松本清無頼帖 ざ・むーびーfinal

■シリーズシナリオ


担当:小沢田コミアキ

対応レベル:1〜5lv

難易度:やや易

成功報酬:1 G 29 C

参加人数:6人

サポート参加人数:-人

冒険期間:11月16日〜11月23日

リプレイ公開日:2005年11月24日

●オープニング

 ----これまでのあらすじ----

 結束の儀式を経て、遂に反上州連合は発足した。連合を引き連れ、清は決戦の地・上州は新田郡へと赴く。上野国全土を覆う乱の炎、その首謀者新田義貞へ反感を抱く民草や侠客が連合の下に集い、いま新しい歴史が胎動を始めようとしている。多摩の薬売りから身を立て冒険者となった清。彼の率いる連合の下に集った多くの仲間の熱で、流れはやがて大きなうねりへと。これまで平凡な人生を送ってきた青年は、連合の長となることで否応なくこの歴史の荒波に飲み込まれていく。
 立ちはだかる巨大なる敵。義貞の誇る家臣団、新田七党十一郎を相手取っては清達は余りに無力。義貞の放った墨党の攻撃に晒され、連合は為すすべなく劣勢においやられる。そんな逆境の中、遂に清は逆転の一手に出ることを決意する。松本清は単身、伊党の華西虎山の配下である妖術使い集団の妖華堂家の下を訪ねる‥‥!

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 とまあなんか大事になってる清君。
「な、なんか粗筋がこないだと違ってる気がするんだっぜ‥‥」
 当初、ライバル視していた七唐十一朗は、義貞の家臣団である新田七党十一郎のうちの一人。新田の新参家臣、伊党の華西虎山という武将のお抱え商人である。打倒七唐を掲げた連合は、どこをどう間違ったか、いつの間にか反上州連合は新田義貞の七党十一郎を打ち倒して上野の乱を平定する集団だということになっていた。
 前回ショウが洒落と勢いで言った反上州連合が何だか噂になって流れるうちに、尾ヒレ背ヒレに胸ビレまでついてあっという間に民草の間に広まった。清もおだてにノリやすい性格でいい気になってしまい、しまいには上将サマなどと持ち上げられて上機嫌。オマケに裏方組が
『奥多摩の生んだ奇跡の大冒険者』
『依頼解決率100%』
『革命の勇者』
 などと持ち上げるものだから、民の期待も高まる高まる。そのお陰で、義貞に反感を持った民草や侠客が多く清に期待を寄せて集り、しまいには何と義貞の下を追われた元新田四天王の由良具滋まで身を寄せてしまったからさあ大変。
 しかも、せっかく大出世したのに中身は変わらないもんだから、表舞台に出ればボロがでる。という訳で普段は少数の取り巻きを従えて本拠の屋敷の奥に篭って、滅多に連合の仲間の前へは姿を現せない。これではモテるも何もない。しかもそうやって普段から露出を控えるものだから、謎が謎を呼び清への期待は高まる一方。
「もう引くにひけないんだっぜ! 今度こそ俺がモテるためにしっかり頼むじゃん?」


 新田郡入りした反上州連合は義貞が本拠大田宿から東に数里ほど離れた村に身を寄せている。この村の庄屋が清の心意気に惚れ込み、彼らに屋敷を提供したのだ。今は義貞の攻撃を警戒して、軍事政治行動は行わずにあくまでも自警団としての活動をしながら展望を窺っている。
 だが連合に身を寄せる由良具滋を狙って、野盗に偽装した追っ手が執拗に村を襲撃。あっという間に清は窮地に追い込まれていた。
「しっかしよォ、いったいつになったら上将サマは反撃するんだ? 俺、上将サマのお姿をいちど見たけどよ、とても強そうには見えねえし。実際に戦ってるとこもまだ一度だって‥‥」
「馬鹿野郎! 上将サマは普段はああだが、怒るとめっぽう怖ェって噂だ」
「暴れると手が付けられねえらしいからな。何せ若い頃に海の向こうに渡って妖怪の群をなぎ倒したらしいからな」
「そうそう、百人からの盗賊の集団を指先一つでダウンさって話だぜ」
 まだ民草は清のことを信じているようだが、これ以上沈黙は守り通しきれない。ここらで一発動きを見せないといずれ化けの皮は剥がれてしまうだろう。そんな折に、ヤクザの情報網にある噂が飛び込んできた。
 ――伊党の華西配下の妖術使い妖華堂が、近々大田のとある料亭をお忍びで訪れる。
 噂では少数の護衛を連れて秘密の会談を行うという話だ。相手はあの七唐十一朗。当然、この情報は連合の長である清の下へも届けられた。
「上将サマ、これは千載一遇の好機です!」
「何卒、何卒‥‥!」
「分かったっぜ! 但し、お前たちはついてこなくてもいいんだっぜ。俺一人に任せるじゃん?」
「な、何と! お一人で!!」
 ざわ‥
  ざわ‥
「俺に全て任せるじゃん? 必ずやこの好機をものにして連合の危機を救ってやるだぜ! 親類縁者と、この反上州連合の名に賭けて!!」
 なんかそーいうワケだから後のことお願い。

●今回の参加者

 eb0568 陰山 黒子(45歳・♂・僧兵・人間・ジャパン)
 eb0569 小 道具(35歳・♀・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)
 eb0576 サウティ・マウンド(59歳・♂・ファイター・ジャイアント・ビザンチン帝国)
 eb0579 戸来朱 香佑花(21歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 eb0738 ショウ・メイ(17歳・♂・ジプシー・シフール・エジプト)
 eb2614 秤 都季(40歳・♀・陰陽師・パラ・ジャパン)

●リプレイ本文

 反上州連合と繋がりのある新田郡のヤクザ、その情報網が遂に七唐の動向を掴んだ。情報は直ちに連合の長である清の下へ届けられ、対応が論じられた。
「密会の相手はあの妖華堂だという。少数の手勢しか連れぬお忍びの場とあれば、これを討たずして我らに活路はない」
「ですが‥‥流石にお一人でいかれるのは如何に上将サマといえども無謀なのでは‥‥」
 アジトである庄屋屋敷の奥座敷では連合の幹部が集っている。
 その上座に座るのは清。
「いいからここは俺に任せて、お前たちはもう下がるんだっぜ」
 強引に幹部たちを追い出し、やがてパタンと音を立てて扉がしまると。
 ずずずいっ。
「清‥‥また調子に乗って大言壮語を吐いたね?」
 物陰から現れたのはら裏方組の面々。戸来朱香佑花(eb0579)が睨みつけると清が肩を竦めて縮こまる。その両脇をショウ・メイ(eb0738)と小道具(eb0569)が挟み込んだ。
「上将様? なんだかすごいことになってるね清ちゃん」
「うぅ、清君何時の間にかこんなに立派に‥‥嬉しい限りっすよ。‥‥ん、あんたらのせい? いやいや、清君が持って生まれたものっす、自分達はそれを引き出しただけに過ぎないっすよ」
「そ、そんなもんじゃんか?」
「ボク達が来れない可能性だってあったんだよ? もう少し考えて発言しないと、そのうち死ぬよ?」
 おだてられるとついつい調子に乗ってしまう清くん。そこは香佑花がしっかり釘を刺しておく。何か言おうとした清の尻を、容赦なく香佑花が蹴飛ばした。
「いっぺん、死んでみる?」
 冷たい視線で見下ろすと、清の胸を去来する苦しかった拷問もとい特訓の日々。内容は兎も角として死線を潜ったのは確かな話で、小刻みにあわあわと震え始める清。それさくっと脇に置いておいて、裏方組は全員揃って拳を突き上げる。
「さぁ、最後のサポートをきっちりこなすっすよ、野郎どもカチコミじゃー!!」
「さぁて、今回が裏方組の総力戦、清に対する最後の一締めってねぇ。清ぃっ? 覚悟してきなよぉ?」
 そういって秤都季(eb2614)が取り出したフリップには。


 《モテ仕込み・最終章》

  【タイムテーブル】
   モテ仕込み・復習
     ↓
   密会に殴り込みする清のお供
     ↓
   清の大活躍
     ↓
   モテモテ!!

  【分担】
   ・モテ仕込み
    小、都季
   ・側近(お供、護衛)
    サウティ・香佑花・都季
   ・不明(確認できず)
    黒子・ショウ


「て感じでぇ? 今回は料亭に行っても見劣りしない見栄えと、殴り込みした時にしっかり戦えるように鍛え直しぃ♪」
「何ぃ!」
 と素っ頓狂な声を上げたのはサウティ・マウンド(eb0576)。
「何か文句でもあるのぉサウティ??」
「今回は眠りの清はやっちゃいけねぇだとぉ!!?」
 まー、あれやると永眠しちゃうからね。
「さぁてとぉ♪ 時間もないし巻いてくよん♪」
 特訓は一昼夜にも及んだ。
 その間、清の部屋周辺は厳重に人払いがされ、奥座敷からは悲鳴ともつかないくぐもった声が洩れ聞こえた。ついでにケラケラ笑う音とハリセンの音、殴りつけるような鈍い音などバラエティに富んだ音が混じっていたとかいないとか。
 そして翌夕。
「いよいよ上将様が出陣なされるぞ!!」
 襖が開き、清が表へ姿を現した。
 庄屋屋敷の中庭には百近くの連合の民が集っている。清の脇には肩膝を付きの姿勢で香佑花が控え、その後ろにも裏方組の面々が影のように付きしたがっている。
「じゃぁ皆、清ちゃん‥‥じゃなかった上将様が出かけて来るから後押し御願いだよ。最強人間松本が、今日も伝説を造っちゃうかもねー」
 ショウがケラケラと笑いながら清を見ると流石に緊張した様子。
『清ちゃんこういう時はね‥‥』
 何やらごにょごにょと耳打ちする。やがて清が難しい顔で頷いた。
 しんと静まり返った庄屋屋敷。何十もの視線を向けられながら、清が拳を突き上げた。
「反上州連合の未来はオレが切り開くじゃん!」
 おおおーーーー‥‥!
 どよめきが起こり、その波が引くと同時に今度は喝采が押し寄せる。それに送られながら清は村を後にする。
「どうか御武運を!」
「ご無事でのお帰りをお待ちしております!」


 新田郡太田宿。某料亭。
「月末にも華西殿が兵を募るという話。その折りには七唐殿にも幾許かの資金を受け持って頂きたい」
「華西様の、ひいては義貞様のお頼みとあらば首を横には振れますまい。なに、その分は商いで儲けさせて頂ききますので、妖華堂様」
 その奥まった一室ではごく僅かの護衛だけを連れてそこを訪れている。妖華堂は細面のまだ若い青年。一方の七唐は恰幅のいい大旦那といった風だ。
「ときに妖華堂様。聞けば今回の募兵は領内から
取り立てるとのこと。やはりまた城中に動きでも?」
「それについては」
 にこりと微笑を返すと、男は脇を振り返った。すっと廊下沿いの障子が開き、そこに控えていたのは。
 ぺらり。
『あっしは任侠裏方組所属、陰山と申しやす』(めくり)
 そこに跪くのは紛れもなく陰山黒子(eb0568)。
 その彼を照明が浮かび上がらせている。照明役はショウだ。
『此度はお耳にいれたいことがありまして参上しやした』
「先頃は東の村で民草風情が良からぬ動きを見せているということ。所詮は天下の趨勢も読めぬ愚民どもとはいえ、あの由良具滋が紛れているとなると――」
「いやぁ妖華堂さんの噂は聞いてるよー」
 言葉半ばでショウが口を挟む。
「凄い妖術とか使えるんだって? しかも強い、賢い、カッコイイ。良いなぁ、凄いなぁ、尊敬しちゃうなぁ」
「妖華堂様、このような者達を引き入れて一体何をお考えで」
 怪訝な顔の七唐。妖華堂がまた微笑み返す。
 黒子が七唐へ一通の書簡を差し出した。そこへ目を落とした男の表情が一変する。したためられていたのは反上州連合の規模や組織構成などの事細かな情報だ。
「これを基に由良ともども連合を討ち、然る後にその兵を外へ向ける。義貞様には上野を平らげて頂くためにも、連合とやらには皆殺しになってもらいましょう」
 その時だ。
 バン!
 襖が音を立てて開かれた。そこには3人の冒険者の姿。両脇に都季と香佑花、真ん中に立つのは勿論清だ。
「な、何者だ‥‥!」
 驚いた七唐の視線が清の体を上下する。
 今回の衣装は小が特訓中に丹精込めてコーディネートした晴れ着だ。連合の長として舞台に上るからには恥ずかしくない格好でなければならない。派手すぎず、かといって地味すぎず、かつ美しく。着流しは上質の織物を使った逸品。懐からは貧相な胸板にさりげなく扇子が覗いて全体をコーディネート。髪も椿の鬢付け油でキチっと揃えて一分の隙もない。まるで遅れてきた七五三のように初々しい馬子にも衣装な雰囲気を演出している。

 *問題点1:本体が貧相

 部屋の隅では小がこっそり清を応援している。
(「見た目それなりで行動がしっかりしてるなら結構モテるものっす。頑張るっすよ、清君」)
 が、清は固まって言葉が出てこない様子。香佑花が横目で清を睨みつけるが、例によってテンパってるだけだ。都季が肘で小突くと、それに背中を押されて漸く声を張り上げた。
「ま、また争いをしたいのか、アンタはー!」
 ‥‥しーん。
 と静まり返る室内。

 *問題点2:決め台詞は名乗りの後に。

 その静寂を破ったのは妖華堂だ。
「はて。今日は他に人と会う予定はなかった筈ですが」
「この人はねえ、あの反上州連合の長、奥多摩が生んだ奇跡の大冒険者・松本清なんからねぇ?」
「俺は、不可能を可能にする男なんだぜ!」
「それは興味深い。ではその奇跡とやらをこの目で確かめさせて貰いましょう」
 妖華堂が片手をそっと上げた。その刹那! 奥の部屋から数名の侍が雪崩れ込む。白刃が清を狙って交差する。
「当たらなければどうってことはないんだっぜ!」
 特訓で唯一見についた回避術で華麗にかわす清。今回は都季仕込の華麗なオーバーアクションの振り付きだ。コンセプトは「見ただけで女の子を虜に」。指先からしなやかに腕を伸ばし、つま先でトンと畳を蹴ってひらりとかわす。んで着地と同時に半回転ターン、振り向きざまに斜め45度で決め顔ドン!

 *問題点3:ちょっとフリがヅカっぽい。

「ほほう。大言を吐くだけのことはあるようですね」
 妖華堂の下に集ったのは護衛の侍4人。今度は用心深く清を囲むようにじりじりと間合いを詰めてくる。そこへ隣の部屋からゆらりと現れたのはサウティだ。
「こういうのは俺の出番だな!」
 剣撃一閃。剛剣で一人を薙ぎ払うと切っ先を妖華堂へ向ける。
「俺なんかに勝てねぇやつが、上将様に勝てんと思ってんのか!!?」
 そこへ立ちはだかったのは黒子だ。
『この場を見られたからには生きて返す訳にはいきやせん』
「裏切ったか黒子ォ!!」
 サウティの剣撃を黒子の金属拳が受け止め、火花が散った。江戸でも有数の使い手のサウティだが黒子も義侠塾で培った力と技で応酬を見せる。侍達も清と切り結び、室内は激しい戦闘状態となる。不意に誰かが行灯にぶつかり、ふっと灯りが掻き消えた。一瞬の闇が訪れる。
 再び都季が明かりをつけると、そこには二人の清が。
「秘技、分身の術だっぜ!」
「お、俺が‥‥二人ぃぃ!!??」
 清本人が驚いてるのバレバレだが、人遁の術で清に化けた香佑花が何とか清を後押しする。
「いいからお前は黒子を倒すじゃん!」
 清(偽)に押され、清がよろめいた。その拍子に切っ先が黒子の腹にのめりこむ。黒子頭巾越しに絡み合う視線。黒子は糸の切れたようにその場で力なく崩れた。
「妖華堂、覚悟するっぜ!!!」
 それに時を同じくして清(偽)も妖華堂へ手裏剣を放つ。
 獣のような悲鳴が当たりに木霊した。手裏剣は妖華堂の足に突き刺さっている。その隙を突いて手裏剣を握った清(偽)が袈裟懸けに切り裂くと、そこから茶色の毛皮が覗く。倒れながら男は獣へと姿を変えた。
「き、狐!」
 喉が切り裂かれている。致命傷だ。そこへ表通りに馬蹄の響き。義貞の兵だ。
「清ぃ?みんなも!逃げるよっ!」
 既に七唐は逃げ出した後だ。ここで捕縛される訳にはいかない。清達は一斉に料亭を逃げ出した。


 この事件の後、義貞は連合討伐の大部隊を派遣した。
 密告を下に攻勢に出た新田軍。だが彼らを待っていたのは予想外の大打撃であった。そう。黒子が売った情報、そこには密かに虚偽が紛れ込んでいた。黒子は由良の命で動く二重スパイだったのだ。その事実を清が知るのは、まだしばらく先。上州の騒乱が収まった後である。
 黒子の遺体はいつの間にか消えていた‥‥。連合の民衆からは、具滋とともに戦う黒い姿がありあんな不審な格好見間違えようも無い、という声も聞こえたというが定かではない。行方は杳として知れぬままだ。しかし彼に言わせればソレすらも関係の無いことであろう。彼はそもそも『そこにいない人物』なのだから‥‥(めくり)。
「って、勝手にナレーションしないでくれるぅ?」
 後日。事を終えて裏方組一同は連合の村へ戻ってきている。ちゃっかりオイシイ役をやった黒子も無事に帰ってきている。ハリセンを手に都季がにまぁ〜と満面の笑み。
「イイとこ持ってったけどぉ、ミーティングは遅刻扱いなんだからねぇ?」
 スパーンとハリセン一閃。
「罰としてぇ、みんなにこの手紙渡しといてくれるぅ?」
『行くんでやすか?』
「ハリセンの唸りを忘れるなぁ〜?ってね♪」 
 さて。
 清が妖華堂を討った報せはすぐに風に乗って新田荘を駆け巡った。これを境に連合は明確に義貞と対立する。噂では数日後にも義貞が討伐の兵50を向けるという話だ。この事態に連合は震え上がった。
 再び連合の民は屋敷に集っている。不安そうな民衆へ、清はショウにあらかじめ仕込まれたいた台詞を口にする。
「皆、死ぬ時は一緒だっぜ」
 連合は大半が非戦闘員。表に立って戦えるのはヤクザ連中と、僅かばかりの由良家残党のみ。いずれ避けられなかった対立。異を挟む者は誰一人としていない。いつしか屋敷では上将コールが巻き起こり、連合はここに強く結束した。
 そんな様を遠く見ながら小が憂鬱そうにため息をつく。
「‥‥しかし、何でこうも清君が気になるっすかねぇ‥」
「小姐、まさか‥‥」
 ショウがケラケラと笑いながらいうと小は思わず頬を赤らめる。
「それにしても、清ちゃんももう立派な冒険者だね。もう僕達の力が無くてもやっていけそうだよね」
 少ししみじみ思いながらショウ。
「何があってもボク達『任侠裏方組』は清ちゃんの味方だからね、必要な時はいつでも呼んでほしいよね」
「ピンチだったら速攻で駆け寄るっすよ」
「余りにもヘタレっぷりを見せたら、後で地獄の再特訓で叩き直してあげる‥‥フフ」
「さぁて! んじゃ帰るか、江戸に!」
 パパパパッパパー!
 松本清はレベルが上がった!
 回避能力が若干派手になった。
 名声がすっごくたくさん上がった気がした!
 そして松本清は、冒険者から革命家へとジョブチェンジした!!

 冒険者たちの狂育で、多摩のしがない薬売りだった青年は、一人前の冒険者となりやがては何かの間違いで歴史の表舞台へと躍り出た。反上州連合の長となり義貞へ戦いを挑むことで、松本清の冒険はいよいよ第2ステージへと突入する。