反体制勢力。をプロデュース  その3

■シリーズシナリオ


担当:小沢田コミアキ

対応レベル:5〜9lv

難易度:普通

成功報酬:2 G 19 C

参加人数:10人

サポート参加人数:-人

冒険期間:01月11日〜01月16日

リプレイ公開日:2006年01月23日

●オープニング

 中世世界において最強の兵器が何かご存知だろうか。投石器? 破城槌? 戦車? 答えは全てノーだ。その答えとは、城である。
 石造りの堅牢な城壁と数々の防御施設によって生み出される防御力。大部隊の駐屯を可能とする基地能力。そしてそれを支える大量の物資の保有を可能にする兵站能力。この城という兵器は、それまで存在していた砦と呼ばれる前哨基地とは一線を画する能力を有している。それは単なる防御施設という括りには収まりきらない。中世世界においては巨大なる兵器であった。
 これから冒険者達が攻める金山城は、その中世最強の兵器である城の中でも、東国随一の堅牢さを誇る山城。百五十年の昔に建てたられた城ながら、その築城技術水準は神聖暦一千年の現代のものと比しても高水準に達している。事実、この稀代の名城金山城はジ・アースの歴史においても一度たりとも陥落したことはない。太田に伝わる伝説では、150年の昔には逆賊・平将門がこの地に逃げ延び、2万の朝廷軍が攻めるが金山城において退けたとも言われている。先の義貞の乱では新田軍によって義貞の手に奪い返されたが、それも城攻めによる落城ではなく領主の降伏によるものであった。
 そして今この城を守るは、新田軍中でも随一の荒武者、四天王筆頭の篠塚伊賀守。そして外様ながら夏の反乱以降に頭角を現した武将、華西虎山。新田勢で考えられ得る中で最悪の布陣。この至強へ挑むは至弱の軍。多摩の薬売りから身を立てた奇跡の冒険者・松本清と、彼に率いられた農民や侠客を始めとする民草達――。


 ‥‥という展開は例によって置いといて。


 二日間に渡る特訓の日々で、遂に清の逃走本能に火がついた! 新必殺技・雲竜尾旋脚によって天翔ける龍となってどっか行っちゃった清のせいでホントどうもすみません。これから戦だというのに総大将がいないというサプライズ。このままでは連合は戦わずして負けてシマウ。
「という訳で手っ取り早く影武者を用意してしてみました」
 清の側近である隠密血風衆の中でも特に忠誠が強く清に似てるっぽいのをチョイスした精鋭部隊。その名も松本清五人衆!
「俺の名は松ノ戸清」
「あっしが松本ヒヨシでやんす」
「拙者は松本清水(きよすい)にござる!」
「‥私の名は松事清‥‥」
「そしてワシがまるごと清じゃぁぁぁぁ!!」
 何か最後のは違う気もしたが偽清五人組見参!
 こうして偽清を影武者に立てていざ出陣!!
 で、本物の清は‥‥?
「清君のことっすから、お腹が空いたら帰ってくるっすよ」
 同じ頃。
「は、腹減ったんだっぜ‥‥(こそこそ)」
 極度の減量により清はアニメ処理でがりがりに痩せこけていた。しかし連合の村には猫の子一匹見当たらない。城攻めに全兵力を向けるに当たり女子供は奥多摩へと疎開しており、村は既に破棄された後であった。腹は減りっぱなしだが食べ物は見当たらない。
 極限に追い込まれた清の七色の脳細胞が高速で回転を始める。
 ポク。
 ポク。
 ポク。
 ポク。
 チーン。
「そうだ! 城攻めの本陣に行けば飯もきっとあるはずっぜ。はぁぁぁっ!!奥義!【偽善使いの制限時間】!! 来たぜぎゅんぎゅん正義感!! 気持ちが高まった所で雲竜尾旋脚じゃん!!」
 踵を返して走り出す、目指すは金山城!!
「まずは兵糧のある場所を【絶対無敵の微笑】で聞き出すじゃん! 後は猛虎平臥ノ形で飯をイタダキじゃっぜ!!」

●今回の参加者

 ea3619 赤霧 連(28歳・♀・侍・人間・ジャパン)
 ea9028 マハラ・フィー(26歳・♀・レンジャー・ハーフエルフ・インドゥーラ国)
 ea9884 紅 閃花(34歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 eb0568 陰山 黒子(45歳・♂・僧兵・人間・ジャパン)
 eb0569 小 道具(35歳・♀・武道家・ハーフエルフ・華仙教大国)
 eb0576 サウティ・マウンド(59歳・♂・ファイター・ジャイアント・ビザンチン帝国)
 eb0579 戸来朱 香佑花(21歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 eb1758 デルスウ・コユコン(50歳・♂・ファイター・ジャイアント・ビザンチン帝国)
 eb2743 ヴェルサント・ブランシュ(36歳・♂・バード・エルフ・イギリス王国)
 eb3859 風花 誠心(32歳・♂・僧侶・人間・ジャパン)

●リプレイ本文

 金山城を落とす! そんな大勝負へと挑むこととなった連合の中にあって、別の目的に燃える冒険者達がいた。落とすのは城じゃない! この大舞台で一世一代のボケを! 城を落としてもギャグが落ちなければすなわち是敗北也。冒険者達の無謀な挑戦がいま始まる――!
 出陣の朝、戸来朱香佑花(eb0579)は戦装束に身を包んで清の部屋を訪ねていた。
「清‥‥僕、行ってくる。必ず帰ってくるから、ちゃんと待ってて」
 と言って見詰めるのは、座布団に鎮座する斑模様の卵『清』。清がいなくて困ったことになるかと思ったが、よく考えたらアイツ、別にいなくてもいいや。
 赤霧連(ea3619)は相変わらず能天気に構えているが。
「英雄は一番ピンチの時に必ず現れるものなのですよ! だから、清君はきっと私達を助けに来ます!!」
 ‥‥。
 ‥‥‥。
 ‥‥‥‥。

(10分後)

「た、多分です!」(チーン)
 ちょっと不安になっていた。
 ともかくも戦は始まる。連合は兵を率いて村を後にし、金山城を目指した。小道具(eb0569)も隠密血風衆として兵を率いて行軍に臨む。
「ふふふっ‥‥清君、逃げるとはいい度胸してるじゃないっすか‥これは、連れて帰った後はまた調教‥‥もとい修行っすねぇ?」
「とりあえず切っちゃいましょう。さっくりと。(ニコニコ)」
 ヴェルサント・ブランシュ(eb2743)と二人して何やら不穏なことを口走っている。あれだけ尽くしたのに逃げ出した清に怒り心頭のご様子。それはさて置き連がにっこりと微笑んだ。
「清君が戻るまでになんとかしたいですネ」
「この際、伝説に残るようなことを清さんの名で成し遂げるのもいいですね」
 と、マハラ・フィー(ea9028)。昨夜夜なべしてこさえた旗印には『モテ』二文字。清を象徴する文字ではあるが傍から見ると何を主張したいのか微妙なラインだったいるする。まあそんなんでも部下に掲げさせると軍の士気も高まったりして、時期に街道沿いに太田宿への関所が見えてきた。まずはそこを突破し、その勢いで城まで駆け上がる。先頭に立った小が拳を振り上げた。
「まぁそれは兎も角、野郎どもカチコミじゃー!」
 太田宿へ進軍した連合は金山城の手前で陣を敷いた。これより大手・搦め手に軍を分け、城攻めが始まる。そんな物々しい雰囲気の本陣で一人能天気に怪しげな料理に熱中する男がいた。風花誠心(eb3859)だ。
「我々では新田の正規兵には勝てないかもしれないですからね。そこで出番となるのが毒ですよ」
 誠心が焚き火で炙っているのはマムシ。出立前に兵を率いて狩っておいたマムシがかごの中に山盛り一杯。それを捌いて丁寧に串に刺している。通りがかった紅閃花(ea9884)が物珍しげに横合いから覗き込んだ。
「随分あやしげなお料理ですね」
「いやいや。これで何とか毒を抽出して敵の井戸に流そうと思いまして。蝮の猛毒なら炒って粉にすればきっと劇薬となる筈」
「あら。それはなかなか気の利いた持て成しの趣向ですね。もっとも私はご遠慮願いたいですが」
 言うと、横から自分の分の弁当を取って含み笑い。
「お弁当も持ちましたし、いざ金山城観光ツアー。楽しいたのしい遠足といきましょう」
 忍術で変装も終え、支度は万端。
「仕込みは全て終えました。後は成果を確認するだけ。さあ、踊り狂って、私を楽しませてくださいな?」
 さて。
 そんなこんなで城攻め開始間近。西城の近くで酒を嘗めて時を待つ男がいた。彼の名はデルスウ・コユコン(eb1758)。何を隠そう彼の正体こそは、去ってしまった聖夜祭を惜しんでか「メニー苦しめます」を連呼するラストサムライっぽい哀しみの髭巨人なのだ!
「って。それは正体というか殆ど謎の人では?」
 紅が思わず突っ込まずにはいられなかったようだが、それはさておき。
「メニー苦しめます^^」
 ハンマーを掴むとデルスウはおもむろに立ち上がった。開戦の狼煙が上がり、デルスウは西城を攻める歩兵隊に混じって城門へと攻め入る。手向かう敵にはハンマー握り締め必殺のスマッシュソードボンバー。
「メニー苦しめます^^」
 他に台詞はいらないぜとばかりの勢いでハンマーぶん回して大奮戦。
 が、そんな戦場の状況はひとまず置いといて。戦の始まった中、連合の本陣へこそこそと忍び寄る影一つ。
「むむ、あれは炊煙に違いないんだっぜ」
 勿論この人、松本清である。
「手っ取り早く食い物を頂こうじゃん。‥‥」
「歯を食いしばれー。そんな大人‥‥修正してやるっ!!」
 どこからか飛んで来たマリス・エストレリータの飛び蹴りが清の後頭部に炸裂する。というか食いしばれとかは蹴る前に言ってくれよという気もしないでもないが、哀れ清は悲鳴を上げて顔から地面に突っ伏した。頭をさすりながら清が顔を上げると。
「いてて‥‥‥‥はっ‥!‥」
 気づいた時には清を覗き込む冒険者たちの顔。サウティ・マウンド(eb0576)や陰山黒子(eb0568)ら裏方組の連中が既に兵糧の前で清を待ちうけていた。慌てて清が飛び起きるが、ヴェルサントがにっこり笑って死刑宣告。
「御仕置きをしましょう」
 なんかサウティとかハンマーぶんぶん振り回してるし既に清は半泣き。そこに容赦なく小が無言でケツストライクをかます。清的思考回路など疾うにお見通しとばかりに兵糧の前で張っていた冒険者達は、今度は定石通り飴と鞭を使い分けて清を絡め取る。
 黒子がそっとめくりを進めると。
『清殿‥‥連合に戻れば、居るだけで手柄は清殿のものでやす。民衆を奮起させ、逆賊を討った英雄‥‥さぞかしモテるでやしょうねぇ‥』
「お、そいつぁいいじゃねえか清! まさに男の本懐だなこいつは!」
『さらに、新田を討てばお上から恩賞もありやしょう‥‥しかしソレを「この度の功績は民たちのものだ。恩賞があるならばそれは今回被害を被った民たちに与えてほしい」とか言って、謹んで辞退するんでやす。そうすればもう好感度上がりまくり。女の子たちのきゃーきゃー言う声が聞こえてくるようでやす』
「やっぱ男は潔くなきゃあな! どうだ清、お前も若い娘さんにきゃーきゃー言われてみようぜ! な?」
『そんなお膳立てが出来ているんでやすが‥‥いえ、戻らないんなら良いんでやすよ? 自分たちの手柄が増えるだけでやすから』
「おう、俺達の手柄にしちまうぜ!!」
 黒子とサウティの息もつかせぬ掛け合いで畳み掛けると清もまんざらではない様子。
「モテモテ‥‥」
 などと呟きながら鼻の穴を膨らませている。そう、このモテモテの為に清は薬売りを廃業して冒険者にまで転身したのだ。ここでやらずして、いつモテる!
『総大将の責任が何でやすか。今までの地獄の特訓を思えば、もうこの世に怖いものなんて無いでやしょ?』
 それは悪魔の囁き(めくりだけど)。
 これまで地獄の特訓で何度か死に掛けたのを思えばもはや怖いものなどないようなそうでもないような。とりあえず単純な清脳はこの台詞に簡単に奮い立った。
「来たぜぎゅんぎゅん正義感! お、お、お、俺もモテてーんだっぜーーー!!」
 これにて清のことは無事に解決。ヴェルサントが清の手を取ってニッコリと笑う。
「では皆さん、上将御自らご出陣ということでサックリいってきましょう」

 上将松本清、前線に現る。その報が傾きかけた友軍の士気を奮い立たせた。これまで苦戦を強いられていた香佑花がその姿を見るなり駆け寄った。
「清、会いたかった」
 とかいいつつ膝に足を駆けたかと思うと膝蹴り一閃。これぞ『閃光魔術』(シャイニング・ウィザード)。とりあえず無言でボコったりして主従関係をはっきりさせた所であらためて城攻め開始。
「いくよ、清」
「「反転分離攻撃・鏡(ミラー)!!」」
 人遁で清に化けた香佑花が二人で敵陣へ特攻する分身二連攻撃。繰り出す勿論この技『往生スラスト』だ。
「「往生せいやァ―――!」」
 ドスもって先陣を切る総大将もちょっといないがサウティら隠密血風衆に守られたりしながら冒険者らと果敢に西城を攻める。ここが金山攻めの分水嶺。攻防は熾烈さを増し
 同じ頃、麓の本陣。
「薬は惜しまず使うのだね〜」
 後方ではトマス・ウェストが怪我人の手当てに奔走している。ドンキーの鈍器丸に積んだ大量の薬品も投入し、重傷を負って来た兵達へ魔法も使った治療も施す。
「まったく、こっちも忙しいのだから面倒は持ち込んで欲しくはないのだがね〜」
 いつからそこにいたのか、新田方の忍びの姿。やれやれと嘆息付いたトマスがニヤリと笑う。
「まあ、補給・治療する者を狙うのも常套手段だからね〜。――コア・ギュ・レイトォ!」
 しかしそれと同じくして既に彼の背後にはもう一人の忍者が忍び寄っていた。凶刃が迫る。それはトマスを捉えるかという直前で狙いを逸れた。小さな呻きを洩らして倒れた忍びの首根には手裏剣が突き刺さっている。
「‥ドクター、相手は忍びだ‥‥くれぐれも油断は禁物だ」
 声だけ聞こえてきたのは仲間の忍びである榊原信也。振り返った時にはもう彼の姿はない。城の仲間の下へ救援に向かったのだろうか。その頃、西城では遂に熾烈な攻防が転機を迎えていた。
「門が破れたぞー!! 今だ、雪崩れ込めーー!!」
 遂に西城の門が連合兵によって破られた。小も清を伴って西城内へと攻め入った。香佑花も敵の密集地点で微塵隠れの術を放つ『必殺・ひゅーまんぼむの恐怖』などを駆使して敵をかく乱する。攻め入ったデルスウも敵兵と視線を合わすやにこやかに微笑みつつ。
「メニー苦しめます^^」
 もう面倒なのでそれしか言わない勢いで暴れ回る。その激戦の最中を紅だけは茶を飲みながら暢気に戦場見学。敵兵に狙われてもそこは気にしない。
「抵抗すると松本清を召喚しますよ! それともあなたの秘密をバラしても良いんですけど」
 などと得意の話術でちゃっかり切り抜けたりする。そんなこんなで城内には香佑花が火を放ち、新田兵は大混乱となった。
 そして遂に。
「見ろ! あれは!!」
 出丸のてっぺんに清のモテ旗がはためいた。
「西城、落としたりー!!」
 どさくさに紛れてフィーが清の旗を立て、これが西城の戦いの流れを決定付けた。すかさず黒埼流が城内へ聞こえるように声を張り上げた。
「西城の出丸は自分達が落とした。皆、これより敗残兵の追い討ちに移る。但し深追いはせぬように」
 敗残兵という言葉が否応なく新田兵に動揺を呼ぶ。門の前で戦っていた篠塚にも衝撃が走る。
「何、馬鹿な‥‥!」
 風斬乱と西園寺更紗の二人の手練を相手に奮戦していた篠塚だが、そちらに手を取られている間に冒険者達の猛攻で新田兵の統率に乱れが生じている。形勢不利と見るや篠塚は引き際を見極めて兵を纏め上げる。
「者共、一時兵を退く! 本丸まで退き、態勢を立て直すべし!!」
 この西城陥落が勝敗を分けた。篠塚は本丸で態勢を立て直した後の巻き返しを図るが、程なくして華西の逃亡によって本丸も連合兵主力によって陥落。遂に堅城金山は連合の手に落ちたのだった。結局誠心は戦の間中ずっと蝮を粉末化するのに終始していて活躍の機会を逃したようだがひとまずの所これにて事件解決。
「少々段取が狂いましたがこれにて一件落着です」
 その夜、城内では祝宴が開かれた。その上座に座り、皆の注目を一身に浴びているのは清。本人もまだこの快挙が信じられぬ風でちょっと震えていたりする。苦笑まじりに連が微笑みかけた。
「清君‥‥時には運も必要なのですよ。皆さんはこんだけ頑張りました。だから、清君は何もやっていなくても最後にひとこと言わなくてはなりません」
 皆で声を揃えて。
 せーの。

「「「「ありがとうっだぜ!」」」」

 金山城に大勢の仲間達の声が重なって響いた。それはあちこちで歓声に変わる。その一つひとつが自分の起こした行動の結果だと清は自分でもまだ飲み込めない様子でいる。そんな清へ横目に微笑む連の顔は甘く、眼差しは少しだけ遠い。
「それだけでいいのですよ?」
 酒宴は夜更け遅くまで続いた。これまで苦しい戦いの続いていた連合の仲間達もこの日ばかりは日頃の辛さを忘れて楽しんだ。小もご多分に漏れず大分酒が入っているらしい。
「清君、そのヘタレ根性はきっと一生かからないと治せないっす。なら、自分が結婚して一生傍にいてあげるっす! 拒否権なしっす!」
「な、な、け、な、け、けけ結婚っン!!???」
 とそこで紅。
「そうそう誠心さん。蝮の粉末は毒にはなりませんよ。漢方では有名な強精薬だって、ご存知でした?」
「念のため、天守は空けておきましたけど」
 何が念のためか分からないがヴェルサントが妙な気を利かせたりすると小がポッと頬を染めた。
「‥‥ちょっと恥ずかしいっすね」
 とか言いつつ、桶一杯に誠心が詰めておいた粉末を無理やり清に飲ませると。
「シャシャシャ小さん!」
「清君!」
 見詰め合う二人。
「もうこうなったら裏方とか関係ないっす、自分は愛に生きるっすよ! さあ、金山城の中心で愛を叫ぶっすよ清君」
 そして金山の空に響き渡る清の声。
「愛〜〜〜〜!」
 ‥それは違うぞ清。
 パパパパッパッパー。
 松本清はレベルが上がった。
 松本清は名声ががっつり上昇した!
 でも中身はさっぱり伴わなかった!
 そして、松本清は、金山城城主にジョブチェンジした!!


追記
この後、金山城は改装されて罠や障害物が蔓延る一大娯楽施設『痛快なりゆき興行 風雲きよし城』になった‥‥‥とかならなかったとか。