G戦隊3『爆炎怪人ボンバード!』
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■シリーズシナリオ
担当:紅茶えす
対応レベル:10〜16lv
難易度:やや難
成功報酬:6 G 40 C
参加人数:8人
サポート参加人数:4人
冒険期間:11月22日〜11月28日
リプレイ公開日:2005年11月27日
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●オープニング
キャメロットから南西二日ほどの所にギルフォードという街がある。
街の周辺には農耕や狩猟を中心とした小さな村が点在しており、森林地帯が多い。
領主である紅茶男爵の方針で、森林開拓や街道の整備に力を入れているのが特徴のひとつである。
道を作るのに必要な物のひとつが『石』だ。
採石場。そこは様々な用途に使われる石を削りだすギルフォード重要地点のひとつ。
ここを『安住の地』と呼び、奪い取ろうとする狂信集団のアルパ達。二度に渡り占拠したものの、ギルフォード戦隊によって駆逐され、再び放浪していた。
しかし、彼らは諦めたわけではない。
「HEY、アルパ様。ブラザー・ライボルト&ブラザー・レイザードの仇を討てるのは、もうオレ様『爆炎のボンバード』しかいねぇぜ?」
そう名乗り出たのは、赤を基調とした服装、爆発したようなヘアースタイルが特徴的な男だった。
「ギルフォード戦隊なる邪教徒の力は想像以上のものでした。そして、邪教徒を退ける力を持つ使徒は、私と貴方しか居ないのです」
アルパが目を閉じ、手をかざすと、ボンバードの目に熱き炎が宿ったように見えた。
再び、採石場を覆う暗雲。
「HEY、偉大なる指導者アルパ様の元に集ったブラザー達! 邪教徒を蹴散らし、安住の地を取り戻すぜ!」
「「「邪教徒どもを蹴散らせ!」」」
ボンバードの号令。スピーディなリズムでバク転を刻み、採石場へ雪崩れ込む覆面信者達。
あっと言う間に制圧される採石場。
「HEY、そこの邪教徒! さっさとギルフォード戦隊を呼びな! この爆炎のボンバード様がクールにキメてやるぜ!」
華麗なダンスから、ビシッと指を突きつけるボンバードであった。
ここは冒険者ギルド。
冒険者達が仕事の斡旋を求めて集う場所である。
「諸君、事件だ!」
いつもと違う口調で冒険者ギルドのおやっさんが依頼書のひとつを見せる。
『求む、ギルフォード戦隊!
採石場が再び、狂信集団に占拠されてしまいました。
リーダーは『爆炎怪人ボンバード』と名乗る男。火の精霊魔法を使う怖ろしい男です。
どうか、ボンバードをやっつけて下さい!
ギルフォード採石場責任者ロック』
「再び、狂信集団が動き出したようだ。ギルフォード戦隊出動!」
ノリノリのハイテンションで、冒険者達を送り出すおやっさんであった。
●リプレイ本文
「風、水ときて次は火か。案外、単純な構成だな」
ファイターのアルフェール・オルレイド(ea7522)が笑い飛ばす。
「連中も懲りないねえ‥‥今度は火か、直接的な攻撃力は一番高いだろうから注意しないとな」
少し慎重になるナイトのガイン・ハイリロード(ea7487)。
「‥‥予想が見事に外れましたのね。土使いが相手で電撃が効きにくいと思ったから‥‥この恨みはきっちり首領にぶつけてやりますのね」
何かを思い出す志士の神薙理雄(ea0263)。その矛先をアルパに向ける。
なだめるインシグニア。山で獲ってきた新鮮な食料を渡す。
「あの邪教集団、今回は俺達を指名してきたのか。仲間達の仇って訳だな。望む所だ。返り討ちにしてやるぜ!」
「またギルフォードで何か騒ぎが起こっているのか。冒険者も毎度ご苦労なことだな」
ナイトのウォル・レヴィン(ea3827)は、舞と軽く手合わせし、実戦訓練をしている。
そこへ、情報収集してきたバデルが訪ねてくる。噂の域を出ないが、これまでギルフォード戦隊によって潰されてきた山賊団の残党をアルパが呼び集めて出来た集団らしい。ライボルトやレイザードも、その中の隠れた実力者‥‥といったところだろうか。
「しかし、何故こうまで採石場に拘るんだ? 奇人の考える事は分からんな」
「ますますもって目的がわからない感じだけど‥‥本当に何がしたい集団なのかな」
ナイトのシュナイアス・ハーミル(ea1131)、クレリックのレフェツィア・セヴェナ(ea0356)が首を傾げる。何か目的はあるようだが、まだ不明のままである。
「名指しで僕達を呼ぶなんて、よっぽど自信があるのかな。多彩な火の魔法を操るみたいだし、今まで以上に気を引き締めていこう。ギルフォード戦隊ギルブレイダー、出動だよ」
出動をかけるウィザードのユウン・ワルプルギス(ea9420)。
道中、シュナイアスの食料が足りないことが分かったが、インシグニアの差し入れと、多めに用意していた仲間達によって問題は解決している。
ギルフォード採石場では、アルパ達が怪しげな儀式を行っている。
忍者の森里霧子(ea2889)は、アルフェールに変装を手伝って貰い、再び潜入を試みる。
「‥‥シスター、こちらにいらして♪」
手近な覆面信者を『スタンアタック』で黙らせ、覆面を奪う。
「ライボルト、レイザード‥‥我らは英雄を失いました。だが、哀しみを怒りに変えて‥‥起てよ信徒!」
演説するアルパ。儀式によって、ボンバードの目つきが変わる。本当に神の力なのだろうか?
(「よく言う‥‥仲間を使い捨ての癖に!」)
作戦や配置を調べ、様々な準備をしておく霧子。
そして、オカリナの音色と共に、崖の上に現れる複数の影!
「何度出てこようがそのたびに叩き潰してやるさ‥‥悪を打ち抜くの不滅の裂光、ブレイダージャベリン!」
「剛剣ブレイダーソード!」
『オーラエリベイション』を発動させるガイン、シュナイアス。
「飛ぶが如く迅速に、鍼が如く打ち抜かん。神鳴りの志士、迅雷・ブレイダー飛鍼此処に顕現!」
『ライトニングアーマー』を纏う理雄!
「ギルフォードの平和は僕が守る! 緑風ブレイダースタッフ参上!!」
「悪を吹き飛ばす聖なる風、ブレイダーレイピア参上!」
「ブレイダークルスソード!」
ユウン、ウォル、レツィアが次々に名乗る。
「重装の大剣、斬破ブレイダーLC」
渋く登場するアルフェール。
『我ら、悪を断ち切る正義の刃、ギルフォード戦隊ギルブレイダー!!』
各々の武器を掲げ、キメポーズ! アルフェール作のトレードマークが太陽にさんさんと輝く!
「YO、爆炎のボンバード様が相手になるぜ?」
アルパを逃がすよう覆面信者に指示を出し、『フレイムエリベイション』を発動する。
「HEY、作戦1だ! いや2で‥‥5に変更だ!」
続く、奇妙な指示に足並みを乱す覆面信者。これは霧子の声色だ。
「飛刃零式の微塵隠れ? ボンバード様の魔法で仕留めを、あそこです! 今度はあそこに!」
潜入時に仕掛けておいた罠を作動させ、忍法を駆使する霧子。ボンバードの仕掛けた『ファイヤートラップ』を作動させて潰す。
「HEY邪教徒ども、噂通り卑怯だな。もっとクールにできないのか?」
混乱する覆面信者を御しつつ、踊り出すボンバード。
「ノリと動きがヘンな奴だなー。言葉遣いも変だ。これからホントのクールな戦いってのを教えてやるぜ」
「YEAH、望む所だ。やってみな?」
レイピア=ウォルに挑発で返すボンバード。
「待ってボンバード君。それだけの力を持ちながら、どうしてアルパ君なんかに従うの?」
そう問いかけたのはスタッフ=ユウン。
「アルパ様は、行き場を無くした俺達を教え導いてくれたのさ」
「だったら何故、リーダーであるアルパ君が先頭に立って戦おうとしないの? どうして彼一人が、安全な位置で僕達の戦いを眺めているの? それに何も疑問を感じないの?」
問い詰めるスタッフ=ユウン。
「HAHA、理想郷の実現にアルパ様は必要不可欠。リーダーを矢面に立たせて何かあったら困るだろ? だから俺達が戦う。何か間違ってるかい?」
心酔しきった様子のボンバード。
やはり戦いは避けられない。
「とにかく今重要なのは目の前の敵を倒すことだよね。そうしたら、その内目的もわかるかもしれないし」
『グットラック』で支援するクルスソード=レツィア。
まだ混乱気味の覆面信者達の中へと切り込んでいく冒険者達。これで、広範囲の魔法は覆面信者を巻き込むでしか使えない。
「相手の動きを手玉に取る事こそウチの戦い方の真骨頂」
道案内させるかのように攻撃を受け流し、進んでいく飛鍼=理雄。
「ううむ、オークションで手に入れたが、変った武器だよな、これ」
シールドソードで戦うジャベリン=ガイン。
「YEAH、ファイヤーウォール!」
炎の壁を出して、冒険者達の進路を塞ぐボンバード。
それを避けるルートには『ファイヤートラップ』があると見て、スタッフ=ユウンは『サイコキネシス』による投石で、ジャベリン=ガインは『オーラショット』を撃ち込んで、進路を確保する。
「サンキューな、ブレイダースタッフ、ジャベリン」
『オーラパワー』を掛けたレイピア「ヴァーチカル・ウィンド」で覆面信者を蹴散らし進むレイピア=ウォル。
更に、スタッフ=ユウンは『サイコキネシス』で、飛鍼=理雄と飛刃零式=霧子の投網を操り、覆面信者を無力化していく。
そして、ボンバードと護衛隊を追い詰めていく。
「あんたのリズム、癇に障るんだよな。‥‥音楽性の違いって奴か?」
『オーラショット』でボンバード護衛隊を攻撃するジャベリン=ガイン。
「HA、これだから邪教徒は。そんな事言ってっと、時代に乗り遅れるぜ?」
好き勝手なことを言うボンバード。『ファイヤーウォール』と『ファイヤートラップ』を駆使して冒険者達を近づけまいとする。
そして、護衛隊が居る限り、無理に突っ込んでもボンバードを倒すことは難しいだろう。
「護衛は僕がなんとかする‥‥だからその隙を狙ってくれないかな」
そう言い残し、『アースダイブ』で潜るスタッフ=ユウン。
「無傷で勝とう等と甘いことは考えていない!」
それに呼応し、炎の壁を強引に突っ切るソード=シュナイアス!
炎対策に水をかぶったLC=アルフェールも続く!
「ギル・クロスブレイド!」
地中を通り、炎の壁を突破したスタッフ=ユウンが『サイコキネシス』でクルスロングソードを投擲!
「ボンバード様!」
庇い、倒れる覆面信者!
「ブラザー達の犠牲は無駄にしないぜ‥‥ファイヤーバード!」
炎が全身を包み、舞い上がるボンバード!
「みんなで力を合わせて頑張れば絶対に負けないもん!」
「さあ、昇天の時間だ‥‥ジャベリンブラスター!」
クルスソード=レツィアの『ホーリー』、ジャベリン=ガインの『オーラショット』が炸裂!
「YEAH!!」
だが、ボンバードはそのまま突っ込んでくる!
二人で壁になり、『カウンターアタック』を狙うソード=シュナイアス、LC=アルフェール!
「ギルブレイク改!」
「この苦痛‥‥倍にして返すぞ!!」
炎の塊となったボンバードの体当たりを喰らいつつ、『スマッシュ』で撃墜!
「雷華闇閃‥‥絶影。絡み、百影!!」
「くらえ、聖・飛翔突き!」
更に、飛鍼=理雄の『ライトニングソード』とレイピア=ウォルの『チャージング』!
「俺は、こんな所で燃え尽きちまうのか‥‥?」
「網に掛からずとも驕りにはまる。ボンバー勝負、この秘数の楔ブレイダー飛刃零式に、正義の分だけ理があったようだな」
霧子の『微塵隠れ』による爆発が、ボンバードの最期を飾った。
「あとはアルパ君、キミ一人だよ。いい加減、観念した方が良いんじゃない?」
「そうですね、観念しましょうか」
スタッフ=ユウンの言葉をあっさり受け入れるアルパ? 予想外の反応に驚く覆面信者と冒険者達。
「勘違いさせてしまったようで‥‥観念したのは、私が直接戦わずに安住の地を得る事。だがまだ準備が必要なのです、近い内に相手をして差し上げましょう‥‥」
邪悪な笑みを残し、去っていくアルパ。覆面信者達が付き従う。
こうして悪は去り、採石場に束の間の平和が戻った。
ロックと人足達も採石場に戻り、温かいスープを振る舞ってくれる。
「わしのお気に入りの服と髭が台無しだ」
戦闘で焼け焦げてしまった部分を理美容で直すLC=アルフェール。仲間達も直して回っている。怪我の方は、クルスソード=レツィアの『リカバー』で回復だ。
「でもちょっと意外だ。残るは土の精霊魔法か? あの首領が使い手なんだろうが‥‥土ってイメージじゃなかったなぁ。あんなすぐ逃げる奴」
レイピア=ウォルが呟く。
「幹部連中が野郎ばっかでむさい集団だよな、あいつら。歌の題材にしにくいったらありゃしねえ。ま、悪役なんぞそれが相場なのかもしれんがね」
ジャベリン=ガインが笑う。
「ようやく狂信集団の教祖を追い詰めたんだな。また現れたら必ず呼ぶよ、ギルフォード戦隊ギルブレイダー!」
報告を聞いたロックが、そう約束する。
「今まで見てるだけ、こっちの戦力を冷静に分析してただろう奴が一体どんな攻撃をしてくるのか‥‥。でも俺達は例え相手がどんなに手強い敵だろうと負けはしない!」
夕日に誓うレイピア=ウォルであった。
ついに、狂信集団を追い詰めた。果たして、アルパ・衝撃の正体とは‥‥!?
頑張れ負けるなギルブレイダー!
ギルフォード戦隊に栄光あれ!