を楽しみながら竹のせせらぎと食欲を満喫する人達でいっぱいであった。
無論温泉と女体を楽しむ者達も多い。
うら若き乙女によるマッサージのサービスを堪能することも出来るサービスも好評をきしている。
近江の御家老浅井長政様のお言葉を受け、近隣の村人達の憩いの場と成る温泉街を作るために、日夜奮闘している。
さて、定番のマンネリ序章は置いて置いて、冬のかき入れ時を迎えた。
温泉と言えば夏と冬の風物詩である。
予算と浅井長政様の許可を得て、大きな土地を頂いた温泉教団は大きな温泉郷を作る為に努力しなければならない。
さて、ここで冒険者にお願いなのだが、しばらく温泉宿に遊びに来て、どんな施設を作りどんなサービスを増やせば良いのか、色々調べて欲しいのだ。
そんなわけで温泉教団のみんなに力を貸して、温泉郷を作って欲しい。
これは壮大な宿造りシュミレーションゲームである(マテ
●リプレイ本文
●新・謎の温泉教団の温泉宿4
雪が降る。
深々と雪が降る。
琵琶湖を屋形船で移動し、石段を登った上にある温泉宿。
「ようこそお越し下さいました。謎の温泉教団へようこそ」
雪深い温泉宿で、深く静かに女将が丁寧な挨拶をする。
「初めましても、そうでない方もこんにちは、女将の彩花と申します。新しい施設を作る提案をしてくださるそうで‥‥先ずは従来からの私たちのサービスをご覧下さいませ」
そう言って彩花が皆を宿屋に案内する。
「まずは宿屋本館です。大小20の客室が、2階と3階にあります。‥‥一階は調理場や物置、従業員の宿泊施設などがあります。‥‥ではこちらへ」
そう言って中央の階段を昇って2階の客室へと皆を案内する。
「この後温泉にご案内致しますので、皆さん脱いでくださいませ」
そう言って彩花に言われて服を脱ぐ一同。
彼らはそのまま手ぬぐいで前を隠し、一階をとおって中庭の露天風呂へと案内された。
「当店自慢の露天風呂でございます。肩まで浸かるお湯です。戸棚湯ではございません。‥‥えーと、温泉教団の温泉は、混浴露天風呂に成っております。温泉には神様が宿り、温泉に入ることで、神様の恩恵を受けるのです。‥‥神様の前ではみんな裸。男女平等なのですよ‥‥ウチはお風呂に入るときは手ぬぐいの類の持ち込みやフンドシなどの衣服はご遠慮願っております。温泉の神様の前では誰もが一糸まとわぬ平等な姿‥‥それがもっとうとされておりますので」
彩花がそう言って深く頭をさげる。
露天風呂は広く、源泉から湯を引いている為かけ流しのお湯。
引き込み手は湯が熱く、下手はやや温め。入る場所で温度が違う露天風呂。
縦100m、横100m、深さは場所によって50cm〜1mの深さ。
中央に島があり、島に上がって休むことも出来る。
鳳刹那(ea0299)が温泉作法にならって湯を浴びてからお湯に入る。
温泉教団作法では、先ずお湯を浴びて風呂に入り、身体が良く暖まってから出て身体を洗い、屋台で食事を取り、その後また湯を浴びてから風呂に戻る‥‥っと言う物だ。
「私は長年温泉教団と共に過ごしてきました。だから新鮮な意見というのはすぐには出ないと思います‥‥なので先ずはサービスを受けてから考えたいと思います‥‥そうそう、後で特別マッサージ‥‥お願い出来ますか?」
鳳刹那の言葉ににっこり微笑む彩花。
「えぇ、ご要望でしたら喜んで♪」
そう言って指を鳴らして密やかに微笑む彩花。
クリムゾン・コスタクルス(ea3075)が恐る恐るお湯に入る。
湯は殆ど透明で、多少赤みがかった色をしている程度である。
やや温めで入りやすく、外国人にも敷居はそれほど高くはない。
コラーサも元気に泳いでいる。
「こんなにたっぷりのお湯のお風呂とは贅沢だねぇ」
クリムゾン・コスタクルスがそう言って湯の中で両手両足を伸ばす。
本当は客引きなどを行う予定だったが、外は雪である。
普通に凍えてしまうのでそれは明日と言う事になった。
「お客さんは昼間に‥‥従業員と教団員は寄る皆が寝静まった頃に入ることに成っております。‥‥お湯は湯本を頂いているので、源泉かけ流しのお湯に成っております‥‥もちろん水を混ぜて温度調整はしておりますけれど‥‥」
彩花がそう言ってクリムゾン・コスタクルスに説明する。
その横を優雅にコラーサがホクホクしながら泳いで行くのが見て取れる。
「蒸し風呂なんてどうだろうか?」
神山明人(ea5209)が彩花に相談しながら湯に入る。
ここのお湯は完全に男女混浴、彼が女性陣と風呂に入ってもふしぎはない。
「はい‥‥前回色々ありましたので、蒸し風呂‥‥っと言っても大きくは有りませんが一応西館の方にあるんですよ‥‥あとは個室のお風呂が少々‥‥見てみますか?」
そう言って彩花に連れられて、西館の方に向かう神山明人。
個室風呂が欲しい‥‥っと言う要望で畳み2つ分ほどの広さの湯が4つ‥‥等間隔に並んでいる。
それを屏風で仕切っている‥‥これが個室の風呂だろう。
その奥に小さな扉が見える。
中はやはり3畳ほどの天井の低い部屋が2つならび、中は下からの水蒸気で蒸し風呂に成っている部屋である。
部屋を囲むようにベンチがあり、それに座ると、竹で出来た床の隙間から湯気がモウモウと上がって来るという仕組みのようである。
「ふむ‥‥悪くない‥‥後は水風呂だな」
神山明人の言葉に彩花がはたとした顔をする。
「そう言えば水風呂は作ってませんでした‥‥考慮に入れておきます。
彩花はそう言って神山明人に深々と頭をさげた。
場面はうつって混浴露天風呂。
甘酒の入った直径20cmほどの杯で高町恭華(eb0494)がいっぱい引っかけている。
あふれんばかりの胸が目に止まる。
「そう言えば、江戸にいたときに土産物にしていた『従業員艶姿之図』はどうなったんだろう?」
高町恭華が徳利から甘酒を杯に注ぎ、それをゆっくりと飲み干して行く。
「そう言えば京都では作ってませんでしたね‥‥作りましょうか?」
従業員のお色気絵を作り、客に売る‥‥っというのは江戸の時に利益を上げた方法である。
「でも‥‥どちらかというと建物や施設を作りたいですねぇ。せっかく広い土地が有るんですから‥‥遊ばせておくのはもったいないでしょう?」
彩花がそう言ってそっと高町恭華に寄り添う。
優しく肌を撫でられるだけで全身がゾクゾクする。
胸を少し揉まれただけで身体の芯が熱くなってしまう。
彩花のマッサージは天才的な指使いを誇っていた。
「それじゃ私も楽しませて貰おうかな‥‥って、混浴!? しかも手ぬぐい入れちゃ駄目って‥‥それじゃ隠せないぢゃん!? は、恥ずかしいな〜」
頬を赤らめながら雷真水(eb9215)が湯に入る。
「料理の方はどうなってる?」
雷真水の質問に彩花が静かに応える。
「料理の方は琵琶湖で捕れた鱒の鱒寿司‥‥近江牛のステーキ‥‥海老や蟹のお造り‥‥小魚の揚げ物‥‥お刺身や鮎の塩焼きなんかが用意されています。屋台の方は鯨肉の串焼き‥‥野鳥の焼き鳥‥‥甘酒等ですねぇ」
聞いただけでよだれが出そうな料理の数々である。
先ずは屋台の鯨肉の串焼きから頂く事にした。
「胸の大きさ比べ‥‥っての行こうか」
雷真水とクリムゾン・コスタクルスが串焼き片手に胸の大きさ比べを行っていた。
バスト90cmの雷真水と85cmのクリムゾン・コスタクルス。
大きさとふくらみ具合では雷真水の勝利である。
「うわぁ‥‥大きさでは全然かなわねぇなぁ。でも、あたいも均整が取れて、いい形してんだろ?」
形ではアタシの方が勝っている‥‥っと主張するクリムゾン・コスタクルス。
「ひ、ひでぇな〜。年下のあたしが形で負けちゃ立場無いじゃん。あたしだってカタチには自信あるぜ?」
男性客が居たら目のやり場に困るだろう。
「あれはまだあるのかい?」
ふと高町恭華に質問され、彩花が竹林の中の小さな小屋を指さす。
クリムゾン・コスタクルスと雷真水がふしぎな顔で小屋の方向を覗き込む。
「覗き小屋ですよ‥‥混浴ですから一緒に入れば見放題ですが‥‥殿方には隠れて見るのが良い‥‥って人も折られますんでね。それでアンナ物も作ったんですよ」
彩花が苦笑しながら説明する。
主に夜‥‥従業員が石灯籠に火を入れて入浴するとき、隠し小屋からこっそり湯に入る女性を覗いて、男性客がはぁはぁするための場所である。
もちろん女性陣はそれを知っており、知らぬ振りをして、出血大サービスするのである。
「ん‥‥あっ‥‥うん‥‥彩花さん‥‥久しぶりなの‥‥もう少し優しく‥‥刺激が強すぎて‥‥Hな声がみんなに聞かれちゃう‥‥」
鳳刹那が小さな声を振り絞って、甘露な悲鳴をあげる。
「ん‥‥くぅ‥‥凄く久しぶりだから‥‥ジンジン来る‥‥」
鳳刹那と高町恭華を優しくマッサージする彩花。
2人の口から艶めかしい声と息が久々に漏れ始める。
「軽く作った玉を、獣の皮を張った羽子板で打ち合う遊戯施設を作り、真ん中に網を張った台の上で、お互いに打ち合い、台の上から落ちたら負けと言う遊戯と、遊技場の作成を提案します」
そんな2人を尻目に、間宮美香(eb9572)が意見を述べる。
今風に言うと卓球台である。
そして、実はその案は昔出されたことがある。
「良いですねぇ。それじゃタマ打ち遊びを復活されましょう。本館の一階の空きスペースにでも作ることにしますわ」
そんなわけで卓球もどきの復活の兆しが見えてきた。
「は〜いコッチのマッサージは終わったわよ〜」
久しぶりの彩花のマッサージに、すっかり熟した桃の様に、熱い果汁と果肉を振るわせた鳳刹那と高町恭華。
果たして次の毒牙にかかるのは、一体誰なのだろうか‥‥。