キャプテン・ファーブル〜キャピーの段?〜

■シリーズシナリオ


担当:成瀬丈二

対応レベル:8〜14lv

難易度:やや難

成功報酬:6 G 22 C

参加人数:15人

サポート参加人数:6人

冒険期間:07月13日〜07月23日

リプレイ公開日:2005年07月18日

●オープニング

「私はシャルル・ファーブル。だが、人は私の事をキャプテン・ファーブルと呼ぶ!」
 パリの冒険者ギルドで赤毛で筋骨逞しいウィザード、自称ノルマン1のウィザード『キャプテン・ファーブル』が姿を現した。
「毎度、お世話になっております。今日はどの様なインセクトを捕獲で?」
 受付嬢は営業スマイルを浮かべながら、揉み手をしながら応える。
「あいや、待たれよ。今年の夏は去年捕まえたインセクトの資料と試料に関する整理をしようと思っている。
 まあ、有り体に言えば執筆作業だったりするな。で、先日捕まえた──全長6メートルの青い大芋虫──キャタピラーの観察作業を、冒険者諸君に手伝って貰いたくてな。
 カンからここまでやってきた訳だ」
「カンと言えば蒸すでしょうに、執筆活動ご苦労様です。で、幾ら出します?」
「またまたぁ、すぐにそういう生臭い話を出す。──まあ、こんなもので」
「これだけご用意いただけると、こちらとしても仲介料の搾取しがいがあるというものです」
 仲介料も込みの重い金貨の袋をを提示され、喜びの色を隠せない受付嬢。
「では、よろしく頼むよ。グッバイ、アデュー、さよーなら!」
「あ、キャプテン!」
「何かね、マドモアゼル」
「契約書を作っていません。それと正式な書面を作っておかないと──」
「うむ、では‥‥」
 こうして、冒険者たちに夏の宿題が出された。
 送り迎えはキャプテン・ファーブルの中型快速船コメート号。カンまでは3日となる。
 そこで4日間の作業の後、また逆戻りというスケジュールと1回目はなった。
 今年は合計4回作業に来て欲しいという。
 かくして冒険の扉は開かれた。



●今回の参加者

 ea0127 ルカ・レッドロウ(36歳・♂・レンジャー・人間・フランク王国)
 ea0504 フォン・クレイドル(34歳・♀・ファイター・人間・イギリス王国)
 ea0714 クオン・レイウイング(29歳・♂・レンジャー・人間・イギリス王国)
 ea1241 ムーンリーズ・ノインレーヴェ(29歳・♂・ウィザード・エルフ・ノルマン王国)
 ea1553 マリウス・ゲイル(33歳・♂・ナイト・人間・フランク王国)
 ea1646 ミレーヌ・ルミナール(28歳・♀・レンジャー・人間・ノルマン王国)
 ea1661 ゼルス・ウィンディ(24歳・♂・志士・エルフ・フランク王国)
 ea2884 クレア・エルスハイマー(23歳・♀・ウィザード・エルフ・フランク王国)
 ea3073 アルアルア・マイセン(33歳・♀・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea3120 ロックフェラー・シュターゼン(40歳・♂・レンジャー・人間・フランク王国)
 ea3484 ジィ・ジ(71歳・♂・ウィザード・人間・フランク王国)
 ea3651 シルバー・ストーム(23歳・♂・レンジャー・エルフ・ノルマン王国)
 ea4944 ラックス・キール(39歳・♂・ナイト・人間・イギリス王国)
 ea8384 井伊 貴政(30歳・♂・浪人・人間・ジャパン)

●サポート参加者

ヴァレス・デュノフガリオ(ea0186)/ 月詠 源九朗(ea0521)/ ゴールド・ストーム(ea3785)/ 架神 ひじり(ea7278)/ フィーナ・ライト(ea8017)/ リリー・ストーム(ea9927

●リプレイ本文

 リリーが兄の名代という事で、ムーンリーズ・ノインレーヴェ(ea1241)の所からこっそり持ち出したワインを一同のカップに注いで、乾杯の音頭を取る。
「皆の依頼の成功を祈って‥‥かんぱーい!」
 赤ワインが一同の唇を湿した。
「‥‥再びお会いできて光栄です、しかもキャピーの観察の続きですから楽しんで取り組みますよ」
 ムーンリーズの言葉にすかさず、シャルル・ファーブルことキャプテン・ファーブルが──。
「こちらこそ頼りにしているよムーンリーズ君」
「当てにしていただいて有り難うございます。この人が我が運命の相手のクレアでして──」
 言いながら、クレア・エルスハイマー(ea2884)の肩に手を回すムーンリーズ。クレアは軽くムーンリーズの手の甲を抓ると微笑を浮かべつつ。
「よろしくお願いしますね‥‥夏の宿題ですか──では、早く片付けたいものですわ」
「はは‥‥たしかにそうだね。まあ、〆切を自分で設定しないと、どうしても長引いてしまうものでね。一応、自戒の為の〆切だよ」
 そして、パリの港からコメート号が離岸しようとする。
 船縁から別れ惜しげに、虹の都を見る一同。
 舵を取るキャプテン・ファーブルの隣で、マリウス・ゲイル(ea1553)が──。
「──しかし案外、薬草や解毒草などを混ぜて食べさせれば、キャピーの毒も中和できるかもしれませんね?
 万能草と伝えられる『マンドラゴラ』あたりでしょうか? 食べてくれるか‥‥その前に採るのが至難の業ですが」
 苦笑いを浮かべながら、語るマリウスと対照的にキャプテン・ファーブルは目を輝かせながら、港内でコメート号を転進させようとする。
「それは非常に素晴らしいアイディアだよ──うん、行動の価値ありだね。転進、ドレスタットへ‥‥」
 井伊貴政(ea8384)は調理器具を広げようとしたところに激しい船体の動揺を感じて飛び出してきた。
「何ですか? また、シーウォームでも襲って来たのでは?」
「いや、何。マリウス君から素晴らしいアイディアを聞いたものでね。本船は今よりドレスタットへ転進しちゃったりする──」
「それでは時間が長くなりすぎて、次の冒険と被る人も出てきます! もう、依頼を決めている人もいるんですよ」
「うーむ、そう言われれば、残念無念。しかたない、ドレスタットにシフール郵便を飛ばして、向こうで確保してもらおう。
 なーに、ウィッグルズワース君の事だ。マンドラゴラの一本や二本、確保できる場所を知っているだろう。
 という訳でちょっとタンマ。手紙とシフール郵便に依頼する時間だけパリに逗留する。半日もかからないだろう」
 そして、2時間後、コメート号はパリを無事出立した。

「感謝の極みでございます」
 ジィ・ジ(ea3484)は保存食なしで、うっかり旅立ってしまい、道中、貴政が皆の保存食を調理し直して、余剰分をやりくりして作った分のお裾分けを受けながら、ファーブル島を朝焼けに拝む事となった。
「わたくしの班は休息からのローテーションとなりますな」
 ご都合主義にも、15人の冒険者一同は5人毎にバランスの取れた組み合わせとなっており、一同はそれに従い、ファイブマンセルのパーティーを組む事になったのであった。
「ま、賄いの仕事の下拵えをしてからの休息となりますけどね」
 貴政が船の中に置き忘れたものが無いかどうかの確認をしている。特に調理器具は自分の命とでもいうべきものであり確認に余念がない。ジィはその光景を見ながら──。
「わたくしの錬金術では皆の腹は膨らめません故、わたくしは早々に休ませて貰いましょう。パリの高級レストランでも味わえないような、料理の数々、老後の語り草となりましょう。もっともそれには遠いですがな」

 その頃、船室では──。
「‥‥遂に恐るべき毒をもった触手が私を捕らえた。もはや身じろぎすることもできない。じりじりと奴が近づいてくる。奴の口が大きく開き、触手が私を引きずっていく‥‥」
 と、器用な『寝言』をあげるロヴァニオン・ティリス(ea1563)を何とか目覚めさせようと、ミレーヌ・ルミナール(ea1646)が育ちの良さ気な顔立ちを歪めて悪戦苦闘する。
「ちょっちょっと待ってくださいよ、ロヴァニオン? キャピー、って触手があるの、ねえ? 答えて!?」
 その声にロヴァニオンはむっくりと起きあがり、即座に迎え酒のベルモットを胃の腑に流し込む。
「ん〜。なんだミレーヌか? 緊急事態か? でなければ、俺は呑む。呑んで死ぬ。おっと、この場合、死ぬは寝ると同義語だからな」
「それより、今の寝言は何なのよ? 触手って、一体? キャピーって大きい芋虫よね? ほら、アゲハの幼虫って突っつくと臭い触手出すけど、キャピーにもそんなのがついているの? ねえ、答えてよ」
「何だキャピーにそんなもんついていたのか? ううむ、男子三日会わざれば刮目せよというが、そんな風に成長するとはな。脱皮でもしたのか? キャプテンに聞いてくれや」
「だって今、あなたが‥‥」
「今まで俺は眠っていた。だから、言っていたのは寝言だ。夢の中でシーウォームとケンカしていたような気がするが。寝言まで責任は取れねーぞ」
 ミレーヌから自分の寝言の内容の一部始終を聞かされてロヴァニオン曰く。
「うん、食われてる最中でも筆を離さない! 観察者の鑑だね〜」
「おはよう、良い朝だね。おや観察者の鑑とは何事かね?」
 キャプテン・ファーブルが鼻を突っ込んでくる。
「いえ、妙な寝言が聞こえたのよ。で、何かと思えば」
「何か考証不足らしい。キャピーの夢を見て欲しかったらしいが、そこまでは俺の責任じゃねーぞ。そう言えば、確認しておきたかった事があるんだが」
「良かろう、私は誰の挑戦でも受ける!」
「では──。雑食らしいけど、植物って何を食うんだ?」
「とりあえず、家の周囲にあったものは何でも食べたがね」
「じゃあ、島にいる大芋虫以外の大昆虫はどうしてる?」
「シーウォームは入り江の中に封鎖している。それ以外は皆、鉄の檻の中にいるよ」
「大芋虫が繭になるとき高いところに登ったりするだろうか?」
「繭を作るかどうかが、そもそも不明なんだよね。繭ならば場所は問わないだろうけど」
「んでは、島に大芋虫が登れるような巨大な木はあるのか?」
「あるねぇ〜、沢山」
「最後、一番シビアな奴。羽化した後、カンの街に飛んでいったらどうする?」
「冒険者ギルド、騎士団、衛士の皆さんに頭を下げるしかないだろうね。できれば、蝶か蛾だったら、羽根の保全だけはして標本にしたい所だけどね。そうも、うまく行かないだろうし」

 そして、ファーブル島の入り江で、シーウォームが触手を海面上に出して出迎え、一同の往路は終わった。
 そして、巨大な鉄の檻の前に通される。
 ビビット、原色な青色の6メートルの大芋虫がそこにいた。
「相変わらずの凶悪な面構え。って、あれ?なんか前よりでかくなったような? 気のせいか?」
 ロヴァニオンがとりあえず呆けてみるが、取り敢えず大きくなっては居ないようである。
「なあに、脱皮しなければ、インセクトの類はそう大きくなるモノではないし、脱皮殻でもあれば、何が何でも回収する様に留守居のものには申しつけているのでね。
 あ、ムーンリーズ君、頼まれていた地図。船の中で筆写したので、精密ではないが、正確だよ」
 ムーンリーズに、ファーブル島の地図を頼まれていたファーブルは、早速地図の写しを手渡す。
 ひとつの地図をマスターとして、様々な情報を書き込み、ファイブマンセルのグループが島を一回りして、地図を完成させる予定だ。
 しかし、とりあえずムーンリーズはスクロールを広げ、褐色の淡い光に包まれると、檻の耐久度を確認する。
 シルバー・ストーム(ea3651)はその数値を檻の別の個所でも確認しつつ、無言で頷く。
「キャピーの麻痺毒は動物用の解毒剤で大丈夫でしょうか?」
「うちの家人が襲われた時は、動物用で解毒できたよ」
 おかげでストックばかり増えて──とキャプテン・ファーブル。 無言でシルバーはロックフェラー・シュターゼン(ea3120)と相談し、近くにあった木の耐久度とも対比して、ドレスタットでの野生の破壊力から類推。キャピーがバーストアタックでも持っていない限り、破壊は不可能だろうと判断。
 確認した所でロックフェラーはキャプテン・ファーブルと昔話に耽る。
「それにしては以前はお世話になりまして、ほら、ドレスタットで海賊に使われていたシーウォームを確保しにいった時ですよ」
「懐かしいね。ドレスタットもドラゴンじゃなくて、インセクトが出てくれば、多少の出費があっても、引っ越したい所だけどね。でも、赤毛のエイリークがどういうリアクションをするかは判らないけどね」
 閑話休題──。
「おぉ、でっかいイモムシだ、イモムシ! ほしいな、これ!」
 胸を揺らしながら、フォン・クレイドル(ea0504)はキャピーの勇姿(?)に手放しで喜ぶ。
「いやぁ、捕まえるのは大変だよ。ざっと金貨百枚は楽に吹っ飛ぶよ」
 彼女の無防備なまでのはしゃぎっぷりに水を差すキャプテン・ファーブル。
「金貨百枚か‥‥ちょっと足りないな」
 かたや、アルアルア・マイセン(ea3073)、彼女は巨大な蝶か蛾がキャピーの成虫となった姿ではないか、と素人ながらに考え、島に入って以来、上を向き続け、首を少々痛めていたが、キャピーの現物を見て、まず目標の『1回餌をやる』を実践しようとしていた。
 そこへ不思議なマタタビを渡すジィ。
「人間の食べ物ではございませんが、丁度良い実験でしょう。あまり、ファーブル様も福袋を買った事は無いと聞き及びますから」
 もっとも、以前におびき寄せる切り札になったらしい、匂いの強い保存食を持った面子がいるので、キャピーはかなりエキサイトしているようだが。
「やってみます。イギリス騎士の勇気をご覧下さい」
 それを確認したクオン・レイウイング(ea0714)が蜂比礼を取り出し、檻から6メートル程、離れた地点で振り回し始める。
「ん、一体何の呪いかね?」
 怪訝そうなファーブル。
「ジャパンの品だ。インセクトを寄せ付けない結界を張る力がある。そう、騎士には死ぬと判っていても行かなければならない時がある。負けると判っていても戦わなければならない時がある。
 彼女はそれを知っていた‥‥。
 やるぞ。アルアルアに傷一つ付けてはならん」
 魔力の激しい消耗を感じながら、全力で蜂比礼を振るクオン。
 アルアルアが結界の隙間から手を伸ばし、キャピーの口元に不思議なマタタビを放り込む。
 勢いよく食らい込むキャピー。
 続けてアルアルアの腕目がけて、飛び込んで来た。
 しかし、結界内にいたアルアルアは、まるで見えない壁が在るかのように、完全セーフ。
 さすがに鉄格子は撓みもしない。
 その光景にキャプテン・ファーブルは目を丸くし。
「いやぁ、こんな道具があるとはジャパンとは素晴らしい所だね。エジプトの次に行きたい国にランクインしたよ。虫を食べる風習も在るというしね」
 ともあれ、なんとなく虫(というか、動物など動くもの全般)が好きなので、でっかい芋虫と聞いて好奇心旺盛に、喜び勇んで依頼に参加したフォンとしては今のアルアルア対キャピーの一幕を見ても──。
「すごいな、強いぞキャピー!」
 と手放しで喜んでいる。
「後、聖なる干し肉に、ソルフの実と実験材料は揃っておりますが」
 ジィの言葉にクオンは蜂比礼を降ろし、一言。
「とりあえず、魔力が尽きたようだ。誰か変わってくれ」
「では、不肖、わたくしめが一応、武闘派とはいえ、ウィザードですので、魔力もそれなりに──老いたりとはいえ、持っておりますので、では、次はどなたが餌をやりますかな?」
 ルカ・レッドロウ(ea0127)が手を上げる。
「『満月』のルカがこの程度の相手に怯んだとあっては、末代までの恥だからね。じゃあ、ソルフの実をやってみようか──その前にバックパックを降ろさないとね。後、匂いの凄い奴、後ろに下がれ、キャピーが興奮するから」
「では、実験お願いいたします」
 結果はアルアルアと同じであった。
「こんなちっぽけなもんじゃ、幾らでも食うんじゃないか?」
 とフォンがさり気なく、疑問を投げかける。
 ゼルス・ウィンディ(ea1661)はキャピー見つつ。
「さて、まずは仲良くなる事から始めたいのですが‥‥これはまた難しそうですね」
 スクロールを開くと銀色の光に包まれる。
「これが通じるのであれば、餌となる物が他に何かないかなど、そういった判断に役立つかもしれませんね」
 だが、効いた様子はない。
 それを見ていたキャプテン・ファーブルは──。
「大型昆虫──インセクトの類には精神に影響を及ぼす魔法は『デス』以外、有効ではないというのが、モンスター学者の間での定説でね。まあ、銀色の光だから月、月だから精神魔法だろうという憶測なんだけどね。間違っていたらゴメンね」
 向き直ったゼルス。
「でも、初めて対処するタイプのインセクトなら判りませんよね。試させてください」
 先程放った、チャームに続けて、テレパシーで表層的な思考だけでも読み取れないかとゼルスは試みてみる。
「駄目ですね。キャピーも通常のインセクトの範囲内に収まるようです‥‥ところで、街が近いというのは、万が一、キャピーが厄介な物に羽化した時に恐いですね。この島自体を調べるのも大事ですが、周辺の島についても把握できるところはしておきましょうか」
「安心して、ここは離れ小島だから──ともあれ、みんながいない間、コメート号も空いているし、スタッフも込みで貸し出すから、岸の村でも確認してきてくれたまえ」
 ゼルスが向かった先は寂れた小村であった。ここでは特段変わった事は起こらなかった。
 その一方で、ラックス・キール(ea4944)は‥‥。
「夏の宿題というものは締め切り直前に泣きながらやるものさ」
 と嘯きつつも──。
(昔、ばあやが話してくれた砂漠の国の謎の一族が巨大な蟲を操る物語。
 ワクワクしながらも御伽噺だと思っていたが‥‥。
 もしキャタピラーを思ったように襲わせられたら‥‥。
 十匹を襲わせたら都も落とせる──?)
 そんな野望は胸の奥に隠しておく事にするのだった。
 大体チャームが利かない段階で蟲の軍勢を操るというのはかなりデンジャラスに思えてきた。
 マップは完成し、島内では珍しい、山の幸を大量に取ってきたが、キャピーは無防備にそれを受け入れた。
「うーん、これはマリウス君発案のマンドラゴラ作戦が最良かもしれないな──早くこないかな」
 東を遠く見守るキャプテン・ファーブルであった
 これが冒険の最初の顛末である。