●リプレイ本文
アカベラス・シャルト(ea6572)が作った地図を片手に、気配を消しつつも、クオン・レイウイング(ea0714)が狙撃地点を発見。
そこから、コトセット・メヌーマ(ea4473)の魔法により、士気が高まり集中力も増したまま、オークの弓兵に一点同時射撃。警告の暇なく、オーク弓兵は倒れ伏した。
(全員無事に帰るぞ)
この矢が戦いの始まりを告げる。
「全く‥‥キミらの所為で、優しいオーガの子供が苦労する」
ゲルマン語もなんとなくしか判らなかった少年オーガの顔が脳裏にフラッシュバックする。
「装甲兵前へ。、軍師! 指示を誤るなよ? なんて言うと軍隊みたいじゃないか?」
バルバロッサ・シュタインベルグ(ea4857)が果たせなかったオーグラ打倒に燃えつつ豪語。
「アイゼンシュタイン家のヴィーヴィル、征きます!」
ヴィーヴィル・アイゼン(ea4582)が出る。。
「二度と、二度と犠牲者は出したりしません! セーラ神様、ヴィーたちに力を!」
決意。
「今度は遅れを取りません!左右にも、後ろにも味方がいます! ひとりで戦うわけじゃない! 怖くなんて‥‥ありません!」
セルフィーが無事を祈りつつ、自分の出番を待つ。
「やるよセルフィー!」
まずはゴブリン達が、オークに追い立てられる様にして、先陣を切る。そこへアカベラスがアイスブリザードを放つ。
そこへ、剣を振りかざし、オーラで心身ともに武装したマリウス・ドゥースウィント(ea1681)が突入を敢行する。
「家屋は返してもらおう。村の再興の為に! 中はどうです? チルニー? 成る程。今度は来るな。オレノウ、伝言頼みます」
「さて、スープレックスがどこまで通用するか、試させてもらおうかい!」
魔法が施され、士気の高いパトリアンナ・ケイジ(ea0353)の投げ技はゴブリン達を次々と投げるが、一撃必殺のダメージもなく、相手は連携して襲いかかってきた。人海戦術で斧を振りかざしてくるのでは、盾にも限度がある。
「分が悪いねぇ──どうにも」
焔威がその別働隊のフォローに回る。
「大丈夫か、ほーちゃんが助けに来たぞ」
「サンクス。でも、気軽にパティって呼んでくれよ」
一方ではシンが、ゴブリンを斬り伏せる。
夜 黒妖(ea0351)がアルビカンスによる探知知魔法の援護の下、炎を帯びたアイスチャクラムで中距離からゴブリン達を牽制する。
(当たらなくてもいい、ほんの少しでも気を逸らせれば)
願う黒妖。そして彼女の大ガマをゴブリンの群れの中に飛び込ませ、戦いを乱戦模様にする。
それを見たアンジェリーヌも皆を癒す為、後方にと、懇願。
一方、ギルツ・ペルグリン(ea1754)は前線で活躍。
(強大な敵と戦った経験が、国元の役に立つ事も──)
と、自らの経験を深めるために参戦。
無論その卓越した剣技は、ゴブリンなど歯牙にもかけない。それでも、人海戦術に辟易する。
一方、エルドも爆風をゴブリン目がけて撃ち出す。
そこへファイゼルが忍びよる。
「退場してもらう場所は地獄だけだ」
呟きながら、ゴブリンの退路を断つ。
まだ、アカベラスはアイスブリザードを掃討に使っている。
「凍てつきなさい」
ルビー・バルボア(ea1908)が矢を番えつつ、指示を出す。
「いったん退くぞ、 殿は任せろ! 」
白兵戦を挑んだ者達は手傷を負い、イルダーナフの手当を待つ。
しかし、そこに聞こえてくるのは、オーグラの雄叫び。
村から強力なオーガ達は飛び出してきた。
追いすがるゴブリンとの戦いで、手傷を負った岬 芳紀(ea2022)も後方支援の面々により癒され、最近出回っているソルフの実により、魔力が回復した魔法使い達に数多の魔法を施され、臨戦体勢でその時を待っていた。
彼は以前の戦いでも大量の魔法により、生き延びた記憶があるが、フレイムエレベイションと、オーラエレベイションの両者は互いに精神に働きかける魔法であり、共に精神系魔法を打ち消す作用が有るため、同一対象に付与はできない。
「ともあれだ。古人曰く,『其疾如風,其徐如林、侵掠如火、不動如山、難知如陰、動如雷震』一度動けば,止まる事は出来んな。魔法を見て、兵を散らしたか。しかし、遅い!」
芳紀は日本刀と短刀を両手に待つ。
中条流の横薙ぎの構えを崩ずに慎重に近寄る。
右手の短刀で幻惑し、攻撃は左手に任せる。
両刀が動き、バグベア闘士を幻惑する。
この最初の一手が大事であった。
そこへオイフェミア・シルバーブルーメ(ea2816)の呪文の詠唱が始まる。淡い茶色い光が彼女目がけて収束していく。
一瞬気をとられた隙に、芳紀は両刀を×の字に滑らせ、バグベア闘士に深手を負わせる。
「ありがとう」
「いいえ、私も魔法を抵抗されたようですし」
そこへルビーの矢と共に飛び込んできた桃花が止め刺しきれないふたりに警告を浴びせる。
再び、芳紀の手が伸び、今度は日本刀で左に薙ぎ、右に返す斬撃で止めを刺す。
変幻自在の短刀でのプラフに魔力を込めた重い一打が決まったのだ。
「本当に危なかった4人がかりか」
カノンがバグベア闘士の目に矢を撃ち込むと、更にそこへユーウィンが一矢を放つ。
先陣では京太郎が向かい、バグベア闘士と切り結ぶ。
「早い!」
ヴィーヴィルは驚きつつも助太刀し、負傷した彼の手当をとエルリックに叫んだ。
士気を上げているラックスが矢に魔法を付与。ロングボウで逃げようとしているゴブリンに情け容赦なく打ち込む。
一方で黒兵衛は大ガマを創造。オーク達と対峙した。
だが、そこには奴が来た。
オーグラである。
「待ってたぜ」
バルバロッサが、別働隊から反転して戻ってきたノアとマリウスを視界の隅で確認する。ギルツも戦線に加わった。
ノアは遠距離から火球を放つと、オーグラを中心に爆風が吹き荒れる。
ロックフェラー・シュターゼン(ea3120)も共に切り結んだ。
「これだけ、攻撃をたたき込んだのに、まだやるか。楽しいぜ」
バルバロッサ参戦の間隙に後方にロックフェラーは回り込む。。
一方、バルバロッサは一撃に応酬し、相手の体力を削ぎ、重装甲と己の急所を逸らす事で、自分は無傷。
「おお、それでもまだやるか!」
(今ならやれる!)
呪文を発動させたエヴィン・アグリッド(ea3647)がその手足を伸ばすと、中距離から日本刀で一撃。
見た事もない攻撃に、オーグラは反応できなかった。
(しかし、一発限りか? 意表を突けるのは)
ロックフェラーとカレン・シュタット(ea4426)は合図しあって、カレンの策に備える。
カレンの使った魔法はライトニングトラップ。
オーグラの後方に魔法をかけ、ロックフェラーの剣で押し込む。
その計略により、雷がオーグラを苛む。
そこから飛び出した所へ、エヴィンの刀が薙ぎ伏せる。
だがオーグラは、挑発する様に立ちはだかったマリウスを突破しようした!
その攻撃に合わせた一撃が交差。
オーガとの力任せの攻撃の応酬に、互いに瀕死となる。
マリウスは居合わせた者では治療魔法の腕が及ばず、応急処置をして街に連れ帰ることになった。
「とどめ」
と、メイフェがオーグラを石化させる。
徐々に石化するが、逃れる術はない。
完全な石像となった。
「いい所、取りやがって」
バルバロッサが叫び、石像を砕く。
頭を失ったオーガ達はヴィーヴィルが駆逐。
こうして村は取り戻された。
これが万夫不当が強者達の冒険の顛末である。