【闘え!】着ぐるみ騎馬戦!

■シリーズシナリオ


担当:相楽蒼華

対応レベル:フリーlv

難易度:易しい

成功報酬:0 G 65 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:07月09日〜07月14日

リプレイ公開日:2005年07月14日

●オープニング

「あ、この前はどうもありがとうございます」

 ギルド員がぺこりと頭を下げる。
 どうやら今回も頼みたいことがあるらしく、冒険者達を集めていた。
 手には着ぐるみが大量にもたれている。
 嫌な予感がした。

「で?今回は何のお願いなの?」
「まさかまた‥‥?」
「えぇ、今回は着ぐるみで騎馬戦でもして貰おうかと♪」
『なんですってー!?』

 驚くのも無理はない。
 前回の着ぐるみレースで、散々寒い思いをさせられたのに‥‥。
 こいつはまたそういうのをやらかせというのだ。

「何で私達がそんなこと‥‥!」
「子供達が楽しみにしてるんですよ。次の着ぐるみ出し物は何ですか?って。うちの子供も見たいといいますし」
「何処の親バカよ!?」

 怒鳴る冒険者。仕方もないのだが。

「でも今回は騎馬戦ですから。そんなに怪我はしないと思いますし、何よりも楽しめると思うんですよ。ね?」
「楽しめるっていっても‥‥これ、本当に冒険者がやることなの?」
「他の人はやってくれないんですよ。何か、嫌な予感がするだとかで」

 どうやら、街の人は目立ちたくないのか恥ずかしいのか。どうしてもやりたがらないらしい。
 結局押しに負けて、引き受けることになるのである。

●今回の参加者

 ea0042 デュラン・ハイアット(33歳・♂・ナイト・人間・ビザンチン帝国)
 ea2557 南天 輝(44歳・♂・浪人・人間・ジャパン)
 ea2722 琴宮 茜(25歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea3511 柊 小桃(21歳・♀・志士・人間・ジャパン)
 ea3625 利賀桐 真琴(30歳・♀・鎧騎士・人間・ジャパン)
 ea4233 蒼月 惠(24歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea8799 ジャン・グレンテ(24歳・♂・ウィザード・ハーフエルフ・ロシア王国)
 ea9128 ミィナ・コヅツミ(24歳・♀・クレリック・ハーフエルフ・イギリス王国)

●リプレイ本文

 ギルド前。
 今日は立派に晴れていて、騎馬戦までには雨は降らないだろう。
 ていうか、降ると確実に参加者に被害が出るわけだが。
 既に冒険者達は、ギルド前に集まり、着ぐるみの選び出しにかかっていた。
「にゃ‥にゃっす! フッ‥‥私も甘いものだな」
 デュラン・ハイアット(ea0042)がちょっとかっこつけながら呟く。
 しかしその外見はハト。着ぐるみハト!そのまんまハト!
 ‥‥もっ、萌えていいですか?と尋ねてみたい所なのだが怒られそうです‥‥!
 そしてもっと凄いのが、お洒落の為とトレードマークの為に豪華なマントを羽織っているという事。
 これは本気で凄いと感心してしまう記録係がいる。
 その後ろで南天輝(ea2557)が自分が着る着ぐるみを選出している。
 前回は妹達が着ぐるみを着たが、今回は自分で着る!というのだから凄いものである。
「あ、じゃあこんなのどーですっ?」
「え? こ、これって‥‥」
 ギルド員に差し出された着ぐるみを見て、苦笑を浮かべる輝。
 それもそのはずだってそれ‥‥『黒山羊』なんだもの!
「‥‥こ、これは‥‥なんか、違うくないか?」
「いえいえ、凶暴だと思いますよ?ねぇ?」
「‥‥そ、そうなんでしょうか?」
 首を傾げる琴宮茜(ea2722)。ちょっと苦笑交じりです。
 選べって言われたからにはイロモノ選びます、このギルド員。
 そして此方は此方で結構元気。その声の主は‥‥。
「今日の小桃は一味違うんだよ!! そう、今日は『まじかるぴーちめりー』なんだからっ!!」
 ‥‥凄い名前である。
 しかし、記録係はこのような名前がとっても大好きである為、萌え赦すという形に‥‥ってダメですか。仕事、します。
 柊小桃(ea3511)はある意味要チェックである!
 利賀桐真琴(ea3625)はまるごと猫かぶりを借りたようで実はちょっぴり喜んでいるようで。
 女で任侠、更にはアップリケとかつけたい!と。
 まぁ、任侠でありながらも女子らしい所はあるんだ、と。‥‥ちょっと変わってるけど。
 蒼月惠(ea4233)は牛を選択。そんな大きめの着ぐるみを着てボーっとしいるようで。
 本当に大丈夫なのだろうか?
「いっち、にぃ、さんっ♪ にゃーっす☆」
「に、にゃーっす‥‥」
 隅っこでジャン・グレンテ(ea8799)ににゃっすとか言わせてるのはミィナ・コヅツミ(ea9128)だ。
 遠慮しておくと言っているジャンに対し、それでは子供達を喜ばせれない!とかいう事で言う練習しているようだ。‥‥別に覚えさせなくても、喜ばれないわけでもなんでもないですけど。

 確かに挨拶はにゃっすでお願いしますといいました。
 でも確実にしろだなんて記録係は一言も‥‥。
 ‥‥まさか。
 ‥‥世界に広めろ、にゃっすの輪?
 そんな挨拶を広めないでくださいね‥‥嬉しいですけど。

●準備開始!もうすぐお祭り!
 今回は数時間の準備時間が設けられていた。
 その為、冒険者達がやる事も様々である。
 輝は花を片手に、会場の風向きを調べている。
 そして、その籠を会場の風下に。どうやら今回も飛び出るソニックブーム?
 子供達の夢を演出しているようで、其れの細工中という。

 そして、その後ろではジャンがテキパキと準備を始めていた。
「‥‥飛び道具や攻撃魔法がいつ飛んでくるか分かりませんからね。小さな子供なら好奇心で入ってきそうですし。」
 そう、彼はバリゲートを準備していたのだ。机や、椅子をしっかりと固定させる。
 冒険者がやるのだから、何時魔法、攻撃スキルが炸裂するかわからない。
 それで子供達が怪我すれば残念な結果になってしまうからという事。
 ごめんなさい、やっぱり萌えさせてください(遠い目)

 そして、真琴と小桃は着ぐるみで頑張ってチラシ配りを実行していた。
 人が賑わう中、目立つ二つの着ぐるみ頭。
「は〜いっ!! 明日にこの場所で『着ぐるみ騎馬戦』をやっちゃうよ〜〜!! たくさんの参加お待ちしていま〜す!!」
「『ぽわぽわんヨーロピアンズ♪』vs『チャキチャキ江戸っ娘☆』でやんすよー!」
「でも、何だか凄い名前ですね‥‥」
「ほら、茜嬢も手伝っておくんなし!」
「な、何だか凄いことになってしまいましたね‥‥」
 苦笑を浮かべながらもお手伝いをしっかりとこなす茜。
 凄い名前のチーム名に街人もびっくり。
 しかし、子供達だけは喜んでいた。またここで着ぐるみさん達が見られる! と。

 その間もデュランはマントの付け具合の調整をしている。
 更には全員分のマントまで持ち出そうとか。
「チームというからには見分けがつけられるようにしないとな」
 だからってマントは‥‥。
 でも、萌えだし、外国人だから記録係は赦します。とっても赦してしまいます。

●騎馬戦開始!
 さて、ここからが本番。
 やっと始まります、騎馬戦!
 ここでやっとこチーム発表です〜。

 ミィナが上となる、デュラン、ジャン、輝のチーム。
 小桃が上となる、真琴、茜、恵のチーム。
 どっちが勝つかはネタ次第!そんなわけで盛大に開始していきましょう!

「それじゃあ、いきますよ?」
 茜の合図で騎馬戦はスタートされた。
「ぴーちめりー真拳奥義っ!!『めりー爆裂ぱんちっ!!』」
「ひっさつ!聖書あったーくっ!」

 双方の攻防戦が始まりました。
 しかし一箇所だけ痛そうですよ‥‥!
 ナナメ45度で叩くのは、壊れたものだけにしましょうね!

 この攻防で優勢に出たのはミィナだ。
 流石に聖書のカドが痛かったのか、小桃は少し涙目でうるうるしている。
 これはこれで可愛くてオイシイとこなのかも知れませんが…!

「あわわ、痛いよ〜!」
「小桃嬢!大丈夫でやすか!?」
「は、はわわわわ!」
 バランスがうまく保てていない。
 恵がどうやらバランスを崩しているようだ。
 今がチャンスなるか!

「クッ‥‥この私が人の下につくなどと!」
「今はそういう事言っている場合じゃないだろ!?」
「しかしこれでは私のマントが‥‥!」
「マントに拘っている場合じゃないと思います‥‥けど」
 こっちはこっちで結構大変そうです。
 やっぱりデュランが萌えに見えるのは私だけですか。そうですか、と。

「と、とりあえずさっさと取っちゃうのです!」
「そうはさせないよ〜〜!」
 ミィナが尻尾に手を伸ばす!
 小桃はそれに対応しようとするものの‥‥。
「あぐぅっ!」
 やっぱり失敗するのは恵。
 転びそうになって崩れかけている。
「いーきーまーすーよーっ!」
 ミィナの掛け声で前に出る。近づいたところをしゅぱっとミィナが取る心算なのだったが‥‥。
 ぽふんっ。真琴の頭突きが見事デュランの顔にべふっといく。
 これはこれで可愛く‥‥?ちょっとデュランも癒されたご様子。

「このままではラチがあかないんじゃないか?」
「それはそれで困りますね、子供達が退屈しちゃいますよ」
「こんなこともあろうかと」
 輝がミィナのバランスを二人に預けると、流石のデュランとジャンもフラリと揺れる。
 咄嗟にリトルフライで何とかバランスを保つものの、デュランの方に体重がいってしまってるのでちょと潰れやすく‥‥!
「ぐっ‥‥!この私が思いっきり体重‥‥ッ!」
 輝のソニックブームが設置しておいた籠を撃つ!花弁が舞い散る中、子供達は歓声をあげている。

 今が決着のときだ!
 ミィナの手が丸まった小桃の尻尾に伸びると、ぱしっと取り上げる!
「とったど〜〜〜〜♪ですっ!」
 勝敗は様々な混乱のうちにミィナのチームの勝利となった。

 子供達は大満足。
 ギルドの人間もうんうんと嬉しそうに頷く人ばかり。
 そして女性はやっぱりジャンやらデュランやらの所へ寄り付いて、子供達は輝や小桃のところへ寄り付いている。
「これじゃあ後片付けが出来ませんね‥‥」
「私たちがやっておくでやすから!」
「それに、疲れたでしょう?お茶やら食事やら用意しておきましたよ」
 ギルド員の言葉に喜びを隠せない一同でありました。