採石場決戦6『最終決戦!』

■シリーズシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:5〜9lv

難易度:難しい

成功報酬:3 G 63 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:01月30日〜02月05日

リプレイ公開日:2005年02月02日

●オープニング

 キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
 街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
 領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
 道を作るのに必要な物のひとつが『石』だ。

 暗黒山賊団の秘密アジトにて。
「暗黒軍師ブラックまでもが倒された今、ワシ自らギルフォード戦隊の相手をするしかない。信頼できる部下もビ・ケイダーただ一人だ、よもや裏切りなどあるまいな?」
「はっ、勿論です‥‥」
「うむ。これより、暗黒山賊団の総力を持って採石場を奪取し、ギルフォード戦隊との決着をつける! ワシに続けぃ!」
「「「ギーッ!!」」」

 そこは『採石場』だった。様々な用途に使われる石を削りだし、外観は『切り立った崖』のようである。今日も多く人足達が働いていた。
「ワシが暗黒山賊団首領ダーキングである! 速やかに採石場を明け渡せ。逆らうことは許さん!」
 暗黒首領ダーキングが宣言する。気に入っているのだろうか、この前と同じ事を言っている。
「さあ皆さん。暗黒首領ダーキング様のご意向です、華麗に占領せよ!」
 傍らに控えたビ・ケイダーが指令を出すと、
「「「ギーッ!」」」
 覆面をした戦闘員達が、いつもより多くバク転しながら、あっと言う間に採石場を占領する。
「おまえが採石場の責任者か。丁度良い、人質になって貰うぞ」
 暗黒首領ダーキングが、採石場責任者を捕まえ、締め上げる。
「「「ロックさん!」」」
「ぐっ‥‥ギルフォード戦隊を、呼んでくれっ!」
 声を絞り出す採石場責任者。どうやら彼はロックという名前らしかった。

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「諸君、事件だ!」
 いつもと違う口調で冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。

『ギルフォード戦隊ギルレンジャー宛
 再び、採石場が暗黒山賊団首領ダーキングと、覆面をしたヤツらに占領されてしまったのです!
 しかも、採石場責任者のロックさんが人質にされてしまいました。以前現れた、ビ・ケイダーというヤツも一緒のようです。
 どうか、採石場とロックさんを助けて下さい!
 ギルフォード採石場作業員一同』

「暗黒首領ダーキング自ら行動している‥‥どうやら敵も最後の決戦を挑んできたようだ! 諸君が力を合わせれば、どんな敵でも倒せる! ギルフォード戦隊出動せよ!」
 今回も、やけにノリノリで冒険者達を送り出す冒険者ギルドのおやっさん。
 再び悪の手に落ちた採石場を取り戻すことが出来るのだろうか!?

●今回の参加者

 ea0827 シャルグ・ザーン(52歳・♂・ナイト・ジャイアント・イギリス王国)
 ea2307 キット・ファゼータ(22歳・♂・ファイター・人間・ノルマン王国)
 ea2388 伊達 和正(28歳・♂・侍・人間・ジャパン)
 ea2889 森里 霧子(30歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea3665 青 龍華(30歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea5322 尾花 満(37歳・♂・ナイト・人間・ジャパン)
 ea5876 ギルス・シャハウ(29歳・♂・クレリック・シフール・イギリス王国)
 ea7522 アルフェール・オルレイド(57歳・♂・ファイター・ドワーフ・ノルマン王国)

●リプレイ本文

 おやっさんの指令を受け、出動した冒険者達。
 今回は爆炎の迷彩襟巻をした忍者の森里霧子(ea2889)。
「何故かはお楽しみだ♪」
(「戦隊ってなんか乗り切れないかと思ったがやってみるとヤバイ、はまったなぁ。台詞も考えたしポーズも作った。女装までしたなぁ」)
「‥‥おっと、感傷に浸るのは全てのカタがついてからだ!」
 ファイターのキット・ファゼータ(ea2307)と共に、何やら準備している様子。
「首領直々に最後の決戦‥‥遂に万策尽きたようだが、追い詰められた人間の底力は侮れぬ。皆、気を緩めずに参ろうぞ」
 仲間達を激励する浪人の尾花満(ea5322)。
「いよいよ最終決戦だ。神様も最終回をじ〜っと楽しみに待っているから、がんばるぞ」
 銀色の蝶の羽を羽ばたかせるクレリックのギルス・シャハウ(ea5876)。荷物は尾花に預けている。
「自身の修業の為に離れてはいたが、最後の決戦決めて見せる」
 意気込む侍の伊達和正(ea2388)。
「ふぅ、これで最後か、随分長かったな」
 既にしみじみモードに入っているファイターのアルフェール・オルレイド(ea7522)。
 そう、敵は暗黒首領ダーキングなのだ!

 いつものように、負傷した人足達の治療をするギルス。
「「「ロックさんを頼むぞ!」」」
 口々にギルフォード戦隊へ期待の言葉を掛ける人足達。
 そしてギルスと霧子による偵察を済ませ、採石場へと赴く。ギルフォード戦隊最後の戦いが始まろうとしていた。

『待てぇぇい!』
 崖の上に立つ八つの影!
「赤き侍、ギルレッド!」
 ポーズを決め、和正が名乗る。すでに仲間達には『オーラパワー』を付与している。
「哀愁の彫刻騎士、ギルセピア推参!」
 『オーラエリベイション』『オーラボディ』『オーラパワー』を身に纏い、両手には『オーラシールド』を構えたナイトのシャルグ・ザーン(ea0827)。
「友の思いをこの手に込めて、唸る拳は風切る電光っ! 暗雲立ち込める天を翔ける電光の拳士っ! ギルライトニング!」
 続いて武道家の青龍華(ea3665)。右腕には自分のと一緒に友人であるギルパープルのスカーフが巻きつけてある。
「小さく細かく早く、そして鋭く正確に敵を討つ! ギルレンジャーピンク参上!」
「東洋の神秘ギルクリアー!」
「黒き疾風ギルブラック!」
「彫刻神の使者ギルホワイト!」
「豪傑の燻し銀ギルシルバー!」
 次々にポーズを決め、名乗りを上げ、
『我ら、ギルフォード戦隊ギルレンジャー!』
 全員で『G』ポーズ!
「よくぞ、ここまで暗黒山賊団を苦しめてくれたものだ‥‥今日こそワシの野望を達成させてもらうぞ!」
 そう言って戦闘員達を差し向ける暗黒首領ダーキング。
「「「ギーッ!」」」
 バク転しながらギルフォード戦隊を包囲する戦闘員達!
「俺は雑魚掃除だな、下っ端達を掃除する」
 そう言って、次々に戦闘員を斬り捨てていくギルレッド=和正!
「オーラの暗黒面に飲み込まれた者よ。ギルレンジャーの正義のオーラにて打ち砕かん!」
「正義の風は止められぬ! 命惜しくばそこをどけ!!」
 戦闘員を蹴散らし、ダーキングを目指すギルセピア=シャルグ、ギルブラック=尾花。
 用意しておいた投網や罠、『春花の術』で援護するギルクリアー=霧子。

「再び相見える事になりましたね、ギルフォード戦隊の諸君」
 弓矢を構えるビ・ケイダー。
「『正々堂々、華麗に』って言ってたあんたが随分と落ちたものね、人質を取るなんて。こんな手段じゃ、華麗さなんて程遠くて笑えるわ」
「‥‥」
 挑発するギルライトニング=龍華の足元へ矢を放つビ・ケイダー。
「あんたが信じていた『至高の美学』なんて突き詰めればこんなもん。目的が果たせればそれで良い‥‥美学の欠片も無いものなのよ!」
「言わせておけば‥‥女性とは言え、次は外しませんよ‥‥!」
 眉間に狙いを定めるビ・ケイダー。
「かつて人質を救った矢を、今度は誰に向けるのかね」
 そこへ『微塵隠れ』で戦闘員達を吹き飛ばしつつ、ビ・ケイダーの側に現れたギルクリアー=霧子が刀を突きつける。爆炎の迷彩はこの忍法を意識しての事だったのだ。
「‥‥あんたも悪とか言ってるけど、本当は卑劣な手段は許せないんじゃないの? じゃなきゃあの時‥‥ヒレッツとの戦いで手貸したりなんかしないだろうし」
「これでも一応情報屋でね、食と変態と闇組織には鼻が利くんだ。アレが貴殿でないなら、どこかの変態の助け舟と認定しよう」
「フッ‥‥気付かれていましたか。変態と混同されるのは耐えられません」
「どういう事だビ・ケイダー?」
「勘違いしてもらっては困りますダーキング様。私には私の『悪の美学』があるのです」
 咎めたダーキングに答えるビ・ケイダー。
「美学というのは、滅びを糊塗するためにあるんですよ〜」
 そう言ったのはギルホワイト=ギルス。
「フッ、面白いことを言う‥‥。確かに以前のダーキング様には共感するものがあった。しかし、形振り構わぬこの作戦には、最早従うことはできません」
「バカが‥‥ギルフォード戦隊を下した後、貴様も粛清してくれる。覚えておけ!」
 背を向けるビ・ケイダーに言い放つダーキング。
「このマフラーにかけて共に戦う気はないか」
 家事を得意とするギルシルバー=アルフェールの手にはゴールドカラーの仲間の証が握られている。
「言ったはずだ。私には私の『悪の美学』があると‥‥。さらばだ、諸君」
 ビ・ケイダーは戦場を去った。

 『パラのマント』で姿を隠していたギルピンク=キットが、敵の視線が逸れた間に忍び歩きで接近し、見事ロックの救出に成功!
 それに合わせて『ホーリーフィールド』を張ったギルホワイト=ギルスが援護に向かい、
「人質には指一本触れさせませんよ」
 避難誘導を担当する。
「しまった! 何をしている、奪い返せ!」
「「「ギーッ!」」」
 ダーキングの指令で戦闘員達が襲いかかる!
「ようやく見せ場到来!」
 ナイフを二刀流に構え、『オフシフト+カウンターアタック+ポイントアタック』で群がる戦闘員と戦うギルピンク=キット!

 無事、ロックを安全圏に逃がし、ギルスが戻って来た時には、
「ギル・16インチ・キーック!」
 『オーラパワー』を込めたギルセピア=シャルグの蹴りで、最後の戦闘員達が倒れた所だった。
「残るは、無様な計画で秘密結社を気取る首領様だけか?」
 挑発するギルクリアー=霧子。
「言ってくれる。だが、ワシはこれまでの部下とはワケが違うぞ!」
 ついに暗黒首領ダーキングが接近戦を挑んでくる!
「貴様に仲間は傷つけさせぬっ!」
 ダーキングの『オーラソード』を『オーラシールド』で受け止めるギルセピア=シャルグ!
「なかなかやるようだな。ならばワシも最強状態で行くぞ‥‥!」
 極限まで肉体を酷使する『オーラマックス』を発動させるダーキング!
 限界を超えた動きで『オーラソード』を振るいまくる!
「ボスだけのことはあるな」
 半分楽しそうにチェーンホイップを構え直すギルシルバー=アルフェール。水を得た魚の様だ。
「行くぞ、正義のギルショット!」
 『オーラショット』を撃つギルレッド=和正に合わせて、
「何の、暗黒オーラショット!」
 強大なオーラを撃ち返す暗黒首領ダーキング!
「くそっ、敵の方が上手か」
 明らかにギルレッド=和正の方が受けたダメージが大きい。
「神様がじ〜っと見ていますよ。頑張ってくださいね、ギルリカバー」
 すかさず治療に当たるギルホワイト=ギルス。

「皆! スペクトルフォーメーションだ!」
 ギルクリアー=霧子の合図で陣形を組むギルフォード戦隊!
「悪有る所正義有り、正義のオーラ受けて見ろ! ギルショット!」
 再び、ギルレッド=和正の『オーラショット』!
「効かぬと言っている! なにっ!?」
 『オーラショット』のモーションに入ろうとしたダーキングの両側から、
「この攻撃が受けきれるか!」
「云った筈だ‥‥覚悟を決めろと!!」
 ギルピンク=キットのナイフ二刀流『ポイントアタック』と、ギルブラック=尾花の二刀による十字薙ぎ!
「ギルスタンフェイントエイリアス・ファイアダスト!」
 続いて、『分身の術』で分身しているギルクリアー=霧子の『フェイントアタック』と『スタンアタック』による連続技と、
「父と子と白き神の御名において、汝を拘束するよ‥‥ギルギュレイト!」
 ギルホワイト=ギルスの『コアギュレイト』がダーキングの動きを封じる!
 そこへ!
「あんたはこの採石場に立ち込める暗雲。それを吹き飛ばすのが私達‥‥ギルレンジャーよっ!」
 ギルライトニング=龍華の『龍飛翔』が!
「「トドメだっ、ギル・ファイナルアタッーク!」」
 ギルセピア=シャルグの『チャージング』による飛び蹴りと、ギルシルバー=アルフェールの『スマッシュEX+バーストアタック』が炸裂する!
「ワシが負ける‥‥だと‥‥? ぐふおぁっ!」
 暗黒首領ダーキングが倒れる瞬間、ギルクリアー=霧子の『微塵隠れ』による爆発!
「正義の心に体格や年齢は関係ない! 必要なのは熱き心だ!」
 『G』ポーズを決めるギルピンク=キット。
 そして、激戦を称え合うギルフォード戦隊であった。

 こうして悪は滅び去り、採石場に平和が戻った。
 ギルレンジャーと暗黒山賊団の長い戦いは終わったのだ‥‥。
「終わったわね‥‥でもこれが始まり、あいつ等も私達もいない平和な採石場のね。‥‥暗黒山賊団、確かに成敗完了っ!」
 バシッと胸の前で手を打つギルライトニング=龍華。
「この地を狙った一つの悪は潰えた。拙者らは次なる悪と戦うために去らねばならぬが‥‥不在の間の平和は、皆が守って欲しい。もし皆が太刀打ちできぬ強大な悪が来た時‥‥」
「いつか再びギルフォードの平和を乱す者が現れた時にも、ギルレンジャーは必ずまた現れるであろう」
 刀を鞘に納め、採石場の面々に向き直ったギルブラック=尾花の言葉をギルセピア=シャルグが引き継ぐ。
「さて、老兵は去り行くのみだ」
 次の戦いの場に向け、渋く去るギルシルバー=アルフェール。
「ギルフォード戦隊ギルレンジャーは、みんなの心の中にじ〜っと棲んでいるからね、じ〜っと」
 夕日をバックに去っていくギルホワイト=ギルス。
「明日の平和はギルレンジャー『Z』が守る!」
 そう言い残して去るギルクリアー=霧子であった。
 有り難うギルレンジャー!
 ギルフォード戦隊に永遠の栄光あれ!!