猫耳近江屋珍騒動 5
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■シリーズシナリオ
担当:凪
対応レベル:フリーlv
難易度:普通
成功報酬:0 G 65 C
参加人数:5人
サポート参加人数:-人
冒険期間:03月31日〜04月05日
リプレイ公開日:2007年04月09日
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●オープニング
●猫耳近江屋珍騒動 5
青く晴れた空、白い雲、満点の小春日よりな日々。
梅も桃も花を咲かせ、サクラもつぼみを膨らませていた。
「平和だね〜」
「にゃ〜」
近江屋の猫耳巫女様も春の日和に誘われてお昼寝。
猫のみーこちゃんもそれに釣られてお昼寝である。
「働け〜!!」
2人(?)が寝てる縁台に蹴りを入れる一人の人物。
近江で上から数えて5指に入る実力者、大津町奉行兼鋼鉄山猫隊隊長の神楽坂紫苑である。
「二条城の築城も決まり、立ち退きも終わり、これから建築じゃろうが〜。仕事は沢山あるじゃろ〜」
突然の登場で突っ込み役の神楽坂紫苑。取りあえず目をぱちくりさせる猫耳巫女。
「え〜でも私力仕事とか苦手ですし〜。みーこちゃんも‥‥ねぇ?」
猫と一緒に哀願する猫耳巫女。
「炊き出しでも何でもかまわん。とにかく二条城建築を手伝ってやれ、今後の近江軍の拠点になるやも知れぬ城なのじゃぞ?」
神楽坂紫苑の言葉に半分寝ぼけながら相づちを打つ猫耳巫女様。
そんなわけで猫耳巫女様だけに任せておくとさぼるので一緒に仕事してくれる人募集。
取りあえず築城のお手伝いと言う事でお願いします。
●リプレイ本文
●猫耳近江屋珍騒動 5
トンテンツクテントンツクテン
地ならしを終えた所から、ボチボチ建物建築を始める二条城。
お城‥‥っと言っても大阪城や安土城の様な高くそびえる物ではない。
平屋で人がいっぱい入れる詰め所みたいなお城である。
だから広い‥‥きっと、みんなが思ってるよりちょっと広い。
「じゃじゃじゃ〜☆ 何か久しぶりの仕事なのじゃ☆ 頑張るのじゃ〜☆」
焚雅(ea7662)が颯爽と建築現場を下見する。
基本的に兵士が寝泊まりする宿舎、お風呂、料理を作る台所、厩などが最優先で造られている。
何故か宿舎の屋根はM型をしており、遠くから見ると猫見に見えなくもない。
「日々体を鍛える修練場とかは後から作るのじゃな? うむ。よしよし」
取りあえず近江武士団が雨風凌いで暮らせる作りには成っている様だ。
「完成は今年の秋予定ですよ〜 それまでは頑張りましょ〜う」
猫耳巫女さんがご飯を炊いておにぎりを作って配っている。
「ささ、食べるのじゃ‥‥ちそうになるのじゃな」
焚雅ができたてのおみそ汁を配っている。
おにぎりとおみそ汁大工達にはこの上ないご馳走である。
「ボクは巻きずしを作りましたよ。どうぞ食べてください」
カンタータ・ドレッドノート(ea9455)がそう言って巻きずしを差し出す。
卵焼きに穴子にゴボウ。ご飯と海苔でぱりっと巻いて出来上がり。
片手で食べれるし取っても便利‥‥なのかしら?
魚の天ぷらのおまけ付きでサクッと用意している。
「あら、そっちの方が美味しそう」
焚雅と猫耳巫女が巻きずしに手を伸ばす。
「あっ、お茶いれますね?」
猫耳巫女さんが相変わらずパタパタしている
「力仕事ならお任せアレっすよ」
食事を終えて、太丹(eb0334)が、建築のお手伝いを始める。
力仕事と大食いならお任せの彼のおかげで、仕事がはかどる。
重い木材運びから、石垣用の石の移動まで軽々とやってのける。
クレーン車やパワーシャベルの無いこの時代には大変有力な即戦力だ。
ロープで縛って滑車を使って高いところまで上げる。後は数人掛かりで家の骨組みを組んでいく‥‥それを繰り返し繰り返し、お城は造られて行く。
壁は漆喰、屋根は瓦屋根、拠点としての機能も十分兼ね備えている。
「これが終わったら天ぷらとうどんを作るからがんばってね〜」
カンタータ・ドレッドノートの言葉にやる気いっぱいの太丹。
話変わってお風呂の話。
京都のお風呂は蒸し風呂が多い。
今回は江戸風の湯船に身体をつけられるお風呂を贅沢にも建築中だ。
もちろん京都のど真ん中なので温泉などは無い。
燃料費考えながらも焚いて沸かして入る江戸風風呂である。
茉莉花緋雨(eb3226)が話を統括してそんなお風呂を作っている。
「お風呂は、兵士の衛生管理と心身の癒しになりますしね」
そう言う訳でお風呂は江戸の銭湯の様な物が設置予定である。
「おーい、そっちの材木コッチに持ってきてくれ〜」
見学と手伝いの冒険者の力を借りて、大きな柱になる木材が運び込まれて行く。
お風呂というのは作るのが大変だ。誰かがまきで火を焚いてお湯を沸かし、湯船に流し込まなければ成らないからである。
まき代もかかるし人手も必要だ。
温泉の様にお湯を温度調整すればOKと言う訳にはいかない。
「ほほう、なかなか予定よりも進んでおるようじゃな。いや、結構結構」
神楽坂紫苑がお供を連れて、視察する。
特に怪しい建物は無いし、思ったよりも建築が進んでいる事に、彼女は喜びの声を上げた。
「桜餅‥‥食べませんか?」
茉莉花緋雨が神楽坂紫苑に桜餅を差し出す。
もちろんお茶も一緒だ。
「ふむ、お茶の時間か、大工に甘い物を食べさせて疲労回復とは考えたのぉ」
神楽坂紫苑はそう言って桜餅の一つを口に運んだ。
「この分なら秋までには完成しそうじゃな。いや結構結構」
神楽坂紫苑はそう言って笑みを浮かべた。
「吉報ですよ」
酒井貴次(eb3367)が方位を見ながら皆に述べる。
「休憩時間‥‥皆さんの暇つぶしに成ればと占いをしてみましたが‥‥占いの結果凄く良い‥‥大吉と出ています。この築城は将来役になってくれるでしょう」
酒井貴次の言葉に喜びの声を上げる物も居る。
陰陽師のお墨付きならば喜ばれる事請け合いだろう。
「うどんが出来たよ〜」
どこからかの声に酒井貴次もうどんをいただきに列に並ぶ。
順風満帆。なかなか上手く行っているようだ。
カンタータ・ドレッドノートの作ったうどんが配られる。
大工達が喜んでそれを口にする。
「うむ‥‥予算的にも日時的にも良いあんばいである。私は冒険者に感謝したい。こうしてココに城を建てる事が出来るのは半分は冒険者達のおかげじゃ。冒険者が居て、わらわが居て、敵がおる。京都は守っては勝てぬと言うジンクスを破る為にも、ここに城を造り、確固たる防御を固めるのじゃな。戦う場所が有れば武人は生きていける。本当なら戦など無い平和な世の中が一番じゃが、そうもイカンのが現状じゃ、いつまた京都が攻め込まれるとも限らぬからな、いつ襲われても構わぬように確固たる守りが必要なのじゃ」
そう言って神楽坂紫苑は植林されたばかりの桜を仰いだ。