飛竜小隊訓練学科 〇一

■シリーズシナリオ


担当:なちか。

対応レベル:フリーlv

難易度:普通

成功報酬:4

参加人数:11人

サポート参加人数:-人

冒険期間:12月30日〜01月06日

リプレイ公開日:2008年01月04日

●オープニング

●ゴーレムグライダー飛行訓練科、設立
 これまでかなり少数だったゴーレムグライダーのパイロット候補生。
 メイの国全体でのゴーレムグライダーの貸し出しが少なかった事と、これまで重点的に本格的なゴーレムグライダーの実用運搬が円滑に運営されていなかった事もあり、ウィルとのゴーレムグライダー軍用レベルは格差が広まっていくばかり。
 そこで特別にゴーレムグライダーの飛行訓練科を設立する事になった。
 飛竜小隊訓練学科――通称・リトルワイバーン。
 竜騎士をめざす若きライダーを育て、将来的にはドラグーンのパイロット候補生として航空戦術、学術、実技訓練などを行う。

 第一期訓練生として、ゴーレムグライダー訓練生を八〜十名ほどを募集しており、鎧騎士以外の者も知識として取り入れたいもの、また技術を学ぶ機会を持ちたいもの、直接搭乗しないが訓練科のサポートに従事する事を志願する者も募集対象とする。
 なお初心者も経験者も全員一からのスタートだと思って欲しい。

 ウィルとの技術的、戦術的な格差とは言ったが、必ずしもウィルと同じ方法で運営されるのが望ましいという訳では無い。
 メイにはメイの環境や状況があり、それに伴ってウィルのそれと違う独特のカリキュラムも採用される事がある。
 そういう事からも、全員に同じ授業や実技などの試験を与えるものでは無い事を覚悟してもらいたい。

 さて――。
 それでは、これから進むべき道が君たちに目標指針としてあるのかどうか‥‥進路相談と行こうか。

●卒業までに目指す道を示せ
 君たちリトルワイバーンはまだまだ幼い雛のようなものだ。
 それに個人差もある。そこで先ずは君たちにとっての、この訓練学科に参加する理由、将来この学科を卒業するまでに『どうありたい』のか。何を目指しているのかを、明言してもらいたい。
 ドッグファイターを目指したいのなら、熾烈な格闘模擬戦闘(空戦)が待っているし、正確な爆撃を主軸とした空爆の特化訓練も志願者には用意してある。
 各々が持てる力、そして己が目指す明確なヴィジョンを指し示して欲しい。

 君たちの将来を強力にサポートする為、そこから個人向けのカリキュラムを準備する為にもこの進路相談は必要な事だ。
 しっかり考えて提出するように。
 またこちらが適正試験などで判断し、進路変更のアドバイスをする場合もあるが、最終的には自分が決めた道に進むべきだろう。
 だが、この訓練学科を卒業するには生半可な気持ちでは厳しいぞ。

 全員が無事に卒業できるかは、君たち次第だという事を、常に肝に命じておくように。

 それから、一応適正試験を受けてもらおう。
 ただの適正試験だ、これで合格不合格などという事はしない。
 ‥‥ふふ、ひとつ見せてもらおうじゃないか。君たちのその覚悟とやらをね。

 そうそう、申し送れた。
 私はこの飛竜小隊訓練学科の講師、ゲヲルグ・リューガー。
 いかつい名前かも知れないが、実は‥‥いや、私の事は近いうちに話しておこう。授業は厳しいかも知れないが、不屈の闘志でついて来てもらいたい。
 以上――。

●今回の参加者

 eb4257 龍堂 光太(28歳・♂・天界人・人間・天界(地球))
 eb4482 音無 響(27歳・♂・天界人・人間・天界(地球))
 eb4532 フラガ・ラック(38歳・♂・鎧騎士・人間・アトランティス)
 eb7875 エリオス・クレイド(55歳・♂・鎧騎士・人間・メイの国)
 eb7880 スレイン・イルーザ(44歳・♂・鎧騎士・人間・メイの国)
 eb8378 布津 香哉(30歳・♂・ゴーレムニスト・人間・天界(地球))
 eb8388 白金 銀(48歳・♂・天界人・人間・天界(地球))
 eb8475 フィオレンティナ・ロンロン(29歳・♀・鎧騎士・人間・メイの国)
 eb9700 リアレス・アルシェル(23歳・♀・鎧騎士・エルフ・メイの国)
 ec1201 ベアトリーセ・メーベルト(28歳・♀・鎧騎士・人間・メイの国)
 ec1370 フィーノ・ホークアイ(31歳・♀・ウィザード・エルフ・メイの国)

●リプレイ本文

●始動、リトルワイバーン!
「ふむ。なかなかいい面構えをしているじゃないか」
 そう言って飛竜小隊訓練学科に参加した鎧騎士をはじめとした冒険者たちを見回すゲヲルグ・リューガー講師。
「君たちがこうして集まってくれた事を嬉しく思う。どんなにゴーレム兵器が進化しても、改良されても、搭乗者がその高い性能に追いつかなければ仕方がない。鎧騎士をはじめとする搭乗者である君たちの『進化』がゴーレム以上に必要なのだ。さて、私からの話はこれくらいにして‥‥と。そろそろ君たちの自己紹介と意気込みなどを聞かせてもらおうじゃないか」

●リトルワイバーンズ・イレブン
「今までゴーレムはいろいろ乗ってきたけれど、グライダーには乗ったことがないので今回の件を機に習熟度を高めたいというのがひとつ。これから先、航空戦力の重要性は高まっていくと思うから、訓練を受けられるなら受けておきたい」
 そう言って最初に立ち上がったのは、龍堂光太(eb4257)だ。また、空への憧れ、というのがもうひとつの理由だという彼は、天界で大空を駆ける『飛行機』を何度も見上げ、思いを馳せてきたのだという。
 これまでの戦いでグライダーだけでなく、空飛ぶ『翼竜』の脅威。更にカオスゴーレムという謎めいた異形のゴーレム兵器も空を飛んでいた事を思い出し、これからの戦いで『制空権』を獲得する事の重要性を認識している事を話した。
 その上で彼が選択した進路は『ドッグファイター』だったようである。
「そういったものに対抗するには、これから空戦技術を研究し、蓄積していかなくてはならない。個人技だけでなく、連携などについても。いろいろと手探りで進んでいかなければならないけれど、それだけにやりがいはある」
 ――最後に、そしてゆくゆくは前線を支えるとともに、後輩たちを教導できるだけの技量を身につけたいと考えています、と締めくくった。
「ふむ、私のように『指導』する側への道も考えているようだな。よろしい。それでは次」

「はい!」
 音無響(eb4482)が気合の入った返事を返して立ち上がる。
「この世界で、色々な人達の笑顔を守っていく為には、もっと沢山の事を学ばなくちゃって思ったから‥‥」
 学ぶ事で、知る事で開ける道もある。それを意識しながら。
「それに、大宇宙への夢、いつかそれを叶える為にも、色んな事を知って、自分の力をもっと付けたいから。あと、俺、噂に聞いたドラグーンって奴にいつか乗ってみたいです!」
 音無はその憧れを現実のものにするべく努力する事を選択した。彼の笑顔には、信じる強い思いから来る――希望に満ちているようにも見えた。
 そんな彼は、魔法を使った連携を考えているようだ。
「風信器のつめないグライダーで、テレパシーを利用して仲間と連絡を付けながらのコンビネーションや、空中から地上の人への連絡係等も出来ます」
 現在ごく少数しかメイの国に存在しないが、消音性能の高いサイレントグライダーを使っての隠密行動や危険領域での先行哨戒などがもしかしたら有効かも知れない。
「石に齧り付いてでもついていきますから、どうか宜しくお願いします!」
 音無はそう言って頭を下げ、締めくくる。

 ウッドゴーレムの再開発の案件があると上記にあるが、ゴーレムグライダーの素材も木材。これから再開発の企画(プラン)が進めばこれから少数ながら特殊なグライダーが生み出される可能性だってゼロではない。サイレントグライダーのようなものをメイの国で独自に生み出せる可能性は少なからずあるだろう。
 もちろんコスト面や開発プランそのものは現在の方針からは横道に逸れるものであり、確定したものではないが、先日メイディアに召喚されたとある腕利きのゴーレムニストがウッドゴーレム再開発企画(プラン)を持ってやって来た、という噂がゲヲルグのもとにも聞こえてきていたらしい。

 一から学びなおしたい、と立ち上がったのはウィルからやって来たというフラガ・ラック(eb4532)だ。
「ウィルにいたころ、基礎的な飛行訓練は受けたことがありますが、実際の飛行経験はメイに来てから実戦でのものがほとんどです」
 メイで行ってきた実戦でのグライダーの運用方法は、ほとんどが偵察や哨戒、または魔術師を後ろに乗せての魔法攻撃の手段として用いられてきたという彼は、あくまでも彼自身が参加した作戦での経験談から、グライダーで格闘戦を挑む機会はほとんどなかった事を明かす。
「この機会に本格的にグライダーでの格闘戦術を修めておきたいと考えます。いずれは『天空の騎士』の異名で呼ばれるようになりたいものです」
「天空の騎士、か。随分勇ましい事だ」
「今後の課題としては、回避技術、および航空知識の向上でしょうか。この二点は格闘やゴーレム操縦技術に比べ、明らかに劣っていますので‥‥」
「そうだな、戦うといっても、生き残る手段を学ぶのも必要だろう。もちろんウィルでの戦いとメイでの戦いは随分違っていただろうが」
 加えてこれまで習得した戦闘技術を空戦で応用したいとも考えているようだ。
「ここでは学ぶだけでなく、自分で考え、実践していくという『自由課題』も君たちに与えるつもりだ。それが本当に可能なのか、それがどういう場合に作戦としてどの程度使えるのか、そういう可能性を模索するという向上心も求められる。だから例え失敗してもその失敗を研究し、その教訓を活かし次のステップへと結びつけていくんだ。――次」

「カオスの穴が封じられたと言っても未だカオスの跳梁は続き、後ろにはバの連中も見え隠れはしている。ここで己をもう一度見直し、鍛えなおすためにも志願した」
 激化する戦況の、『その先』を見据えている。エリオス・クレイド(eb7875)はそして、対大型翼竜戦を念頭に置いたドッグファイターという選択をした。
 カオスニアン、恐獣、バ国、そしてカオスの者。メイの国に容赦なく襲い掛かる脅威は果てしなく強大だ。
「カオスの魔物が出てきた場合、空戦もありうるだろうから、それも将来の目標とはしておくつもりではあるが、まず目標として翼竜とも戦えうる腕を磨きたく思ってる」
 空からの猛襲というのは地上にいる者から見ると本当に脅威である。特にカオスニアン率いる恐獣部隊に翼竜が混じっていると非常に厄介である事はこれまでの戦いで何度も経験している。だからこそ、空対空にも対応したゴーレム兵器であるグライダーでの格闘戦を学ぼうとしているのだ。
 彼は独学でグライダーに乗ってきたという事もあり、宣言の通り、基本から立ち返って技術や知識を学びなおしたいという気持ちがあるようだ。

 スレイン・イルーザ(eb7880)はどちらかというと寡黙なタイプの男だ。言葉こそ少ないが、無言実行を常とする。
 将来的にはドラグーンのパイロット候補生を目指したいと考えているようで、そちらに関連した技術を中心に習得する事を考慮しているとの事。
 その上で『ドッグファイター』――格闘戦を念頭に置いての方向を定めていると締めくくる。
「ドラグーンは地上ではゴーレム操縦、格闘などが中心だが、一転、空に上がれば航空などが必要になってくる。ドラグーンの性能をフルに発揮するには相当の熟練度が必要になるだろうが、その全ての技術を習得する事は非常に難しいだろう。そういう意味では中途半端な『器用貧乏』になってしまう可能性もある。だからこそ、君たちは自分達の目標に向けた『選択』が必要になってくる事を改めて知るべきだ。では次」

「俺は別にゴーレムグライダー訓練生になりたくて来たわけではないんだ。俺がなりたいのはゴーレムニストだ」
 こう切り出したのは布津香哉(eb8378)だった。
 ゴーレムに関する知識を現場で学ぶ事はゴーレムニストにとっては重要な事だ。
「グライダーなどを製作するために必要な知識を学ばせてもらおうと思って、今回参加させて貰ったってのが志望動機だな。以前ゴーレムニストの講習中にチャリオットやグライダーなど、またフロートシップについては、究極一人でも製作が可能だ。ただし船大工やグライダーの機体設計の技術が必要だと聞いたんでね」
「ふむ、ゴーレムニストか。これからの事を考えるとゴーレムニストを育てていくという事も必要になるだろう。基本構造や機能、特性、特徴、学ぶ事は多いかも知れないが、ぜひ柔軟に吸収していってくれ」
 卒業までにゴーレムニストに転職し、グライダーの修理や整備くらいできるようになっていたいものだな、と締めくくった。

 男性陣の中で最後に立ち上がったのは白金銀(eb8388)だった。
「私はグライダー等ゴーレムに関する航空戦術も含む技術を改善する事により、メイのお役に立ちたいと思っています。その為にはまず、現実のグライダー操縦や運用、戦術等を身を持って知らなければ、私自身の考えが『机上の空論』になってしまうと思い、今回リトルワイバーンに志願しました」
 現状を知って、改善を模索する。彼は現場サイドの技術者が最終的な目標だと語った。
 現時点で『選択肢』の少ない航空兵力であるグライダーをこれからどのように扱っていくのか、それを思案する為には『今を知る』事だと考えているようである。
 ゲヲルグはそんな現場の技術者という指針を黙って肯いて答えてみせる。
「だが、考えを実践するにあたり、臆病になるなよ。最初から『答え』をふるいにかけるのは可能性を潰す事を意味する。やってみて、失敗した時はそれを学べるのだから、と‥‥これはさっきも言ったな。よろしい、それでは女性陣、行ってみようか」

●リトルワイバーン・ガールズサイド
 女性陣一番手は元気一杯のフィオレンティナ・ロンロン(eb8475)が立ち上がった。
「グライダーでの実戦経験はあるけど、「コレが基本だ」っていうのはまだ分かってないから、もっと応用を利かせる為に一から勉強したいと思いましたッ!」
 これまでゴーレムグライダーを主軸にした部隊などがほとんど無かった事もあるが、やはりグライダーを知るという事も含めた上での基本を学ぶという姿勢が彼女にはあるようだ。
「いずれはメイ製のドラグーンに乗れるような鎧騎士になる事! 勿論乗れるだけじゃなくって、ちゃんと戦えるようにならないとだけどっ!」
「ふむ。覚悟は出来ているようだな」
「はい! だから空戦技術の修得に加え、ドラグーンが完成するまではこれまでも有効的な戦法だって判明している、フィーノみたいなウィザードや弓兵を乗せての戦い方も身に付けたいと思ってます!」
「現時点では完全な複座式のゴーレムグライダーというのは開発されていない。そこまで有効であるというのなら、これから先、そういうグライダーも本当に開発されるかも知れないな‥‥実戦上で有効だというその戦い方を更に洗練するという考えは面白い。同乗者を含めた戦法の確立というものも一つの方法だろう。よし、次」

「うーん。誤解を恐れずにぶっちゃけると、ドラグーンに乗りたいから、かな?」
 そう言って苦笑したのはリアレス・アルシェル(eb9700)だった。
「ドラグーンが格好良いからとか上位金属の強い騎体だから‥‥と言う事じゃなくて、『誰よりも先に戦場に駆けつけ、味方を、そして人々を護ることが出来る存在』だから」
 もちろん憧れは強いのだろう。だがそれ以上に強い『思い』があった。
 これまでの戦いで、幾度となくゴーレムの移動の遅さに泣いた。ゴーレムシップやフロートシップで思うように動けない事に泣かされた。そのもどかしさがあったからこそ、思いは高まった。
 もちろんメイの国の現状ではドラグーンの完成はまだまだ先の話。だが、それでも誰よりも早く先陣を切りたいと思うのは、攻めるのではなく守る為。固い決意があった。
 この訓練学科では多くの事を学ぶ為グライダーを使っているが、グライダーを疎かにする気も無い。
「グライダーによる爆撃が戦術化されれば、ティラノとか相手に歩兵やゴーレムで危険な戦いを挑まなくても良くなるし、とっても有効だと思う」
 これまで作戦上ではかなり少ない頻度の上空からの爆撃。ここでの訓練で更に戦術として確立されれば、よりグライダー戦の幅が広がるだろう。

「依頼で何回かグライダーに乗って戦ってきましたが、相手の翼竜やグライダーにランスを手になぎ払うか、地上に対しての火炎瓶や礫の爆撃、同乗者の射撃か魔法という三つぐらいしかレパートリーがなかったので、学術や戦術を学びにきました」
 ベアトリーセ・メーベルト(ec1201)はそう言って立ち上がる。
 もちろん彼女の経験したそれらは『有効』だった戦術である。ただ、グライダーそのものの動かし方に関して言えば『イメージ』の豊富さがより戦術の幅を広げるといっていい。これは人型ゴーレムでもグライダーでも同じだ。
 多くの場合、その『意識』は経験からのイメージがほとんどだが、実際に動かそうとするとどうしても平常時とは違い、機動が大人しくなってしまう。『イメージ』が凝り固まり、当たり前の運動しか出来なくなってしまうのである。
 経験者なら尚の事、こうする時はこうするのが一番だと経験上、無意識に体が動いてしまう。それはそれで正しいのだが、ゴーレムの場合、その限界を超えるまでは『イメージ』が更に自由度を高めてくれるのである。
 ――つまり、『それが出来なくなる』という瞬間は、ゴーレムの限界を超えようとした瞬間なのである。
 鎧騎士の場合、セオリーを重視してしまうあまり、その自由度を自らが狭めてしまっている場合が多い。それを改めて再認識し、もっと強く、『思い』をぶつけてみるのも大事な事なのかも知れない。

「今までの会戦の例を見るに、ゴーレムグライダーは操縦者より寧ろ同乗者を主な戦術要素としてきた節がある。‥‥まあ両手を離しては転げ落ちるゆえなぁ。今回の訓練でソイツが劇的に変わる可能性があるならば、我々ウィザードや弓手もそれに応じて戦術を構築していく必要がある」
 つまり、グライダーの同乗者として、グライダーの戦術上の武装としての『火力担当』を目指そうとしているのはウィザードのフィーノ・ホークアイ(ec1370)だ。
「ま、前が気張っておるのに後ろがのんべんだらりでは申し訳ないとそう言うわけだの」
「グライダーの戦術で有効であるという搭乗者と同乗者による操縦と火力の分担を明確にし、それぞれの役目を全うしたいと、そういう事だな」
 フィーノは肯くと。差し当たって最終目標は――グライダー同乗者の為の戦術教本の作成だの、と返す。
「なるほど、同乗者側の立場でグライダー戦術を確立する、か。面白い。ここでの訓練でその技術を確立させるつもりならば、成功も失敗もあるだろうが、試行錯誤して作り上げていく事だ」

 男性七名、女性四名、十一名の訓練生がこうして誕生した。