新・謎の温泉教団の温泉宿5
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■シリーズシナリオ
担当:凪
対応レベル:フリーlv
難易度:普通
成功報酬:0 G 78 C
参加人数:6人
サポート参加人数:-人
冒険期間:03月27日〜04月01日
リプレイ公開日:2007年04月05日
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●オープニング
●新・謎の温泉教団の温泉宿5
まだまだ雪深い近江にも春がやってきた。
ジャパン各地に3000を超える温泉地。
ジャパンと温泉は切っても切れない間柄にある。
人々はそんな温泉に浸かって、温泉力を蓄え、病気やケガをいやしてきた。
人はそれを湯治と呼ぶ。
ここに一つのカルト(宗教的な愛好者による熱狂的)な集団がある。
その名を『謎の温泉教団』という。
謎の温泉教団は、八百万の神を信仰する宗教団体である。
温泉には神が宿り住んでおり、温泉に入ることが神様の恩恵を授かることを教義としている団体である。
温泉に入るための礼儀作法には厳しいが、それ以外はおおむねざっくばらんである。
彼らは温泉寺に住み、檀家の者達おも温泉へといざなう。
温泉寺の裏はもちろん露天温泉である。温泉に入り身体を癒し、心を癒し、平和に生きていこうと言うのが彼らの考え方である。
現在露天風呂(岩風呂)を掘り広げ、沢山の信者やお客さんに対応するために増築している。
石灯籠の明かりの中でのんびりと温泉に入るのが彼ら流のやり方だ。
温泉脇には屋台が数軒並んでいる。甘酒や蜜柑酒、よく冷えた瓜、馬肉のすき焼きや新鮮な果物なども売られている。
冬の味覚の美味しい猪鍋を看板に、甘酒を片手に塩煎餅を楽しむ人達、近江名物のソバ粉で作ったソバ団子に甘美の声を上げる者達、鯨肉のステーキ丼を笑顔で頬張る人達。近江自慢の近江牛の鋤焼きを頬張り、満面の笑みをあげる物達、謎の温泉教団の温泉宿は温泉を楽しみながら竹のせせらぎと食欲を満喫する人達でいっぱいであった。
無論温泉と女体を楽しむ者達も多い。
うら若き乙女によるマッサージのサービスを堪能することも出来るサービスも好評をきしている。
近江の御家老浅井長政様のお言葉を受け、近隣の村人達の憩いの場と成る温泉街を作るために、日夜奮闘している。
さて、定番のマンネリ序章は置いて置いて、春のかき入れ時を迎えた。
「そんなわけで春を売りましょう」
そこだけ聞くと、もの凄く問題発言とも取れるのだが決して売春ではない。
健全な、そうとても健全なお色気を売りにしているのである。
っと言うわけで春のイベントを行ってお客さんを呼びたいので何か考えてきてくれ‥‥っと言うのが今回の依頼である。
1.春っぽい衣装
2.春っぽい食べ物
3.春っぽいサービスである。
ちなみに北近江はまだ雪がわんさか残っていて梅も6分咲きだと言う事をお間違いなきようにw
もしイベントが成功すれば神楽坂紫苑様や浅井長政様を呼ぶかも知れないので頑張ってイベントを盛り上げてください。
別件。
予算と浅井長政様の許可を得て、大きな土地を頂いた温泉教団は大きな温泉郷を作る為に努力しなければならない。
さて、ここで冒険者にお願いなのだが、しばらく温泉宿に遊びに来て、どんな施設を作りどんなサービスを増やせば良いのか、色々調べて欲しいのだ。
そんなわけで温泉教団のみんなに力を貸して、温泉郷を作って欲しい。
これは壮大な宿造りシュミレーションゲームである(マテ
●リプレイ本文
●新・謎の温泉教団の温泉宿5
春を売りましょう。売りましょう春を!
そんな不穏当な話の中でも今日も元気に温泉教団は動き出していた。
先ずは客を引くのは鳳刹那(ea0299)。
彼女の衣装は桜色の薄絹に、桜の花弁を意匠(肝心な部分が透けて見えない様ちりばめた柄)した天女風の衣装。コンセプトとしては、桜の精をイメージしたものである。
サクラ模様の着物を着た野村小鳥(ea0547)とおそろいだ。
先ずはお客さんを呼び込むように、先ずはお客さんに春を楽しんで貰えるように、視覚効果から入っていくと言う感じで2人はお客さんを引くことにした。
「春を売ります。春を売ります」
夜鷹と勘違いされそうだが、事情を話して納得して貰いつつ、お客さんを呼び込んでいる。
地元民にも多少理解のある温泉教団だけに『あぁ、なるほど。』と入ってきてくれる者達もいる。
「やっぱりこの格好は少し恥ずかしいですね。裾も短いですし‥‥」
野村小鳥が少々短くなった着物に照れて頬を赤らめている。
他人が恥ずかしがると自分も恥ずかしい鳳刹那も一緒に頬を赤く染めている。
温泉教団のお色気チームは今日も頑張ってお客さんを引き込んでいる。
「それでもお客さんが来てくれるなら問題ないわ。勘違いをしたお客さんが来ちゃうのは困るけどね」
鳳刹那がそう言って小鳥に語りかける。
「よーし、それじゃそっちの雪を温泉で溶かしてくれ」
一方そのころの温泉教団。
高町恭華(eb0494)の指示で神山明人(ea5209)が雪下ろしをする。
3月末、4月に入ったからと言っても雪深い北近江の事情は変わらない。
温泉のお湯を使って雪を取り除き、せめて温泉教団内の施設だけでも雪がない様に見せていこうという高町恭華の判断である。
雪を温泉に落として溶かしたり、手桶に温泉を入れてそれをかけたり、とにかく除雪作業に奮闘していた。
もちろん温泉教団の雪を全て除雪することなど出来ない。
取りあえず目立つ所の撤去‥‥っと言うことに成っている。
「よーし、除雪はそれくらいで良いだろう。後は今朝取ってきたタケノコを調理に渡して置いてくれ」
春を彩る料理にタケノコを選んだ2人はそれを調理場に持ち込んでいた。
後は調理者の腕の見せ所である。
梅は咲いたか、桜はまだかいな?
そんなわけで高町恭華の衣装のがらは白地に梅。
春を彩るタケノコも春巻きにして出されるらしい。
琵琶湖のセタシジミが旬なので、すまし汁や炊き込みご飯にして出してみる‥‥っと言う案も出ている。今回の料理は期待が持てそうである。
調理場で四苦八苦しているのは雷真水(eb9215)。
ここでは真水と呼ぶことにしよう。
まず調理場の板さんに頼んでいるのはすまし汁や炊き込みご飯。
それにタケノコの春巻き。
最後にスイーツとして桜餅である。
水分多くしてちまきみたいに柔らかくして‥‥っとの注文だ。
板さんも初めての料理なので四苦八苦‥‥っと言った感じである。
リスティア・レノン(eb9226)はというと温泉の中、完全にお客としての視線を確認するべく、お湯に入ってのんびりご満悦である。
「あぁ、良いお湯です‥‥少々温いですが‥‥」
大量の雪を溶かすのにお湯を使ったため、温度が上がるには、もう少しかかりそうだ。
「さぁ皆さん頑張ってくださいな」
温泉教団代表の彩花が声を上げる。
予想以上にお客さんが入ってきたために頑張って接客をする必要が生じたのである。
「春を売るというのはそう言う意味だったのかね?」
やっぱり誤解していたお客さんも結構居た様である。
力一杯に接客をする鳳刹那と野村小鳥。それに高町恭華と真水。
沢山汗をかいて、接客後、皆は元気に温泉に入る。
「ここにきてなかった間に少し練習したのですよぉー。どうでしょうかぁ?」
小鳥が彩花にマッサージをする。
寝そべった彩花の身体を優しく撫でる様にしてマッサージをする小鳥。
「うん。良い感じね、我流の割には良くできてるじゃない? ちょっと変わってみて」
縁台の上で入れ替わる彩花と小鳥。
「ここはこういう風にした方がもっと気持ちいいわよ?」
無防備な彼女の身体をなで回す彩花、甘い悲鳴をあげる小鳥。
「どう? こういうのも良いでしょう?」
胸のふくらみにそって優しくマッサージする彩花のサービスに小鳥も甘い声を止める事が出来ない。
10分後、ぐったりとしている小鳥の姿が見える。
「雨が降った場合のために屋根つきの大浴場を増設するのはどうだろう?」
彩花のマッサージサービスを受けながら、高町恭華が新設の意見を述べる。
「うん、悪くない案だけど、大浴場の増設はそう簡単には上手くいかないわ? 大浴場の一部に大きな傘を差して、雨が入らないようにしましょう」
甘く切ない2人の会話、しかしそこで高町恭華の声は止まる。
甘い声を出さないようにと必死に唇を噛んでいるからである。
10分後、やはり息絶え絶えな高町恭華の姿が見て取れる。
「私はお布団の中が良いな〜」
2人のマッサージを見て、火がついたのか鳳刹那が彩花におねだりする。
「もう、仕方ないわね〜」
お風呂から上がった2人が寝所へと向かう。
どんなサービスが行われたのかは定かではないが、甘い悲鳴が絶え間なく響き、
後には汗をびっしょりかいた鳳刹那が、布団の中で息絶え絶えと成っている。
そんなわけで今回も客引きは大成功。
謎の温泉教団の温泉宿も、知名度が40%から60%に跳ね上がった。