猫耳近江屋珍騒動 4

■シリーズシナリオ


担当:

対応レベル:フリーlv

難易度:難しい

成功報酬:1 G 1 C

参加人数:6人

サポート参加人数:2人

冒険期間:01月27日〜02月04日

リプレイ公開日:2007年02月03日

●オープニング

●猫耳近江屋珍騒動 4
 その日近江屋にはお偉い侍様が集まっていた。
 浅井長政を筆頭に、近衛・京極家を初め、様々な要人が集まっていた。
「京都見廻組に近江勢を入れるは不可能‥‥だが、別件の約束がやっとおりた」
 そうそれこそ今回の課題の要である。

 京都は守るには適さぬ場所‥‥それは昔から言われている。
 ではどうすれば京都を守り安く、沢山の兵を置くことが出来るか。

 答えは簡単「築城」である。

 そう、京都のど真ん中にお城を建てて兵を常駐させれば良いのである。
「費用は気にするな。我々はどこに城を建てるか‥‥どんな城を建てるかを考えればいい‥‥それもおおむね出来ている。あとは立てる場所と、民の立ち退きと、最終的なデザインだけだ‥‥それを冒険者とそなたに任せたい」

 浅井長政が指名したのは、近江屋の雇われ店長であるネコミミ巫女その人である。

「わかりました。ネコミミ城を造れば良いんですね?」
 重鎮から一斉に突っ込みを貰ってネコミミの城は却下に成ったが大まかな作りは任された。

 城の名前は二条城
 御所の西に立てるか東に立てるか、南に立てるかは自由。
 城の作りは自由だが、戦う城ではなく、兵が常駐する為の平屋の城が良いらしい。
 後は城の建設予定地の人達を穏便に引っ越して貰えば申し分ない。
 引っ越し先の土地はこちらで用意するそうだ。

 そんなわけで京都に初の築城である。
 我と思わん物は京都の明日の為に力を貸して欲しい。

●今回の参加者

 ea8384 井伊 貴政(30歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea9455 カンタータ・ドレッドノート(19歳・♀・バード・ハーフエルフ・イギリス王国)
 eb0160 黒畑 丈治(29歳・♂・僧兵・人間・ジャパン)
 eb0711 長寿院 文淳(32歳・♂・僧兵・人間・ジャパン)
 eb3226 茉莉花 緋雨(30歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 eb6553 頴娃 文乃(26歳・♀・僧侶・人間・ジャパン)

●サポート参加者

ゼファー・ハノーヴァー(ea0664)/ ヴァンアーブル・ムージョ(eb4646

●リプレイ本文

●猫耳近江屋珍騒動 4
京都は御所を中心に東に左京区、西に右京区が存在する。
右京区は湿地帯も多く人の賑わいは少ない。
逆に左京区は人の賑わいが多く左京区の外、大津までその町並みは続いている。
左京区からはみ出した部分を外京と呼んでいる。

今回は御所の南西の右京区の土地を買収し、代わりの土地を外京から与えると言う流れで土地の買収を行う事となった。

大きな公家のお屋敷やら民家やらを400m四方ほど買収する予定だ。
城の南側には大きな神社仏閣も存在している。

「それじゃ〜張り切っていきまっしょい」
 付け届けのカステラサンド‥‥どら焼きを持って立ち退き交渉に回る面々。
 全てはココからスタートなのである。

「皆さんの意見をまとめると、築城場所は、御所の西側で、川の近く、可能なら街道も近ければ良い、という所でしょうか。
 私は、お金持ちな人たちが住む場所の方が、補償次第で穏便に引っ越して貰えると思うのですが、いかがでしょうか?」
 黒畑丈治(eb0160)が意見を述べる。
 皆それに首を縦に振る。

 井伊貴政(ea8384)がお弁当と菓子折を作ることに成った。
 カステラを焼きカステラでアンコをはさむという贅沢なお菓子。
 使うアンコはエンドウ豆を使ったアンコである。
「公家や貴族の屋敷には私たちが出向くことにする。君たちはそれ以外の家を頼む」
 神楽坂紫苑と京極鹿之助が菓子折を持って土地買収に訪ねる事になる。
 どら焼きと呼ばれるこのお菓子は相手を説得する口実になるだろう。

 猫耳巫女様に見送られて2人は公家や武家の屋敷を訪ねる事にした。

 カンタータ・ドレッドノート(ea9455)が緑色の餡のどら焼きを手みやげに庶民の家を説得交渉に歩く。
 これが話がトントン拍子に進んですばらしい。
 お菓子と左京区方面に住めるという相乗効果で話は淡々と進んでいった。

 ちなみに餡は自作だが、どら焼きは井伊貴政に焼かせた。
 カンタータは根回しのために歩き回るので手一杯だからである。

 数日後。話もまとまり、そして解体工事から先ずは始まる。
 井伊貴政の作った鍋料理に笑顔を膨らませながら、一行は整地を手伝うことになる。
 今まであった古い長屋を取り壊して足場を固めるのである。
 石垣の様な物はおおっぴらには作らないが、1000人の兵が常駐出来るほどの施設を作るのだ。大仕事である。

「新しいお城にも良い台所欲しいですね〜」
「正門を山猫の顔の形にしませんかー?」
 色々意見が飛ぶ。
 屋根を二つ作れば、猫耳型になるだろう。
 だが、ちょっとまてそれは本気なのだろうか?

「ネコミミ巫女さんも築城を任されるとは‥‥ああ見えて結構重鎮なんですかね」
 長寿院文淳(eb0711)がぽつりとつぶやくと、猫耳巫女が首を横に振る。
「私は冒険者と同じ扱いだよ? フラフラしてたら雇われ店長募集の話が有ったので飛びついただけだよ。猫のミーコちゃんと一緒にご飯が食べられれば幸せな、ひらのぺーぺーダヨ」
 そう言ってかんらかんらとと笑う猫耳巫女。
 権力とは全くの無縁の様である。
「とりあえず私も用地買収に向かいますね? なるべく早く建築に着工出来ると良いですね」
 気が付くと既に絵図面が出来上がっている。
 あちこち手が加えられてはいるが、建てる気は満々の様である。

「初釜をしましょう」
 唐突な発表だった。
 用地買収も7割方問題なく進んだ当たりで『お茶にしましょう』っと言うのだ。
 断る理由も無く、皆お茶会を開くことになった。

 茶請けに成るのはどら焼き(ウグイス餡)である。

 『初釜』の茶会には、神楽坂さんをはじめ用地買収の対象の土地に住まわれている方々をお招きし、武士万能の茶道で貴賎の区別無くお茶を立てて皆さんに振舞います。
 行為の心は、真の平和の為には貴賎の区別無く一丸とならなければならないといったところであろう。
 茉莉花緋雨(eb3226)が既に整地された場所に野点の要領で茶の湯の用意をする。

「ふむ‥‥コレはなかなか絶品じゃな。近江の印を入れて近江名産の茶菓子にするのはどうじゃろう? 無論作るのはそなたらじゃが」
 どら焼き片手に井伊貴政を指さす神楽坂紫苑。
 30人程の庶民の皆さんも皆茶菓子を頂き、お茶を頂いている。
「アンコを饅頭に使う餡にして、カステラに近江の焼き印をいれてみるのはどうじゃ?」
 そんなわけで近江家門入りどら焼きは、甘い物が乏しい庶民の腹の中にガンガン消えていった。
「まぁおおむね順風満帆っと言ったところやね」
 頴娃文乃(eb6553)がそう言ってどら焼き片手につぶやく。
 土地買収もおおむね終わり、二条城に診療所を作ろうという意見を出している。

 そんなわけで買収した土地はほぼ整地が終わり、建築が始まった。
 もちろん数日で城が建つ‥‥などと言うことはない。
 今しばらくは建築に時間がかかるだろう。
 それまで城壁を建てたり厩の建てたり、細かい作業もおおい。
 冒険者達も大工達への炊き出しで活躍している様子。

 こうして二条城建築の幕は切って落とされたのである。

‥‥猫耳巫女またしても相変わらず何もしてないけど。