採石場決戦5『対決! 暗黒軍師!』

■シリーズシナリオ


担当:紅茶えす

対応レベル:4〜8lv

難易度:やや難

成功報酬:3 G 16 C

参加人数:8人

サポート参加人数:-人

冒険期間:01月16日〜01月22日

リプレイ公開日:2005年01月19日

●オープニング

 キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
 街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
 領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
 道を作るのに必要な物のひとつが『石』だ。

 暗黒山賊団の秘密アジトにて。
「暗黒軍師ブラックよ。流血怪人ブラッドを失い、おめおめ戻ってくるとはどういうことだ?」
「ここまでは計算の範囲内です、御安心下さい首領閣下。次は盤石の策を持って、我自らギルフォード戦隊に引導を渡して見せましょう」
「面白い‥‥ならば、ここまで我が暗黒山賊団を苦しめたギルフォード戦隊の最後を見届けに行くとしよう‥‥」
「ヤツらへの何よりの手向けとなりましょう」
「ビ・ケイダーよ、アジトの守備は任せるぞ」
「はっ、お任せ下さい」

 そこは『採石場』だった。様々な用途に使われる石を削りだし、外観は『切り立った崖』のようである。今日も多く人足達が働いていた。
「ワシが暗黒山賊団首領ダーキングである! 速やかに採石場を明け渡せ。逆らうことは許さん!」
 覆面をした戦闘員達を引き連れて現れたのは厳つい顔をした大男が宣言する。そして傍らには黒ずくめの暗黒軍師ブラック。
「行けっ!」
「「「ギーッ!」」」
 暗黒軍師の『悪の采配』によって、瞬く間に占領される採石場。
「ギルフォード戦隊に伝えるが良い。この暗黒軍師ブラックを恐れぬならば、美しき月夜に来い‥‥と」

 ここは冒険者ギルド。
 冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「諸君、事件だ!」
 いつもと違う口調で冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。

『ギルフォード戦隊ギルレンジャー宛
 再び、採石場が暗黒山賊団首領ダーキング、暗黒軍師ブラックと名乗る輩と、覆面をしたヤツらに占領されてしまったのです!
 しかも、「この暗黒軍師ブラックを恐れぬならば、美しき月夜に来い」などと言っておりました。
 採石場を取り戻して下さい!
 ギルフォード採石場責任者』

「月夜を指定してくるとは何か企んでいるに違いない! しかし諸君が力を合わせれば、どんな敵でも倒せるハズだ! ただちに現場へ出動せよ!」
 今回も、やけにノリノリで冒険者達を送り出す冒険者ギルドのおやっさんであった。
 再び悪の手に落ちた採石場を取り戻すことが出来るのだろうか!?

●今回の参加者

 ea0827 シャルグ・ザーン(52歳・♂・ナイト・ジャイアント・イギリス王国)
 ea2307 キット・ファゼータ(22歳・♂・ファイター・人間・ノルマン王国)
 ea2889 森里 霧子(30歳・♀・忍者・人間・ジャパン)
 ea3468 エリス・ローエル(24歳・♀・神聖騎士・エルフ・イギリス王国)
 ea3665 青 龍華(30歳・♀・武道家・人間・華仙教大国)
 ea5322 尾花 満(37歳・♂・ナイト・人間・ジャパン)
 ea5876 ギルス・シャハウ(29歳・♂・クレリック・シフール・イギリス王国)
 ea7522 アルフェール・オルレイド(57歳・♂・ファイター・ドワーフ・ノルマン王国)

●リプレイ本文

 おやっさんの指令を受け、出動した冒険者達。
「まだ採石場を諦めて居らぬのか、暗黒山賊団とやらは‥‥。しかし、首領自ら出て来ると云うことは、恐らく連中の手勢も尽き始めておるのであろう。皆、ここが正念場であるぞ」
 仲間達を激励する浪人の尾花満(ea5322)。
「うむ、また、魔法使いか、わしは苦手なのだがな」
 相変わらず魔法には弱気なファイターのアルフェール・オルレイド(ea7522)。
「暗黒軍師ブラック‥‥わたくしは会っていませんが手強い方のようですね」
 気を引き締める神聖騎士エリス・ローエル(ea3468)。
「時間指定とは何を企んでいるんだ暗黒軍師め、でも僕には白い神様が『憑いて』いるんだ。負けないぞ」
 クレリックのギルス・シャハウ(ea5876)。荷物は尾花に預けておく。
「は〜‥‥わざわざ『恐れぬならば』何てつけるなんて‥‥『こっちが有利なので、どうか月夜に来て下さい』って言ってるのも同然よね」
 苦笑する武道家の青龍華(ea3665)であった。

 無事到着し、何やら準備に励む冒険者達。
「ギーギー言っていれば意外とばれないぞ」
 エリスにも覆面を渡す忍者の森里霧子(ea2889)。
「ズルして服とアイテムで‥‥と。うーん、この綺麗な銀の羽はパピヨンマスクでは表現できん! アルフェール殿、手伝ってくれぇ」
 ギルスの服を借りて人形を作っていた霧子だが、思うようにいかずアルフェールに手伝いを頼む。
「わしは、こういうのは結構得意だ」
 それを手慣れたように仕上げていくアルフェール。そして、同色のスカーフと服を用意し、種族特徴を隠蔽するメイクをしていく。
「これで女性陣は見分けがつかない‥‥かな?」
 と、霧子。並んだ女性陣はパッと見ただけでは見分けがつきにくく、特徴が指定しづらい。どうやら『ムーンアロー』対策のようである。
 そして、霧子とギルスが偵察をしておき、夜明け前を選んで採石場へと向かったのだった。

『待てェェェい!』
 崖の上に立つ八つの影!
「哀愁の騎士、ギルセピア推参!」
 四種のオーラを身に纏ったナイトのシャルグ・ザーン(ea0827)が名乗りを上げる。
「電光一閃・連続拳技! 電光拳士ギルライトニング!」
「豪傑の燻し銀ギルシルバー!」
 次々にポーズをキメて名乗っていく龍華、アルフェール。
「身軽な体で逃げ回り、叩こうったって返り討ち! 弱点突くのも忘れない! ギル・ホニャララ参上!」
 必殺技のポーズをとるファイターのキット・ファゼータ(ea2307)。名前を誤魔化しているのは『ムーンアロー』対策だ。あまりに怪しいので却下されたが『ギノレレソヅャー』と名乗るという霧子の案もあったほどである。
「今日はちょっと人生という道に迷ってな」
「正義はわたくし達にあり!」
「ギルレンジャーは、採石場の平穏をじ〜っと見守っていますからね」
 『分身の術』を掛けたギルクリアー=霧子が、声色と準備していた人形を使って影武者の演技をする。しかし、そんなに棒読みで良いのだろうか‥‥。
『我ら、ギルフォード戦隊ギルレンジャー!』
 そして全員で『G』ポーズ!
 人形は都合上、最初から『G』ポーズである。
「ようやく現れたかギルフォード戦隊。逃げたのかと思ったぞ」
 涼しい顔で暗黒軍師。
「悪ぃ、寝過ごした」
 頭を掻くギルピンク=キット。
「ごめん、念入りに準備してたら手間取ったの! でも月夜には間に合ったからセーフよね!」
 そう言い張るギルライトニング=龍華。
「まあ良いでしょう。夜が明けるまでに片付ければ済む事‥‥行け!」
 暗黒軍師の『悪の采配』を受け、
「「「ギーッ!」」」
 戦闘員達がバク転をしながら襲いかかってくる!

 提灯を額にセットしたギルクリアー=霧子を先頭に迎え撃つ!
「雑魚が何人来ても同じだ!」
 戦闘員を派手に蹴散らすギルシルバー=アルフェール。
「月落脚ムーンドロップスマッシュ!」
 戦闘員に跳び蹴りを決め、
「陽昇拳サンライズアッパー! ダーキング‥‥ですっけ? あんたも成敗してあげるから、楽しみにしてなさいよ!」
 更にアッパーで戦闘員をブッ飛ばし、ビシッと指差すギルライトニング=龍華!
「面白い‥‥」
 不敵な笑みを浮かべる暗黒首領ダーキング。
 『パラのマント』で姿を隠し、暗黒首領ダーキングが見ていない隙をついて少しずつ接近していくギルピンク=キット。
「クックック、どう名乗ろうが姿を隠そうが、データは揃っているのですよ。ギルピンクにムーンアロー!」
 後少しと言うところで、魔法の矢がギルピンク=キットを捉える。そう、この称号を持つ者は一人しかいないのだから。
「そこだ! 行けっ!」
「「「ギーッ!」」」
 あっと言う間に戦闘員達に包囲されるギルピンク=キット!
「そう簡単には行かないか‥‥だが!」
 ナイフ二刀流からの『オフシフト+カウンターアタック+ポイントアタック』で戦闘員達を倒していく!

 戦闘員に変装し、暗黒軍師へと接近するギルイエロー=エリスだが、
「我が悪の采配に従わぬ者よ、正体は分かっているぞ」
 彼には通用しなかったようである。
「初めましてブラックさん。あなたのお相手はギルイエローが務めさせて貰います」
 正体を現したギルイエロー=エリスは、隠していた『ホーリーライト』で自分の影を極力消し、すかさず『コアギュレイト』を掛ける!
「その程度で我を倒せると思われては心外だな‥‥」
 それを抵抗し、余裕を見せる暗黒軍師。
「ギュルギュレイトー」
 上空から叫び、暗黒軍師の気を引くギルホワイト=ギルス。
「さあ、ここからは小細工抜きです」
 詠唱に集中できないようレイピアで斬りつけていくギルイエロー=エリス!
「クックックッ」
 しかし、高速詠唱『ムーンシャドゥ』によって逃げられてしまい、
「「「ギーッ!」」」
 そこへ戦闘員達が群がってくる!
 ギルホワイト=ギルスが上空から暗黒軍師の姿を探す。そこへ『ムーンアロー』が襲いかかる!
 しかし、それはすでに掛けていた『ホーリーフィールド』を破壊するに留まった。
「白き神よ、その使徒に仇なす者を退けたまえ‥‥ギルバリアー!」
 再び『ホーリーフィールド』を張るギルホワイト=ギルス。
「貴様、今度は何を企んでおる」
 戦闘員達を次々に倒しつつ、ギルセピア=シャルグが暗黒軍師を睨む。
「それを教えるほどお人好しでは暗黒軍師は務まりませんよ‥‥さあ聴くが良い、我が暗黒のメロディーを!」
 歌い始める暗黒軍師。
「悪党からの甘言など我が輩には通じぬ」
 『オーラエリベイション』を掛けているギルセピア=シャルグには精神魔法は通用しないのだ。
「黒を黒で塗り潰せると思ったか? 拙者にはこの程度効かぬ!」
 見栄を切るギルブラック=尾花!
「「ううう‥‥」」
 しかし、ギルシルバー=アルフェールとギルピンク=キットの目が悪に染まる‥‥!
「おーい、正気かぁ?」
 いざとなれば、『春花の術』や『スタンアタック』を使えるようにしておくギルクリアー=霧子。
「こんな時、ギル・ド・マスターが来てくれたら‥‥」
 少し弱気になってしまうギルホワイト=ギルス。
「お主にとっての愛とは、正義とは、友情とは、そんな薄っぺらいものだったのであるか?
 友が悪事に手を染めているのならば、自らの手で悪事を止めさせるが真の友情!
 それすら出来ずして、何のギルレンジャーであろう!」
 暗黒の『メロディー』によって、暴れ出してしまった二人に必死に呼びかけるギルセピア=シャルグ!
「「負・け・る・かぁっ!!」」
 二人の目に再び正義の光が‥‥!
 そして!
「ギルウェーブ!」
 仲間達へ合図すると、爪で銅鏡を引っ掻いて嫌な音を出すギルライトニング=龍華!
 『メロディー』の効果を完全に克服!
「我がメロディーを汚すとは‥‥」
 歯がみする暗黒軍師!
「神様、僕達にもう一度闘う力を!」
 闘志を振り絞り、仲間達を激励するギルホワイト=ギルス!

 そして、ついに暗黒軍師の手駒である戦闘員達が全滅!
「神の御加護がついています、負けないで」
 『ホーリーフィールド』を掛けて防備を固めるギルホワイト=ギルス。
「気弾拳シューティングフィスト!」
 『オーラショット』を撃つギルライトニング=龍華!
「観念せいっ、ギルチャージャー!」
 『チャージング+スマッシュ』で突進するギルセピア=シャルグ!
「わしが好むのは悪意の歌ではなく、気高き戦いの歌だ! ギルバスター!」
 『スマッシュEX+バーストアタックEX』を仕掛けようとギルシルバー=アルフェールが続く!
「今月今夜この月を、貴殿の涙でくもらして見せるよ! 暗黒軍師、破れたり!」
 持てるCOと忍術を駆使してギルクリアー=霧子も続く!
「フッ、そのような攻撃‥‥しまった、月が!?」
 高速詠唱『ムーンシャドゥ』を掛けようとした暗黒軍師だが、ついに夜が明けてしまったのだ!
「グフッ‥‥バカな‥‥!」
 暗黒軍師が倒れ、残るは暗黒首領ダーキングのみとなった。
「そこの者、いい加減この採石場は諦めるんだな」
「暗黒山賊団とやらはもう壊滅であろう。首領も覚悟を決めることだな」
 武器を向け、睨み付けるギルシルバー=アルフェールと、ギルブラック=尾花。
「暗黒軍師ブラックをも倒した事は誉めてやろう。しかし、次はワシが自ら引導を渡してくれる‥‥束の間の平和を堪能するが良い。フハハハッ!」
 笑い声を残し、去っていく暗黒首領ダーキングであった。

 そして、最後のキメ台詞!
「ギルレンジャーがいる限り悪が栄えることはありません!」
 血糊を払ってレイピアを掲げるギルイエロー=エリス!
「苦手な相手も知恵と勇気、そして団結力だ! ギルレンジャーに弱点は無い!」
「ギルレンジャーとお月様と太陽は、みなさんのことをじ〜っと見守っていますからね、じ〜っと」
 『G』ポーズでギルピンク=キットとギルホワイト=ギルスが締める。
 こうして悪は退散し、採石場に平和が戻った。
「‥‥今更ですが、ここの石が運ばれればそれだけ道ができ、自然が失われてしまうんですよね」
 やはり自然好きとしては思うところがある様子のギルイエロー=エリス。
 しかし、人々が豊かに暮らすためには必要なことなのだ。
 頑張れ負けるなギルレンジャー!
 ギルフォード戦隊に栄光あれ!